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2018年11月11日 (日)

長期投資はそのゴールまで、我慢一辺倒なのか【Refrain2018】

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(投資のリターンはいつ使う?)

個人投資家ブロガーの間で時折紹介される本多静六の著書「私の財産告白」は大変意義深い内容であり、他の個人投資家同様にWATANKOにとってもまた投資と人生を考えさせられる推薦図書のひとつであります。


さて上述の著書で紹介されている「本多式四分の一貯金法」ですが、これはいまさら言うまででもありませんが給与所得の1/4を天引き貯蓄する方法です。本多氏はこの方法を給与所得だけでなく、インカムゲイン(利子収入)にも適用しています。

ここでWATANKOがちょっとだけ着目したのは、文章から読み取るにインカムゲインは全額ではなくその1/4のみを資産運用に廻しており、残りの3/4は生活費に充てているということです。

資産運用の規模が大きくなってくればインカムゲインもまた増えます。そこから3/4を生活固定費にまわしていったわけです。

もともと赤貧な暮らしからスタートした本多氏にとっては年々増えるインカムゲインの上乗せにより、家計生活は徐々に楽になっていったことでしょう。コツコツ貯蓄と運用を続ける一方で目の前の消費にもきちんと気を配っていたというわけです。

ちなみにですが明治時代の金利を例にとると3~7%程度の模様です。(JETRO 郵便貯金の発展とその諸要因 第1図 郵便貯金と東京有志銀行の損貯金利子の推移

仮に5%として年間手取り給与所得の1/4を貯蓄し、金利5%で運用。その3/4を生活費に廻したとします。1/4×5%×3/4=0.94%の利子収入が翌年の給与所得に上乗せされて生活費となります。単純計算では10年後には年あたり9.4%の生活費上乗せが実現できたわけです。

実際には給与所得自体の増額、投資リターンの再投資による複利効果などもあり、生活費の上乗せはもっとハイペースですすんだと思われます。

本多氏は「本多式四分の一貯金法」にて多くの財を成したわけですが、繰り返しますが一方で資産形成の過程において日々の消費生活への恩恵も忘れていなかった、とWATANKOは解釈しました。

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では現代の我々はどうでしょう。投資先からのインカムゲイン含めたリターンの一部を長期投資の予定期間の途中で費消することは全くの悪なのでしょうか。

(TYPE-A)

投資の効率のためにはその中途で得たリターンはすべからく再投資に廻して、最大限のリターンを追求します。もしも単年度当たりのリターンが比較的高くない水準であればなおのこと、投資効率を最大限活かすためには全額再投資するに限ります。長期投資の最終ゴールに到達までリターンは一切欲しがりません。

(TYPE-B)

投資の成果を早速享受したいです。とりあえず見込みリターン分を頂戴しておきますから、あとは残り分でじっくり増やしてください。ひょっとしてこの先、投資元本が棄損するかもしれませんから、いまのうちに少しずつ使ってしまうのが合理的です。(幻におわるかもしれない利益を先取りする派。これはいわゆる毎月分配型投信と同じ。)

(TYPE-C)

投資のリターンを一切全て再投資に廻すことが合理的かもしれませんが、再投資一辺倒だと、投資元本をひたすら貯めて投資にまわし続けることについて、ゴール到達時の喜びだけでは投資期間中のインセンティブとしてはもの足りないです。やはり年々のリターンの一部は目の前の消費に充てたい。その喜びがまた更なる投資の継続の動機付けを強めます。

このブログにお越しになる聡明な皆さんであれば、上記のうちTYPE-Bを選好する人は少ないと思われます。

それではTYPE-AとTYPE-Cではどちらでしょうか。

ひょっとして中には若い頃はひたすら投資効率を重視して年々のリターンは全て再投資に廻し、ひたすら雪だるまをつくることを是としてきた人(TYPE-A)であっても、壮年を迎えるころには人生の時間を多少なりとも意識する、仕事のキャリアや育児・教育も一定の落ち着きやゆとりを得るころになるかもしれません。

そうなると目の前の貯蓄・投資と消費の間にバランスを取りはじめようと考える(TYPE-C)ことは不思議ではないでしょう。

長期投資はそのゴールまで、我慢一辺倒なのか。いやいや長期投資の途中で、そのリターンのいくばくかを目の前の消費生活に充てる生き方は、人生の家計のうえでバランスがとれているといえるかもしれません。

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さて最近のキャッシュ(配当や賃料等)イン重視の資産運用をされている方々は、上記に当てはめるとすればTYPE-Cなのでしょうか。

WATANKOは原則として「配当イラナイ&再投資歓迎」派でありますが、実際にBNDやVTIから定期的に収益分配金(元本取り崩しは含んではいません!為念。)をもらうと嬉しい気持ちが刹那湧いてきます。

しかしながら、すぐさま「これも来る暴落に備える緩衝材なのだ。」と思うと、とても使う気にはなれません。

そんなメンタリティを持ってはいますが、上記記事はできるだけ客観的な立場に立って書いてみました。

大所高所からみれば、どちらにしても長期投資に資する形であればGOODであります。

(あとがきにかえて)

妻ミサト「TYPE-C!、TYPE-C!。TYPE-Cしかあり得ません!」

WATANKO「わかりましたよ。で、今度はナニが欲しいのですか・・・」

妻ミサト「とりあえずアウトレットに行きましょう。最近、増床したことだし。」


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コメント

私も奥さまの意見に同意でTYPE-Cです。我が家は来年春から息子が社会人になる予定で今まで必死に払ってきた学費負担から解放されるため、最近少しずつ増えてきた配当金を何に使おうかと私はワクワクしているのですが、夫はガチガチのTYPE-Aで、配当金は全て再投資せよと指示されておりましてウンザリしているところです。暴落したらしたで出来る範囲で追加投資すれば良い、健康な今のうちに人生を楽しみたいと私は考えているのですが。なかなか折り合いません…

めいさん

コメントありがとうございます。とても素直なご意見!

めいさんの御家庭のように教育資金の負担から解放されたのであれば、資産形成の状況は横に置いておいて、もう配当金くらいスキに使ってもいいかもしれませんね。

アウトレットいってください。え、もっと高級店ですか?!

私も自動車ディーラーに行きたいです!

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