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2017年2月 9日 (木)

eMAXISが4つの商品で信託報酬を業界最低へ連動させる-今後のマーケティングに注目

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(2017年はeMAXISの年?)

日本経済新聞2017/2/8
三菱UFJ国際投信、投信手数料「常に業界最低」に

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記事によると三菱UFJ国際投信(以下、三菱)はeMAIXSシリーズのうち国内外の株式、債券の4本で信託報酬を業界最低とする方針を固めたそうです。しかもライバル各社が対抗して手数料を下げても、連動して「常に最低」を実現するとのこと。

ただ単に信託報酬を引き下げるのではなく、他社のパッシブ投信が最安値を打ち出せば、それに連動して同水準に引き下げるところが最大の注目点です。

■eMAXISもコスト競争に参戦

信託報酬を引き下げてきている他社のインデックス投信シリーズに対して、これまで三菱はeMAXISのラインナップを拡充させる方向で対抗しようとしてきました。

しかしラインナップを増やせば増やすほど、それらは所詮キワモノばかりで購入する個人投資家は限られてしまいます。その結果、eMAXISシリーズ31本中、純資産が30億円未満の商品が17本と過半数の商品で資金流入が伸び悩む状況でした。(2017年2月8日現在)

一方で、三菱もコスト競争に無関心一辺倒だったわけではなく、受益者還元型と称する信託報酬の低減を打ち出していました。しかしこのマーケティングは、我々売り手がたくさん儲かったあかつきには、少し還元しますよといわんばかりに、顧客にとって「少なすぎる、遅すぎる」仕組みでありました。

関連記事
eMAXISシリーズの“受益者還元型”信託報酬制度は、やはり「少なすぎる、遅すぎる」

ところがここへきてついに三菱はコスト競争に本格参戦する意を固めたようです。それもワンショットの引き下げではなく、業界最低の信託報酬を設定する他社に連動するという結構ダイナミックな動きです。いままでの姿勢に比べれば大胆に舵を切りました。

■それでも厳しいシェア拡大

それではeMAXISシリーズはこのマーケティングによって息を吹き返して資金流入のスピードを加速させることができるでしょうか。

WATANKOは楽観視はできないとみています。たしかにこの連動型の信託報酬の低減によって、eMAXISのコスト競争力は復活するでしょう。しかしそれは他社と同じ水準というだけで、決して凌駕するものではありません。

いままでeMAXISの商品を保有していた個人投資家であれば、信託報酬が最安値水準になることでわざわざeMAXISからニッセイ、たわらへ商品の買い替えをする動きは止まるかもしれません。

しかしそれでは、例えば<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを毎月積み立て購入していた個人投資家が、これを機にeMAXIS先進国株式インデックスに乗り換えるでしょうか。

信託報酬が同じであればわざわざ三菱に義理でもなければ、そうそう商品を切り替えるインセンティブは働かないでしょう。とくに今までeMAXIS先進国株式インデックスを購入していない個人投資家であれば、わざわざ同じ信託報酬の商品の保有数を増やす意義はありません。

三菱が本当にとるべきマーケティングは、業界最低の水準に追随していくのではなく、常にこれを上回って業界トップの単独最安値を維持することです。

■同質的な商品・サービスの競争は甘くない

ビジネスのシーンでは、品質が同等であれば他社より安い見積金額を提示したところが仕事を受注するのがあたりまえです。お客の担当とねんごろになって他社の見積金額をこっそり教えてもらえれば営業活動としては十分上等でありますが、肝心なのは仕事を受注するためには他社の見積金額と同額では、お客が自社に発注する理由とは成りえず、他社の金額のその下をくぐった金額を提示する必要があります。

三菱はひょっとして、eMAXISがニッセイやたわらと「同じ」信託報酬にすれば、再び資金流入が増えるだろうと踏んでいるとしたらちょっと甘いのではないでしょうか。

コスト競争でいまやかなり後塵を拝しているeMAXISがふたたび資金流入のシェアを伸ばそうとするならば、ニッセイやたわらと「同じ」では不十分であり、それらを「下回る」信託報酬が必要です。

他社が業界最安値の信託報酬を打ち出してくれば、これに常に連動してさらに0.01%でも下回る信託報酬の引き下げを行う。いまの激しいコスト競争の世界ではこれくらいやらないと資金流入は思ったようにはすすまないでしょう。

■金融機関の横並びのプライドと限界

同質的な商品を取り扱う金融機関は他社と同じものを取りそろえる意識が昔から強く、他社にあるラインナップと同じものを自社にも揃えたがります。そこには「他社が揃えることができるのに、ウチに揃えられなのはおかしい」といわんばかりのプライドがあります。

しかしそうして他社に横並びで商品・サービスを揃えることができたとしても、他社の商品を凌駕するところまではなかなか踏み込んでいきません。それは時には値段の叩き合いを回避する賢い選択肢かもしれませんが、一方で前例、実績がないことにはなかなか一番手として踏み出しにくい金融機関の限界もまた表しています。

■まとめ

三菱はようやく重い腰をあげてeMAXISのコスト競争力の強化にのり出してきました。

「投信ブロガーが選ぶ!Funds of the Year 2016」の受賞の挨拶にてニッセイアセットマネジメントが信託報酬を引き下げるために販売会社、信託銀行の協力がないと難しいという苦労を説明されていました。それは三菱とて同様でしょう。

しかしながら何も前人未到の世界最先端技術を駆使した革新的な商品を提供してくれといっているわけではありません。

我々のリクエストは、運用会社に対して利害関係者との調整によって実現できるマーケティングをきちんとやってくださいということであります。

さあ、三菱についてこれからも注目していきましょう。

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コメント

そう簡単により変えません、次のニッセイさんの一手が楽しみです。

(名無し)さん、コメントありがとうございます。

>そう簡単により変えません。

そうなのです。信託報酬が同じではまったくその気が起きてきませんね。

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