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2016年11月29日 (火)

「子どもが遅くできたから、夫婦の老後が大変」には100%同情できず

就業者の平均所得の低下、将来の雇用・年金などに対する不安、個人の結婚観や人生観の多様化など様々な要因から近年、初婚年齢が上昇(晩婚化)しています。

参照記事
内閣府 平成27年版 少子化社会対策白書

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晩婚化と同時に、上記グラフのとおり出産年齢の上昇、すなわち晩産化も徐々に進んでいます。

さて晩産化、つまり高齢になってから子どもをもつ夫婦において、老後の家計を心配するケースがあります。

参照記事
YOMIURI ONLINE
「40代で子宝」夫婦の誤算…「老後破産」の現実(5)

簡単に言えば、40歳を過ぎて子どもをもった場合、60歳定年間近あるいはそれ以降になってまで教育費の負担が続くため、夫婦にとっては老後資産を別途形成するのが大変ということです。

しかしWATANKOはこの意見には100%同情はできません。

■教育費が発生するタイミングが違うだけ

結論から言います。夫婦合計の世帯所得が一定であり、子どもをいつ産んで育てたとしても、かかる教育費が同じと想定します。そうなると子どもの育てる時期の違いは、教育費が実際に発生するタイミングの違いにすぎません。

子どもが遅くに生まれたからといって教育費がことさら余計に嵩むということはありません。

子どもを産んで育てる時期の違いは、夫婦男女の独身時代も含めた数十年間の家計の総和に大きな影響を与えません。子どもが早い・遅いという時期の違いは、キャッシュフローを年次別に見比べた際のバランスの違いでしかありません。

勿論ながら数十年間という長期間においてはマクロ経済動向に始まり、法制・税制の改正、インフレ率の推移、その他教育費にかかわる様々な変動要因が関わります。ただしこれらの変動とて、子どもを遅く生み育てた場合に一概にして不利に働くというわけではありません。

まわりくどい言い方をしました。もっと露骨に言えばこうです。

遅くに子どもを授かった夫婦においては、それまでの短くない期間においては教育費の負担が生じていませんでした。よって若い時から子どもを産み育てた世帯に比べればその分貯蓄ができているのではないですか。

しかしそれが若い独身または結婚子無し時代であったときに、若い子持ちの夫婦世帯よりもゆとりがあった可処分所得を、つい当人達の趣味やライフスタイルのために費消してしまっていたとしたら、後になって「子どもの教育費の負担のために老後資産が足りない、どうしよう。」となってもそれは自業自得な一面がありはしませんでしょうか。

■教育費を後払いするだけ実は堅持ではないか

教育費の確保という面からみれば、晩産化はむしろ望ましい選択肢といえます。

例えばビジネスの世界で収支を考えるときには、「収入はなるべく早く、一方で支出はできるだけ遅く」が基本であります。収入と支出のタイムラグは信用取引となり事業の運転資金となるばかりか、早く入金した分を支払に充てるまでの間、運用が可能となり営業外の収入を得ることもできます。

この手法を夫婦の家計に適用するとどうなるでしょう。

若いうちは独身時代または夫婦は結婚しても当面は子どもをつくらずにキャリア形成に全力投球して収入をあげていきます。(キャッシュインを早く、より大きく増やす。)

一方で子育て支出(キャッシュアウト)はなるべく後回しにして、支出が必要な時期が来るまでの間は、余裕資金分を運用に回して更に増やしておく。

こうして40歳をすぎてから積上がった資産を取り崩して教育費に充てていくというわけです。

若くて収入が少なく、またキュリアをどんどん積んでいく途上で子育てに時間をとられる場合と比べて堅実にみえます。

ただしこの場合、子どもを産み育て始める前に、夫婦そろって将来の教育費のための貯蓄をしっかりと済ませておく必要があります。首尾良くキャリア形成ができて高い年収を実現できる。節約生活を続けてしっかりと貯蓄する。この辺りが不十分であると子育てを後ろ倒しにした意義が薄れてしまいます。

(つづく)

2016年11月27日 (日)

ニッセイ外国株式インデックスファンドの下方乖離が起きたから、あなたは積み立て商品を変更しますか

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(まだ、そんなに悩まなくてもよいでは)


<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(以下、ニッセイ外国株式)にて11月上旬におきた下方乖離の問題について、少しだけふれておきます。

この問題は多くの個人投資家ブログでとりあげられてきました。ネタ枯れしやすい11月において、ちょうどタイムリーな話題であったかもしれません。

■ブログ記事からみた下方乖離の問題における意見

皆さんのブログ記事の内容を括ってみると、だいたい次の意見に集約されます。

▼なぜ下方乖離が起きてしまったのか。その時の運用会社のオペレーションを紐解く。

▼今回の下方乖離自体を重く見ており、運用会社の責任を問いたい。

▼下方乖離に関する臨時レポートを発信した運用会社の姿勢をどう捉えるか。

▼運用会社の過去のトラッキングエラーも含めて取り上げ、この商品は今後の購入・保有を控えるべきだ。

今回の下方乖離の問題をどの程度深刻に受け止めているのか。この商品を資産運用のビークルとして利用中であるならば、その方針を今後変更するのか否か。個人投資家各人の判断はまちまちでありましょう。

■ニッセイ外国株式に×(バツ)をつける前に

個人投資家の皆さんの中にはこの問題を契機としてニッセイ外国株式の売却や購入停止を決断する方もでてくるかもしれませんが、その前にWATANAKOからいくつか進言させていただくとすれば次のとおりです。

(1)今後の乖離発生の頻度はどうか

ニッセイ外国株式において今回のような乖離は今後も頻発することなのか。それともたまたま起きたことなのか。それによってニッセイ外国株式の購入・保有の是非が変わってくるでしょう。言うまでもありませんが頻発すればニッセイ外国株式のインデックス投信としての品質は劣後していることになり購入・保有には難ありです。

ただ現時点でそれを定量的に判別できる人がいたとしたら、是非ともその内容を拝聴したいものです。


(2)上方乖離でも同様に騒いだのか

今回は下方乖離(=インデックスよりもリターンが損なわれた)でしたが、果たしてこれが上方乖離ですとこれだけの騒ぎになったでしょうか。購入・保有の是非論まで話が行き着いたでしょうか。

