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2016年8月31日 (水)

現実的なスーパーカー選択肢 ポルシェ911 Type997とフェラーリ360モデナ

自動車業界では夏場の間は国内外のメーカーが休みを取るので新しい発表や動きは乏しいです。そうなると自動車雑誌は夏はエキゾチックなスーパーカーの特集を組んだりしてしのぐことがあります。国産車中心の雑誌なら大昔は「困ったときのスカイライン特集」でありました。若者受けしそうなスーパースポーツカーなら夏にもピッタリです。

妻ミサト「それって昭和のセンスよ。いまや車好きな若者がときめくのはヴェルファイアはじめ豪華ミニバン、田舎ならカスタムVIPカーね。」

・・・いや、そんな横やりにもめげずに続けます。

さて当ブログでも去りゆく夏のために、ここはひとつスーパーカー記事を一発いってみましょう。

■スーパーカー、新車は遠くになりにけり。そこで中古車狙い

スーパーカーのお値段は、平成の世に変わった頃は新車価格で10百万円、上級グレードでも15百万円あたりでありました。オプションをてんこ盛りすればあっという間に1.5倍くらいになりますが、素の状態に近ければそんなものです。

それが21世紀に入ってからはぐんぐんと上昇し、いまや15百万円近くを下限として20百万~30百万円あたりがボリュームゾーンです。代表例は以下のとおり。

●ポルシェ911新車価格(最廉価グレード) 
1990年 Type964 10,350千円
2016年 Type991 13,091千円

●フェラーリV8ミッドシップ 新車価格
1900年 348tb   16,500千円
2016年 488GTB  30,070千円

そうそうNSXなんて23,700千円もします。そういえばどこかのブログで「新型NSXに23,000千円を支払えるのか」という記事を見かけたことがあります。

ここまで値段が上がってくるとなると新車に手を出すのは相当な資金が必要です。

そこでもっとお求めやすいモデルはないのかとなると、中古車に目が向きます。

長年スーパーカーに関心ある紳士であればそれぞれの歴代モデルの善し悪し、評判、人気度はご存知かと思います。

WATANKOもまたそんな一人です。そこで僭越ながら比較的お求めやすくて定評ある中古スーパーカーを紹介します。

■ポルシェ911ならType964

モデルとしては一般の方々に認知度が比較的高いポルシェ911とフェラーリのV8ミッドシップモデルを取り上げましょう。

まずはポルシェ911。空冷エンジン時代のモデルはビンテージ化して個体の購入費用、メンテ費用ともに嵩みます。そこでここはエンジンが水冷化した1997年式以降が相場価格もこなれており、メンテ費用も現代的でいい感じです。

でも水冷化の初代モデルであるType996は涙目フロントライトと内装が気に入らないという人は多くありませんか。そこで次世代のType997がおすすめです。

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NAモデルなら現在の相場は4,000~8,000千円。最新の3シリーズやCクラスと同等の予算で、911を手に入れる満足感は大きいでしょう。

WATANKOならオプションは気にせず、ホワイトカラーあたりのモデルを「所詮ワーゲンですよ。」といわんばかりにカジュアルに乗りこなしたいです。911自体はとんがったグレードでなければ扱いやすいでしょう。よくできたスポーツカーはよくできた乗用車でもあります。

ここで注意したいのは、「どうせならPDK搭載した後期型がいい。」「やっぱりターボに乗りたい。」とつい欲がでるのを抑えることです。同じType997でも高年式になれば現行モデルとの価格差はかなり縮まります。またターボなどハイグレードなモデルは価格だけでなくメンテ費用もよりかかる場合があります。ここは中古価格がこなれてお得な前期型のティプトロモデルを選び、しれっと乗りこなすのがよいかと。

■フェラーリV8ミッドシップなら360モデナ


お次はフェラーリのV8ミッドシップです。こいつはズバリ、360モデナでしょう。

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現代のV8フェラーリの礎ともいえるディメンション。後年モデルに較べて機械的には未成熟な面は否めませんが、だいたいフェラーリにドイツ車的な作りの良さや信頼性は望むべくもありません。

現在の相場は8,000~12,000千円とフェラーリとしてはお求めやすいお値段。このあたりの価格帯はまともな中古フェラーリとしては下限ではないでしょうか。

WATANKOならば色はクーペならイエローです。スーパーカーはイエローがよく似合います。なおちょっと値段が張りますがオープンモデルの360スパイダーならグリジオアロイという水色パールがエレガントでおすすめです。

なお冷静に考えるとこの予算であれば新車のジャガーFーTypeやコルベットが手に入りますので、ここは好みがわかれるところです。15年落ちのイタリアンか新車のアングロサクソンか。

■まとめ

以上ポルシェ、フェラーリの現実的な選択肢をそれぞれ紹介してみました。それぞれが費用対満足度のバランスがとれているお勧めモデルです。

ところでなかには「お金もないのにスーパーカーを欲しがって、国産車ならとっくに市場価格がつかないような低年式モデルに手を出すなんで貧乏くさい」と言う人もいます。

それは半分あたりですが、一方で中古車は現在の自動車法規に照らすと製造できない古き良き当時のスペックとデザインを備えているという魅力があります。

例えば昔のモデルは現代よりも機能・装備がシンプルであった結果、車両重量が軽く仕上がっていました。またリトラクタブルライトを代表例として先鋭的なデザインのモデルもありました。

例えば医師などでもっと高い新車が買えるのに、空冷911であるType993やフェラーリF355あたりを大事に所有している...なんてオーナー紹介記事を時折見かけます。

コモディティな量販車と異なり、スーパースポーツカーは年代ごとの魅了がそれぞれあり、それはそれなりに選ぶ理由として成立しえます。

さて将来ですが、WATANKOがスーパーカーを手に入れると想定されるおよそ12年後には、どんなお値打ちモデルがあるのか。今の新車は価格帯が高いため、中古で流通しても現在のType997や360モデナのように値頃感があるかどうかちょっと心配です。

妻ミサト「10年以上先の心配してもらうのは中古車市場ではなくて、とある夫婦の円満関係でなくって?」

WATANKO「!!!」


(あとがきにかえて)

最後に蛇足ながら今回紹介の2車よりもさらにお値打ちなモデルとして、ポルシェ・ケイマンをあげておきます。2車の中間の予算で本格的なのミッドシップ・モデルかつ信頼性抜群のドイツ製の新車が買えます。これがなんといてもお買い得。

「それを言っちゃあお終いよ」かもしれませんが。

関連記事
冷静に考えると選ぶべきはポルシェ・ケイマン

2016年8月29日 (月)

iFreeシリーズ登場、後発だけあってよく考えられたラインナップです

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(大和が本気出してきた!?)

大和証券投資信託委託(以下、大和)から低コストなインデックス投信シリーズが12本新規設定されます。プレスリリースは次のとおりです。

大和証券投資信託委託株式会社 プレスリリース
新しいインデックスファンド・シリーズ「iFree」のお知らせ

iFreeシリーズ(以下、iFree)は日本・先進国・新興国の株式、債券及びREIT、それにそれらを組み合わせたバランスファンドの合計12本により構成されています。それぞれの信託報酬は次のとおりです。(上記プレスリリースより抜粋)

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これまで多くの運用会社がインデックス投信シリーズを先行して展開している中、大和は後発組なだけあって、iFreeはコストをよく考えられた商品ラインナップになっています。

その概要については既にいくつかの個人投資家ブログにて紹介されていますので、代表的な記事を紹介します。

紹介記事
バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く
大和証券投資信託委託が超低コストインデックスファンド「iFree」シリーズ12本を設定

上記の記事でも指摘されていますが、iFreeは12本中6本にて、他社の従来商品よりも低い信託報酬を設定しています。

とくにTOPIX連動商品は最安値を更新しただけでなく、日経225連動商品と同一の安値になりました。昨今の他の低コストなインデックス投信の中にあってTOPIX連動商品は投資対象銘柄が多いせいか、日経225連動商品にくらべてちょっぴりだけ高かったのですが、それもなくなっています。

他にも日本債券の商品は国債の利回りの水準にあわせて2段階の信託報酬を設定することで最安値を更新したり、新興国株式の商品は信託報酬の削減を優先して、従来とは異なるベンチマークを採用したりとなかなかに工夫をこらして頑張っています。

紹介記事
The Arts and Investment Studies
超低コストインデックスファンド「iFree」が登場―他社も見習って欲しい国内債券ファンドの信託報酬の仕組み

インデックス投資日記@川崎
FTSE RAFIエマージング インデックスの中身 国別構成比率や過去のリターンを確認

また忘れてはいけないのが先進国の株式・債券がしっかりと引き下がったことです。とくに先進国債券クラスの信託報酬が0.19%(税抜)となれば、WATANKOはBNDへの投下資金をこちらに乗せ換えようかと一度頭をよぎったくらいです。

おっと8資産均等のバランスファンドも忘れてはいけません。信託報酬0.23%(税抜)と従来の他社商品に比べれば超絶な安さです。特にeMAXISの8資産均等を運用商品のメインに据えている個人投資家であればチェック不可欠な商品です。

なおネーミングについて、大和のプレスリリースによると以下のとおりです。

当シリーズは「投資、もっと⾃由に」をコンセプトに、投資者の皆さま(investors)が⾃由(Free)に選べるファンドシリーズであること、購⼊・換⾦時の⼿数料が無料※(Free)でインターネット (internet)でもご購⼊いただけることから「iFree」と名づけました。

なるほど購入・換金時の手数料が無料だけでなく、信託報酬すらもFree(無料)に近い水準であります。名は体を表している良いネーミングです。

■ニッセイ、たわらに追いつけるか

大和のiFreeは冒頭述べたとおり後発だけあって各商品とも十分に競争力ある低コストに仕上がっています。しかし一方で後発がゆえに先駆者のシェアをこれから喰っていくには時間がかかることでしょう。

SMTやeMAXISからならともかく、投信のローコスト革命にてインデックス投信の中心に躍り出たニッセイやたわらからiFreeは個人投資家の積み立て投資資金をどれだけ引き寄せることができるのか。その道のりは長いかもしれません。とくにニッセイの勢いは力強いです。

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(続)先進国株式インデックスファンドのシェア2016

■WATANKOは慌てない

ではWATANKOはどうするか。

★決算期をまって実質コストを確認する。
★純資産が一定水準まで積み上がるのを待つ。
★トラッキングエラーをチェックする。

新しいインデックス投信が設定された時、これら定石を考えることは当然なのですが、昨今のインデックス投信をめぐる各社の動向を踏まえると、iFreeその他の低コスト商品と競合する新商品がまだ出てくる可能性が期待できます。

半年や1年後にはもっと低コストな商品がでてくる、あるいは既存の商品のコスト見直しが行われるといった展開は否定できません。

iFreeは一定のシェアを獲得する前に、大和がそうしたように、さらなる低コスト商品を発売する後発の追撃を受けるかもしれません。iFreeは信託報酬の最安値の座を何年、いや何か月キープできるでしょうか。

したがいWATANKOは慌てずに従来商品並びにここ数年で運用開始された新商品の定石チェックをしつつ、趨勢がある程度見えてくるまで、積み立て商品の切り替えは現行のままとする方向でいきます。ホイホイと積み立て商品の切り替えを頻発させて保有商品をいたずらに増やしくはないですからね。

(あとがきにかえて)

WATANKOは「低コストのインデックス投信シリーズはそろそろもう打ち止めだろう。」などと勝手に考えていましたが、どっこいまた購入検討に値する新商品が出てきました。これには確定拠出年金制度の見直しやNISAの拡充等も背景にあるのやもしれません。

今やほぼすべてのアセットクラスで信託報酬が0.2%~0.3%という低廉な商品が揃っています。

まさに“インデックス投資GO”であります。

妻ミサト「イマドキの言葉で締めたわね...。」

2016年8月28日 (日)

(続)あなたは新型NSXに23,000千円支払えるか

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先日発表された新型NSXについて、前回、写真や現在公開された情報をもとにしたWATANKOのインプレッションを書きました。その続きとして新型NSXの値付け23,700千円について取り上げます。

■フェラーリとの価格比較

新型NSXの開発にあたっては当然のことながら競合他車と比較・研究されており、マーケティング面からみた値付けもまた同様です。とくにNSXは昔も今もフェラーリのミッドシップモデルを意識しています。ともに「マルチシリンダーエンジンをミッドシップに積んだ中量級スーパーカー」というキャラクターですから当然でしょう。

そこでNSXとフェラーリ、それにメジャーなポルシェ911、日本のもう一方のスーパースポーツの雄である日産GT-Rと新車価格を比べてみます。

まず初代NSXが発売開始された1991年前後の頃の新車価格です。

●フェラーリ348          16,500千円
●初代NSX              8,000千円
●ポルシェ911ターボ(Type964)16,500千円
●日産GT-R(R32)        4,450千円

次に上記の後継モデルの新車価格です。

●フェラーリ488GTB       30,700千円
●新型NSX             23,700千円
●ポルシェ911ターボS      25,990千円
●日産GT-R       9,961~18,700千円

25年を隔ててNSXとフェラーリの新車価格を比較すると、初代NSXは当時のフェラーリの半値でしたが、新型NSXはフェラーリの77%の価格にまで相対的に上昇しています。

趣味の車に20,000千円を超える金額を突っ込める紳士であれば、新型NSXを検討する場合、あと追い金7,000千円で買えるフェラーリも検討するでしょう。馬力でも488は670psと新型NSX(580ps)を90psも上回りますので、ブランドイメージも含めて相対的な割高感はありません。

なおポルシェ911ターボSならば新型NSX性能と同等の馬力と新車価格ですが、ブランド的にはNSXに優位に立っているとみてもよいでしょう。

また日産GT-Rと比べるとその価格差は大きいです。これは新型NSXが相当に割高なのか、それともGT-Rが依然として破格の安さなのか。

ここにあげたモデル以外にもランボルギーニウラカン(四駆29,700千円、二駆なら24,620千円)マクラーレン570GT(27,527千円)などが競合車としてあがってくるでしょう。

競合車の価格と内容のバランスに対して、新型NSXがそれに見合っているのかどうか、部外者のWATANKOにはわかりませんが、一方で有名ブランドのバックのように、ホンダがこの値付けによってNSXのブランド価値を高めようとしている意図はみてとれます。

ホンダはあと5,000千円、いやひょっとしたら10,000千円安く新型NSXを売ることができるかもしれません。しかしそうしたところで現在の景況や数多ある競合車の存在を踏まえれば、二桁にとどまりそうな新型NSXの月販台数が大きく伸びるわけでもないでしょう。

それよりもどうせ台数が出ないモデルならば高い値付けでもってブランドイメージを高め、ステップワゴンやフリードの販売台数増に少しでも寄与させる方がましかとも考えます。

■まとめ

それにしても新型NSXのデザインは本当に残念です。中味は最先端のハイブリッドシステムと駆動制御システムを備えており、ここは日本の自動車メーカー屈指の売りポイントなのですがそれを包むアウターがどうにも習作めいています。

このデザインだけでもう新型NSXに23,000千円を投じる気にはなれません。

自動車はたとえその機械的な中身、性能が時代遅れになろうとも、そのデザインが素晴らしければ年月を経ても光り輝き、自動車好きの購買欲を掻きたてます。

その代表格が新型NSXが一番のライバルとみているフェラーリでしょう。そうならばホンダは新型NSXのデザインをもっと磨くべきでした。時間は十二分にあったはずなのに。

せめてマクラーレンがMP4-12Cの発表後、2年程度で650Sへとそのスキンを大きく変えたように、新型NSXもまたビッグマイナーチェンジでせめてフロントマスクの刷新だけも実行してくれれば期待が持てます。

その際にはデザインをピニンファリーナに発注するとか。

あれ、そうなるとまんまフェラーリになってしまうか。

2016年8月27日 (土)

あなたは新型NSXに23,000千円支払えるか

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(ついに発表されました。)

アキュラNSXもといホンダNSXが実に26年ぶりにFMCしました。

前モデルである初代NSXが2005年に生産終了となってから11年もたってようやくのニューモデルです。そこで今回は写真や現在公開された情報をもとにしたWATANKOの新型NSXインプレッションです。


■アメリカンNSX

大雑把に言うと日本車の生産台数の半分は日本の外で売られます。それがスポーツカーとなると外の分はもっと増えます。極端に言えば日本製スポーツカーを求める日本の顧客は北米のおこぼれにあずかるといっても過言ではありません。

今回のNSXにかかわる情報は数年前から色々と伝わってきていました。それによると新しいNSXは北米ホンダを中心に開発・生産されるとのこと。つまりはアメリカンNSXです。(今回の日本での正式発表時では日本市場を意識して”日米合作”と謳われていますが。)

WATNKOは以前それを聞いただけで「抑揚が大きなエクステリアデザイン」「V8以上のマルチシリンダー」「ハンドリング性能よりもGT(グランツーリスモ)カーとして資質を重視」「排気量や性能の割には割安な価格」というよくあるアメ車のキャラクターが新しいNSXに反映されるのかとちょっぴり残念に思いました。

もちろんながら商品は顧客のニーズにあわせて作られるべきであり、北米を中心に新型NSXが売られるのであれば、北米の顧客ニーズに合わせて作られるのは当然の展開です。

例えば全幅を1,940mmまで拡大させたところが上記を象徴しています。

新型NSXはホンダがつくる以上、和魂洋才なスポーツカーであってほしかったですが、実際には“洋魂和才”へと変貌を遂げたようです。

関連記事
ホンダNSX、ではなくてアキュラNSX発表

■パワートレイン

新型NSXの動力源は縦置き3.5リッターツインターボエンジン+リアモーター+フロント2モーターのハイブリッドでシステムであり、最高出力580馬力です。これを9速DCTで駆動させるというホンダとして現状最上のパワートレーンになっています。

初代と同じくレジェンドのパワートレーンを改良したものですが、初代がレジェンド同様横置きエンジンでお茶を濁していたところに対して、新型は縦置きに刷新しました。エンジン形式はV6だから全長への影響も少なくでGoodです。

このパワートレーンに関しては日本のホンダの関与が一番大きかったでしょう。エンジン屋のホンダとしてはここだけは譲れなかったか。

■残念なデザイン

WATANKOが思うに新型NSXの残念なところは2つあり、その1つはデザインです。

まず新型NSXはミッドシップモデルのデザインのお作法をきっちりとおさえています。(初代で批判を浴びた長いリアオーバーハングについては、新型では短くなっています。)

しかしながらディテールがやや五月蠅すぎます。同じミッドシップ・スポーツカーのアウディR8と較べて見てください。

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新型NSXは万人受けをねらった結果、フロントグリル周りのキャラクターラインが煩雑です。習作デッサンに描き込まれた複数のラインをそのまま採用してしまったかのように未整理です。

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また初代との関連性を打ち出す意図があれば、グリルレスを採用しても良かったのではないでしょうか。

一方のリアもやはり無難系。テールランプには新味はありませんし、バンパーの両脇のアウトレットもなんだか現行フィットを思い出してしまいました。

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以下はフィットのリアデザインです。

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インテリアもこれまた残念です。これではレジェンドやアコードと同じではないですか。20,000千円を越えるモデルのインテリアとしては物足りないです。

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ここに触ってみたい、ひねってみたいスイッチがどれだけ並んでいますでしょうか。

■スポーツカーと呼べるのか

接頭語に「スーパー」がつくか否かはともかく、新型NSXはスポーツカーと呼べるモデルでしょうか。ホイールベース/トレッドの比率は1.61とまずまずです。(通常1.65~1.7未満だと旋回性にすぐれ、スポーツカーらしいハンドリングが期待できます。)

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しかし車両重量が1,780kgもあり、これが新型NSXのもうひとつの残念なところです。

