【お盆記事Refrain④】介護にかかる支出についてのアドバイス
(老親、そして自分もいつか、ここに還る時が来ます。)
さて、お盆にまつわる過去記事の紹介、第4回目は老親の介護がテーマです。
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ココログのアクセス解析機能によると、この駄ブログへ来訪いただく方の7割近くが30代以下であり、ご両親がまだまだお元気な方が多いことでしょう。
しかしそうした30代の方々にとってもやがては40代、50代を迎えると、高齢となったご両親の介護に直面することになるでしょう。WATANKOの両親はすでに他界しましたが、そこにいたるまでには色々と介護エピソードがありました。また周囲の親類や知人にも同様に親の介護にかかわってきた事例をいくつかみてきました。サンプルとしてはn=10といったところです。
それをもとにこれまで介護関係の記事を以下の通り書いてきました。
関連記事
なぜ投資ブログで介護の記事を書くかというと、個人投資家にとって投資とは家計と表裏一体であり、その家計に大きな影響を与える支出として住宅、教育、保険などと並んで介護があるからです。
そこで30代以下の皆様が将来、ご両親の介護問題に直面するときのために、WATANKOから上記関連記事で触れたこと以外で、介護関連の支出についてささやかながらアドバイスをいくつか記したいと思います。
1.すぐ使える現金を手元におく
例えば突然入院することになった際に保証金10万円を求められたりします。入院に当たってのただちにまとまった物品購入が必要になります。入院以外でもなにがしかのまとまった費用がかかるなど不測の事態があります。自分が仕事で急には出向けないときに家族に代行してもらう際にも現金が必要です。
ともかくも介護問題が勃発すると色々こまごまとやることが同時発生しがちです。当座のお金を手元においておくことくらいは普段からやっておくべきでしょう。
2.物品や設備は慎重に
2階への階段に手すりをつけたものの、そもそも2階にあがらなくなった。手押し車を買ったものの足腰が悪くてほとんど使っていないという話をよく聞きまます。なかには古い家の入り口に段差対策として階段を作り直したりやスロープをつけたけれど、すぐに認知症が進んで徘徊するようになり、自立歩行の補助どころか四六時中の監視が必要になったなどの例もあります。
介護関連の物品や設備は役にたたなくなってもほかに転用が効かないものが殆どです。親が少しでも楽な生活が出来るようにと先回りして色々と買い揃えたり、住居の手直しをしても空回りすることがしばしばあります。
3.介護サービスはどんどん使おう
一方でヘルパーによる家事手伝い、デイサービスやショートステイは予算面の制約もあるかもしれませんが積極的に使いましょう。あなたをふくめ介護に関わる人たちの疲弊を緩和するためにも一定の利用は必要であり、使った分だけ介護する側の時間も心身もゆとりができることは確実です。
WATANKOの母もお試し入居分なども含めれば、住んでいる市内の3~4カ所の施設をスポット利用しました。
4.むやみに長期入院させない
ちょっとした怪我や病気で入院させることがあった場合、必要以上の「念のため」延長入院はさけて早めの退院をさせるべきです。入院の医療費の期間や回数が嵩むことは家計を圧迫するだけでなく、本人のその後の生活の質にも大きな影響を及ぼします。
そもそも高齢者の心身の状態は月日が経つにつれて悪くなることこそあれ、その逆はまずないと覚悟しておいた方がよいです。そんな中においては現状維持ができれば十分だといえるでしょう。そこへきて骨折なり病気による寝たきり入院生活を経てしまったあとでは、自律的な生活ができる能力はかなり高い確率で衰えます。そうなるとその対策のために更に余計にコストがかかるようになります。
5.適切な選択のためにも日頃から情報入手
介護の発生はいつになるか事前予測は困難です。そこでいざというときに備えてケアマネの確保や地元の特養施設、24時間介護施設の費用や空き具合など状況を把握しておくことが必要です。
いざ発生した時、いろいろとやることがありすぎて施設の情報入手と費用も含めた詳しい検討を行う時間がどれだけとれるでしょうか。たまたま斡旋された施設がとても高額な場合でも他を検討する余裕が果たしてあるでしょうか。
6.親の所有財産を事前に把握
認知症にかかってしまうと所有財産に関する情報や書類のありかを本人から得ることは相当困難です。認知症の兆候がみられたら、あるいはそれ以前から、本人あるいはその配偶者含めて今後のことを毅然として話し合い、所有財産に関する必要な情報をすべて開示、引き渡ししてもらうべきです。成年後見人制度の活用も必要かもしれません。
以上、ご両親の介護が発生した際に備えて、お金にからむ事項について僭越ながらアドバイスさせていただきました。
(あとがきにかえて)
WATANKOの勤務先の直接の上司(57歳)が親の介護問題を取り組んでおり、最近よく早退する姿を見かけます。兄弟がいるようですがそちらもまた配偶者の親の介護につきっきりのようなのでなかなか分担ができず苦労している模様です。そんな様子をみて過去記事の紹介を含めて今日の記事を書こうと思いつきました。
冒頭話したとおりWATANKOはもう介護すべき実の両親はいませんので、このように介護にかかわる記事を書く機会は今後はほとんどないかもしれませんが、きたるべき妻の両親の介護にかかわった時に何かまたメッセージを思いつけば記事にするかもしれません。
必ず訪れる親の終末。心身もそうですがお金の面でも過度にすり減ることがないように準備をしておきましょう。あなたを大事に育ててくれたご両親はあなたがそんなふうにすり減ってしまうことを決して望んでいるわけではありません。
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老親の介護はひとりひとり置かれた状況は異なるでしょうが、ある面の割り切りが必要です。時には親の言うことを無視してでも大所高所からの判断が必要であります。
さてお盆記事Refrainは今回で終了として、次回からこの駄ブログは平常運転に戻ります。
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コメント
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わたくしも父を見送り、今は母の介護中ですが、介護の負担が現実どれくらいかは経験した者しか分からない世界ではあると思います。
ただ、施設に入れたくても順番待ちで やむをえず自宅介護で全て介護ヘルパー任せになったとしても月30万程度ですので このあたりが介護出費の上限かな、と考えています。
施設に入居できれば介護保険の適用範囲も広がり、完全自宅介護よりは必ず安くなります。
最大でも年360万円(一人当たり)みておけば、ある意味 介護はなんとかなるのではないでしょうか。
投稿: 工員 | 2017年8月16日 (水) 00時39分
工員さん
コメントありがとうございます。
だいたいご指摘の通りかと思います。
あとWATANKOの場合、母親が施設に入居しても、備品の調達は必要であり、また通院などイレギュラーにも家族が対応しなければなりませんでしたので、なんだかんだで週末は平均すると半日くらいは何かの用事で埋まっていましたね。
投稿: WATANKO | 2017年8月16日 (水) 05時45分