あなたが今回もしも「損をしたがゆえに騒いでいる(=超過リターンなら責めない)」としたならば、その場合、インデックスファンドについてもう少し理解を深める必要があります。

(3)他社での発生リスクはどうみるか

ニッセイ外国株式でおきたことが、今後たわらやiFreeではおきないのでしょうか。どの商品でも等しく起こりえるのであれば、今回の騒動を契機に他の商品(それはニッセイ外国株式よりも信託報酬が高い)に乗り換えても、それは対策とはちっとも言えません。

さて、これらを総合してみて、それでもあなたはニッセイ外国株式に今この時点で×(バツ)をつけるのでしょうか。

■各社商品による競争環境が望ましい

しっかりと分析されているブログ記事をいくつか読ませていただいた限りでの判断ですが、WATANKOは今回の下方乖離は、たまたまやらかしてしまった事態だったとみています。それゆえに積み立て投資商品をニッセイ外国株式から、ただちに他の商品に切り替えるつもりは今のところありません。

しかし一方で今回改めて感じたことは、商品の競合においては、各社の商品が常に僅差でひしめき合うような状況が顧客にとって最も利益があるということです。

ニッセイが起こしたアクシデントに乗じて拮抗する競合商品が取って代わり、個人投資家の支持がそちらに急速に流れるといったような競合状態が個人投資家にとって望まれます。

WATANKOはしっかりと継続的なマーケティングを行い、信託報酬最安値の座を守り続けているニッセイを高く評価します。しかし一方でニッセイにガッツリ競合する運用会社の登場も待ち望んでいます。競争環境が作用することで商品・サービスの向上はどんどん進んでいき、それは益々個人投資家にとって望ましい状態となるからです。

たわら、iFree、三井住友DCなどニッセイに競合する商品はいくつかありますが、資金流入ではニッセイに大きく水をあけられており、ニッセイとの間で支持が拮抗しているとは言い難いです。これら各シリーズの今後展開に期待したいところですね。

ニッセイ側もまた、油断しているとトップの座を奪われかねないとなれば、今回のような問題に今後も注意することでしょう。

そういえばたわらは信託報酬の引き下げを検討していると聞きました。敵失ある今が絶好のタイミングではないでしょうか。

アセットマネジメントOne株式会社 御中

2016年11月26日 (土)

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」に投票しました

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(今年で10年目となりました。おめでとうございます!)


投信ブロガーによる商業目線抜きの投票イベント、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」の投票期間が始まっています。

公式サイトは以下であります。投票期間は今月30日までなので、投信ブロガーの中でまだ投票されていない方は、どうぞお忘れなく!

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016

・・・と、他人に勧めておいて自分がうっかり忘れてはなりません。先ほど投票を済ませました。運営事務局の指示に従い、なりすまし投票を防止するために本記事にて投票完了を告知致します。

■WATANKOの投票ルールと選んだファンド

WATANKOは今年で7回目の投票となりますが、自身の投票にあたってのマイ・ルールは次のとおりです。

①自分が投資信託に求めている一番重要なメッセージを最も具現したファンドを1本だけ選び、そこに5ポイントすべてを割り当てる。

②自分が実際に購入・保有しているファンドの中から選ぶ。自分が身銭を切って買っていることが最大の説得力を持っており、他人に勧められると考えているから。

上記にルールに照らして選び、5点を投じた投票ファンドはやはり今年もこれになりました。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
信託報酬0.20%(税抜)

さて今年の第1位の最新予想をあげておきます。11月上旬に米国大統領選に伴い、インデックスからの乖離問題が発生したとはいえ、投信ブロガー全体としての支持が厚く、今年の第1位は一昨年、昨年に引き続き、ニッセイ外国株式が獲得するとWATANKOは予想します。

関連記事
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016>予想一番乗り

2016年11月23日 (水)

BIG tomorrow 12月号増刊にて紹介されました

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(あなた、また載っているじゃない!?・・・と言われてみたい。)

お金持ちを目指すためのあらゆる手法を、いつもエネルギッシュに紹介しているマネー雑誌「BIG tomorrow」の12月号増刊にWATANKOの紹介記事が掲載されました。

いや正確には同誌の本年3月号にてWATANKOが紹介された記事の再掲載であります。

関連記事
BIG tomorrow 2016年3月号にて紹介されました

もっと正確にいえば本年3月号の紹介記事の再掲載は同年5月号増刊に続いて、2回目となります。

2度の再掲載にあたっては初掲載から掲載内容には変更なく、WATANKOの40歳スタートと遅咲き個人投資家としてのキャリアとインデックス投資について語っています。

なお今回の12月号増刊のテーマを「積み立て投資」であり、WATANKOの他にも個人投資家が何人か紹介されています。

中でも駄ブログに相互リンクいただいている方々としては次のとおりです。

ほったらかし投資のまにまにのとよぴ~さん
心豊かにシンプルライフのクロスパールさん
いつか子どもに伝えたいお金の話の虫とり小僧さん
インデックス投資日記@川崎のkenzさん

(以上、掲載ページ順)

上記の並みいる著名ブロガーに混じって、駄ブロガーWATANKOの記事が再掲載されたことは恐縮であります。(BIG tomorrowを定期立ち読み購読しようかな...)

さて、この手のマネー雑誌は、じつに様々な内容が詰まったごった煮シチューな構成になっていることが多いです。時には相反する、または整合しえない2つの記事・特集が1つの雑誌に併載されることも珍しくありません。これは様々なニーズを拾い上げて幅広い購読客にアピールするためなので、商業雑誌であればよくある傾向です。

それでも今回の増刊号では上述のとおりテーマとして「積み立て投資」を掲げているので、掲載された各記事の間ではなんとなく整合がとれている印象をもちました。

雑誌のボリュームも約100ぺージと手頃であり、サラリーマンであれば通勤時間帯に読むのに丁度良いでしょう。投資を始めようと考えている紳士・淑女におかれましては、このような気軽に読めるマネー雑誌を足掛かりとして、さらなる投資の知識・見識にふれていくステップがとてもスマートであります。

2016年11月22日 (火)

2016年11月の積み立て購入商品

さて今月も積み立て投資を着実に実行しました。などと書くとおおげさに聞こえますが、SBI証券にて記事を手動で金額買付をするだけです。所要時間は合計で5分もかかりません。

でもこの気軽さが大事であります。この手間いらずが長期投資で必要なことです。

WATANKOは日本株式、先進国株式、新興国株式のインデックス投信をSBI証券にて毎月積み立て購入しています。今月の積み立て商品のお値段(購入単価)は如何であったか?

