「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」の投票結果と感想 #foy2016
今年もやってきた恒例のアワード「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」。WATANKOは今年も発表会に参加してきました。今回の会場は渋谷にあるTKPシダックスカルチャーホールです。
そういえば渋谷に出向くなんでX年振りです。若い頃はよく道玄坂あたりで...いや、昔話はやめておきましょう。
まずは昨年のトップ10のおさらいであります。
【第1位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
【第2位】三井住友・DC全海外株式インデックスファンド
【第3位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
【第4位】セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド
【第5位】ひふみ投信
【第6位】eMAXISバランス(8資産均等型)
【第7位】結い2101
【第8位】世界経済インデックスファンド
【第9位】ひふみプラス
【第10位】iシェアーズ MSCI日本株最少分散ETF
第1位の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは2014年に引き続き2連覇達成。得票面で2位以下を大きく引き離しての圧勝でした。
さて今年の結果は如何様であったか。
ちょうど1年前の記事では今年のアワードについて、WATANKOはこう予想していました。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの前人未到の3連覇の前にたちはだかる現時点の有力な候補は「たわらノーロード先進国株式」でしょう。 「ニッセイVSたわら」に注目です。
今年の投票結果は、はたして予想どおりの展開となりました。
名称の後の( )は昨年からの順位変動です。
【第1位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド (変わらず)
【第2位】たわらノーロード先進国株式 (初登場)
【第3位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) (変わらず)
【第4位】iFree8資産バランス (初登場)
【第5位】セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド (▼1)
【第6位】ひふみ投信 (▼1)
【第7位】ひふみプラス (+2)
【第8位】世界経済インデックスファンド (変わらず)
【第9位】<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド (+3)
【第10位】セゾン資産形成の達人ファンド (+1)
さて発表会のプログラムは以下のとおりでした。
第1部 投資信託 これまでの10年、これからの10年(トークショー)
第2部 結果発表
第1部はrennyさん、m@さんによるトークショー、第2部が投票結果の発表です。
詳しい内容や会場の様子については相互リンクさせていただいております、すぱいくさんの以下ブログ記事にてとても詳細にわたりレポートされておりますので是非ご覧下さい。
参照記事
1億円を貯めてみよう!Chapter 2
【速報】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016 結果発表【第一部 投資信託 これまでの10年、これからの10年】 #foy2016
【速報】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016 結果発表【第二部 結果発表】 #foy2016
さて今年の結果を振り返ると、一言でいえばランクインする商品は類型化がすすんだ内容でした。
このアワードで得票する傾向にあるファンドは以下に類型化されます。
(1)外国株式のインデックスファンド(投信またはETF)
(3)日本株式の独立系アクティブ投信
(2)バランスファンド
それぞれのカテゴリーごとの感想は次のとおりです。
(1)外国株式のインデックスファンド
分散投資を行う個人投資家の多くがメインに据えているカテゴリーが外国株式。とくに先進国株式MSCI-KOKUSAI連動のインデックスファンドです。このアワードでは2年目以降、このカテゴリーの商品に属するファンドが第1位を獲得するという傾向が定着しています。
個人投資家の多くが関心をよせるカテゴリーのファンドですから、多くの得票を得るのは自然な成り行きでしょう。
