0.2%で投資できる時代
(お金を増やすのにお金をつかっては本末転倒!?)
資産運用の秘訣のひとつには投資先を分散させて価格変動リスクを低減させるという分散投資の考えがあります。特に投資信託は限られた資金で分散投資を行う金融商品として適当であります。
ですが個別株を用いた投資派からは「年間の維持コスト(信託報酬)を支払うなんてばかばかしい」という指摘も時折聞こえてきます。
これは一理ございます。投資信託を分散投資によるリスク低減と引き替えに、集中投資で狙うことが出来る飛び抜けた高いリターンは望みにくいです。それ故に投資信託では保有者が負担するコストはできるだけ抑えたいところです。
そんな中にあって売買手数料に3%、信託報酬に1.5%なんて支払っていたら大変な負担です。それだけのコストを支払っていたら、(リスクは横においておき)個別株の平均リターンと比べて不利であります。それはあたかもサッカーで11人相手に9人で勝てというようなものでしょう。
こうして資産運用の秘訣としては分散投資と並んで低コストを追求することも重要です。そこで幸いなことにはインデックス投信においてはコストが昨今とても低減されてきています。
具体的にはWATANKOがインデックス投資を始めた2008年頃は信託報酬の水準は国内系で0.5%、海外系は1%近くの水準でした。(更に2000年代半ばにインデックス投資を始めた諸先輩方たちは、そもそもコスト以前に各アセットクラスのインデックス投信を揃えることからしてご苦労されていたようです。)
その後にSMTシリーズが登場し、国内系はもちろん海外系アセットクラスの投信が軒並み1%を切る信託報酬で発売開始されました。その後もインデックス投信の信託報酬の低減は進み、それは昨年の投信のコスト革命によって更に一段と加速しました。
直近では国内REITクラスと先進国REITクラスについても、信託報酬の最安値記録を更新する新商品が設定されました。
参照記事
インデックス投資日記@川崎
三井住友・DC日本リートインデックスファンドと三井住友・DC外国リートインデックスファンドが信託報酬最安で新登場
●三井住友・DC日本リートインデックスファンド
信託報酬0.26%
●三井住友・DC外国リートインデックスファンド
信託報酬0.28%
ついにREITも信託報酬がここまで引き下がったかと、WATANKOはちょっと驚きました。
先日設定されたiFreeシリーズに対して、日本及び先進国REITについて上記の三井住友DCシリーズを置き換えれば、各アセットクラスごとに信託報酬が0.2%台のインデックス投信がほぼ出揃うことになりました。バランスファンドですらも0.2%台なのです。
0.2%台に未達である新興国株式クラスですら0.495%(MSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする「たわらノーロード新興国株式」)と、3年前の先進国株式クラスの最安値水準であった0.5%を下回っています。
さらには日本株式や日本債券クラスにおいては0.2%すらも切る水準です。
これらの商品を中心としてポートフォリオを組めばどんなアセットアロケーションであっても大抵はポートフォリオの信託報酬の加重平均は0.2%台を達成できるでしょう。
簡略化していえば1,000千円で投資信託を買うと、年間とられるコストは0.2%ならば2,000円。土日をのぞく運用会社の営業日数を250日とすれば一日あたり8円です。インデックス運用でよければ1日8円で1,000千円を運用してもらえるのが今日の資産運用の世界であります。
今や0.2%のコストを支払えば、多くの人が同じように分散投資を実践できる時代になりました。
なお補足すればネット証券を使えば金融機関まで出向く交通費もかからず、また余計な金融商品を勧められることもありません。
おまけに(未だ課題もありますが)NISAの導入や個人型のDCの拡充など証券投資を優遇する税制もまた税金という名のコストを下げてくれます。
世界の資本主義経済が従前と比べて、今後一体どのように推移していくかは想像もつきませんが、少なくとも目標リターンを得る勝算が少しは高まったことをWATANKOは大いに歓迎したいと思います。
« WATANKOのマイカー購入履歴 | トップページ | BNDからの2016年9月分分配金 »
「資産運用」カテゴリの記事
- お金の運用は目的別だけでなく時間軸を加えて考えよう(2019.07.30)
- 上場している優良企業にもれなく投資できるインデックス投資(2019.06.20)
- 長期投資家にとってGW10連休はスルーでいこう(2019.04.24)
- 退職金でリスク商品を買うことはお勧めしません(2019.04.15)
- 定期預金と長期投資(2019.03.26)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
この記事を拝見して私はとても良い時期から投資を始められたのだなぁ、と改めて思いました。
環境が整いつつある事に感謝しながら、自分自身はその環境を生かすためのリテラシーを養い資産形成をコツコツとしていきたいと思います。
投稿: リング | 2016年9月11日 (日) 15時21分
良い時代になりましたね。
10年前にこういう制度になってればよかったのにと思うのは、ないものねだりなんでしょうかね。
NISA20年積立は早く実現して欲しいです。
投稿: AKI | 2016年9月11日 (日) 16時36分
リングさん
コメントありがとうございます。
これから長期にわたって投資を続けていくことで、この低コストのメリットを存分に享受していきましょう。
投稿: WATANKO | 2016年9月13日 (火) 00時40分
AKIさん
コメントありがとうございます。
今でもかなり満足していますが、10年後にはさらにメリットが多い投資環境になっているかもしれませんよ。そんな日を待ちながら足元の投資を続けていきましょう。
投稿: WATANKO | 2016年9月13日 (火) 00時42分
はじめまして。合理的な投資法でとて素晴らしいです。これからもいろいろ教えて頂けたら嬉しいです。
投稿: ゆうか | 2016年9月15日 (木) 07時00分
ゆうかさん
コメントありがとうございます。
万年素人個人投資家なので、大した知識も見識もありませんが、お役に立てれば幸いです。
なおこの駄ブログの投資についての代表的な考え方はRefrainのカテゴリーをご覧いただけると早わかりできる?かもしれません。
投稿: WATANKO | 2016年9月15日 (木) 21時52分