Notes)表中の金額単位は円です。

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さらに11月の仕入れの結果、10月末と現在とを比較して、平均購入単価はどれくらい変動したのか?以下のとおりです。

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Notes)
*表中の金額単位は円です。
*NISAは暦年ごとに損益を認識する必要があるため2016年の分のみの表記としています。

さて今年の積み立て投資も残すところ来月分で最後です。昨年はNDロードスターを購入してしまい、投資にまわせた余裕資金が少なかったのですが、今年は5,000千円超を積み立て投資にまわせる格好となりました。

それだけの資金を投資にまわせたということは家計における大きな出費が特段なかったこと、不動産賃貸業で不測のトラブルによる出費がなかったこと、等を意味しています。よかった。よかった。

妻ミサト「あら大変、

寝室のエアコンが壊れたわ。
浴室のシャワーも取り換えないと。
固定電話も古くなって子機やFAXが使えなくて不便だわ。
それにやっぱり姿見が欲しいわ。
家族だんらんのために小さなコタツを買いましょう。
それといいかげんに私のムーブのノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの両方とも買い替えが必要ね。

よろしくお願いするわ。」

WATANKO「以上のリクエストは、すべてノンフィクションであります。(私のPCはもう1年我慢して使うか...。)」

2016年11月20日 (日)

BNDからの2016年11月分分配金

【11月18日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

68,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

29,297千円

■損益率

43.1%

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WATANKOは手元にある外貨をつかって資産運用のひとつの実験ともいうべき外国債券のETFであるBNDのバイ&ホールドを実行中です。

さてBNDから2016年11月分の分配金が入金されました。税引き後で233.99ドルです。これまでの推移は以下のとおりです。なお購入元本は1株80.48ドル×2,000株=160,960ドルです。

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続きまして債券に関する雑感です。

さて今年の分配金の払い出しは来月12月分が最終です。11月末時点で年間累計は2,754ドルにとどまりました。最近の月次分配金は200ドル前半の水準なので、この分ですと12月分の分配金まで含めた年間累計は3,000ドルにとどくかどうか微妙なところです。

WATANKOがBNDをバイ&ホールドしてから以降、2014年、2015年と分配金の年額合計は3,000ドルを超えていました。それにくらべれば2016年の実績はやや低調であったといわざるを得ません。

さらに基準価額の動きですが、前月紹介時点では“直近1年の推移としてはまずまず”と述べたもののここ10日間では、米国大統領選でトランプ氏が選ばれた影響か、金利の上昇とは裏腹にBND(債券)は下落しています。

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(SBI証券サイトより)


インカムゲインもキャピタルゲインもやや不調なままで2016年を終えようとしているWATATNKOの外国債券運用実験ですが、しかしながら、これにめげずに来年も継続する予定です。

2016年11月18日 (金)

あなたはいまさら松井証券に口座を開設しますか

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(どこまで流行るか。)

自動車メーカーでも投資信託の運用会社でも、後発参入組と称される者はマーケットの存在と競合先をよく把握して、必要な差別化をもって利を得るべく挑んでいきます。

さて、ネット証券会社の中堅どころの1つであります松井証券が投資信託販売に再参入するそうです。

■松井証券のユニーク(固有)なサービス「投信工房」

松井証券の公開資料によると、投信を組み合わせてポートフォリオという「作品」を作り上げるためのプラットフォームを「投信工房」と銘打っています。そのサービス内容は以下のとおりとてもユニーク(固有)であります。

1.取り扱い商品はすべてインデックス投信

低廉なインデックス投信7シリーズを取り扱います。ただし残念ながらFunds-iやiFreeは含まれていません。将来は追加される可能性があるかもしれませんが。

2.ロボアドバイザーによるポートフォリオ提案

利用者が8つの質問に答えることによって、ロボアドバイザーが利用者のリスク許容度を分析し、3つの運用コースから選ばれた1つと組み合わせることによって「モデルポートフォリオ」を提案します。

3.一括購入、リバランス積立など購入方法はいろいろ

モデルポートフォリオをひな形として、利用者が目標ポートフォリオを決めます。それに基づき一度の操作で複数の銘柄を「一括購入」したり、ポートフォリオの比率を一定に保つために積立購入額の商品別内訳を自動調整して買い付けする「リバランス積立」などの、機能を提供していきます。

さすが後発だけあって、リスク許容度を測り、ポートフォリオに決めて、インデックス投信を積立買い付けする個人投資家に対して、これでもかというくらい利便性を提供してくれるようです。

詳しくは松井証券の説明資料を参照ください。

参照記事
投信工房 説明資料

Provenなマーケットに再参入してきた松井証券

SMTシリーズが発売開始された2008年をローコストなインデックス投信の開闢元年とすると、あれから8年が経ちました。現在ではネット証券ではインデックス投信はそれなりのシェアを築いています。

参考として以下は直近のSBI証券の買い付け件数のランキングです。トップ10の中にインデックス投資が5本もランクインしています。

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上記でみえるとおり、インデックス投信(+広義にはETFも含めて)には一定のProven(証明された)マーケットがあることを認めたからこそ、松井証券は再参入を決めてきました。

沼に魚がいるとわかったので、そこで再び釣りを始めたわけです。

今や後発組となった松井証券は、上述した投信工房と銘打った利便性でもって参入しようとしていますが、果たして同証券が想い描いたようなシェアを獲得できるでしょうか。

■既存の個人投資家からみた疑問

既存のネット証券を利用してインデックス投信を一定期間積み立て投資してきた市井の個人投資家の目線で、中立的に、冷静に、現実的に考えてみると以下の疑問(松井証券にとっての逆風)が挙げられます。

