(続)センセイ、アパートの契約更新料を支払ってください
(前回からの続きです。)
さてアパートの契約更新料を未払いしている学校のセンセイに対して、WATANKOはアパート管理会社の担当のBさんに対して、当人の連絡保証人や勤務先(学校)に連絡して、当人に契約更新料を支払うようにプレッシャーをかけることを提案します。(というか半ば指示です。)
その後、数週間経ってもBさんから音沙汰がありませんでしたでの、やれやれと思いながらWATANKOが連絡を入れると、Bさんいわく
「ある日突然、センセイがアパート管理会社にやってきて契約更新料を支払っていった」
とのこと。
なぜ突然、センセイは支払いに応じたのか。
■家賃補助ほしさに契約更新料を支払う
種明かしをしますと、センセイは勤務先(学校)に住居費に対する補助制度を申請するために、賃貸契約を証明する書類に賃貸者の記名・捺印が必要となりました。それをもらうべくアパート管理会社を訪れたのです。アパート管理会社の記名・捺印をもらうのに、一方で契約更新料を未払いのままとするわけにはいかず、センセイは書類と一緒に契約更新料を持参してきたというわけです。
WATANKOとしては、これは大変、運が良い展開でありました。
しかしセンセイは勤務先の家賃補助の制度をそもそも元から知っていた可能性もあります。そのうえで補助制度の申請を滞らせることになりかねない契約更新料の未払いをなぜ起こしていたのか。もともと家賃補助の申請を出すときに契約更新料を支払うつもりであったのか。
センセイがアパート管理会社を訪れた日には、担当のBさんはお休みであり、別のスタッフが応対したため、このあたりの事情は知らずじまいでありました。
WATANKOがもしもその場に居合わせたなら、なぜ契約更新料を未払いしたのか、その理由を是非とも聞いてみたかったです。
■今後に向けた対策
この結末に対して、アパート管理会社のBさんは「いやー、支払いがあって本当に良かったですね。WATANKOさん」といかにも脳天気な返事を添えてくれちゃっています。
WATANKOはここで再びBさんに対して、「たまたま相手の都合で支払いがなされただけ。アパート管理会社のノウハウや努力があって、それが実った訳ではない。センセイが支払いにこなかったら一体どうするつもりであったのだ。だいたい打ち合わせたとおりの連帯保証人や学校への連絡はどうなっていたのか。それに支払いがなされた後も連絡をよこさず、こちらから問い合わせる始末ではないか。」という主旨のハードクレームを再びBさんにかましました。(ここで具体的に述べますと、ブログの品位を著しく落とすので詳しくは割愛します...。)
それに今回はセンセイに家賃補助を申請したいという弱みがあったからこそ、支払ってもらえましたが、センセイはまたいつ未払いを再発させるかもしれません。そういった事態に対して、現在のアパート管理会社の対策は脆弱そのものです。
そこでWATANKOはBさんに対して、
今回の我々の最大の収穫は、センセイが家賃補助を受けているという情報を入手したことです。今後、同種のトラブルが発生した際には、この情報を武器に交渉してください。具体的には、例えば何らかの未払いが起きたときに、以下の主旨を書いた督促状を差し入れてください。
『家賃補助を受けているのに対して、補助の対象となる賃貸契約の履行を怠っていることは、学校から家賃補助を不当に得ている、学校に対して虚偽の申請としていることになりますので、支払いが行われない場合には、学校に告発させていただきます。』
とインプットしました。これで以前よりも督促状の効き目があがりそうです。
しかし、実際に未払いが再発した際にBさんがきちんと行動するか、怪しい面もあります。いざとなればWATANKOが一緒になって行動をおこすほかないかもしれません。
やれやれ、委託手数料を返してください。
■賃借人のモラル低下が心配
もともと賃借人の99.9%は契約に基づき、きちんと賃料を支払っている人達であることはいうまでもありません。
それであっても過去にWATANKOは所有物件の賃料につき、賃借人から未払いをくらうことがしばしばありました。未払いが繰り返されると、賃借人は、ひょっとしたらガストで無銭飲食をしたり、ローソンで万引きすることに比べて、賃料の未払いに対する罪悪感は薄いのかとすら思えてきます。
電気代を支払わなければ電気を止められるから、契約者は電気代の支払いを滞らせません。でも賃料は支払わなくても、すぐに追い出されない。ひょっとしたら踏み倒せる可能性があるなんて思っているか、とすら思えてきます。
元来、住居の賃貸契約とは賃借人にとってなにかと有利になっています。貸し主は、賃借人に一度貸してしまえば、賃料未払いがあったからといって直ちにサービス提供を停止する(住居から追い出す)手段をとるわけにはいきません。要件を満たし、手続きを踏むことで法的手段はとれますが、その場合、たいていは手間と費用倒れに終わります。賃貸人はそんな事情を知ってか不法・不当な手段をとろうとするのでしょうか。
WATANKOは賃料未払いに出くわす度に、上記のように賃借人のモラルの低下がどんどん広まりはしないかと懸念します。
不動産賃貸業とは他人に商売や生活の場を貸し出すビジネス。そのビジネスを通して様々な人間の素性や性格、そして人生に嫌がおうにでも触れることになります。
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不動産投資に取り組もうとする個人投資家の皆さんにおかれまして、上記のことを頭のほんの片隅にでも覚えておいてもらえたなら、この記事を書いた甲斐があったと言えるでしょう。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
不動産の賃貸は色々面倒が多くて、相続税対策でなければ、正直やりたくないです。
この記事を読んで増々やる気が失せてきました。昨年父を亡くし、相続手続きの最中ですが、遺された賃貸アパートが有ります。私が引き継ぐことになりそうですが、今色々問題になっているサブリース契約のようで、契約内容も知らない状態から始めなければならず、気が滅入ります。
投稿: higashinakanoya | 2017年7月25日 (火) 23時26分
最後の方の「賃貸人(者)」は「賃借人」ですね!
投稿: ブルームーン | 2017年7月26日 (水) 20時30分
higashinakanoyaさん
コメントありがとうございます!
不動産賃貸のあらゆるものが悪いというわけではないので、じっくり点検してから、売却など検討されると良いですね。
投稿: WATANKO | 2017年7月27日 (木) 05時55分
ブルームーンさん
ご指摘ありがとうございます。
記事修正しました。
債券を債権と間違うくらい恥ずかしい誤りでした。
投稿: WATANKO | 2017年7月27日 (木) 05時57分