インデックス投資の対象や手法に迷ったら半分だけやってみる、両方やってみる
(大事なことは「長期投資」)
インデックス投資を実践する個人投資家の方々をブログで数多く拝見しておりますが、皆さんは一口にインデックス投資を行っているといってもその対象や手法は様々であります。
●一括投資か、積み立て投資か
●バイ&ホールドか、タイミング投資か
●積み立て投資オンリーか、スポット買いを加えるのか
●インデックス投信か、ETFか
●個別アセット商品を組み合わせるか、バランスファンドにするのか
●どのバランスファンドを選ぶべきか
●外国債券クラスを持つべきか、否か
●日経225かTOPIXか
●新興国クラスは必要か、不要か
●コモディティクラスは持つべきか、不要か
●米国株に集中投資か、世界分散投資か
●安い商品がでたら既存商品の保有分も乗り換えるべきか、否か
●相場が上昇し続けている状況でも購入するべきか、下落を待つべきか
など等
投資を初めて間もない個人や、あるいはひょっとして一定年数を経た人であっても、投資の対象や手法に対して「YESかNOか」「どちら又はどれを選ぶか」といった選択に迷う方が少なくないかもしれません。
そこでWATANKOから、個人投資家の皆様に現実的なご提案を申し上げたと思います。
■迷ったら半分だけやってみる
とある投資の対象や手法について、採用するかどうか迷っている場合であれば、採用した場合に投入すると想定している資金のうち、まずは半分だけを投入することをお勧めします。
例えば外国債券クラスを持つべきか、否かと迷うのであれば、持った場合には1,000千円投資したいと考えるならば、実際には半分の500千円まで保有してみて経験を積んでみるわけです。
またポートフォリオの中で日本株式のシェアについて10%では少ない。30%では多いと迷うのであればその中庸の20%でとりあえずスタートするという考え方であります。
■迷ったら両方やってみる
とある投資の対象や手法について、候補が2つあり、どちらを採用するか迷っている場合には、投下する資金を2つの候補に半分ずつ割り当ててみてはいかがでしょうか。
例えば日経225かTOPIXか迷うならば、それぞれに連動するインデックス投信を半分ずつ購入して様子を見てみる。個別アセット商品を組み合わせて保有か、バランスファンドにするのか迷うなら2つのグループに分けて並行してみる等です。
■欲に駆られて極端に走らない、選択ミスを緩和する
太陽が西から昇ることがないように、自然科学における法則はほとんどが明確でありますが、一方で社会科学の法則は必ずしもその通りになるかはわかりません。投資の世界もまたしかりであり、その対象や手法について、唯一絶対の正解はありません。
個人投資家がとある投資の対象や手法に迷っているという状況は、当人にとってみれば例えばAを選ぶことのメリットを欲し、デメリットを恐れている状態を表しています。そうであれば分量を当初想定の半分に抑えることで、メリットをそこそこ享受する一方、デメリットをある程度緩和するわけです。
またBとCという相反する選択肢、またはどちらも捨てがたい選択肢の場合、それぞれ両方をやってみて、それぞれのメリットを一定分得つつ、デメリットを緩和するわけです。
なおそうして経験を積んできた結果、Aを採用したがやめることになった、BとCのうちCオンリーに切り替えたという展開になることも、否定するわけではありません。
気を付けるべきは、欲に駆られて投資の効率を最大限追求せんがために、唯一絶対の対象や手法に100%突っ込んでしまい、そのデメリットを大きく受けてしまう事態となることです。
■すべては長期投資に資するかどうかが重要
市井の個人投資家の大半にとって投資とは、オリンピックや世界選手権に出場するレベルにまで達したり、投資の技能でもってお金を稼ぐことができるプロフェッショナルになることではありません。そうであるならもっとラフであっても構わないのではないでしょうか。
ただしその中にあって、WATANKOが考える個人投資家の世界における大原則は、「長期投資を続けること」であります。
決められた期間内で結果を出すことを要求されるプロの投資家と違って、個人投資家にとっては長期投資ができることが武器でありますし、そもそも投資とは成果が出るまでに時間がかかるものであります。
よって個人投資家は、それぞれが長期投資を続けるために資すると判断できる行動をとることが重要であります。
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■まとめ
今回WATANKOが紹介した考え方は、投資の対象や手法に関してポリシーがはっきりしない、不恰好な体裁にみえるかもしれません。
しかし繰り返しますが、全ては長期投資を続けることにプラスになるか否かの視点で物事を考える事が重要であります。
インデックス投資の世界において、今後も新商品や新サービスが登場してきたり、手法や考え方が流布されることがあるでしょう。それらの採用に迷った時には大原則に立ち返り、「その商品・サービスや手法・考え方は、自分自身の長期投資に資する内容か否か」という視点で柔軟にみていきたいものです。
時には矛盾する2つのことを同時に進めてもいいじゃあないか。本に書いてあること、先人の知恵が大事であるし活かしたいが、当てはまることがない時もあるでしょう。自分にとって大原則を踏み外さず、ある程度正しいと判断したことを、のめり込みすぎない程度に採用していく。
個人の投資とはこのような塩梅ではないでしょうか。
(あとがきにかえて)
妻ミサト「昨日から短い夏休みが始まっているわね。これを機会に私たち夫婦の塩梅についても話し合いましょうか。」
WATANKO「ささっ、先ずは品川で買ってきたこのお土産のチョコタルト詰め合わせをお納めください。それと本日から連日のお出かけプランをご用意しております。」
妻ミサト「!!! なるほど、良い塩梅ね。」
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コメント
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こういう考え方をするから、あれこれ迷って、
むちゃくちゃなポートフォリオになって、何が何だかわからなくなるんだろうな、
の典型ですね。
投稿: 迷い道くねくね | 2017年8月24日 (木) 18時52分
迷い道くねくねさん
コメントありがとうございます。
ご指摘の展開となる恐れ、確かにありますね。でも例えば10個の決め事のうち、2、3はこんな考え方で決めてもよいのかなとも思います。
迷い道くねくねさんは、投資の対象や手法は迷いなく、いつも唯一の(正解と信じている)道を選ばれているでしょうか。
だとした是非ともその片鱗でも、ご紹介いただければありたがく。
投稿: WATANKO | 2017年8月24日 (木) 19時27分
これよいですね。たいへん実用的。
新興国株式のインデックスファンドにリスク資産の10%ほど投資するかちょうど迷っているので,半分の5%まず投資して,毎月の積立もまず半額ずつ,などと使ってみようと思います。
投稿: z | 2017年8月24日 (木) 20時14分
zさん
コメントありがとうございます。
やる/やらない、AorBのどちらか、という選択をする場合、「やってみなけりゃわからない」という一面があるので、一歩踏み出す際のひとつの考え方をご提案させていただきました。
投稿: WATANKO | 2017年8月25日 (金) 08時28分