疑問1)いまから口座を増やす手間をかけられるか

既に松井証券に口座を保有している人や、新しく証券投資を始めようと口座開設するネット証券を選んでいる最中の人、はたまたいくつもの証券口座を同時保有することにためらいのない人など、これらの人々にとって投信工房はとても興味深く、あるいはありがたく思えるサービスでしょう。

しかしすでにSBI証券や楽天証券等に口座を開設済みであり、そこそこの金額の投信を積み立て済みの個人投資家にとって、投信工房があるからといってわざわざ松井証券に新規に口座を追加開設し、手数料と手間をかけて保有証券を移管するほどの決意が湧きおこってくるでしょうか。

別に松井証券でなくても他のネット証券にて、たわらノーロード先進国株式や、<購入・換金手数料無し>ニッセイTOPIXインデックスファンドを買うことは可能だというのに、です。

疑問2)利便性が必ずしも生きてこない

投信工房の説明資料には、リスク許容後の把握に始まり、ポートフォリオの検討、ひいてはモニタリング、リバランスについてまで、その重要性と必要性が語られています。

この説明資料を読んで内容を理解することが出来るほどの金融リテラシーの素養をもつ人、換言すれば松井証券の投信工房のありがたみがわかる人であれば、一方で皮肉なことに投信工房に頼ることなく一連の行動を自ら決めて実践していくことができるのではないでしょうか。

投信工房を通してポートフォリオを構築できる人は、おそらくは投信工房(ロボアドバイザー)がなくともやはりポートフォリオを構築できる人といえます。


疑問3)競合他社が追随してきたときに独自性をいつまで保てるか

投信工房が提供するサービスは今のところユニーク(固有)な内容であり、松井証券の投信販売における強みとなりそうです。しかし今後もしも競合他社が追随してきた場合、松井証券は「そのサービスの強み」をいつまで維持できるでしょうか。

特許申請中であるリバランス積み立てはともかくとして、その他にあるポートフォリオ構築サービスなどについて競合他社も追随して採用してくれば、投信工房=松井証券にとって利便性の優位は急速になくなってくるでしょう。

SBI証券から保有商品を移管したのに、1年後にSBI証券が投信工房と同じサービスを始めた。こんな展開がおこらないとは限りません。

■競争はもっと厳しく、これに挑む必要あり

ちょっと厳しい目線で言えば、十分に魚がいるからとわかって、後からのこのことやってきた漁師の漁具に魚がどれだけ引っかかってくるのか。そんなに甘い競争なのでしょうか。

投信工房の利便性の販促効果が、松井証券の思惑レベルまで発揮されるのか。これまで競争をつづけてきたSBI証券や楽天証券らにこれから割って入ろうとするならば、スタートUPの販促として、例えば割引率がうんと高い投信積み立てキャンペーンを半年間かけて展開する、SBI証券に負けなくらいのマイレージ制度を導入するなど、思わず勢いで松井証券の口座をつくってしまうくらいの魅力的な内容を展開する必要があります。

■まとめ

繰り返しますが、松井証券の「投信工房」は、それ単体で見た時には現時点ではとても利便性に優れたサービスです。

しかし一定期間に他のネット証券を利用してきた個人投資家からみれば、わざわざ保有商品を移管させるインセンティブにまではなるかというとWATANKOには懐疑的です。松井証券における投信販売では、利便性に優れていることに加えて、ここはもう一段、二段の集客方法が必要ではないでしょうか。

2016年11月14日 (月)

インデックス投資家オフ会「ムサコ会」に三度出席

相互リンクいただいているおぱるさんが主催されているインデックス投資家のオフ会(通称:ムサコ会)に先日、またまた出席させていただきました。

関連記事

インデックス投資家オフ会「ムサコ会」に出席しました(2015/12/18)

インデックス投資家オフ会「ムサコ会」にふたたび参加(2016/5/15)


今回の参加者は次の方々です。(五十音順)

ASKさん (仮)マネーの知恵 

おぱるさん インデックス投資女子Around40 Happy Life

kataharuviolaさん

kenzさん インデックス投資日記@川崎 

tacaciさん tacaciの投資ブログ 

鳩さん 鳩ノート

ますい画伯さん ますい画伯とインデックス投資? 

ヤマモトさん

夢見る父さん(さん) 夢見る父さんのコツコツ投資日記

yukiさん 

WATANKO

WATANKOは当日、定刻を若干過ぎた時間に、会場である都内某飲食店に到着。すでに皆さんおそろいでした。

ムサコ会は三度目ということもあって、ほとんどは存じ上げている方々ばかりであります。普段、ツイッターなどでやりとりさせていただいていたり、他の投資関連イベントでもお会いしているため、とてもリラックスしてお話をさせていただきました。

話題は不動産投資の話と車の話を少々...あとは色々ありましたが実はよく覚えていません。(実は仕事の疲れが相当溜まっており朦朧としてました...参加者の皆様、すみません。)

そうそうネタとして自分のSBI証券口座の年次リターンの表をチラシとして持っていき披露しました。よくみると昨年、今年は年次リターンは赤字です。でも全然気にしていませんわ、と虚勢強気な態度。

ちなみに昔から思っていたのですがSBI証券は損益赤字なのに金額表示は青字。黒字はその逆なので紛らわしいですね。

あとは以下のますい画伯さんのブログ記事を参照ください。

ますい画伯とインデックス投資?
トランプショックを受けてインデックス投資家集合@ムサコ会


さて今回のムサコ会にお集まりの皆さん、そしてそのほか多くの個人投資家の皆さん。直近半年の間にイギリスがEU離脱を決めようが、トランプ氏が大統領に選ばれようが、現在のMSCI-KOKUSAIは半年前と同じ水準です。(ETFの1680で例示すると以下)

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相場の目先の上下にいちいち惑わされて短期売買の愚を犯さないように、どっしりと構えていきたいものですね。

というわけで、今回のムサコ会出席者の皆さんのスマイルとともに本稿を締めたいと思います。

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2016年11月13日 (日)

バランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資【Refrain 2016】

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(バランスファンドのメリットをとことん活かしましょう)


さてインデックス投資を実践する個人投資家の皆さんの中には単一アセット商品を自分で買いそろえてポートフォリオを構築する方もいれば、リバランスいらずのバランスファンドをメインに据える(+人によっては多少の単一アセット商品で補完する)方もいます。

