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2019年4月29日 (月)

【クルマ記事Refrain2019】貴方のマイカーのホイールベースはいくつですか-諸元表をよくチェックしよう

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(この車のホイールベースはおいくつ?)

車の前後車軸の中心線間の寸法をホイールベース(以下WB)といいますが、さてマイカーをお持ちの皆さんには自分のマイカーのWBについてご存じでしょうか。

 

普通の方の場合、マイカーのWBを即座に答えられる方は、おそらく100名中ほぼゼロではないかと思われます。それほどに普通のオーナーにとって関心が薄い数値なのですが、車の諸元表の中に並んでいるいろいろな数値の中でもWBは自動車の仕様ひいては設計を決める最も重要な数値です。

 

WBが決まると、そこを起点にいろいろな設計要素が決まってきます。

 

具体的に言えばWB内に収めるエンジン、キャビン、トランクのスペース(=パッケージ)が決まります。WB内にエンジンのスペース、トラックのスペースをどれだけ食い込ませるか。

 

同じWBであればこれらのスペースを取るほど、キャビンのスペースが狭くなります。しかし一方で前後の車輪軸上の重量バランスからみれば特にエンジンはボディの中心になるべく近づけたいです。トランクもリアオーバーハングを最小限化するためにはある程度WB内に食い込ませたいです。したがいエンジン、キャビン、トランクのスペースのトレードオフをどうバランスとるかという点がポイントになります。

 

この設計の結果、フロント/リアのオーバーハングについての必要なサイズが見えてくるので、全長が決まります。さらにWBとのバランスから全高が決まります。こうしてWBをもとに決められた外寸の制約からエンジン、駆動系など主要コンポーネンツが決まり、そこから車のグレードや動力性能、車重などの基本的な仕様が決められていきます。

 

・・・とこのようにWBから物理の法則と工業製品としての設計技術、そこに商品企画の要素が入って、車のデザインが決められていきます。その大元になるWBはかように車の性格を決める重要な数値です。

 

WBが短いと車が曲がりやすくなります。例えばWBが長いバス、トラックがキビキビを曲がることが出来ないことを思い浮かべればわかりやすいでしょう。

 

一方で初代ロードスター(NA)のWBはわずか2,265mmと短くて旋回性能抜群です。当時の他のスポーツカーではフェアレデZが2,570mm、RX-7が2,425mmであり、これらと比べても各段に短いです。おかげでロードスターは左コーナリングでは誰かが左のリアフェンダーを蹴飛ばしたかのようにヨー慣性モーメントが発生します。

 

また一方で室内広い車、乗り心地が良い車を選ぶならWBが長い車です。前輪と後輪の間が長ければ(ボディ剛性の高低は別にすると)、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)は低減します。

 

以前マイカー記事で紹介したシトロエン・エグザンティアはWBが2,740mmと長く、乗り心地の良化に寄与しています。(参考:当時の同クラスではコロナ2,580mm、プリメーラ2,550mm

 

コーナリングに優れるスポーツカーを選んだつもりが、曲がりにくいロングWBのモデルを選んでいないか。

 

広い室内を求めてミニバンを買ったのに、競合他社よりもWBが短くて室内が狭いモデルを選んでないか。

 

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このようにWBは車の使用・性能を大分左右する数値です。その他も車にはその基本的な性能を決める大事な要素がいくつかあります。それらを記載したのが諸元表と呼ばれるデータです。

 

そのため車選びにおいてはカタログの写真を眺めていたり、カラーバリエーションの中からお気に入りの色を選んでみたり、オプションカタログから何つけようかと睨めっこしたりする前に、先ず諸元表を見ましょう。

 

そこには一見無味乾燥にみえる数値群が並んでいますが、その中からWBをみつけその数値を意味するところを旧モデル、競合他社との比較、他の数値との関連を頭に入れながら考えます。

 

そうやって目の前のモデルがもともとのコンセプトに対して設計が甘っちょろくなされたのか、よくよく考えてなされているのか推し量ることがテキトー車と入魂車の違いを見分ける大事なひとつの手段です。

 

車は1モデルあたり5,000枚の図面をもとに30,000点の部品でもってつくられた工業製品です。どのモデルも現代の自動車関連法規を順守しつつ走る、曲がる、止まる機能を満たしてはいます。

 

しかしそんな中にあって「自動車メーカーのサラリーマンはルーティンワークで作ったモデル」と「車に対する哲学・見識をもったカーガイ(車好き野郎)が入魂で作ったモデル」の違いは確かに存在しています。

 

WATANKOは自動車業界の外の人ですが、モデルに対する選球眼を少しでも養って、いい車選びを続けたいですね。

 

車は高価であり、かつライフスタイルに大きく影響を与える買い物ですから。

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