初代NSXはオールアルミボディによって実現させた1,300kg代の軽量ボディを売りにしていましたが、新型NSXの紹介記事ではどこにも軽量化についてはほとんど謳われてはいません。

ツインターボやハイブリッドシステムにより車両重量が嵩むのは仕方がないところですが、そうであればなおさらのこと他のボディ部分で軽量化を追求してほしかったです。あと200kg軽ければ、どれほど運動性能がUPしたことか。

関連記事
車両重量が重い車は、今やほとんど買うに値しません

「いまや技術面ではハイブリッド採用は不可避なので車両重量の増加は避けられない。日産GT-Rだって1,760kgのボディを570馬力でねじ伏せて走るように仕立てているではないか。」とホンダは主張するかもしれません。

しかしやはりこの車両重量ではスポーツカーというよりもやはりGT(グランツーリスモ)カーという性格が似つかわしくなってきます。

(つづく)

2016年8月26日 (金)

配当貴族インデックス・オープンに死角はないのか

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(高配当バンザイ、だけでOK?)


8月の産業界はなべて夏休みに入り、Facebookは企業戦士達の休暇の満喫ぶりであふれかえるものですが、投信の運用会社におかれましては夏の暑さにめげずに新商品を設定していただいております。

そのひとつとして、SMTシリーズの新商品が2つ、8月30日に設定されるそうです。

●SMT日本株配当貴族インデックス・オープン
ベンチマーク:S&P/JPX配当貴族指数
信託報酬:0.42%(税抜)

●SMT米国株配当貴族インデックス・オープン
ベンチマーク:S&P500配当貴族指数
信託報酬:0.55%(税抜)

すでに多くの著名インデックス投資ブログにて紹介されておりますので、商品の概要についてとりあげたブログ記事を紹介させていただきます。

参照記事
インデックス投資日記@川崎
SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン、SMT 米国株配当貴族インデックス・オープンが新登場

■コストではなくリターンで勝負

昨年の投信のローコスト革命に関して、もはや老舗ともいうべき元祖ローコスト投信ではあるSMTシリーズは、信託報酬を引き下げた他社の新商品に対して、これに追随したコスト競争を展開するのではなく、ローコスト革命以前同様、投資対象のバリエーションを広げる新商品を投入し続けてきました。

今回も同様に新たに2つのスマート・インデックスを採用した新商品です。インデックスブロガーの皆さんの間でも今回の新商品はなかなかに好反応なようです。

インカムゲイン(配当)が大きい銘柄に絞り込み、分散効果がなんとか期待できそうな銘柄数(40~50銘柄)に分散投資する。信託報酬はひと昔まえの水準にほぼ近い水準であり、アクティブ投信に比べれば十分に低い水準です。

「インカムゲインが大きい」+「十分にローコスト」のコンボにより、これらの新商品のトータルリターンは市場全体のインデックスに連動した従来商品よりも良さげというわけです。

■死角はないのか

これら新商品は通常のインデックスファンドよりも優れているところばかりであり、劣後するところがないならば従来のインデックスファンドに投資を続ける理由が希薄になります。

もしもインデックス投資家の皆さんの多くが、これら新商品の優位性を認めているのだとしたら、積み立て投資先の商品は、もう従来のTOPIX連動、MSCI-KOKUSAI連動のインデックスファンドへの積み立て投資はやめて、これら新商品に全面的に乗り換えるでしょうか。ニッセイよ、たわらよ、さようなら、でしょうか?

それとも、もしもこれら新商品には、ほとんどの人がまだ指摘していない何か死角(懸念点)があるのでしょうか。

今回の新商品の優れているところはよくわかりましたが、一方で死角を指摘する声はどこからも聞こえてきません。

これについて例えばWATANKOが思い浮かべたQ&Aは次のとおりです。

▼「投資先が50銘柄と少ない。」
⇒特定銘柄の変動に左右されないための一定の分散効果を得るには十分な銘柄数である。

▼「過去の実績で高配当を出した企業が、将来も同様に高配当を続けられるとは限らない。」
⇒同様に市場全体を構成する全銘柄に対しても、従来の配当を将来にわたって維持し続けられるかどうかわからず、高配当銘柄に限った話ではない。

あとは何でしょうか。高配当と株価のボラティリティの大きさに正の相関でも認められるならば「ハイリスク・ハイリターン」商品と位置付けされるかもしれませんが、そのような話はWATANKOは聞いた事がありません。(もしどなたかご存知であれば、ご指摘いただきたくお願い致します。)

運用商品について、配当貴族インデックス・オープンに乗り換えようとする個人投資家におかれましては、上記の問いに対して自身の見解をお持ちなのでしょうか。

(あとがきにかえて)

アクティブ投信は特定の銘柄に投資先を絞るわけですから、そこにはメリットだけでなくデメリットもまた大抵つきまとうものだと考えます。

スマート・インデックス連動も同様であり、いいところばかりでなく懸念される点もしっかり理解したうえで購入の可否を判断したいと考える万年素人個人投資家は単なる投資チキンなのでしょうか。

2016年8月23日 (火)

1306&1308の収益分配金が入金 2016

WATANKOが保有している国内ETFのTOPIX連動型上場投資信託(1306)と上場インデックスファンドTOPIX(1308)から、今年もまた“残暑お見舞い”の収益分配金の入金がありました。過去の履歴も含めて以下のとおりです。

Notes)
*金額単位は円です。
*収益率をみるときには本来、分配金を除する分母には当期の平均評価額を用いるべきなのかもれしれませんが、最終的には投入した元本に対してなんぼ儲かったのかということが現実の評価となるため、ここでは購入額を分母としております。

201608231

201608232

2つのETFはともに、1株あたりの収益分配金がここ数年はアベノミクスと円安でじわじわと上昇していました。今期も同様に収益分配金は昨年から上昇しています。

この収益分配金ですが、年1回の払い出しというと、

「待ちに待った分配金なので楽しみだ。今年はいくらになるだろうか。」

と待望する人もいれば、

「・・・ああ、出たのね。分配金。忘れるところでした。まだ使わないから再投資しよう。以上」

と関心が薄く半ば忘却、淡々と再投資にまわす人もいるでしょう。

WATANKOは後者です。

やはりここは普通分配金が確実に出たこと、それが昨年よりも増えたことを確認して、喜びを噛み締めるべきでしょうか。どうも8年以上も積み立てインデックス投資をやっていると自分がどんどん鈍感になってくるのがわかります。

でもそれもひょっとして長期投資を続けるために必要なメンタリティのひとつかもしれませんね。


ともかくもWATANKOは今年もまた分配金を原資として、同じ日本株式アセットのニッセイ日経225インデックスファンドを購入します。

なお資産運用中に手にする分配金(含む配当金)に対するWATANKOの基本的な考え方は次のとおりであります。

関連記事

毎月分配型投信-お仕着せの分配金のどこが合理的なのか(2015/12/28)

