VTとeMAXIS Slim、安さを感じるのはどちら
(どちらも安い!)
毎年この季節になると皆さんお待ちかねのバンガードETFの経費率改定(引き下げ)のシーズンであります。
2、3年くらい前から「もう十二分に安いのですけれど」と思いつつも、バンガードはコスト引き下げの手綱を緩めません。そして今年も3つのETFを対象に改定が行われてきました。
参照記事
バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
2018年バンガードETF®経費率改定のお知らせ
なかでも大注目はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の経費率が0.11%から0.10%へと引き下げられたことです。
個人投資家の皆さんに大人気のVTの経費率引き下げは、ビックニュースですね。
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さて、VTが海外ETFのチャンピオンとすれば、コスト面からみると一方で外国株式に広く投資するインデックス投信のチャンピオンは現在、eMAXIS Slim先進国株式(以下、Slim先進国株式)でありましょう。
信託報酬は0.1095%(税抜、以降同じ)とこれまた驚異的にローコストです。少し前まで先進国株式のインデックス投信といえば信託報酬0.2%台であり、これでも十分に安いと感じたくらいでしたが、Slim先進国株式は異次元の安さであります。
Slim先進国株式自体では儲けは非常に薄いため、運用会社の三菱UFJ国際投信はおそらくこれだけで儲けようとは考えてはおらず、Slimシリーズは他の同種商品に資金が流れるのを食い止めるための戦略的な商品展開であろうことは明白であります。
とはいえ市井の個人投資家としては素直にこのSlim先進国株式を買うことで、そのローコストを享受するのが全く合理的でありましょう。
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さてこの駄ブログにお越しの皆様におかれましては、VTとSlim先進国株式を比べて、一体どちらのローコストが魅力的に映るでしょうか。どちらのコスト引き下げをより驚異的だと考えるでしょうか。
志としては、VTの引き下げに関しては投資家に寄り添い、共に繁栄していこうというバンガードの姿勢の方に崇高なものをやや感じますが、一方で日本のインデックス投信業界?において三菱UFJ国際投信がとった戦略は、新旧多くの競合商品をほとんど葬りかねない程に、あざといながらも見事であると認めざるを得ません。
この2つの商品のどちらのコスト引き下げに魅力を感じ、そして購入するか。それはまた一方でその個人投資家が海外ETF、インデックス投信のどちらを選好するかというスタイルの違いの現れでありましょう。
どちらにしても、とびきりローコストなインデックスファンドが買える時代。
少々相場がヘナクソになってきたとしても、購入を避けるには惜しいほどにどちらも魅力的な金融商品であることに違いはありません。
・・・おおっと忘れるところでした。VTの経費率の引き下げは、VTのみならずこれを投資対象としている楽天バンガード・全世界株式インデックスファンドにとっても信託報酬の引き下げにも繋がります。こちらも0.23%(税抜、以降同じ)から0.22%に引き下げされることでしょう。
でも投資対象のVTの経費率が引き下げられるたびに、一方で楽天のマージン0.12%の割高感がますます増してしまうのが何とも皮肉に思えてくるのはWATANKOだけでしょうか。
(あとがきにかえて)
当ブログでは「インデックスファンド」とはインデックス投信、ETFを総称する場合に用いております。一方で日本の一般公募の投資信託を指す場合には「インデックスファンド」とは表さずに、必ず「インデックス投信」と呼称しております。
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