分散投資のメリットは、一斉下落のあとに現れる
(このお金で次に買う商品は?)
リーマンショックから10年が過ぎ、個人投資家ブロガーが当時を振り返るブログ記事を書く中で、WATANKOも便乗して先日記事をUPしました。
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リーマンショックから10年-積/立て投資を続けることができた理由(2018/9/17)
その際にひとつ触れ損ねたことがありましたので、ここで取り上げてみたいと思います。
■リーマンショックでどのアセットクラスも下落に見舞われた
複数のアセットクラスの商品を併せ持つことでリスクの低減を図る。例えば株式と債券の逆相関の関係にあり、組み合わせて持つことは重要だ。そのように投資の伝統的な教科書には書いてありましたが、いざリーマンショックが起きてみると程度の差こそあれ、株式だろうが債券だろうがREITだろうがどのアセットクラスであっても一斉に下落する様相でありました。
そこで個人投資家の中には分散投資に否定的になり、評価損にまみれたポートフォリオを自力で早く回復させようと、例えば個別株式に活路を見出そうと試みたり、あるいは金やコモディティといった際物のアセットの比率を高めるなどいろいろな工夫をしている様子をブログで拝見しました。
相場の下落で狼狽するのはリスク許容量を超えたリスクをとっていたことがひとつの原因であるにも拘わらず、分散投資を捨て、今度は更にリスクをとりにいってしまうそのさまをみて、ちょっと早計な動きではないかなとWATANKOは当時思ったものです。
分散投資のメリットは、一斉下落のあとに現れてきたのですから。
■アセットごとの回復スピードは異なる
リーマンショックの後にいっときの迷いはあったものの、WATANKOはショックの数か月後には分散投資の展開を強化し始めました。日本株式、先進国株式、新興国株式、日本債券、先進国債券、新興国債券、日本REIT、先進国REITの8つの資産への分散積み立て投資を継続したのです。
するとやがてリーマンショックによる一斉の下落からの回復のスピードがアセットクラスごとに大きく異なることがわかりました。
まず先進国債券は下落が比較的少なく、その後も堅調に復活し、外貨建てであればリーマンショック時から割と早く黒字転換しました。
次に新興国クラスやREITクラスの基準価額が軒並みグングンと上昇していきました。
これらアセットクラスが当時、回復のペースが緩慢な先進国株式や低迷から浮上する気配が全く見えない日本株式の評価損を補い、WATANKOの痛んだポートフォリオの傷をかなり癒してくれました。
もしこれが例えば日本株式クラスだけに投資しているポートフォリオであったならばどうであったでしょうか。
リーマンショック以降、棄損したポートフォリオは一向に回復せず、長期投資に挫折していたかもしれません。
以下はWATANKOがインデックス投資を始めてちょうど2年が経過、この駄ブログがスタートした2010年3月の運用状況です。
(金額単位は千円。赤字は当時積み立てしていた商品です。)
既にこのころになると上述の新興国クラスやREITクラスに加えて先進国株式も黒字転換を果たしていますが、各々の評価益の伸びはまちまちであることがわかります。
評価益が伸びているアセットクラスが、リーマンショックから早く回復したところであることが見てとれます。
■まとめ
これからやがて相場の大幅な下落にまた直面することがあるでしょう。いくら分散投資をしていても、その時点では程度の差こそあれ各アセットクラスが一斉に評価損を抱えることは十分に予想できます。
そんな時、自身の現状のポートフォリオに悲観して、早く回復を図らんばかりに妙な集中投資にシフトすることはやめましょう。
むしろ投資先を分散した自分のポートフォリオを毎月眺めてみて、どこか一番先に回復するか、そこに希望を見出しつつ、一方で低迷が続くアセットクラスに対しては、むしろ積極的な積み立て投資を行い、相場が上昇した時のお楽しみ袋にしていきましょう。
おっと、自分のリスク許容量とのバランスを意識することもお忘れなく。
(あとがきにかえて)
さて聡明なる個人投資家の皆様方におかれましては、上記に照らせば今現在、買い込むアセットクラスはおのずとご理解いただけるかと存じます。
妻ミサト「それはもちろん、家族!そして妻よ!」
WATANKO「それは相場に如何にかかわらずオネダリしているでしょう・・・」
妻ミサト「!!!」
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