配当金はほんの一部、そしてかりそめのリターンにすぎません(2016/6/14)

(あとがきにかえて)

この分配金(配当金)ですが、個別株から得たものであればもっとウキウキできるものなのでしょうか。自分が選んだ銘柄で1株あたり多額の配当金が出たならば、もっとうれしく思うのでしょうか。また減配・無配となった場合には怒りの矛先はへなくそな経営を行った投資先企業のマネジメントか、あるいはそんな企業を選んだ自分自身なのでしょうか。

1306&1308はTOPIX連動なので、収益分配金もTOPIXに該当する会社の総和です。そこには減配、無配の会社、もともと低配当の会社なども含まれています。やはりこれらをのぞいた会社だけで構成されたインデックスに連動する商品に投資するとよいのか。

というわけで高配当の投資先だけに投資するファンドが望まれるのも当然かもしれません。

そこで次回はSMTの新商品「配当貴族インデックス・オープン」を取り上げてみます。

2016年8月21日 (日)

NISAに長期積立枠の創設が検討される

【8月19日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

24,318千円

■損益率

35.7%

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(じっくり増やしていきましょう)

現行のNISAは『1,200千円/年の非課税枠、期間は5年間。さらに5年間延長できるも最初の5年間経過時点で一度時価評価される。他の口座との損益通算は不可』という投資優遇税制です。(800千円/年のジュニアNISAも別途あります。)

このNISAについて見直しが報じられました。

関連記事
日本経済新聞2016/8/180付
NISAに長期積立枠 非課税、20年を軸に
政府調整 利用伸び悩みでテコ入れ

(閲覧には会員登録が必要です。)

一言でいえば、冒頭にあげた従来NISAの半分の600千円を上限とした非課税期間20年の別枠のNISAを創設するというもの。従来NISAとの併用は不可であり、利用者はどちらかを選択することになりそうです。

財務省は恒久的な税収減となる仕組みはとりたくない立場。その財務省を説き伏せるために金融庁はNISAを5年間という次元でスタートしたのかもしれません。今回も金額を減らす、無期限ではなくあくまで20年という期限を設定することで長期積立枠(財務省からみれば”長期税収減枠”か)を実現にもっていこうとする金融庁のネゴ技法を感じます。

なかには600千円という金額枠に不満を持つ人もいるかもしれませんが、金融庁が財務省の東京に非課税期間の長期化をのませるためには現状ではやむなき設定かもしれません。実際には従来NISAの1,200千円の非課税枠を使い切っている人は一握りとも報じられています。ならば金額増よりも期間増を狙う意図もよくわかります。

また20年間という期間について不十分と思われる方もいるやもしれません。しかしながら20年間も非課税を適用できる仕組みであれば、長期投資のおいてはひとまず十分ではないでしょうか。

例えば特定の金融商品を20年間バイ&ホールドする人もそうそういないでしょう。長期投資を掲げるインデックス投資ですらも日本ではまだ20年間継続した人など皆無なはずです。

ちなみに従来NISAと新しい長期投資枠がそれぞれ今後どのように継続されていくのか。どちらかがもう一方に統合されていくのか。それとも従来NISAは予定通りの期限で終了となるのか。この辺りの制度詳細も気になります。

まだ正式決定ではないので関係省庁間の折衝の結果、最終的には600千円、20年の設定どおりにいくのかわかりません。800千円かも10年かもしれません。いずれになったとしても、引き続き金融庁がNISAを長期投資に資するような理想型へと徐々に近づけていく努力に期待したいところです。

(あとがきにかえて)

WATANKOはこれまでNISA(含むジュニアNISA)については、主に制度への不満や手続きの煩雑さについて述べてきました。

今回の長期投資枠についても金額が600千円にとどまることに不満がないわけではありませんが、金融庁がNISAを現状のまま放置せずに、さらなる拡充を狙っている姿勢を垣間見たので、これに賛同して今回はちょっと応援記事にしてみました。

NISAについては早く完成版?最終形態?が見たいです。あと何回変身するのでしょうか。WATANKOは残り11年ちょっとで定年です。

早うお願い致します。金融庁 御中。


(お詫び:前回予告したテーマから急遽変更致しました。)


2016年8月18日 (木)

2016年8月の積み立て購入商品

【8月16日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

24,840千円

■損益率

36.5%

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リオ・オリンピックとSMAPの解散とシン・ゴジラとポケモンGOのおかげで、世界の相場動向のことなどすっかり忘れていたWATANKOをはじめとした個人投資家の皆さん、安心してください。先月に引き続き8月も大きな変動はみられませんでした。ただしここにきて円高が進行してきています。日本の株式相場にどれだけの影響を及ぼすものか。

さて今月の積み立て商品のお値段(購入単価)は如何であったか?

Notes)表中の金額単位は円です。

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さらに8月の仕入れの結果、7月末と現在とを比較して、平均購入単価はどれくらい変動したのか?以下のとおりです。

201608313

Notes)
*表中の金額単位は円です。
*NISAは暦年ごとに損益を認識する必要があるため2016年の分のみの表記としています。

さて先月から日本株式アセットクラスは、ニッセイ日経225インデックスファンドに積み立て先を切り替えていますが、そういえばニッセイやSMTやeMAXISには最近、目立った動きが見られないです。もうコスト革命は終了ですか。

などと考えていたところへきて、SMTから新商品が設定されました。配当貴族というやつです。

さてこいつを次回取り上げてみましょう。

2016年8月14日 (日)

投資とは、待つことなりと見つけたり

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(待つことすらもできないなら、投資はあきらめましょう)

インデックス投資ブロガーにとって、いわゆるひとつのブログネタ元になりつつある(WATANKOだけ?)日経電子版のNIKKEI STYLEマネー研究所ですが、先日も興味深い記事を拝見しました。

関連記事
日経電子版NIKKEI STYLE マネー研究所
行列のできる投信相談所
2年積み立てた投信、成績振るわず 一時撤退すべき?

