サムライズ勉強会「人生100年時代の正しい資産形成と保険について考える」に参加してきました
(保険についてもう少し勉強しよう・・・)
金融機関に属さない独立系ファイナンシャルプランナーが運営する勉強会「サムライズプロジェクトジャパン」に参加してきました。2017年10月に初めて参加して以来、今回が2回目となります。
今回のテーマは表題のとおり「資産形成」と「保険」であります。勉強会は以下の登壇者の方々による討論形式で進められました。
今井 利友氏 金融庁 総合政策局 総合政策課 金融税制調整官
斎藤 英明氏 アクサダイレクト生命保険 代表取締役社長
田村 正之氏 日本経済新聞社 編集委員
森 亮介氏 ライフネット生命保険 代表取締役社長
山崎 元氏 経済評論家
横尾 光輔氏 金融庁監督局保険課長
岩城 みずほ氏(コーディネイター) ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者 オフィスべネフィット代表
参照サイト
【第33回サムライズ勉強会】FD企画第2弾 徹底討論100min「人生100年時代の正しい資産形成と保険について考える」
登壇者の面々を見れば2つのテーマのうち、「資産形成」について取り上げられる内容は、WATANKOをはじめとしたインデックス投資ナイト等に参加したことがある者にとっては容易に想像がつきます。もうひとつのテーマである「保険」についてどのような話が出てくるのかが、WATANKOにとって新鮮味があり特に楽しみな部分でありました。
■勉強会で取り上げたられた内容
勉強会にて取り上げあれた主なトピックスならびに各人から出た意見をあげてみると次のとおりです。
<生命保険の特徴>
●生命保険とは中身がわかりにくい一方で高額な買い物。
●商品の情報開示が不十分。CMで情動的に宣伝しているだけ。
●生命保険(相互会社)は証券会社に比べてはるかに厳しい規制がある。銀行と同じくらい厳しい。
●保険と投信は違う。保険は商品認可に時間がかかるし、一物一価の規制あり。
●生命保険は本来、相互扶助であったが段々と消費者の手から離れてしまってきた。フィデューシャリー・デューティー(FD)を各社がどう解釈するかが課題。
<外貨建て保険の伸長>
●最近、外貨建て保険の売上がとても伸びている。しかしその一方で苦情も増えている。
●実際には保険の部分はとても薄い。薄皮一枚。ほぼ貯蓄性の商品。そうなると他の低コストの投信と比べてコストが高い。
●つみたてNISAを広めようとすると、もっと儲かる商品があるといわれて外貨建て保険を勧められた。
<情報開示と商品比較>
●保険商品は貯蓄性では投信と同じ。では投信のような商品比較がなぜできない。保険商品について徹底的な価格の比較があってもよい。運用について語った目論見書のような資料が保険ではなぜできないのか。
●特に各社の付加保険料(保険会社の運営コスト+利益)の開示が必要だ。付加保険料の比較が分からず、どれだけボッタくっているのかわからない。
●ライフネット生命では付加保険料を開示しているが、他社が開示していないため高いか安いかわからない。
●(ライフネット生命への提案)相手に反論の機会を与えておけばよいのであって、他社の付加保険料も推計でもいいから取り上げた比較を開示すべきではないか。
●純保険料の算定式も各社ごとに違うし、それに対する付加保険料の割合も異なる。付加保険料の金額だけをみるとミスリードにつながるおそれあり。要はトータルの保険料を見るべきである。
●(情報開示の要望に対して)金融庁としては手数料などは開示済みと理解。また付加保険料の開示は各社の自由。規制しているわけではない。また保険会社の利益を知りたいならは会社全体の損益情報をみればよい。
<保険の販売方法の課題>
●複雑な商品は顧客本位ではない。「保険の見える化」のために必要なことは何か。わかりやすい商品を分かりやすい方法で伝えるべき。
●資産運用をアドバイスするFPが特定の保険を売っている。なぜならFPにとって利潤が大きいから。
●商品とコンサルサービスは別々にしてそれぞれに対価を支払う姿が望ましい。
●生保業界はサプライサイドが多い。人が多くて何か売る必要がある。自分たちの組織を維持するために高額な商品を売ることになってしまっている。
<スマホの台頭>
●ネット生保のここ数年の伸び悩み-ネットの発達、とくにPCからスマホへとユーザーシフトへの対応が遅れた。スマホでの取引が急増してきたがこの傾向は続く。
●スマホの履歴を調べれば、顧客がどこで理解不足に陥ったのかわかるので改善ポイントが見える。これを続けていけばやがて対面販売を凌駕していくのではないか。
また勉強会の最後に登壇者から寄せられた「資産形成と保険についての一言」も紹介します。(発言順)
(田村氏)
長期分散、低コストな運用に加えて公的年金のフル活用につきる。一番の資産形成は働き続けて厚生年金を受け取れる女性と結婚すること。
(山崎氏)
合理的な割り切りが大事。保険は投信と同じだが、保険の場合、マーケット・リスクのみならず、それを売る人についてもリスクがある。人を介して商品を買ってはダメ、自分で決めてくことが大事。同じ商品を選べば効率性は変わらない、あとはリスクの取り方を決めればOK。現状では売りたい人が何を売るかを決めている。一体誰が購買の決定者なのか。消費者側が強くならなければならない。なおこれからは人よりもスマホを恐れる時代かもしれない。
(今井氏)
資産形成には関心が第一。NISAの失敗として口座は増えたが変な商品が買われている現実あり。無関心な人にも関心をもってもらうようにしたい。
(横尾氏)
ライフプランと必要なお金を決める。色々やってみないとわからない。ただし余裕資金内でやること。
(斎藤氏)
元気をもつことと勉強すること。貯蓄と保険の最適な組み合わせを考える。自分で判断したことならば、あきらめもつきやすい。
(森氏)
若いときは色々と物入りになるし、サラリーもまだ低いけれども資産形成は早くから始めるべき。
■保険リテラシーを高めていくか
WATANKOにとって保険とは、他の金融商品と比べて関心が低く、内容を理解するきっかけが中々つかめない商品でありました。その主因は保険商品に対して昔から貯蓄性をほとんど不要と考えてきたからです。したがって保険とは専ら保障サービスの方が重要でありましたし、支払った保険料とうけられる保障のバランスについても突き詰めて考える機会があまりありませんでした。
今回「付加保険料」をはじめとする興味深いキーワードや生保業界の現状を垣間見る話を聞くことができたので、これをきっかけに自分の金融リテラシーの中の保険リテラリーを少しは高めておこうというマインドが出てきました。
幸いにも仕事の負荷が最近は下がってきたので、色々と余裕もでてきました。このタイミングのもとで今回の勉強会に参加しことは、投資に対する勉強を再び加速させるよいきっかけとなりました。
サムライズの勉強会、これからも楽しみであります。
(あとがきにかえて)
WATANKO「大変遅まきながら、保険の見直しにこれから取り組んでいこうと思うのだけれど・・・」
妻ミサト「そうね、生命保険会社の言いなりになっていると保険料は無邪気に上がる一方だわ。」
WATANKO「そうだね、もう私も年だし、資産もある程度貯まったから過度な保険は不要でしょう。」
妻ミサト「私もそう思って、貴方の食生活についても最近は昔ほど五月蠅く言わなくなったわ。」
WATANKO「それって・・・ホラーです。」
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