昔のように低廉なバランスファンドがまだ少ない時代であれば、前者のケースをとる人が多かったかもしれません。しかしながら今現在においては安くて様々なタイプのバランスファンドが揃ってきたことによって、なかには自分の思い描くアセットアロケーションにかなり合致した商品を選ぶことが出来るようになり、後者のケースも増えてきているかもしれません。

そこでこれから始めるバランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資を改めて提案してみたいと思います。

1.バランスファンド1本を積み立て投資

まず今後の積み立て投資を行うにあたって、その時点で売られているバランスファンドの中から、現在の自分にとって採択したいアセットアロケーションに一番近い商品を1本だけ選択し、積み立て投資を行います。

2.より理想的な新商品が発売されれば積み立て先を切り替え

積み立て投資を継続する過程で自分にとって、より理想的なアセットアロケーション、あるいは積み立てしている商品に比べて大幅に低廉なバランスファンドが新発売されたら、積み立て投資先を躊躇なくそちらに切り替えます。一方で積み立てしてきた既存バランスファンドはそのまま保有します。

資産取り崩しステージになったら、あるいは途中で資金需要が発生したら、古いバランスファンド(その時点の自分が採択しているアセットアロケーションとの乖離が一番大きい)から売却します。

例えばその昔、セゾン・グローバル・バランスファンドを選び、そのうち世界経済インデックスファンドが発売されると、債券も含め新興国投資を重視してこちらの乗り換えを行う。さらにはREITへの分散を図りSMTインデックスバランス・オープンへ新たに乗り換えるとったイメージです。

この場合は分散投資をより徹底させたいという方針のもと、伝統4資産から新興国やREITへの分散を強めた商品が発売されればそちらに乗り換える指向をもっており、これに沿った積み立て先の切り替えです。

3.年1回の検討結果で切り替えても良い

また新商品のバランスファンドが発売されなくとも、年1回定期的にこの先1年間の自分の望むアセットアロケーションを再確認し、場合によっては別の既存バランスファンドに乗り換えるという手法もあるでしょう。

例えば、若い頃は株式アセットの長期的成長に主眼をおいてeMAXIS全世界株式インデックスを積み立てしてきましたが、壮年期を迎えてリスクを抑えたくなり世界経済インデックスファンド(債券シフト型)に切り替えるといったケースです。

このようにその時々で自分にとってベストなバランスファンドを1本選び、これに積み立て投資する。より自分にマッチした新商品が発売されれば、あるいは年月を経て自分のアセットアロケーションに変更が生じたら、躊躇なく切り替えるとうシンプルなバランスファンドによるインデックス投資です。

ここで強調しておきますが、これ以外の余計なことは一切せずにひたすらバランスファンドの利点を最大限活かすことがキモであります。なにか余計なことをしてしまうともうそれでもってバランスファンドを選んだ意義が薄れてしまいます。

(まとめ)

●今の自分に一番合うバランスファンドを1つ決めて積み立て投資する。
●新商品の発売やアセットアロケーションの考え方の変更に伴い、積み立て先を躊躇なく変更する。
●過去の保有商品はそのまま保有。資金需要があれば古い商品から売却する。

バランスファンドに関心が高い個人投資家の皆様におかれまして、以上のとおりこの駄ブログからバランスファンドを活用したシンプル投資法を謹んで上奏致します。


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もしもWATANKOが子ども達に長期保有を前提として金融商品を進めるとしたら、迷わず低廉なバランスファンドを選びます。どーんと買わせて後はひたすらほったらかしでOK。その間に以下のような図書でも読んで、金融リテラシーを涵養してもらいたいです。


さて、これにて2016年のRefrainはおわりです。次回よりこの駄ブログは平常運転に戻ります。

2016年11月11日 (金)

投資のリターンに対する常識的な理解【Refrain 2016】

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(こつこつ収益をあげて、その一部が還元されます。)

【現実・日常の一コマ】

WATANKOの勤務する部署のお隣の部署では一生懸命、新規ビジネス投資を検討しておりそこの部署では日夜、投資案件の起案と選別にいそしんでいます。わきで見ているまた傍から聞いていると、リスクをおさえて企業がリーズナブルに投資できる案件でIRRを二桁越すものを選定することはかなり大変なようです。

そりゃそうです。金融取引にかかわらず財・サービスの取引における値段にはないがしかの裁定が働きますので、20%や30%ものマージンをずっと安定的にあげられる取引などそうそうありません。

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【こちらブログ】

ビジネスマンであれば会社が稼ぐ売上高に対して最終利益である当期純利益が、一般的にはどれくらいの比率であるか御存じでしょう。

借入金の元本に対する支払利息が通常どれくらいの水準であるか御存じでしょう。それらは平均的なところでは数%の水準であります。

株式であればそこから一部が配当にまわされる、債券の利率は金利の影響を受けるということを踏まえれば株式投信、債券投信のリターン(インカムゲイン)の水準もおのずとわかるというものです。勿論キャピタルゲインもあるでしょうが、特に株式のそれは美人投票といわれるくらい移ろいやすいものであります。

つまりは株式や債券への投資リターンは振れ幅が大きいキャピタルゲインは横においておき、インカムゲインを中心に考えれば数%の水準と考えるのが妥当です。こんなこと金融リテラシーと称するのは恥ずかしいくらい常識かと思います。

誤解を恐れずに言えば企業が業績予想どおりに配当を支払ってくれる。金融機関が債券のクーポンを支払ってくれる。このようなリターンを市場平均レベルでこつこつ積み重ねるのがインデックス投資だと考えています。

一方で投信でも個別株でもよいですが、アクティブ投資はこれらリターンの水準を一定量超過することを目指しており、それは市場平均を上回る配当やキャピタルゲインの大幅な上昇に期待をかける投資方法でしょうか。

本業に注力してそこから得る所得とそこから節約して貯めた資金をもとにコツコツ投資元本を積上げて増やしていく。

そうやって元本を大きく増やした自己努力に対して、リスクがあるとはいえ、そして数%とはいえ、それでも市場全体に投資するがゆえに比較的堅実なリターンを与えてくれる。インデックス投資とはそのようなものではないでしょうか。

