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2017年4月10日 (月)

日本株式アセットクラスはインデックス投資では儲からないのか

Twitterのタイムラインで興味深い記事を拝見しました。

参照記事
ダイヤモンド社 書籍オンライン
「ポートフォリオは主菜、個別銘柄はスパイス」という運用常識に日本の投資家が真逆をいく理由

上記の記事では「長期・積立・分散」という資産運用の王道が日本で普及しない理由と、それゆえにバブル経済崩壊後、日本人の間で短期売買、個別銘柄への投資が選好されてきた事情が述べられています。

それに記事の内容と符合するように、日本株式アセットクラスについては以前から「インデックス運用(市場全体への分散投資)では儲からない。アクティブ投資こそが必要だ。」という意見を聞くことがあります。

■昔のレコードでなく、将来に目を向けることが必要

日経平均株価は1989年末に38,957円の史上最高値をつけて以降、27年以上超過することがありませんでした。またバブル崩壊後から現在までをみれば、大きなボックス相場とも言えることから「日本株式に右肩上がりはないから、長期投資は報われない。」という意見が出てくることもうなずけます。

しかしながら27年以上も前に記録した、それも実体経済から乖離したバブル経済がゆえのレコードに、今尚こだわるべき価値が一体どれだけあるのでしょうか。

大事なことはこれから余裕資金を用いて投資を行う個人から見た日本株式市場の現在と今後の動向ではないでしょうか。

今後、わずかであっても、またその歩みが遅くとも日本株式市場全体が上昇するのであれば、そこに手金を張ることによって、昨今の預貯金などでは到底得るべくもないリターンを獲得することができます。

一方、これから下落すると予想するのであれば、毎月着実に積み立て投資を行い、徐々に購入した証券の平均購入単価を引き下げていきます。

そして上述のとおり、ボックス相場が続くのであれば、相場はいつかは回復局面に転じます。そこで安い単価で、たくさん仕入れた口数がみるみるうちに損益を好転させるでしょう。

もしも下落局面で追加投資を行い、より多くの口数を仕入れていれば、損益好転がもっと加速します。

日経平均株価がたとえこれから未来永劫38,957円を超過することが起きなくとも、日本株式市場全体への投資によって投入元本を増やすことは十分可能であります。

重要なことなのでもう一度、繰り返しますが過去のレコードの高低など、2010年代後半に投資を行っている我々に一体何の教訓となるでしょうか。必要なことは日本株式市場全体がこれから、上昇していくことを期待して長期投資を続けること。ボックス相場であってもコツコツ投資を続けてリターン獲得をあきらめないことであります。

■日本株式アセットクラスへの投資の運用成果

さてここで、WATANKO自身の日本株式アセットクラスへの投資の運用成果を紹介します。

2017年3月末運用状況は次のとおりです。

2001704091

上記の結果をみて、こう考える人がいるかもしれません。

「所詮はリーマンショック後の株価低迷期に安価に積み立て購入を行った分が、アベノミクスのおかげで高いリターンをたたき出すことができたのだろう。100年に1度のラッキーボーナスを紹介されても再現性に乏しいのではないか。」

それはある程度は当たっていることではありますが、まんざらそれだけでもありません。

例えば上記の保有商品の中にあるニッセイ日経225インデックスファンド(以下、ニッセイ日経)を取り上げてみます。

ニッセイ日経は2009年6月から2017年3月までの7年9か月間、途中で他の同種商品に積み立て先を一時変更していたなどの空白期間がありますが、概ね8割の期間で積み立て投資を続けてきました。

その結果、投資元本累計7,500千円に対して2017年3月末時点にて評価額13,522千円、評価益6,022千円、+80.3%となっています。

これについて、投資元本を積み立て期間別に2つに分けて、それそれに対するリターンを比較してみます。

A:2009年6月~2012年11月(42ヶ月間)に積み立て投資した元本に対する現在までのリターン

投資元本    :4,500千円
投資期間    : 94ヶ月
リターン総額  :5,489千円
平均残高    :3,486千円
年平均リターン :20.1%

B:2014年1月~2017年3月(39ヶ月間)に積み立て投資した元本に対する現在までのリターン

投資元本    :3,000千円
投資期間    : 39ヶ月
リターン総額  : 533千円
平均残高    :1,767千円
年平均リターン :9.3%

上記のうち、Aはリーマンショック以降の安価な仕入れ期間にあたり、アベノミクスによる相場上昇によって好成績となっています。

一方のBはアベノミクス以降のボックス相場の期間における成績でありますが、Aにはとどかないものの、リターンとしては十分な水準であり、悪くありません。

Bのようなボックス相場にあっても積み立て投資でまあまあ満足のいく成績をあげることができたというわけです。

積み立て投資を詳しく知りたい方にはこちらの参考図書をどうぞ。


(つづく)

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