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2017年2月25日 (土)

かつて若者だったオヤジ向けにメーカーが着々とすすめるスポーティーカーの復活

Toyotasupra2018spyshot20161128eyeca

(出展:motorauthority


日本のスポーティーカーについて、自動車メーカー各社がこぞって多様なモデルを発売し、それがブームとなって盛り上がったのは1980年代の半ばから1990年代の半ばです。

動力性能、高速安定性、そして旋回性能は海外メーカーに遜色ないレベルまであがり、デザインもまた洗練され、それでいて価格帯も幅広いので選択肢が豊富というわけです。

この時代、スポーティーカーとのカーライフを送った若者は今よりも遥かに多かったでしょう。

しかしバブル経済の崩壊後の自動車市場の冷え込みの影響は大きく、特に実用面で不便なスポーティーカーはどんどんモデルを減らしていきました。若者の興味・関心の多様化や経済的事情、メーカーとしても販売が減る中で排ガス規制や安全規制への対応が難しくなるなど、スポーティーカーにとって、これでもかというくらいに逆風が吹き続けました。

若者の側も家族ができたなどにより、ミニバンをはじめとするユーティリティに優れた車への乗り換えがすすみ、スポーティーカーからどんどん離れていく有様です。

こうして21世紀に入るとスポーティーカーはニューモデルはおろか、現行モデルの生産終了が続き、まるで死滅したかのようでした。

■徐々にすすむスポーティーカーの復活

ところが21世紀も10年を過ぎてくると、春先の野山でつくしが生えてくるように徐々に新しいスポーティーカーが出始めてきました。ホンダCR-Zやトヨタ86/スバルBRZ、それから数年経ち、ダイハツNEWコペン、マツダNDロードスター/フィアット124スパイダー、ホンダS660やNSXと続きます。

そして今般トヨタ・スープラもまた復活にむけて着々と準備が進んでいます。

参照記事
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トヨタ スープラに関するニュースまとめ一覧

NEWスープラはBMWと共同開発され、BMW Z5と兄弟車になるとのこと。共同開発はトヨタにとって、BMWのビークルダイナミズムを備えたシャシーを共有できること、2社によって販売台数を稼ぐことができて開発費の負担を減らすことが可能となることなど性能面、コスト面でメリットがあります。またブランド面でもとてもプラスになるでしょう。

スープラの他にも日産ではフェアレディZのフルモデルチェンジ、マツダはロータリーエンジン搭載モデルの開発を進めています。さらにホンダはNSXとS660の間を埋めるためのミドルクラスのモデルを企画中と車雑誌では喧伝されています。

■ターゲットは子育てのピークをすぎたオヤジ

しかしなぜ今頃になってスポーティーカーの復活ラッシュの兆しがみえてきたのでしょうか。メーカーのブランドイメージ向上や若者に対するアピールがあるのかもしれませんが、もっと実利的な面があります。

それはかつて若者であり、今や立派なオヤジとなった潜在顧客層に対して一定の販売台数を見込んでいるからです。

冒頭にあげた1980年代の半ばから1990年代の半ばの時代から20年を過ぎようとしている昨今。若い頃にスポーティーカーを買って乗りまわしてブイブイ言わせていた今のオヤジ連は、子育てが終わり、ユーティリティ中心の車選びというくびきから解き放たれます。

そうなるとオヤジ連は復活したスポーティーカーに関心を寄せるはずというのが自動車メーカーのマーケティングであります。

かくいうWATANKOもまた昔、若い時にNAロードスターに乗っていましたが、家族が出来るとスポーティーカーを手放して20年以上が経ち、それから再びNDロードスターに回帰してきました。

嗚呼、なんとも典型的な事例でありませんか。

WATANKOのような事例が全国のあちらこちらでヒタヒタを進んでいるのでしょうか。だとしたらメーカーもこの機を逃ずにスポーティーカーの復活にいよいよ力を入れてくることでしょう。あと2~3年もすれば再びスポーティーカーの百花繚乱の時代がやってくるかもしれません。

新しいスポーティーカーの登場と販売増はそのまま中古車市場にも影響してきます。まもなく86/BRZやNDロードスター等のたくさんの中古車が、お求めやすい価格帯となって幅広いユーザーに買われていく展開も予想されます。

(あとがきにかえて)

BMWとの兄弟車となって復活するトヨタ・スープラ。

リーマンショックの頃にこんな時代の到来を果たして誰が予見できたでしょうか。

自動車の魅力を十分に知りつくしている人々がいる限り、スポーティーカーは何度廃れてもまた復活してくることでしょう。

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