今年の第1位は<購入・換金手数料なし>外国株式インデックスファンド(以下、ニッセイ)が一昨年、昨年に続き3連覇となりました。得票数では昨年に続き2位のファンドを大きく引き離しての圧勝です。
一方、第2位となった、たらわノーロード先進国株式も、昨年第2位の三井住友・DC全海外株式インデックスファンドと同じく、初登場でVTを上回る得票を得たので善戦したといえるでしょう。
しかしたわらノーロード先進国株式は、今回のこの支持を継続・拡大させるためにはニッセイにさらに挑み続けることが必要です。信託報酬をニッセイよりも引き下げることはマスト、加えて純資産の大きさをアピールするとともに、何かもうひとつふたつプロモーションでも仕掛けていかないと、ニッセイとの距離は縮まらないでしょう。
マラソンでは先を走る相手に追いつき、追い越すには相手よりも明確にスピードアップしていかねばなりません。同じスピードでついていくだけではいつまでたっても乖離は縮まりません。
(2)日本株式の独立系アクティブ投信
このアワードではインデックスファンド及びそのバランスファンドが得票の中心になっていますが、日本株式クラスのインデックスファンドはなかなか上位にランクインしません。
なんとなれば日本株式クラスは先進国株式のように長期的な成長軌道にのっていないと捉え、アクティブ運用じゃないと儲けられないと考える人が多いからでしょうか。
さてそんな傾向の中、今年の結果をみると、ひふみ一強時代が訪れてきた予感です。同じマザーファンドを用いている「ひふみ」シリーズの得票を集めると、第2位の得票数をも上回るとのこと。
一方、毎年トップ10の常連であった結い2101は今年はランク外でした。結い2101は最近、運用成績が芳しくありません。もしもそれが原因で得票が伸びなかったとしたならば、結局独立系投資とて成績がすべて、理念などは二の次ということでしょうか。
独立系投信を購入する人というのは、その投信が掲げる理念を支持して、購入・保有を続けていると思っていました。だからこそ成績が芳しくないときこそ、その支持をアピールすべきなのではないでしょうか。
結い2101をこれまで支持してきた人たちにちょっと聞いてみたくなったWATANKOでした。
今回得票したひふみシリーズも、成績が悪ければそっぽを向かれるとしたら、ひふみもまた理念の浸透よりも何よりも結果を出し続けねばなりません。インデックスファンドと異なり、アクティブファンドはかくも大変です。
(3)バランスファンド
NISAの導入が後押しとなって存在感が増してきているバランスファンド。このアワードではセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド、世界経済インデックスファンド、そしてeMAXISバランス(8資産均等型)の御三家が近年毎年トップ10に入っていました。
しかし今年は動きがありました。iFree8資産バランスが初登場ながら御三家よりも多く得票し、堂々の第4位を獲得しました。
一方でセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの支持は安定、世界経済インデックスファンドもなんとかトップ10に踏みとどまったものの、iFree8資産バランスと同じアセットアロケーションであるeMAXISバランス(8資産均等型)がはじかれる形で15位にダウンです。
それにつけてもiFree8資産バランスの信託報酬は0.23%(税抜)と、かなり低廉であります。8つものアセットクラスに分散してこの圧倒的な低コストの前には、eMAXISバランス(8資産均等型)だけでなく、他のバランスファンドはみな霞んでしまいそうです。
さてiFree8資産バランスは来年も他のバランスファンドを席巻して、得票をのばすでしょうか。
■まとめ
ニッセイは従来のマーケティング(信託報酬の競争でとことん勝負)を続けていれば、他の競合ファンドに対して優位を保ち、来年4連覇をとる確率は高いでしょう。
純資産に関しては、ニッセイは既にeMAXIS先進国株式インデックスを抜いております。SMTグローバル株式インデックス・オープンとは昨年11月の時点で157億円の差がありますが、直近6カ月の資金出入額ではニッセイが月あたり11億円上回っています。つまりこのペースでいけばあと1年5か月でニッセイがSMTを純資産で抜き去るでしょう。
ニッセイは第1位の受賞スピーチで、信託報酬の引き下げにあたっての苦労についてふれていました。しかしその甲斐あって純資産はグングンとのびています。ビジネスにおいては結果がでていることが何よりの強み。実績は何よりも雄弁であり、説得力を発揮します。ニッセイはこれからも信託報酬最安値の座を維持して結果を出し続けるでしょう。
最後に上位に入賞された各ファンドの運用会社の皆さんならびに第2部で司会を務められたカン・チュンドさん、竹川美奈子さんらの記念写真を上げておきます。
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