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2018年5月16日 (水)

企業決算をみて株の売買を判断するなんて

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(この決算、どこまで信じてよいのかしら)

東証の45日ルールに従えば、3月決算会社の通期決算が出揃った今時分です。

個別株投資家の方々にとっては決算結果を見て、狙っているあるいは保有している銘柄の売買を熱く検討するシーズンの到来かもしれません。

しかしそもそも決算結果など、銘柄の選定に一体どれだけ役に立つものなのでしょうか。WATANKOは実ははなはだ懐疑的であります。

■決算は造られたモノ

皆さんの中には企業の決算というものが、例えばアサガオの成長記録のように企業の売上と費用を有り体で記録して、そこから単純に算定された成績だと思っている方がいたとしたら、注意が必要です。

誤解を恐れずに言えば、決算とは期首に対外発表した業績予想の数値にあわせにいくために造られた数字の塊であります。

決算内容として記された売上や費用については、その計上を調整している面があります。

利益の減少を回避するために例えば保有資産の減損の判定を先送りにしたりします。逆に利益が出すぎるならば、来期以降の潜在リスクに対して引当金を当期に余計に積んだりします。

特に一番操作性の高い項目のひとつに税金費用があげられます。

そこに含まる税効果の適用には恣意性をある程度含んだ一定の判断が入るため、税金費用は少なからず弄られた数字になります。最終利益たる当期純利益の直前で控除される費用であるため、概してここのインパクトは大きいです。

こうして決算とは色々な工夫を凝らして、期首に発表した業績予想を適度に上回る結果に着地させるわけです。そしてその次の年度にはさらに前期を適度に上回る業績予想を発表し、そしてまたこれを達成していく。

はたから見れば毎期、業績予想を達成させる、そして増益を続ける優良企業に見えるわけであります。

しかしその裏では、思わぬ損失や、出すぎた収益によって予想される凸凹な収支に対して、意図したリフォームを行い、経営者が望むような結果にもっていっているのです。

それは自然体などという言葉からは程遠いメイキング、アートの世界であります。

ですから決算内容、とりわけ単年度のそれだけを見て、本当はいくら儲けたのか、いくら損をしたのかについて把握しようもありません。

そんな決算内容に一喜一憂したり、ましてや企業の収益性を判断する根拠にすることなど到底できもしません。

(注)なお上記では決算内容について「造られた数字の塊」「意図したリフォーム」「メイキング、アートの世界」とあれこれ例えていますが、あくまで会計原則に従い、その範囲内で行われていること、監査を担当する監査法人のレビューや折衝を経たうえて認められた結果であることを付記しておきます。決して違法性があるといっているわけではありません。

■複数年で見ればまだマシだが限界あり

企業の決算とはてんこ盛り操作された成績表である以上、部外者が開示された決算内容をもとに企業の本当の収益性を判断することなどできません。

それでもまだマシと言えるのは、公開されている決算内容について、単年度ではなく複数年度の経年推移で見れば、その企業の収益力の実態が少しはわかることがあります。

なぜなら、売上や費用に関する様々な操作は適用できる期間に制限がついている場合が多いからです。当期において減損回避や、引当金計上を行ってきたとしても、それは根拠となる潜在事実が解消しない限り、やがては計上や取り崩しを余儀なくされるからです。

ですから収益の把握について、複数年度の合計値あるいは平均値でみることは、その企業の収益力がどのくらいあるのか、ある程度把握できる可能性があります。

例えば、n年度で回避した損失もn+2年後には計上せざるを得なくなる。だからn、n+1、n+2の3年間といった複数年度の平均値でもって当該企業の収益性を判断しようということです。

しかしこれも限界があります。なぜなら企業の実力を定量的に把握するためには、決算短信や有価証券報告書等といった東証等のガイドラインに沿って規定された開示情報だけでは十分とは言い難いです。

■企業自身が作る説明資料は大本営発表だと理解すべし

では企業自身が自ら開示する追加情報は判断の根拠になるでしょうか。たとえば決算説明資料や株主総会での事業報告などの各種プレゼン資料に書かれている情報です。

たしかにそこには決算短信や有価証券報告書等には書かれていない+αの情報がのっているかもしれません。

しかし所詮、各種プレゼン資料とは、その企業がアピールしたい情報が中心であり、その表現や図表の扱い方、コスメティックな部分に至るまで読み手に対して、ちょっと大げさに言えば株を買ってくれるあるいは保有し続けてくれることを狙いとして意図的につくられたものです。

いわば戦争に負け続けているにも拘わらず、戦勝街道まっしぐらと謳う大本営発表とスタンスはかわりません。

個人投資家がこのような資料を眺めることによって、その企業に対する心証を操作されることは、投資の判断上、好ましい事とは思えません。

(つづく)

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