これが市井の個人投資家にはよくマッチしています。

(あとがきにかえて)

「キャピタルゲインが大きく得られる銘柄をみつけることこそが投資における努力なのである」と考える個人投資家もいることでしょう。(「投資」とはむしろこのような行動規範であると一般的には思われているやもしれません。)

しかしながらインデックス投資を選好する個人投資家にとっての投資とは、個別具体的な金脈(銘柄)を選んで鉄火場をはるのではなく、経済成長が期待できる世界全体に大事な手金を預託することです。

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書いてあることは実にとるに足らない内容です。インデックス投資で得られるリターンは市場平均であり、それすらもリスクをはらんだ上でのトライアルです。インデックス投資に過大な期待も、極端な楽観も持ってはいけません。

インデックス投資を長年実践していると、その成果に満足できない時があるかもしれません。そんな時にはそもそも目指している投資スタイルが何であったのか、都度振り返ることが必要かもしれませんね。

2016年11月 9日 (水)

元本取崩しを禁止すれば投資信託は健全化するか【Refrain 2016】

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(預けたけど、早速いただくとしよう←いいのか、それで)

毎月分配型の投資信託はタコ足分配などと揶揄されることがあります。「分配金利回り」などと運用会社の胸三寸でいくらでも操作できるかりそめの利回りの高低でもって、投信信託を購入する人が絶えません。

そこで常々考えるのですが、やはり分配金というものは運用会社がその投資先から得られたインカムゲイン、キャピタルゲインを原資とする形に限定すべきだということです。

分配金の原資について元本取崩しを禁止し、その運用益に限定することで現状の投資信託のかなりの部分が変わるのではないでしょうか。

◆1.運用結果が良好でないと多額の分配金が出せないので運用会社、分配金の多寡でファンドマネージャーの実力がはっきりとわかります。

◆2.タコ足分配金では無いので、多くの顧客が安心して分配金を受け取れます。

◆3.分配金利回りはおそらく下がるであろうから、そこで顧客が販売手数料や信託報酬などコストに着目するケースが増えます。

分配金は設けた範囲の中から支払います、となれば多額の分配金を出せない運用会社、ファンドマネージャーにとってかなりプレッシャーとなるでしょう。

毎月分配金型投信、通貨選択型投信などはコストが高いため、多額の分配金を出すことができず資金流出が続いて淘汰されるかもしれません。

投資信託はすべからく無分配であってほしいですが、お上の指導もありそうはいかないのであれば、上述のとおり運用益を原資に限定した分配金をせめて年1回、平均5%程度の利回りでコンスタントに支払う投資信託が望ましいです。勿論ながら大暴落が発生した年は元本が棄損する一方、インカムゲインも減るので分配金も多額は望めません(分配金が無い年もあるかもしれません)が、その逆の場合もまたあり得ます。

こうして分配金の金額が株式の配当金のように毎回変わることは、一見利便性を損なうかもしれませんが、とりもなおさずそれはファンドのその時々の運用力の高低を表すことになり、保有継続の可否を判断する材料ともなります。

リタイア世代となり、資産取り崩しステージとなった時に、一定の分配金(解約金)が必要なら手動で解約手続きすればよいです。リタイア世代になれば月に1、2回、金融機関で出向く時間はあるでしょう。またネット証券を利用できるならSBI証券の定期売却サービスもあります。

市井の人間が定期預金を積むがごとく1,000千円単位でポンと、とある投資信託を買い、変動があるも毎年分配金をコツコツ受け取る。そんな光景について、タコ足分配をする投資信託であればおちおち見ていられないかもしれませんが、運用益限定の分配であれば元本保証はないもののまずまず合理的な選択かもしれません。

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インデックス投資ブログ界隈では、以前は毎月分配型投信についてそのデメリットを説明する記事が多く書かれていました。グーグル先生に聞けば、たくさんのブログのストック記事が出てくるでしょう。

投資信託はその字がごとく、「リスクを覚悟して信じて託す」金融商品です。それなのに毎月分配型投信とは預けたそばから資金を返す商品です。個々人の事情で資金を引き出すならまだしも、運用する側からそれを提案する商品を売りつけてくるとはマッチポンプもいいところです。

関連記事
毎月分配型投信-お仕着せの分配金のどこが合理的なのか(2015/12/26)

毎月分配型投信についての所感記事まとめ(2013/8/23)

2016年11月 7日 (月)

家計のバランスシートをつくる時の悩ましさ-資産評価と将来債務【Refrain 2016】

この駄ブログは2010年3月に開設し、以来6年8か月が経過しました。これまで記事を1,300本UPしてきましたが、その中から自分自身の投資やライフスタイルその他についての考え方を記したものを1年に一度、Refrainと称して何本かとりあげて再度紹介しています。これまでのRefrainはこちらをどうぞ。(なお初回時に対して一部追記・修正してあります。)

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家計のバランスシート(以下、家計B/S)を作成して、自分の財政状態を的確に把握することは資産運用以前に家計診断などの段階でしばしば唱えられている手法です。個人投資家ブログでもこの家計B/Sを作成、公表している事例を時折見かけます。(公表といっても金額ズバリを記載されている方はまずみかけませんが。)

WATANKOもまた家計B/Sの作成を以前、試みたことがありますが、その際には以下の2つの悩ましさに直面しました。

■不動産の資産評価

家計B/Sをつくるとき流動資産、流動負債、固定負債はわりと簡単に算定できるでしょう。

問題は自家用さらには事業用の不動産(固定資産)を所有している場合には、その不動産の資産価値をどうみるかが家計B/Sに大きな影響を与えます。所有する不動産の価値を過大にみれば純資産の厚みは増しますが、家計の実態から乖離するおそれもあります。イメージは以下です。

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さてその固定資産の評価方法についてですが、まずは一般的な評価の方法を紹介しておきます。

SAFTY JAPAN
不況に負けない「お金の管理・運用」は「この手」
「食いもの」にされずに生き残る「賢者の知恵」とは
不動産の価格はどう評価されるのか?――3つの公的指標と3つの価格評価法を理解しておこう