記事によると、老後の生活資金のために投資信託を用いた分散投資を行っている個人投資家が、先行きの不安を感じて保有商品の売却や積み立ての中止を迷っている様子。それに対して専門家がアドバイスしています。

ここでとりあげたような個人投資家が、実はマジョリティなのでしょうか。

書籍やWeb記事を読んで、自分のリスク許容量を推し量ったうえで、分散投資を行う。でも保有商品の基準価額がジリジリと下がったり、伸び悩んだりしている様子をみて1年かそこらで不安に駆られて売却する。(そして、その後の相場上昇期に乗り遅れて後悔する。)

個人投資家の多くがそのようなメンタリティであるならば、ひとつ問いかけをしてみたいです。

あなたが勤務先で上司から新規事業を任せられた場合、その成果を出すのにどれくらいの時間を要しますか。上記に対して事業の黒字化の達成時期をコミットするのは何年後ですか。

そこでもしも上司から「1年、いや半年くらいで結果を出してほしい。」といわれたらどうでしょうか。

新規事業を実現するとなれば、企画からマーケティングにはじまり、商品・サービスのデザイン、各リソースの調達やロジスティックス、プロモーションなどビジネスとしての一連の仕立ては勿論のこと、消費財であれば季節変動や景況、生産財であれば顧客の年間予算サイクルなど時系列な制約もあります。

そのような実態を前にして、「1年以内で結果を出してほしい。」といわれても、とてつもない勝算でもないかぎり安易に請け負うことなどないでしょう。

その新規事業に対して、勤務先がそれなりの資金と人材、技術、ノウハウを「投資」したとしても1年かそこいらといった時間軸で結果を期待することが現実的といえるでしょうか。

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冒頭の記事でとりあげられた個人投資家が表しているメンタリティは、一見してよくみられる類かもしれませんが、実は上述の例え話の上司と同じ要求をしていることに等しいです。

自分に対して勤務先が投資を行ってもらい、それでもってビジネスを丸ごと請け負い、一定の成果を出すまでには時間がかかります。それを今度はひっくり返して個人投資家としての立場で投資先に当てはめて考えてみてください。

投資というものが成果を生み出すには時間がかかるのに対して、記事にあるようなタイプの個人投資家は、その成果を急いてはいませんでしょうか。

事業が着実に成果を出し続けて、毎期増収増益を実現させるためにはしっかりとした事業基盤を整える必要があります。

流行にあわせて何がしかの商材をガバッと仕入れて売りさばく。そんな事業者には付加価値は乏しく、資本力や販路に長けた他者にあっという間に追い抜かれるでしょう。

投資されたリソースを使ってじっくりと付加価値を築き上げ、それを強みにして長期に渡って安定した収益と成長を達成させる。

個人投資家はそういった投資先を選び、そして成果がでるまで腰を据えて待つ必要があります。

★★★「投資」とは、「待つこと」と同義ともいえるくらい忍耐と我慢と辛抱が必要です。

証券投資であればリスクに耐え、一時的な含み損に我慢し、撤退せずに辛抱する。

こういったメンタリティの維持は大変という方もいるかもしれませんが、実際に事業に取り組み収益を上げようとしている当事者達に比べれば、楽なものです。待つだけなのですから。

「投資とは待つことなり。」 このシンプルな答えをいち個人投資家から贈りたいです。

なお、もしもそんな悠長には待てないという方であれば、美人投票、一時的な歪み、ゼロサムで構成された市場という名の賭場に、どうぞ大事な資金を貼り付けてみてください。

そのように賭場に持ち込まれた資金は、証券投資のプロ達の手にかかり、あっという間に当人の手元から霧散していくことでしょう。

(あとがきにかえて)

そういえば、この過去に同じような記事を書いていました。

関連記事

投資のリターンがでるには時間がかかる【Refrain 2015】(2015/11/8)

進歩がないですが、万年素人個人投資家のささやかなる言葉として、この盆栽のような小さなブログの中で、繰り返し唱えさせていただくことにしましょう。

2016年8月11日 (木)

BNDからの2016年8月分分配金+今月の債券雑感

【8月8日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

24,861千円

■損益率

36.6%

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WATANKOは手元にある外貨をつかって資産運用のひとつの実験ともいうべき外国債券のETFであるBNDのバイ&ホールドを実行中です。

さてBNDから2016年8月分の分配金が入金されました。税引き後で238.44ドルです。これまでの推移は以下のとおりです。なお購入元本は1株80.48ドル×2,000株=160,960ドルです。

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続きまして債券に関する雑感です。

インデックス投資を実践される個人投資家の方々にとって悩ましくも楽しい?検討課題は自身のポートフォリオの組成です。一体どんなアセットアロケーションにしたら良いのやら。ポケモンGOにおける手持ちのポケモンの組み合わせよりも遥かに難題ですね。

さてそのポートフォリオですが、なかでも株式アセットクラスをメインディッシュにあげる人が大半かと思われます。乱暴にいえばREITもそのバリエーションとみてもいいでしょう。では一方で債券はどうするか。国内債券アセット、とりわけ国債に限定すれば、それは無リスク資産としてポートフォリオにおけるリスク許容量の調整弁として組み込み易いです。

それでは為替リスクを伴う外国債券がどうであるか。このうち新興国債券に関してはデフォルトリスクなども相対的に高く、ポートフォリオ全体のリスクを緩和するという債券の役割に照らせばちょっと不向きであります。

それでは先進国債券はどうか。

最近、そのような個人投資家の質問に答えたサイトを紹介します。

参照記事
ノーロード投資信託~手数料無料投信ガイド
先進国債券に投資する意味は、どこにあるのか?

上記サイトでの先進国債券の捉え方は以下のとおりです。

もしも先進国債券に安全資産としての役割を期待するのであれば、価格の変動があまりにも大きすぎるので、投資するとしても比率を落としておいた方が良いでしょう。 (中略) ただし、分散効果と言う観点で見た場合、先進国債券にも投資しておいた方が良いとも考えられます。

詳しくは上記サイトを参照いただくとして、つまるところ債券アセットクラスに何を期待するかによって、先進国債券アセットの保有シェア、さらにはヘッジの有無を決めればよいでしょう。

ちなみにWATANKOのBNDに関しては、冒頭に「実験的に保有」と称していますが、さらにはその背景として、以下のとおりの腹落ち感を伴っています。

1.ポートフォリオの中で株式アセットクラスを60%超保有しているので、残りは債券でトータルリスクのバランスを取る。

2.では残り40%弱を全て国債ではあまりにリターンに妙味が無い。とはいえ国内債券インデックス投信はリターンに比してコストがまだ高い。

3.そこでコストが徹底的に安いバンガードのBND(経費率0.06%)を選ぶ。

4.債券は安全資産というより分散投資重視の観点から保有すべし。

最後の4に関しては、以前は株式+現預金(又は国債)の組み合わせでトータルリスクを調整すればよいのではないかという仮説を持っていましたが、いまは「本当にそれでよいのか?極端すぎやしないか。」とやや疑問に思い、そこで冒頭述べている通り、BNDを「実験的に保有」しています。

2016年8月 9日 (火)

株式の長期投資、分散投資は投資家のみならず企業にとっても歓迎される

【8月5日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

23,529千円

■損益率

34.6%

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(短期的な利益ではなく、中長期的な成長を願うのは企業も投資家も同じでありたい。)

