大比較!コスパで選べ、スーパーカー(その3)馬力当たり価格で比較する
(前回からの続きです。)
前回では比較対象の32台につき馬力、そしてPWRの点からランキングを行い、加速性能の優劣をみてきました。
・・・といってもどのモデルもその数値から想像するに、十分に強烈な加速を得られるという推測も成り立ちますけれども。
さて次は車両価格を勘案した比較です。
■馬力あたり価格
車の性能比較でPWRを取り上げるケースは前回の参照記事にもあるようによく見られるケースです。
それでは今度は車両価格÷馬力でもって、各モデルが1馬力あたりいくらとなるのか。1馬力をいくらで買えるのかという比較です。
この馬力あたりの価格を比べる発想のルーツは、WATANKOが10年くらい前にメルセデス・ベンツのモデルを眺めていたときでした。
当時、バリオルーフを備えたオープン2シーターのSLKが強烈に欲しくなり、グレードと価格を調べていました。
そこで、そもそもグレード別の値段はどうやって決まっているのか。グレードと値段の関係に法則性はあるのかと思い、ためしに車両価格を馬力で割ってみたところ、SLKのどのグレードも確か記憶では33千円とピタリ一致したのです。
試しにメルセデスベンツのCクラスやEクラスも調べてみるとそれぞれのモデルの中でグレード別の馬力あたり価格はほぼ一致したのです。
高い馬力のモデルの車両価格は当然に高い。でも馬力あたりの金額は同じなのでリーズナブルであり、過度な割高感はないということでした。また裏を返せば輸入車の値付けは馬力×馬力あたり単価で決められているというやや安直な事実でした。
その後、車のトレンドはエンジンのダウンサイズターボが流行ったり、様々なボディタイプのバリエーションが出てきたりして、車の付加価値は実に多様化、複雑化しました。したがい馬力あたり価格の法則は一概には言えなくなってきています。
それゆえに、WATANKOは気になるスポーティモデルが発売されるとPWRだけでなく馬力あたり価格を見て、どれくらいのお買い得度なのか大体の感覚を掴んできました。
馬力はすごいけど、それ以上に値段がすごいとなるとこの数値が高くなります。
馬力あたりの価格は国産車だとザックリ20千円。輸入車の中でプレミアムクラスのモデルは30千円といった水準です。32台はここからいくらの上乗せになるでしょうか。
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さて前置きが長くなりましたが、32台の順位をみてみます。馬力あたり価格が同じモデルは馬力が高い順に並べました。
ここでは馬力やPWRで見られたものとは全く異なったランキングになっています。
ワンツーフィニッシュを飾ったのはテスラ モデルS P100Dとシボレー コルベットZ06のアメ車二台です。ともに600馬力超の極めてハイパワーモデルですが、車両価格が10,000千円台前半と32台の中ではかなり安価な部類です。
もともとコルベットは車両価格のわりには馬力が高いことは知られており、コスパが良いであろうとは想像してましたが、そのコルベットを抑えてEVのテスラがトップに立つとはこれも時代の流れでしょうか。
上位2台に続くのは、アウディ TT RS、ポルシェ ケイマンGTS、BMW M3といったミドルクラスのスポーティカーです。
馬力の絶対的数値ではハイパワークラスのスーパーカーには到底およびませんが、それでも400馬力前後のハイパワーであります。高速道路で出会う車の99.99%に優る動力性能でありましょう。
また7位につけているBMW M5もなかなかコストパフォーマンスが良いモデルです。600馬力のモデルが20,000千円を切る価格で手に入り、しかもセダンですので実用性抜群、BMWのMモデルということで車好きの間でのブランド力も申し分無しの1台です。
さらにみていると馬力あたり30~35千円くらい、つまり国産車の1.5~1.7倍程度までが、お得感を感じるモデルです。日産 GT-R NISMO、ジャガー F-Type SVR、ロータス エキシージスポーツ410等、馬力あたり価格が安く値頃感のあるモデルばかりです。
これが40千円を超えて50千円近くなってくると馬力の割には割高な印象が段々とでてきます。裏を返せばそれだけプレミアムなブランドであるということなのでしょう。
なおBMW i8はPHVであるという特殊事情から31位とブービーになりました。一方、EVのテスラが1位であり、両極端な結果となりました。
■PWRと馬力あたり価格のバランス
最後に32台をPWRと馬力当たりのランキングの平均順位、性能とお買い得感からみた総合順位をみてみます。
トップはコルベットZ06でした。テスラは車両重量が2tを超えるためPWRが10位と後退したことが響き、コルベットの逆転勝ちです。
つづく3位のロータス エキシージスポーツ410、4位の日産 GT-R NISMOの2台はPWRも馬力あたり価格も比較的上位にはいっています。
これら4台はどれも性能と価格のバランスが非常に良いモデルばかりですが、その代わりに欠けているところがあることを指摘しておきましょう。
コルベットの内装は外連味がなく、とてもライバル車に太刀打ちできる出来栄えとはいえません。またタルガトップを手動でヨイショと取り外すなんて、まるで20世紀の仕様です。
ドライバーが震えたつようなエンジン音もなく、ボディも大柄で車重も重いテスラは、ドライバーにスポーツドライビングのフィールを一体どれだけ感じさせ、興奮させてくれるでしょうか。
ロータスにはラグジュアリー感が乏しく、乗り心地も相当に固いです。長距離ツーリングの快適さもないでしょう。
日産には無骨さばかりが目立ち、デザインについても賞賛された話をついぞ聞いたことがありません。
さて、さらにランキングを下っていくと、ランボルギーニやフェラーリはPWRの順位は高い一方で、馬力あたり価格はかなり下位になります。
スーパーカーのものすごいスペックを手に入れるためには、かなり割高な、ブランド力でもって高くなっている値札を受けいれる必要があります。たくさんの馬力を手に入れるためには、馬力の単価もまた高くつくのです。
また一方でBMW M3、ポルシェ ケイマンGTS、アウディ RS5クーペ等はPWRは劣るものの(それでも並みのモデルに比べればかなり高いスペック)、かなりお買い得感があります。
それではPWR,馬力当たり価格がともに低い順位であったアストンマーティンやマセラティが、買うに値しないかというとそんなことはなく、ため息をつくようなすばらしい優雅なデザインは、それだけでもう買う価値を持ってしまった人がいてもおかしくありません。
なお今回ランキング最下位となったBMW i8ですが、これもアウディR8 GTと並んでとても未来的なデザインで魅力的です。
ちなみにですが、WATANKOは先代のアストンマーティンのV8ヴァンテージのデザインがとても素敵に思えており、いつかは所有してみたいと思っているくらいです。カーセンサーで調べると10,000千円前後でちょうどよいタマがゴロゴロあるんですよね・・・。
(つづく。次回で完結です。)
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