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2016年6月19日 (日)

eMAXISシリーズ、信託報酬の引き下げに動くも「少なすぎる、遅すぎる」では誰も見向きません

Emaxis

昨年の投信コスト革命から距離を置いて静観していた、あるいは巻き返しの機会を虎視眈々と狙っていた?三菱UFJ国際投信(以下、三菱U国)が自社で商品展開するインデックス投信シリーズであるeMAXISについて、いよいよコスト競争力にかかわるテコ入れを始めました。

三菱UFJ国際投信株式会社
プレスリリース
『eMAXISシリーズ 』における“受益者還元型”信託報酬導入に関するお知らせ

上記リリースでは以下2つが発表されています。

1.既存のeMAXISシリーズについて、”受益者還元型”信託報酬率を導入すること。(ただし詳細は後日発表。)
2.新たに3つのファンドを設定し、1の新しい信託報酬率を先行採用すること。

■コスト競争にのってこなかったeMAIXSシリーズ

eMAXISシリーズのラインナップの信託報酬についてはこれまで国内一律0.4%、海外同0.6%(いずれも税抜)を基本としてきました。発売開始当時は特に新興国株式インデックス投信が0.6%ということで人気が出て、資金流入を伸ばしたものです。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも、新興国株式アセットクラスの商品としては、複数年に渡って一番得票しており、かつてはトップ10の常連でもありました。

その後、上述のとおりインデックス投信のコスト革命が進みますが、三菱U国はeMAXISシリーズについては、それ以前からもっぱら商品バリエーション展開を進めており、コスト引き下げについての目立った動きはみられませんでした。

■慎重なる”受益者還元型”信託報酬率

そこへ来てついに、今回の発表です。三菱U国もコスト引き下げにかかってきたわけです。しかし発表された内容を見るといかにも三菱らしい?慎重なスタンスが伝わってきます。

「導入の具体的な時期および内容など詳細は、準備が整い次第、お知らせする。ただし新しい”受益者還元型”信託報酬率を採用した3ファンドを新規設定する。」

つまりは新商品にて先ず採用して、その売れ行きを見てから決める(変更もありえる)ということでしょうか。なんともまあ石橋を叩いて渡る感が漂ってきます。

しかし今回の”受益者還元型”信託報酬率は、果たしてこれで2016年の現在においてコスト競争力をどれだけ発揮できるのか懐疑的であります。

今回新規設定された3ファンドに対して採用されている新しい信託報酬率をみると

純資産が500億円~1,000億円の部分は信託報酬が0.02%
同じく1,000億円超の部分は0.04%

を引き下げる格好となっています。

桁がひとつ少なくありませんか?なんともシブチン、いや慎重な条件ではありませんか。

500億円以上の分に対してやっと0.02%、1,000億円以上の分に対してさらにやっと0.02%という程度であり、決して大幅減な水準ではありません。

しかも実現時期ものんびりとしています。例えばeMAXISシリーズで現在、純資産が一番多額なのは先進国株式で312億円です。この投信の直近6ヶ月の資金流入額の平均は6億円、500億円に到達するまで単純計算であと32ヶ月、3年近く、1,000億円には115ヶ月、10年近くかかります。

10年後といったらWATANKOの資産運用は終盤です。

実際には基準価額の変動がありますからこれら期間よりも長いあるいは短いとなるでしょう。しかもそうやって純資産が規定に到達したとしても適用されるのは先ほど述べた水準です。

こうみると今回の”受益者還元型”信託報酬率は減額幅が少なく、その実現時期も遅くなる引き下げと言わざるを得ません。

■3ファンドへの先行採用で市場の感度がわかるのか

三菱U国が唱える”受益者還元型”信託報酬率はなんとも慎重な条件がついていますが、加えてもうひとつ疑問があります。

おそらくは今回新規3ファンドにこの新しい信託報酬率を適用して、市場の反応をみようという意図があったのではないかと推察します。

しかし3ファンドは

豪州債券インデックス
先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)
新興国債券インデックス(為替ヘッジあり)

といずれもインデックスとしては決してメジャーな部類とはいえません。これでは販売が伸びなかった場合、新しい信託報酬率が市場のニーズに対して不十分なのか、それともマイナーカテゴリーゆえに伸びかったのか、どう判別つけるつもりなのでしょうか。

この3ファンドの販売が伸びなかった場合、果たしてそれをどう分析し、今後の既存商品の信託報酬の今後改定にどう反映していくのでしょうか。

■今や求められる信託報酬の引き下げレベル

インデックス投信のコスト競争において、伝統四資産であれば今や信託報酬0.2%の水準にまで引き下がっています。この水準を踏まえてWATANKOが三菱U国に逆提案するとなれば、以下くらいです。

(1)引き下げ対象額を200億円超分へと引き下げる。
(2)減額幅は国内なら0.2%、海外なら0.3%。
(3)300億円超分は上記からそれぞれさらに0.05%引下げる。

これですと純資産が既に200億円に達している商品もいくつかありますし、300億円到達もそう先の話でもなさそうです。

上記くらいの引き下げ内容を提示しないと、eMAXISシリーズは現在の投信コスト競争にはとても入り込めないでしょう。もしも先行3商品と同じ”受益者還元型”信託報酬率をそのまま既存商品に採用しても、個人投資家には見向きもされないのではないでしょうか。

三菱U国は、他社との競争に全くついていけないポーズだけのコスト引き下げを行い、果たしてそれで十分だと考えているのか....。

■どこか売り手中心な香りがするマーケティング

厳しいことを書いたかもしれませんが、以上がプレスリリースから読み取れた市井の個人投資家の意見です。

最後にもうひとつ。

今回の”受益者還元型”信託報酬率、つまりは純資産の増加に対する信託報酬の減額については、「三菱」らしい殿様商売をどこか感じてしまいます。

小売業などでは値下げをして(単価を下げて)、売り上げを伸ばして必要な利益総額を確保するという視点が一般的です。つまりは「先ず値下げします。だから買ってみてください。」さらに「もっと買ってくれる人にはもっと値下げします。」です。

これに対して三菱U国の今回の見直しの根底にある発想は「たくさん買ってくれたなら値下げします。」です。まず我々が必要利益を確保できたら、その一部を還元しますというわけです。売れなかったら還元はしませんし、そこには結果が伴わない(販売が伸びない)ただの値下げに終わるというリスクはありません。

確かに競合他社との金額たたき合いを避ける姿勢にはマーケティングとしての合理性はあります。しかし今回の信託報酬引き下げには、どこか売り手中心の考え方が透けてみえるのです。

■まとめ

三菱U国の今回の信託報酬の引き下げについては、まだ全てが明らかにはなってはいませんが、今回判明した通りの線で行くならば、その内容は慎重であり、個人投資家の反応も鈍いままと言わざるをえないでしょう。

今回の”受益者還元型”信託報酬率は減額幅が少なく、その実現時期も遅くなる引き下げです。まるで以前どこかの国の政策が語られる時に使われたフレーズである「少なすぎる、遅すぎる(Too Small,Too Late)」と同じであります。

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