先月の残業・休日出勤時間が90時間を超えた悲哀の中間管理職のWATANKO。それほどに忙しいにもかかわらず外部のセミナーにまで参加してこいとの業務命令。

このまま参加しただけでは、日頃の疲れからセミナー中に爆睡しそうな予感です。したがってなんとしてもブログネタを探すべく、集中して聴講していきました。

WATANKOが今回参加したのは、とある証券会社が開催する企業のIR関連のセミナーです。その全容についてはここでは控えますが、その証券会社がS&P500採用企業10~20社に対する聞き取り調査を行った結果を踏まえた、”企業と株主の理想的な関係”についてのくだりを紹介致します。

Q1:企業にとって、どのような株主が理想的と思われるか。

A1:次のとおり。

-株価のボラティリティを下げる、アクティビズムの危険性を下げる事ができる投資家

-中長期で保有することを前提として投資を考えている投資家(四半期ごとの決算に短期的に左右されずに企業を支持してくれる投資家)

Q2:どのような株主構成が理想的だと思われるか。

A2:多様性ある投資家の集合体であること。少数の大きな株主の存在はアクティビズムに傾く危険性を増大させる。

またセミナーでは「投資家というものは画一的ではなく、投資期間、投資目的、投資金額、集中投資の度合い、投資スタイル等千差万別であることを十分に理解すること。」「それをふまえて以下に良質な投資家を確保するか。それはあたかも優良な投資家の争奪戦であるかのようだ。」とも唱えていました。

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私たち個人投資家、とりわけインデックス投資家を選好する者は、「長期投資」や「分散投資」の狙いやメリットを十分に理解して、それら手法を実践しています。

長期投資を選んだ個人投資家であれば、長い目で見て投資先の企業が自社の価値を向上させ、それが市場で正当に評価され、株価がじっくりであっても右肩上がりになっていくことを期待します。

自身が株価の短期的なボラティリティに左右され、売買を繰り返す(=結果として株価のブラティリティに更に加担する)ような存在であることは望みません。

そしてさらに投資先を集中して過度なリスクをとることはせず、投資先を分散してリスクを低減させる努力を払います。

こうした投資手法を選ぶ個人投資家は、上述のセミナーにて唱えられている理想的な株主像とまさに合致するのではないでしょうか。また株主が分散投資を行うことにより、それは企業側からみれば、多様な株主による理想的な構成を促すことになりえるのではありませんか。

勿論、個人投資家がひとつの企業に投じることができる金額がたかがしれているかも知れません。

しかしそうであったとしてもセミナーを聴講したWATANKOは「長期投資」「分散投資」は、投資家のみならず企業にとっても歓迎される投資手法であること、企業と個人投資家が相思相愛となる状態へと導く投資手法であるとことを今回強く実感しました。

(あとがきにかえて)

妻ミサト「私たち夫婦が相思相愛を続けるための手法は何かしら。」

WATANKO「・・・週末の買い物のお付き合いと、肩もみマッサージでしょうか。」

妻ミサト「あら100点満点の回答ね。」

WATANKO「しかしながら先月に引き続き、今月も残業・休日出勤が多大であり、貴女のご期待には残念ながら添えられません。あしからず。」

妻ミサト「!!!」


2016年8月 5日 (金)

そこの中学生よ、うちの空き地に自転車を捨てていくんじゃあああない

【8月4日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

23,236千円

■損益率

34.2%

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(自転車なんて、よくある日常の廃棄物?)

空き地を所有するオーナーの夏の風物詩といえば定期的な“草刈”です。

風物詩なんていうとなんだか涼しげな印象もないではありませんが、草刈りとは実際にはうだるような暑さのもと、草刈り機をウイーン、ウイーンと使って汗だくになりながら雑草を駆り込んでいく作業です。そこにあるのは都心のオフィス街で働くスマートなサラリーマンとは程遠い、作業着を着こなしたオジサンの姿。

関連記事

草刈だ(2013/7/25)

夏草や、兵どもが駐車場の跡(2015/8/1)

しかしながら上記記事でも触れていますが、草刈り作業もなにかとメリットがあり、立派な休日の余暇のひとつというのは言い過ぎでしょうか。また最近は混合燃料を用いた草刈り機の他に、電動の生垣バリカンや除草剤の噴霧器など。除草する対象に応じて機器も使い分けて効率よく、また少しは快適に作業を進めています。

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さて先日もWATANKOは所有するとある遊休の空き地の除草作業をしていました。そこはスギナを中心として柔らかく背丈の低い雑草ばかりが生えている土地でしたので、除草剤を噴霧器を用いて散布していました。

一度、除草剤の散布を終え、タンクが空になったので空き地の物陰にある水道で洗っていたところ、子どもが空き地内にやってきて何かやらかしている様子。WATANKOは物陰からチラッと除いただけなので良く見えず、中学生が立ち去ったあとに、近づくとそこには自転車とお菓子と小銭が散乱していました。それらはどう見ても捨て去られた様子です。

「なんじゃあ、こりゃあ。さて、どうしたものか。」と10秒間考えた結果、その自転車を運転して、子どもの後を追いかけることにしました。その子どもはやってきた際に遠目でしたが、地元の中学校のジャージを着てバックをもっていたことが確認できたので、それを頼りに子どもが走り去ったとおぼしき道をその自転車をキコキコこいで追いかけました。

田舎の道で分岐が少ないことが幸いして、300mくらい進んだところでその子どもとおぼしき人物を発見しました。ちょうど母親らしき人物をなにやら話している様子。

母親らしき人物がいる前でその子どもに声をかけました。

「この自転車とお菓子、お金はきみのものかね?」

WATANAKOの問いかけに、その子どもは自分のものであるとあっさりと認めました。

いや、正確には自転車はゲームセンターの駐輪場から盗んできたものであることを白状しました。

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その子どもの説明によると、当人は部活動の帰りに親から禁止されていたゲームセンターにこっそりと通い、遊んだ後に駐輪場に停めてあった自転車を盗んで乗り回していた。そこをたまたま通りかかった母親に発見されてあわてて逃げた。盗難した自転車を隠すべく、とりいそぎWATANKOの空き地に自転車を捨てたあと、更に逃げるも、後を追いかけてきた母親につかまり、追求をうけていたとのことです。

WATANKOはその子ども、母親と一緒に現場(空き地)にもどり、自転車が捨てられた様子を母親に説明しました。母親は謝罪し、事態の収拾のため自宅にいた父親を呼び出す展開です。

やがて父親までが車でやってきて、母親から説明を受けたあと子どもを叱りつつ事情聴取スタート。父母間にてやれ警察に届け出よう。自転車を交番にもっていくか、警察に通報して現場にきてもらうかなどを話し始めました。

