現実的なスーパーカー選択肢 ポルシェ911 Type997とフェラーリ360モデナ
自動車業界では夏場の間は国内外のメーカーが休みを取るので新しい発表や動きは乏しいです。そうなると自動車雑誌は夏はエキゾチックなスーパーカーの特集を組んだりしてしのぐことがあります。国産車中心の雑誌なら大昔は「困ったときのスカイライン特集」でありました。若者受けしそうなスーパースポーツカーなら夏にもピッタリです。
妻ミサト「それって昭和のセンスよ。いまや車好きな若者がときめくのはヴェルファイアはじめ豪華ミニバン、田舎ならカスタムVIPカーね。」
・・・いや、そんな横やりにもめげずに続けます。
さて当ブログでも去りゆく夏のために、ここはひとつスーパーカー記事を一発いってみましょう。
■スーパーカー、新車は遠くになりにけり。そこで中古車狙い
スーパーカーのお値段は、平成の世に変わった頃は新車価格で10百万円、上級グレードでも15百万円あたりでありました。オプションをてんこ盛りすればあっという間に1.5倍くらいになりますが、素の状態に近ければそんなものです。
それが21世紀に入ってからはぐんぐんと上昇し、いまや15百万円近くを下限として20百万~30百万円あたりがボリュームゾーンです。代表例は以下のとおり。
●ポルシェ911新車価格(最廉価グレード)
1990年 Type964 10,350千円
2016年 Type991 13,091千円
●フェラーリV8ミッドシップ 新車価格
1900年 348tb 16,500千円
2016年 488GTB 30,070千円
そうそうNSXなんて23,700千円もします。そういえばどこかのブログで「新型NSXに23,000千円を支払えるのか」という記事を見かけたことがあります。
ここまで値段が上がってくるとなると新車に手を出すのは相当な資金が必要です。
そこでもっとお求めやすいモデルはないのかとなると、中古車に目が向きます。
長年スーパーカーに関心ある紳士であればそれぞれの歴代モデルの善し悪し、評判、人気度はご存知かと思います。
WATANKOもまたそんな一人です。そこで僭越ながら比較的お求めやすくて定評ある中古スーパーカーを紹介します。
■ポルシェ911ならType964
モデルとしては一般の方々に認知度が比較的高いポルシェ911とフェラーリのV8ミッドシップモデルを取り上げましょう。
まずはポルシェ911。空冷エンジン時代のモデルはビンテージ化して個体の購入費用、メンテ費用ともに嵩みます。そこでここはエンジンが水冷化した1997年式以降が相場価格もこなれており、メンテ費用も現代的でいい感じです。
でも水冷化の初代モデルであるType996は涙目フロントライトと内装が気に入らないという人は多くありませんか。そこで次世代のType997がおすすめです。
NAモデルなら現在の相場は4,000~8,000千円。最新の3シリーズやCクラスと同等の予算で、911を手に入れる満足感は大きいでしょう。
WATANKOならオプションは気にせず、ホワイトカラーあたりのモデルを「所詮ワーゲンですよ。」といわんばかりにカジュアルに乗りこなしたいです。911自体はとんがったグレードでなければ扱いやすいでしょう。よくできたスポーツカーはよくできた乗用車でもあります。
ここで注意したいのは、「どうせならPDK搭載した後期型がいい。」「やっぱりターボに乗りたい。」とつい欲がでるのを抑えることです。同じType997でも高年式になれば現行モデルとの価格差はかなり縮まります。またターボなどハイグレードなモデルは価格だけでなくメンテ費用もよりかかる場合があります。ここは中古価格がこなれてお得な前期型のティプトロモデルを選び、しれっと乗りこなすのがよいかと。
■フェラーリV8ミッドシップなら360モデナ
お次はフェラーリのV8ミッドシップです。こいつはズバリ、360モデナでしょう。
現代のV8フェラーリの礎ともいえるディメンション。後年モデルに較べて機械的には未成熟な面は否めませんが、だいたいフェラーリにドイツ車的な作りの良さや信頼性は望むべくもありません。
現在の相場は8,000~12,000千円とフェラーリとしてはお求めやすいお値段。このあたりの価格帯はまともな中古フェラーリとしては下限ではないでしょうか。
WATANKOならば色はクーペならイエローです。スーパーカーはイエローがよく似合います。なおちょっと値段が張りますがオープンモデルの360スパイダーならグリジオアロイという水色パールがエレガントでおすすめです。
なお冷静に考えるとこの予算であれば新車のジャガーFーTypeやコルベットが手に入りますので、ここは好みがわかれるところです。15年落ちのイタリアンか新車のアングロサクソンか。
■まとめ
以上ポルシェ、フェラーリの現実的な選択肢をそれぞれ紹介してみました。それぞれが費用対満足度のバランスがとれているお勧めモデルです。
ところでなかには「お金もないのにスーパーカーを欲しがって、国産車ならとっくに市場価格がつかないような低年式モデルに手を出すなんで貧乏くさい」と言う人もいます。
それは半分あたりですが、一方で中古車は現在の自動車法規に照らすと製造できない古き良き当時のスペックとデザインを備えているという魅力があります。
例えば昔のモデルは現代よりも機能・装備がシンプルであった結果、車両重量が軽く仕上がっていました。またリトラクタブルライトを代表例として先鋭的なデザインのモデルもありました。
例えば医師などでもっと高い新車が買えるのに、空冷911であるType993やフェラーリF355あたりを大事に所有している...なんてオーナー紹介記事を時折見かけます。
コモディティな量販車と異なり、スーパースポーツカーは年代ごとの魅了がそれぞれあり、それはそれなりに選ぶ理由として成立しえます。
さて将来ですが、WATANKOがスーパーカーを手に入れると想定されるおよそ12年後には、どんなお値打ちモデルがあるのか。今の新車は価格帯が高いため、中古で流通しても現在のType997や360モデナのように値頃感があるかどうかちょっと心配です。
妻ミサト「10年以上先の心配してもらうのは中古車市場ではなくて、とある夫婦の円満関係でなくって?」
WATANKO「!!!」
(あとがきにかえて)
最後に蛇足ながら今回紹介の2車よりもさらにお値打ちなモデルとして、ポルシェ・ケイマンをあげておきます。2車の中間の予算で本格的なのミッドシップ・モデルかつ信頼性抜群のドイツ製の新車が買えます。これがなんといてもお買い得。
「それを言っちゃあお終いよ」かもしれませんが。
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