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2019年4月15日 (月)

退職金でリスク商品を買うことはお勧めしません

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(退職金は慎重に扱いましょう)

サラリーマンでリタイアを迎えた方が、インフレや医療費の負担増、年金の将来動向を心配しつつ、老後生活における家計対策として、退職金で資産運用を始めようとするケースをよく聞きます。

 

なかにはそのようなニーズを持つ人に対して、色々と高コストでリスクが大きい金融商品を勧める輩もいれば、そこまで酷くなくともアセットクラスを分散したポートフォリオを形成し、長期投資(年齢面からみて果たしてどれだけ「長期」となるか不透明ではありますが)に取り組むスタイルを勧める者もいることでしょう。

 

WATANKOはここでの主張は「退職金でリスク商品を買うことはお勧めしない」です。

 

リタイアするまでの間でのリスク商品による資産運用の経験の有無にかかわらず、退職金でリスク商品を買うことはお勧めしないです。

 

「有無にかかわらず」と述べた詳細理由について以下に表します。

 

1.リタイア前に資産運用を行ってきた場合

 

(1)資産運用がまずまず又はそれ以上の成果を達成できた方

 

当初立てた運用の目標の高低の違いはあるかもしれませんが、それなりに成果が出た方におかれましては退職金迄わざわざリスク商品の購入にあてる必要性は小さくなっていることでしょう。

 

また成果が出ても利確しておらず、評価益を抱えている状態であれば、今後の資産全体のリスクを下げるべく、退職金は安全資産で運用すべきでしょう。

 

言い換えますとリアイアすればその時点で退職金というまとまった多額の資金が一気に手に入るので、それをあらかじめ見越しておくことで、一方でリタイアまでは大きなリスクを遠慮なく取り続けることができるという見方であります。

 

(2)資産運用がうまくいかず目標が大きく未達であった方

 

残念なことにリスクを取りすぎ、それが具現化してしまった。あるいは損失確定ではないけれど、座視できない評価損を含んでしまっている方におかれましては、資産全体がリタイア時点よりも、この先下振れが更に加速することは避けねばなりません。

 

そこで退職金は今後の資産全体のリスクを下げるべく、(1)と同様に安全資産で運用すべきでしょう。今まで資産運用がうまくいかなかった方がリアイア後には一転してうまくいくなんて、確かな根拠でもない限り、普通は考えられません。

 

2.リアイア前に資産運用を行ってこなかった場合

 

そこにはいろいろな理由や事情があるにせよリタイアまでの期間、リスク商品を用いた資産運用を行ってこなかった方はどうでしょう。

 

リスク商品は買わずとも堅実な貯蓄を行ってきてそれなりに安全資産をお持ちの方であれば、退職金をことさらリスクに晒さなくともよいのではないでしょうか。

 

また貯蓄が不十分な方にとっては、退職金が資産全体に占めるウェイトが大きいため、資産運用にはますますもって慎重にならざるを得ません。

 

なお資産運用の経験が無い貴方が、それに着手しようとしたときに、そこにつけ込んで貴方に接近してくる輩はどこにでもいるものです。

 

気を付けましょう。今日もまた誰かがうまい話で高齢者を勧誘して老後資金を集めてドロンしたというニュースが流れてくるかもしれません。

 

3.そうはいっても老後資産が足りないという方へ

 

上記に対して「いやいややっぱり資産額全体が心許ないから、資産は取り崩して使いつつも、運用していきたい」というニーズを訴える方もいることでしょう。

 

そこには単なる定期取り崩し機能をつけてバカ高いコストを要求する毎月分配型投信が売れる風景がかつてありました。(昔ほどではなくとも現在でも結構見かける風景?)

 

しかし忘れずに頭に入れておくべきことは、運用対象となる資産のパイの大きさ自体は、取り崩しを続けるごとに小さくなります。つまりはそこから得られるリターン実額もまた段々減少していくことになります。

 

実際にはどれだけの実入りが期待できることでしょうか。

 

その一方で、多額の金額をリスクに晒していることにどこまで耐えられるでしょうか。一旦暴落が起きれば、回復まで時間がかかります。

 

4.3つの対策

 

「退職金を使った資産運用は避けろというならば、それでは老後資金が少なくて心配な我々はどうすればよいのか。」

 

最後はこの質問に行き着くことになるわけですが、ここでは3つの対策をあげておきます。

 

・・・といってもそのうち、2つは「就業の継続」と「倹約の徹底」であり、この駄ブログで今更、世紀の発見がごとく解説する必要はないでしょう。

 

3つ目の対策として、WATANKOがあげるのは「お金のかからない、身体を動かす趣味を持つこと」です。これは倹約を後押しするだけでなく、心身の健康に繋がることが期待できるからです。健康を維持すること=医療費の負担軽減に寄与します。

 

5.まとめ

 

完全リタイアした方にとって退職金は年金をのぞけば「最後に手に入るお金」であります。

 

その使い方は、その人の人生においてもっとも慎重にすべきであります。その慎重度からすれば現役時代に確保していた生活防衛資金の比ではありません。

 

少し残酷な言い方をすれば、あなたの資産形成という課題はその達成度の如何にかかわらずリタイアした時点で決着しているのです。資産形成とはリタイアするまでの期間が大事であり、その期間での頑張り次第で老後の家計の水準は概ね決まってしまうのです。

 

退職金をフル活用して、現役時代に実現できなかった資産を獲得しようとするのは、サッカーでいえば後半残り5分というタイミングで、3点差を覆して勝つことのような困難を表しています。選手は疲れている(運用を成功する確信的な手段はない)し、何より絶対的な時間が足りません。

 

退職金の使い方にはくれぐれも慎重になられんことをお勧めします。

 

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 (あとがきにかえて)

 

妻ミサト「リタイアしたら退職金も出ることだし、飛鳥Ⅱで世界一周旅行でも行きましょう!」

 

WATANKO「この記事を100万回読んでください!」

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