上記によると土地の価格を示す公的な指標としては主に、

(1)公示価格(基準価格)
(2)相続税路線価
(3)固定資産税評価額

の3つがあり、(1)に比して実勢売買価格は地価上昇時には割高に、地価下落時には割安になります。また3つの価額の関係は(2)は(1)の約8割、(3)は(1)の約7割となるとのことです。さらには各々の不動産に対して広さや形状など個別性を反映したプラスまたはマイナス評価を加味することなどが紹介されています。

所有する不動産の価値を公正に測定する場合には、つまるところ不動産鑑定評価を行うべきなのですが家計B/Sを算定するという目的に対しては手間とコスト負担が大げさでしょう。

他に現実的な方法としては地元の不動産業者(できれば複数)に近隣物件の事例を参考に実勢の売買価格を見積もってもらうことでしょう。しかしこれも本気で売る気がなければ不動産業者の協力もおぼつかないでしょう。

そこでWATANKO流に簡易算定を提案するとなれば以下です。

まず元ネタは固定資産税評価額を用います。これは毎年、市役所から評価書が郵送されてきますので参照が簡単です。また上述の引用先でも述べられているとおり公示価格、相続税価格よりも低い水準であり保守的です。

これに近隣土地の需給バランス、土地の細かいマイナス評価の要素、タイムリーに買い手が現れるかどうかという流動性のリスクなどを加味したとして固定資産評価税の50%を実勢売買価格と見なします。

公示価格の約70%が固定資産税評価額、その50%がマーケットプライスでかつ希望する時期に売れる価格と見なすわけです。つまりは70%×50%=35%であり公示価格の約3分の1が見なし売買価格となります。

とにかく売主が希望する時期に売却したいというニーズを満たす可能性を高めるとなれば金額水準的にはここまで下げることを覚悟しています。さすがにここまでの水準であれば売却できる岩盤な価格と言えるのではないでしょうか。


■将来債務の取り込み範囲

「賃貸暮らしで住宅ローンがない我が家は目立った固定負債がない。総資産(流動資産+固定資産)と流動負債のバランスが純資産。流動負債なんてクレジットの月次支払いぐらいであり総資産=ほぼ純資産だ。安泰・安心だ。」

家計B/Sを算定するときにひょっとして上記のように考えているとすれば、ちょっと危ういです。なぜなら住宅ローンがなくとも、それに見合う形で長期に渡り住居の賃貸料を支払うという将来債務が存在しているからです。

同様に考えれば自身の老後の生活費や子どもの教育費用、親の介護費用のための拠出金、所有する建物不動産の修繕積立金など色々と将来債務が浮かび上がってきます。これらを思いつくままにどんどん積み上げていけば多くの家計B/Sは債務超過状態になってしまいます。イメージは以下です。

201309162


そこである程度の見切りが必要ですが、リスクをどこまで見込むかは個人次第なので、多くの人が納得するスタンダードを見極めるのは難しいです。

せめてできることといえば上記にあげた将来債務へのトータル引当金として適当な金額を毎年積み上げておくことが必要でしょう。換言すれば巷でよくいわれる生活防衛資金もこの一部といえます。生活防衛資金として蓄えている現金の貸借(相手勘定)は純資産ではなく将来リスク引当金という負債勘定でみるべきでしょう。

■まとめ

家計B/Sを作成するときには資産評価と将来債務によってB/Sの姿は如何様にも変わります。安全サイドにみれば資産評価は控えめに、将来債務はそこそこに反映しましょう。でも結果出来がったB/Sが債務超過になってしまってはちょっと元気がでないかもしれませんね。

おおっと大事なオフバランス資産をひとつ忘れていました。それは個人という人的資本です。これでなんとか貸借を合わせましょう。でも自分の能力、稼ぐ力の測定は不動産評価よりもはるかに難しいですね。

【補記】

典型的な例として住宅ローンを抱える個人の場合、自宅の資産価値はミニマムに見積もり、流動資産とあわせた総資産が住宅ローン(固定負債)とどうバランスしているのか確認すれば家計B/Sの把握としてはほとんどOKです。

ましてや住宅ローンを完済すればあとは自宅の修繕引当金でも積んでおけば、残りの流動資産=純資産となり、賃貸暮らしよりも良好な家計B/Sになるでしょう。問題はそれをいつ達成できるかですが。

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ちょっと会計チックな記載が目立ちましたが、個人の家計も企業の資産もB/Sで見るといろいろと面白いものです。上記記事では触れませんでしたが、さらには資産の回転率に注目してみるのも良い視点と言えるでしょう。

2016年11月 5日 (土)

(続)ニッセイ、信託報酬最安値の座 2016

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(当ブログでも、このロゴを何度貼ったことか。)


ニッセイはインデックス投信の販売において、冷徹でスキのないマーケティングをすすめています。

紹介記事
バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く
ニッセイAMが「購入・換金手数料なし」シリーズに日経225連動型インデックスファンドを追加

ニッセイアセットマネジメント(以下、ニッセイ)は自社にニッセイ日経225インデックスファンドという人気商品がありながら、これと真っ向から競合する商品を<購入・換金手数料なし>シリーズに加えてきたというわけです。

■ニッセイ日経225インデックスファンドの根強い人気

日経平均に連動する一般公募のインデックス投信としては、長らくニッセイ日経225インデックスファンド(以下、ニッセイ日経225)が信託報酬最安値の座を得ていました。

それが1年前にたわらノーロード日経225が登場、その後も日経225インデックスe、iFree日経225インデックスが続き、どれもがニッセイ日経225を下回る信託報酬を設定してきました。

それでもニッセイ日経225の人気は根強く、上述の競合商品との直近6か月間の資金流入額の平均は次のとおりです。

●ニッセイ日経225インデックスファンド  339百万円
●たわらノーロード日経225          55百万円
●日経225インデックスe            28百万円
●iFree日経225インデックス(9月単月)   13百万円

(データ元:投信まとなび

ニッセイ日経225は7年もの前に、確定拠出年金向け投信を一般販売した商品のはしりでした。以降、その安定した販売網と認知度で先駆者利益を十分に享受しています。純資産は1,000億円を超える水準となり、インデックス投信ではトップを走っています。

