時間をもって空間を制する-外環道、30年を経てようやくつながる
(NEXCO東日本のHPより)
時に1988年5月。
大学生のWATANKOは東北某地で行われるサークルの新入生歓迎合宿に向かうべく、新入生を乗せた車で首都高速の中央環状線を経由して、東北道へと向かっていました。当時若葉マークのWATANKOは途中、箱崎ジャンクション(JCT)と並んで首都高速の難関地点として知られ、渋滞が激しい堀切JCTを四苦八苦しながら、通過したのでした。
SAかどこかで日本道路公団(当時)の広報資料を眺めると、そこには首都圏に高速道路の三環状を設置する構想が書かれていました。
折しも日本はバブル時代。土地の値段が上がっていることは大学生のWATANKOでも知るところであり、「中央環状線の外側に長距離の環状の高速道をあと2つも作るなんて、そもそも土地の入手からしてままならないだろう。一体いつ実現するのだろうか。」と全く期待していませんでした。
参照サイト
首都圏の道路交通の骨格として、3環状9放射のネットワークが計画されたのは、1963年。以来、東名、中央、関越、東北道など放射方向の高速道路が整備される一方、環状方向の高速道路の整備は遅れました。 その結果、都心に用のないクルマが都心環状線に集中し、慢性的な渋滞が発生しています。「3環状道路」が整備されれば、その通過するだけのクルマがバイパスされ、都心の渋滞解消が期待されます。
■まさかの外環道の今回開通
ところがそれから20年以上の時が流れ、気がつけば三環状の一番外周にあたる首都圏中央連絡自動車道(圏央道)については、全線のほとんどが完成、開通しました。
神奈川県と千葉県の両端部分が残っていますが、藤沢市から成田市までを一本の高速道でグルっとつなぐ環状線の誕生は他県へレジャーやドライブに出かける人や物流業界にとって、渋滞回避と時間節約のメリットが大きいです。
そして、時は2018年6月
今度は圏央道の1つ内周にあたる東京外かく環状道路(外環道)のうち千葉県湾岸地域と埼玉県を結ぶ三郷南インター(IC)から高谷JCTの区間が開通しました。
(開通区間は上記のとおりです。)
これで練馬と市川を一本の高速道路で結ぶ東京都心を迂回する一大バイパスが出来上がりました。
WATANKOはいつもなら高速道路の開通にそれほど興味は湧いてこないのですが、今回は30年前には絵空事に思え、夢といっても過言ではなかった高速ルートが誕生したことにワクワクし、この開通したルートを走ってみたくなりました。
WATANKO「いや~、まさか外環道が完成するなんて驚きました。これで首都圏外へのドライブがまた楽になります。・・・というわけで出動しませんか?」
妻ミサト「え~、衣替えとか家の用事を片付けようと思ったのに」
WATANKO「目的地は越谷レイクタウン。ボーナスも出たことだし買い物向けに特別予算も組もうじゃありませんか。(やれやれ)」
妻ミサト「行きましょう!!日焼け止め塗るからちょっと待ってて!!!」
■埼玉が近くになりにけり
以前であれば、都内南部あるいは千葉方面から埼玉方向へ行く場合、葛西JCTから中央環状線に乗って堀切JCTを抜けて三郷なり川口に向かっていました。それが三郷~高谷区間が開通したことでぐっと通りやすくなりました。埼玉の人達にとっても浦安方面に出向きやすくなり、ディズニーランドが近くなったのではないでしょうか。
今回開通した三郷~高谷の区間のおよそ半分程度は地下を通るルートです。用地確保や周辺の環境問題を解決するためにこの手法がとられたのでしょう。数十年もかけて整備をすすめられてきた関係者の方々の苦労がここを通過するドライバーにも伝わってくるようです。
その地下を通るルートの印象からか、この三郷~高谷の区間はあっという間に通過し、やや大げさですが、まるでワープしたかのような感覚です。
「おおおお、なんと埼玉が近いのだろう!」
■時間をもって空間を制する
「時間をもって空間を制する」はフランスの自動車メーカーであるシトロエンの総業者であるアンドレ・シトロエンの名言です。
時間をもって空間を制する。つまり自動車によって人間は世界中のどこにでも出向く自由を手に入れることができる。そうやってシトロエンは自動車によってもたらされる「個人の行動の自由」を唱えたわけです。WATANKOの好きな言葉のひとつであります。
時間さえかければ個人は世界のどこにだって行くことができる。
そしてそこにWATANKOの解釈を付け加えるとすれば、かける時間はどんどん短くなるように道路が整備される。長い時間を移動しても疲れが残らず、到着先にて存分に活動できるようになるために自動車はどんどん快適になっていく。
そういった道路と自動車の無限の発展・進歩を夢見る言葉ではないでしょうか。
WATANKOは開通したばかりの外環道のルートを走りながら、人間はまたひとつ空間を制したのだと強く想うのでした。
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