その子どもをよく見れば、WATANKOの次男が通う中学校のジャージを着ており、まだ幼さが残る素直そうな子です。

WATANKOはこれ以上、この自転車盗難をやらかした子どもとその両親による事後対応の話し合いにつきあう気にもなれず、両親の目の前で一人の大人として、自転車盗難と他人の土地に断りなく廃棄することは犯罪であるとしっかりと戒めて引き揚げました。

特に母親は終始、平身低頭でWATANKOに対して謝罪一辺倒でした。父親も同じく謝るも、一方で自分の子どもに対して呆れ、失望し、なじる言動が目立ちました。

そういった父親の言動にちょっと違和感を覚えつつも、そこはよその家族のコミュニケーションの話なのでWATANKOはスルーして、除草剤の散布作業を再開させました。

やがて親子は盗んだ自転車を父親が乗ってきた車に積んで、立ち去って行きました。

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一定のスペースである空き地には、時折ゴミが捨てられたり、無断に使用されたりとトラブルを被ることがあります。

今回もまたそんな一例でしたが、たまたまWATANKOが自転車を廃棄する場面に出くわしたから直ちに解決できたものの、通常はこんなラッキーなことはむしろ少ないです。

もしもこの空き地に住居が建ち並んでいたら、その子どもも人の目を気にして自転車を捨てようとなどと考えなかったでしょう。

やはり空き地を持ち続けていても良いことはあまりなく、何かとトラブルが舞い降りでくるものだなと今更ながら思うのでした。

関連記事

土地を所有すると面倒なこと十選(その1:ゴミ・廃棄物、雑草の除去)(2014/4/15)

2016年8月 3日 (水)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第7話】不動産投資にはリスク引当金をお忘れなく

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取引のある不動産業者からしばしば聞く話として、以下があります。

「アパートを新築して不動産賃貸業を始めたシニアに対して、『将来、修繕維持費や何やらお金が必要になりますので、収入の一部はとっておいてくださいよ。』を教えても、いざその時になると『お金がない、修繕できない。』と反応するシニアに出くわすことがある。あげくのはては、外観が傷んできても『お金がないから修理する必要ない』と開き直るケースもある。」

外観をリニューアルすれば、入居率の向上にもプラスに働くのに、それも行わずにいるとますます店子が入らなくなるし、収入も低下する一方です。それがまた修繕費を手当できなくなるという負のスパイラルを引き起こします。

不動産投資ではこうした予想できる支出への対策は当然ながら、それに加えて予想外の支出への対策もまた必要になってきます。

■事業リスクに対する引当金

不動産投資、ひいては不動産賃貸業には当初予想していなかった収益の悪化につながる色々な事業リスクがあることは皆さん、ご存じのことかと思います。

修繕維持費の不意の発生や想定よりも多額になること、第三者に対して与えてしまった損害の補償などが代表例です。

そんな費用の発生はめったに起こらないと楽観視する方もいるかもしれません。しかし事業リスクは費用サイドだけでなく、入居率の低下、賃料の減額など収入サイドでも想定されます。またそもそも物件の目利きが甘く、割高な物件を掴んでしまうなども起こりえます。むしろこれらの方が発生する蓋然性が高いかもしれません。

このような事業リスクへの対策としては日頃の不動産賃貸業より得られた収入から費用を差し引いた手取りの利益の一部を、事業リスクに対する引当金として積んでおくことです。

例えば不動産賃貸業でひとたびトラブルが発生すれば、トラブル自体の解決に少なくない時間と労力が割かれることがあります。トラブルの規模と期間、解決までの手間暇は事前に読むことが難しいケースもあるでしょう。

そのようなトラブルに出くわした際に、手元にある程度の資金を用意しておくことは円滑な解決に向けてプラスになるでしょう。該当する物件が大規模であるほど、必要な資金は大きくなりがちです。

もちろんトラブルの対応のために費用がかかれば、その中には保険で求償できる部分もあるでしょう。しかし中には例えば追加の設備投資や店子の退去関連費用など保険ではカバーできない種類の出費もあり得ます。

■サラリーマン兼業の不動産投資家はとくに必要か

また不動産投資を専業とする個人投資家とサラリーマンを兼業している個人投資家とではトラブルへの対応力、コスト負担も変わってくるかもしれません。

不動産投資を専業とする投資家の場合、

-比較的、不動産投資の経験を積んでいることからリスクに対してある程度の知見あり。
-予防のために適切なタイミングで事前対策をとる時間的な余裕がある。
-いざトラブルが発生しても対応策に専念できる。

これらを事由に発生リスクに対するコスト負担を抑えることができる可能性が高いかもしれません。

しかし、サラリーマンを兼業している投資家の場合、

-経験も限られておりリスク対応のノウハウも限られている。
-予防のための事前対策やトラブル対応に割ける時間やタイミングに制約がある。
-またそれゆえに不動産業者など他者に頼らざるを得なくなる。

といったことから発生リスクに対するコスト負担は専業者よりもかかることがあるかもしれません。

■まとめ

不動産投資はひとつの事業に等しい経済活動です。そのように捉えれば常に一定の資金を手元において投資を行うことは自然な成り行きでありましょう。WATANKOは年間の税金や保険など支払不可避な支出にあてる運転資金に加えて今回取りあげたリスク引当金として合計数百万円の資金をいつも手元においてあります。また第1話でとりあげたように賃貸先から預かっている保証金もまたその原資となりえるでしょう。

これらは“生活防衛資金”ならぬ“不動産投資防衛資金”とでもいいましょうか。

こうしたリスク引当金を実際に使うことなく取り崩すことができるのは、該当する物件を予定通り無事売却できたときです。しかしその際に目標金額を下回る売却であったならば、その穴埋めとしてリスク引当金が用いられることはいうまでもありません。

もしも物件の取得~賃貸~売却といった不動産投資の一連のサイクルの中で、リスク引当金を使わずに済ませることができれば、その不動産投資はそれだけで十分に成功といえるかもしれません。

関連記事

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第0話】はじめに(2012/1/12)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第1話】契約書なんてただの紙切れ。頼りになるのはお金だけ(2016/1/13)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第2話】物件の表面利回りに惑わされてはいけない。実質利回りの予測を忘れずに(2016/2/21)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第3話】いくら儲かるかわからないけれど、それでもやってみますか(2016/3/25)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第4話】貴方は賃料未払いの店子に冷徹になれますか(2016/4/24)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第5話】貴方の土地の価値はコンビニを出店してみればわかる(2016/5/28)

【不動産投資DEAD OR ALIVE 第6話】不動産投資には不労所得をどれだけ期待できるか(2016/6/22)

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