■ニッセイの徹底的に競合する姿勢

これほどの人気商品を抱えながらも、ニッセイは他社と徹底的に競合する姿勢を崩しませんでした。

最近、信託報酬を改定した<購入・換金手数料なし>シリーズの他ラインナップと同様に、今回新登場したニッセイ日経平均インデックスファンド(以下、ニッセイ日経平均)は信託報酬0.18%(税抜)と、競合商品よりもローコストとなっています。

ニッセイはたとえニッセイ日経225の資金流入が、より低収益であるニッセイ日経平均に流れるかもしれないことを想定しつつ、それでも競合商品への流出増を防止するためにニッセイ日経平均を投入したのでしょう。

ニッセイは自社のどの商品が勝とうがかまわない。ニッセイが勝ちさえすれば良いと考えたか。

ニッセイにこうやられては競合商品はたまらないでしょう。

ニッセイ日経平均はニッセイ日経225と同じマザーファンドですから、インデックスへの連動性やその他コストの面でも心配はなさそうです。とどめに配当込みインデックス連動を謳っています。これではたわら、インデックスe、iFreeを選ぶ理由がなくなりました。

もしも他社がニッセイ日経平均よりも信託報酬が安い商品を出してきたとしても、ニッセイはまたそれを下回ってくる。他社、そして我々にもそう思わせるのが現在のニッセイの凄味です。

これでニッセイのインデックス投信の信託報酬最安値の座はさらにゆるぎないものとなりました。

2016年11月 3日 (木)

フィアットよ、アバルト124スパイダーできたか

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フィアットWebSiteより)


WATANKOが住む地方都市にあるフィアットのディーラーが店舗を市内で移転しました。
そこで新しく建てられたビルの1階に構えられた新店舗を覗きに行ってきました。店内にはフィアット500系やクライスラーのレネゲードなどが展示されていましたが、WATANKOの一番の興味はアバルト124スパイダーです。

ロードスターに関心ある車好きであれば、マツダのこの軽量2シーターオープンカーのシャシーがイタリアのフィアットに供給され姉妹モデルが開発、発売されたことはご存じでしょう。

関連記事
フィアット124スパイダー登場。その価値がわかるイタリアンよ、とくと堪能あれ(2015/11/27)

(続)フィアット124スパイダー登場。その価値がわかるイタリアンよ、とくと堪能あれ(2015/11/28)

■ロードスターとの競合を避けたマーティング

イタリア本国で発表されたのは、欧州ではとても知名度が高い往年モデルと同じフィアット124スパイダーの名前を冠したモデルでした。デザインは昔の124スパイダーのディテールがちりばめられています。

しかしこの124スパイダーをそのまま日本で販売しても本家のロードスター相手に真っ向から競合することになります。

そこでフィアットはロードスターとのバッティングを回避するために、エンジンパワーが明らかに上で、よりアグレッシブな仕立てとしたアバルトというペットネームのモデルを送り込んできました。価格と比べてみると次のとおりです。

ロードスター         2,495~3,197千円
アバルト124スパイダー 3,888~3,996千円

トップグレード同士で比べると124スパイダーの方が800千円、25%高。これは約40馬力、10kgのモアパワー&トルク、ちょっと豪華な内装の仕立て、そしてアバルトというブランドに見合うかどうかは微妙なところです。

ただし欧州での販売価格(例:29,565ポンド×134円=3,962千円)と比べて大きな差はなく、インフラコストが高い日本で上述の値付けとしたのは頑張っていると言えます。

参照記事
こだわり輸入車のコアカーズ
【並行輸入車】アバルト 124スパイダーを徹底解説。お好みの仕様で並行輸入します。

フィアットはこうしてロードスターとはキャラクターと仕様、価格帯が異なるマーケティングを展開してきました。

■実車はとてもアグレッシブなモデルに見える

冒頭で述べたとおり、WATANKOは地元ディーラーで124スパイダーを拝見しました。

NDロードスターに比べて、124スパイダーはサイズも大きく、特にヘリテージルックと呼ばれるボンネットをブラックに装飾された仕様は想像以上にアグレッシブな印象でした。ヘッドライトのデザインはクラシカルですがわかりやすく、万人受けしやすいカッコ良さをもっています。

NDロードスターにモアパワーを求める潜在購入層に対して、124スパイダーはそれなりの訴求力があるでしょう。

一方でロードスターよりも車両重量は1割増え、リアのオーバーハングも伸びている124スパイダーはライトウェイトスポーツの精神においてはロードスターよりも後退しているのも事実です。

オープンスポーツドライビングに関して、ライトウェイトのキビキビとした走りとパワフルなツーリング、どちらの+αを求めるかによってこの2モデルの間での選択はおのずと答えがでてくることでしょう。

■“洋魂和才”なモデルがもっと増えてほしい

イタリアの自動車メーカーはこれまで色々な合併統合を繰り返して現在フィアット1社が残っています。そのような経緯があってフィアットには色々なブランドや馴染みのあるモデル名があります。フィアット以外にもアルファロメオ、ランチア、マセラティ、クライスラー、フェラーリなど等。そしてアバルト124スパイダーというブランド&モデルもそれらの一部です。

フィアットはこういったブランドの扱いが実にうまいです。例えばアルファロメオにおいてジュリエッタ、ジュリアという往年の魅力的なモデル名をうまく使ってニューモデルを発売しています。

昨今はロードスターが、NDを発売してオープンカーの魅力を再び訴求し始めています。そこに乗じてフィアットはマツダの優れたシャシーをつかって自社のスポーツドライビングを提案してきました。

日本の自動車エンジニアリングを活用して、自社のブランドを上手に展開する。フィアットだけでなく、こうした和魂洋才ならぬ“洋魂和才”なモデルがもっと増えると自動車の世界は広がりをみせていきます。

これからも日本のメーカーの優れた製品開発技術、高品質を活かした海外メーカーのモデル展開を期待したいものです。

【2016/11/4追記】
ロードスター(ただし2.0Lモデル)とアバルト124スパイダーの海外比較試乗記事を紹介しておきます。
参考になると思います。

海外自動車試乗レポート
アバルト 124スパイダー vs マツダ MX-5 2.0: 比較試乗


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