ロードスターRF、タルガトップを備えたクーペとして売り出そう
(マツダHPより)
先日、北米にてNDロードスターの追加モデルとして、ファストバック+電動格納ルーフを備えた「ロ―ドスターRF(リトラクタブル・ファストバック)」が発表されました。これがどうやら先代NCにあったRHT(リトラクタブル・ハードトップ)に代わるモデルのようです。
■RHTに代わるRF
1990年代中盤以降、メルセデスベンツSLKやプジョー206CCを代表例としてメタルトップのオープンモデルが流行始めました。
その中にあってロードスターにもメタルトップはないものかという声が当然あったでしょう。マーケティング面からみても現代オープンカーの代名詞ともいうべきロードスターにメタルトップ仕様が企画されてもおかしくはありませんでした。
そのような背景の下、先代NCロードスターに追加されたRHTは軽量・安価を旨とするロードスターにあってハードトップモデルとしてよくまとまっていました。
ルーフ部分を折りたたんで、すべてのパーツを車体内に格納する必要はない。たたんだルーフの一部はそのまま外装の一部を構成する。折りたたみ形式は単純な構造にすることでコスト、重量をおさえかつ開閉時間も短縮するというスグレモノでした。
さてNCからNDへとFMC(フルモデルチェンジ)された際にNDロードスターにRHTは追加発売されるのか。発売されるとしたらデザイン、仕様、重量増、価格はどうなるのかがファンの間で注目されていました。
それに対するマツダの回答はファストバックスタイルでルーフを電動格納するスタイルでした。
■RFになった事情
今回この形式を選んだ事情を推察してみます。
NDロードスターは先代比でホイールベースを短縮するためにそれまでの歴代モデルにあったシート後ろの余裕スペースを削っています。加えて実車を眺めるとよくわかりますが、幅広なフロントに比べてリアデザインはぎゅぎゅっと絞り込んだデザインになっています。
これらのことから推察するにパッケージ的にNCと同様のRHT機構をNDに仕込むことには無理があったのでしょう。
コストを相当かけてかつデザインを二の次にすれば可能であったかもしれませんが、へたをすれば幌モデルよりもかなり重くて格好悪いできそこないのRHTになってしまうおそれがあります。
そこでマツダが出した回答が今回のRF(リトラクタブル・ファストバック)でした。
つまりマツダは発想を変えてきました。ルーフ全てを格納することをあきらめ、流麗なファストバックモデルとして、そこにオープンエアドライブを味わえるようにトップルーフを電動格納する仕立てとしたわけです。
一方で断然クーペ党な自動車好きにとっては、ようやく食指が動くロードスターが現れたということになるでしょう。
■ロードスターFRの売り出し方
さてWATANKOがこのロードスターRFを売り出すなら「タルガトップを備えた流麗なファストバック・クーペ」として扱いたいとことです。
RHTはあくまで幌のオープンカーでは困るオーナーに代替えとして提供するモデル。あくまで幌モデルの亜流としての存在です。しかしRFはRHTと異なりロードスターのクーペ化を図り、そこにオープンドライブも併せ持つモデルというわけです。
そういえば先々代のNBのモデル末期の頃、ロードスターに限定モデルとしてクーペが追加されました。軽量・小型のFRスポーツカーというやつはオープンカーのみならずクーペモデルでも需要は見込めるでしょう。
トヨタを見てください。昨年の東京モーターショー参考出品した軽量スポーツカーのS-FRの市販化にかかっています。
一方でロードスターRFのWebでの紹介記事をいくつか眺めていると、いまのところそれらには本記事のように「タルガトップ」「クーペ」というキーワードはほとんどみられません。
たいていは「ファストバック」「ルーフが電動で格納」です。これではNCにあったRHTに対する、NDにおける代替え回答である印象が否めません。
これでは一歩間違うと「NDではルーフをすべて収納することができませんでしたので、これが妥協の産物です。」というイメージにとられかねません。
それではまるでロードスターRFが出来そこないのRHTになってしまいます。
むしろ根強い軽量・小型FRクーペのニーズに応えるためにクーペモデルを追加しました。しかもタルガトップでオープンドライブも堪能できますという文脈でマーケティングしていった方がよいでしょう。
そのためみはRFには幌モデルにはない付加価値が必要かもしれません。2リッターエンジンの搭載がその一つといえるでしょう。ボディの重量も増えることですし、2リッターエンジン搭載モデル投入の口実ができたかもしれません。
(あとがきにかえて)
NDロードスターが昨年6月に発売開始され、WATANKOは衝動買いしてしまいました。
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しかしその際には「RHT(リトラクタブル・ハードトップ)の発売を待ってからにすべきではないか?」という考えが頭をよぎりました。
結局はRHTよりも幌モデルの方が低重心、軽量、低価格であること、そしてNDロードスターの幌の仕上がりや開閉のしやすさを確認したところで、幌モデルで十分納得して購入に踏み切りました。
とはいえその後もNDロードスターにRHTが追加されるかどうか、その内容はどうなるかということについて注目はしていました。
結局NDロードスターのRHTがすばらしいデザインとともに追加投入されたらどうしようとも思っていましたが、ロードスターRFをみてこれは幌のフルオープンモデルとは違ったバリューだとわかりなんだかほっとしました。
WATANKO妻「待ちきれなかっただけでしょ。新しいロードスターが出た時、あなたパブロフの犬みたいに条件反射していたわよ。」
WATANKO「!!!」
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