【クルマ記事Refrain2019】良い車の条件は「タイヤがボディのなるべく四隅にあること」
(GW中の幕間記事です。)
この駄ブログは2010年3月に開設し、以来11年2か月が経過しましたが、今までUPしてきた記事の中から、自分自身の投資やライフスタイルその他についての考え方を記したものを1年に一度、Refrainと称して何本かとりあげて再度紹介しています。(なお初回時に対して一部追記・修正してあります。)
今年は車に関する過去記事から何本かとりあげます。この投資駄ブログにおけるGW期間中の幕間記事としてご笑覧いただければ幸いです。また車に関心がある人にむけての適度なコーヒーブレイク記事になれたら嬉しいです。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
車に詳しい人もそうでない人もマイカーを買うときには、様々な制約がある中でできるだけ良い車選びをしたいと考えることでしょう。
なにせ家の次に高く保険、教育費と並んでかなりの出費を必要とする買い物ですからね。そういった中、良い車の条件とは何か?完璧とはいかないまでもいくつかの指針を持ってみることは有用です。
車の構成要件としてデザインについては機能・設計と主観・感性の部分が入り混じり論議は単純ではありません。一方で物理的側面、移動体的観点からみれば良い車の要件は客観的事実に拠る部分が大半なので、比較的明確にあげることができます。
今回WATANKOが物理的側面、移動体的観点から掲げる良い車の条件は、「タイヤがボディのなるべく四隅にあること」です。
どんな高性能車であっても路面と接しているのはタイヤ4本。はがき4枚分の接地面積です。車が良好な運動性能を発揮するためには、その4つのタイヤを四隅とした空間(以下、四隅空間)の中にエンジンや機器類、人が座る空間、荷室を適切に納めることが最も大事です。
例えばキャビンの設計が甘く、四隅空間内に人が座るスぺースを冗長にとりすぎると、四隅空間を大幅にはみ出してエンジンや荷物を納めるトランクなどの重量物ないしスペースを配置することになります。
四隅空間内に重量物を収めた車に対して、4つのタイヤの地面の踏ん張り点を結んだ四隅空間を超えてこのような重量物が配置されている車は運動性能の面で劣後します。
このような前輪軸を超えたフロントオーバーハング(要するに前輪軸から前の出っ張り)が長い車、後輪軸を超えたリアオーバーハング(同じく高輪軸から後ろにはみ出したトランク等のスペース)が長い車はどうなるか。四隅空間を超えて前後に重い分銅がついているようなものですから以下のとおりとなります。
(1)フロントオーバーハングが長いと前輪軸にかかる重量が増すため、制動時に車がおじぎをする格好になるため、前輪のブレーキ負担が大きくなり制動距離が長くなる。つまりは衝突回避性能が劣後する。
(2)フロントオーバーハングが長いとフロントヘビーになり普段からアンダーステア(ハンドルをきった分に対して、車の曲がりが少ないこと)が強くなる。曲がりにくい車になる。
(3)リアオーバーハングが長いと、多くの車で採用されている前輪駆動車の場合、加速時に前輪軸が浮いてグリップがかからなくなり、エンジンの回転数の上昇に対して加速しない。したがい加速性能が悪いばかりか、アクセルを多く踏みがちになるので燃費の悪化にもつながる。
(4)フロント・リアのオーバーハングが多いことでピッチング(車の前や後の部分の上下動のこと。凹凸面を走る時に目立つ。)が増えて乗り心地が悪化する。またピッチングをおさえようとサスペンションを固めに設定すれば、それもまた乗り心地が悪化する要因となる。
など等
さらにわかりやすいイメージで言えば、ヒョウの頭がサイのように大きく重くなったり、尻尾が巨大恐竜のように大きいと俊敏に走ることはできませんし、一度付ついたスピードの制御は難しくなります。
人間に例えるなら長い棒を担いでその前端、後端に重りをつけて走ろうとしてもスピードのアップ・ダウンや曲がることがなかなかうまくいきません。
もしこれらの現象を車で実体感したければマイカーのトランクの後端にバーベルでも沢山積んだり、フロントにゴツイ鋳鉄製のカンガルーバーも取り付ければ可能となります。ここまで書けば実際に行動に移さずとも結果が容易に想像できますね。
さて車選びにおいては四隅空間にエンジン、キャビン、トランクがどのように収められているか、前後のオーバーハングがどれだけ詰められているか。そこに着目する必要があります。
具体的には前後オーバーハングの長さそのものをチェックすること。ホイールベース÷全長によるホイールベース比率や、ホイールベースに占める室内寸法の割合<通称『アンコ比率』©WATANKO>を競合車種と比較してみることです。
またオーバーハングの長短はそこに車重が絡んでくるとより重要になります。重量が大きくて、しかもその原因がオーバーハングにある場合、そのモデルはかなりダメ車といっても過言ではありません。
こうして設計パッケージの質の程度をある程度つかむことでそのモデルの走行性能の素性がかなりわかります。
ちなみに「タイヤがボディのなるべく四隅にある車」の究極はレーシングカーであります。これは運動性能を極限まで突き詰めて速く走るためだけに開発された類の車ですが、物理的側面、移動体的観点からみれば日常の乗用車にとってもレーシングカー同様にタイヤがボディの四隅にあることは大変重要です。
うーん、でもここまで書くと今度はホイールベースの話を書きたくなってきました。次回はホイールベースを取り上げたいと思います。
« 2019年4月末運用状況 | トップページ | 【クルマ記事Refrain2019】貴方のマイカーのホイールベースはいくつですか-諸元表をよくチェックしよう »
「自動車」カテゴリの記事
- マツダ3の販売不振と今後(2019.09.15)
- マイカー、かく買い替えり―⑤これまでのまとめと今後(2019.09.07)
- マイカー、かく買い替えり―④芋づる式な候補車のリストアップ(続々)(2019.09.05)
- マイカー、かく買い替えり―③芋づる式な候補車のリストアップ(続)(2019.09.03)
- マイカー、かく買い替えり―②芋づる式な候補車のリストアップ(2019.08.31)
「Refrain」カテゴリの記事
- 【クルマ記事Refrain2019】運転して面白い車に乗ろう(2019.05.06)
- 【クルマ記事Refrain2019】自動車の色選び-経験則と一部主観(2019.05.05)
- 【クルマ記事Refrain2019】シートは自動車の良否をきめる大事なインターフェイス(2019.05.04)
- 【クルマ記事Refrain2019】軽トラで運転テクニックをみがく(2019.05.03)
- 【クルマ記事Refrain2019】重心高は譲れない(2019.05.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント