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2016年3月 6日 (日)

マツダのミニバン撤退-強みがあるから捨てる戦略がたてられる

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(次にくるのはこいつか。画像引用元clicccar

先日の日経新聞にてマツダのミニバン撤退が報じられました。ディーラーや既存顧客への配慮からか、マツダ自身からの正式発表は現時点ではありませんが、ひょっとしたらマツダには自身のリークによって、市場に対してミニバン撤退を徐々に認知させていく意図があるのかもしれません。

もしマツダのミニバン撤退が正式決定ならば、そこに昨今の業績好調に裏打ちされたマツダの強気と割り切りが見てとれます。

ミニバンはもっぱら日本でのみ売れているモデルですが、その日本では少子高齢化が進む中にあって自動車販売台数は今後大幅な伸長が望めません。そのためミニバンのトータル販売台数もまた頭打ちになる将来が待っていることでしょう。

そんな中にあって大・中・小サイズ、スタイリュシュ系、スポーティ系とどのクラスでもミニバンの競合は激しいです。またミニバンというモデルは差別化が難しく、各社ともほんのわずかな装備やデザイン、使い勝手の違いでもってライバルを出しぬこうとやっきですし、価格競争もまた熾烈になっています。

そんな差別化が難しく、たたき合いの市場からマツダは撤退を決めたわけです。そしてマツダが代わりにターゲットとして据えたのはSUVでした。

●SUVの魅力

ミニバンにくらべてSUVは同等の積載性を確保しつつボンネットの下、つまりエンジンコンパートメントとキャビンを区別することでデザインの自由度がはるかに高まります。

また走行性能についてもミニバンより優れたモデルを仕立てることができ、デザインの自由度と相まってスポーティなモデルに仕立てることが可能です。

なおボンネットが独立したデザインがかっこいい、SUVはスポーティであること等については過去記事を紹介致します。

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残るミニバンの利便性は何かというと多人数乗車です。しかし日本の平均乗車人数は平日で1.33人/台、休日で1.72人/台と2人未満の水準であることからわかるとおり、ミニバンが必要となる多人数乗車が恒常的に必要となる世帯は限られるでしょう。

参照記事
全国道路・街路交通情勢調査の流動量比較(国土交通省の統計・データより)

自動車を走らせる楽しみとデザインから所有欲をアピールできるSUVはマツダのブランドイメージにプラスになります。実際のところこれまでマツダはCX-5、CX-3のヒットで収益を伸ばしつつブランドイメージもまた高めてきました。

●強みがあるから捨てる戦略がたてられる

自動車の世界はいくらエレキが流行ろうとも内燃機関の役割は当面終わることはない。ならばマツダはガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの徹底的な効率の追求で内燃機関のチャンピオンを目指そうという不退転の決意を固めています。

それに加えて魅力的な統一デザインをうちたて、これを各モデルに展開、アピールしています。

エンジンとデザインの魅力を備えたモデルをラインナップする今のマツダ。トップメーカーのトヨタでさえこれを認めてマツダに秋波を送り、両社は提携を結ぶに至りました。

マツダはミニバンのマーケットについては上述の将来性や競合状況だけでなく、この強みがあるおかげで撤退を決断することができたのでしょう。

プレマシーやビアンテは他社でも作ることができますが、CX-5やアテンザ、ましてやロードスターなどは他社が追随するのは容易なことではありません。

また戦略とは、数ある戦場の中でどこを選ぶかということですが、裏を返せばどの戦場を捨てるかということでもあります。強みをもっているメーカーであれば、一方で大胆に捨てるところを選ぶこともまた可能です。

ところでマツダ以外のメーカーはどうでしょうか。

-捨ててはいけないものを捨てつつある日産
-何を捨てたらよいかわからないホンダ
-そもそも何も残っていない三菱
-何も捨てたくはないダイハツ
-捨てるものは最初から作らないスズキ
-捨てるものが見あたらないスバル
-そして、何を捨てても盤石なトヨタ

あえて詳細は省きますが、WATANKOが心配するメーカー順にあげてみました。

(あとがきにかえて)

マツダはかつてハイブリッドの自社開発を捨てました。そして今またミニバンから撤退します。その代わりに選んだ道、限られた将来に向かって突き進むためには、“一車入魂”ともいうべきモデルを今後も開発する必要があります。

マツダの今後の”一車入魂”のモデルに期待しています。

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コメント

個人的にはBMWのグランツアラーに対抗となりそうな、新型プレマシー(sky-d)期待していましたが、選択と集中の故出てこないでしょうね。

多人数乗りるミニバンは、アルファードやエルグランドのようなラグジュアリーか、走りは捨てて実用性重視のノアやセレナしか残らないという結論なのでしょうね。
(CX-9の国内販売がどうなるか)

話変わりますがディーゼルのNox排出量で、マツダは唯一実運用においても基準を満たす素晴らしいエンジンを開発しており、他メーカは厳しいかもしれませんが、しばらくマツダの優位性が保ちそうですね(ロータリーエンジンのように孤立する可能性もありそうですが、、)

ジャム親父さん

コメントありがとうございます。

プレミアム度が高いBMWならいざしらず、マツダがCセグメントのスポーティな(ミニ)ミニバンを出しても、ホンダ・フリード、トヨタ・シエンタと厳しい競合がまっているでしょう。

またご指摘のとおりLサイズのアルファード/ベルファイア、Mサイズのノア/ボク、セレナ、ステップワゴン以外は討ち死ですね。

>ディーゼルのNox排出量で、マツダは唯一実運用においても基準を満たす素晴らしいエンジンを開発

これですね。私も昼にWebのニュースで知りました。
http://response.jp/article/2016/03/04/270942.html

マツダの優位性ですが、強みを磨きつづけていかないと3年くらいで他社に追いつかれるでしょう。それくらい自動車業界の競争は熾烈です。

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