先進国株式インデックスファンドのシェア@2016
積み立て投資を行っている個人投資家の中には、日頃、自分が積み立てている投信がマーケットでどれくらい売れているのか、どれくらいシェアがあるのかについて、興味を持つ人が少なからずいてもおかしくありません。WATANKOもそんなひとりです。
そこでインデックス投信のシェアを比較してみました。
取り上げるアセットクラスは代表的かつ同等商品が多くて、比較し甲斐がありそうな先進国株式とします。
この比較は過去2010年、2014年と行ってきています。
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先進国株式インデックスファンドのシェア@2014
さて特に2年前の2014年と比較すると現在のシェアははたしてどうなっているでしょうか。
<集計条件>
1)データソースは投信まとなび。
2)MSCI-KOKUSAIに連動するファンド(一部除く)を対象とする。
3)DC専用、ラップ口座用、為替ヘッジありは対象外とする。
4)純資産は2016年6月末現在。
上記の条件に適合するファンドを純資産が大きい順に22本を抽出して比較しました。(金額単位は億円。以降同じです。)
■純資産
1-2フィニッシュを飾ったのはお馴染みSMT グローバル株式インデックス・オープン(以下SMT)とeMAXIS 先進国株式インデックス(以下eMAXIS)です。両商品ともローコストなインデックス投信の草分け的存在であり、いまだにその先駆者利益(純資産)は大きいです。
しかしながら特筆すべきはその次の3位に<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(以下ニッセイ)がつけていることです。純資産は2年前の33億から急伸しました。
いわずもがなですが信託報酬において、SMT、eMAXISを下回る水準を設定したことが主因でしょう。
その一方で、
▼ステート・ストリート外国株式インデックス・オープン
▼インデックスファンド海外株式(ヘッジなし) <旧年金積立>
▼外国株式インデックスファンド <旧中央三井>
▼PRU海外株式マーケット・パフォーマー
といった老舗インデック投信は純資産を減らしています。
特にPRU海外株式マーケット・パフォーマーは、後発組の中でも純資産の伸びが緩慢な野村インデックスファンド・外国株式(Funds-i)やEXE-i 先進国株式ファンド等にすらも抜かれ、かつ30億円を切ってしまいました。
さらにシェアを円グラフで表してみました。上位3位の投信で全体の過半を占めています。(ETFは青字です。以降同じ。)
■資金流出入額
純資産だけでは只今現在売れているファンドが分かりにくいので、次に直近6ヶ月の平均月次資金流出入額を比較しました。
ここでは2年前には3位であったニッセイが、今回はSMTとeMAXIS を抜いてトップとなっています。
またニッセイに続けといわんばかりに、たわらノーロード 先進国株式(以下たわら)が今回初登場で3位につけています。
その一方で、SMTの落ち込みが目立ちます。幅広い販売チャネルを展開しているにもかかわらずこの状態であるとは、どのへんの購入客層の資金が流出しているのでしょうか。(ネット証券?)
またインデックス投信の中ではSMT、eMAXISに続いて良くも悪くも万年3位であった外国株式インデックスeもランクダウンです。
ネット証券専売商品なのですから、もっと思い切った信託報酬の引き下げを行ってもよさそうなものですが、同じ社内にSMTがあり、そこの顧客を喰ってしまうことでも心配しているのでしょうか。
そんな心配をしている間にニッセイやたわらにインデックスeもSMTもどんどん喰われ続けてしまうでしょう。
なおここでもシェアを円グラフで表してみました。ニッセイ、eMAXIS、たわら、SMTの4つでシェア8割近くを占めています。
2年前と比べて
In ニッセイ、たわら
Out インデックスe
といったところでしょうか。あとはSMTが今後どれだけ踏みとどまれるか。
以上が先進国株式インデックスファンドの商品シェアの現状です。
(つづく)
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