オートモービルカウンシル2019に行きました
先週末、幕張メッセで開催されたオートモービルカウンシル2019を見てきました。丁度春の温かさの中、オープンドライブの行き先としてうってつけでありました。
■オートモービルカウンシルとは
通常、自動車メーカーやインポーターが出展の中心となる自動車の展示ショーとは異なり、このオートモービルカウンシルはもっと自動車を文化として紹介する、自動車趣味人のためのイベントです。そこには東京モーターショウのような派手さはありませんが、分かる人にはわかる自動車の様々な価値を紹介する場でありました。
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以下はこのイベントのフィロソフィーです。
『戦後劇的な成長を遂げた我が国。
その中心的役割を果たした自動車産業は、瞬く間に成功の階段を登りつめ、今や世界最大の自動車生産国になりました。戦後 70 年。輸入車の対する尊敬と憧れを含め、我が国には世界に誇れる自動車の歴史、ヘリテージが存在します。しかし残念ながら、自動車の文化的側面は十分に成熟しているとはいえません。(中略)我々、AUTOMOBILE COUNCIL は、日本の自動車文化、日本独自のカーライフを創造し、その魅力を世界に向けて発信したいと考えます。個別のメーカーやインポーター、中古車、修理会社等の垣根を越えて、自動車(ヘリテージカー)の様々な愛好家と共に、チームジャパンとして横断的に手を携え、日本の自動車の歴史に市民権を与えようではありませんか。(以下略)』
会場は幕張メッセの2ホールを使った、自動車イベントとしてはそれほど大規模ではないイベントです。それでも話題のニューカーをたくさん陳列したショーでもないので来客は思ったより少なく、WATANKOはゆったりと見て回ることができました。
■展示車両の趣き
展示されていた車両の傾向をまとめると以下のとおりです。
★1960年代から1970年代の名車たち
イタリアのカロッツェリア(工房)が隆盛していた時代。レース車両に欧米メーカーの様々なモデルが用いられていた時代。環境や安全の規制が現在よりも少なく自由なデザインやエンジニアリングが採用された時代。スーパーカーの時代でもあります。
流麗なマセラティ・ギブリ。フェラーリのようなギラギラ感がなく気品あふれるデザイン。今でもイケます。
フェラーリ・デイトナ。フロントのロングノーズには古式ゆかしいV12エンジン搭載。
スーパーカーといえばお約束のランボルギーニ・ミウラ。ターコイズブルーの展示車は本当に美しい。
★メーカーのアーカイブ
日本メーカーからはトヨタ、ホンダ、日産、マツダ等の各社が出展しており、1970年代~1980年代の様々な記録媒体とともに懐かしのモデルを展示していました。
トヨタ・スープラ(A70)。今年復活しましたが、やはりスープラといえばこのモデルにつきます。わかりやすいカッコよさが満載です。
フェアレディZ(Z32)。GT-Rと並んで日産のスポーツモデルの横綱。スープラのタルガトップに対して、こちらはTバールーフ。当時はとてもギラギラした印象でした。
レア物としてはマツダ・ロードスターのプロトタイプ、初代NAが発表される5年前にこのモデルを試作してアメリカの路上を走らせたところ大反響であったことは有名な逸話です。
★懐かしのちょっと有名だった市販車
1970年代~1990年代の各メーカーの様々なモデル群。いわゆるヤングタイマーです。各ショップの選りすぐりの車両が展示されており、即売も行われていました。
BMW535i(E12)。この赤青のストライプはBMWの昔のレーシングモデルを彷彿させます。あのころはBMではなくて「ベンベ」と呼ばれていました。
プジョー306カブリオレ。プジョーがピニンファリーナにデザインを委託していたころのお洒落な4シーターカブリオレ。実用性が期待できるオープンモデルとしてWATANKOもいっとき購入を真剣に考えていた時がありました。あれからもう20年が経ちました。
メルセデス・ベンツE190 2.6ホロモゲのエボⅡ、ジャガー E-Type Sr。1 DHC、マツダ・コスモスポーツとメーカーも時代もごちゃ混ぜの展示。でもそれぞれが展示されている理由は車好きなら納得です。
この他にはシトロエンのAMI6やシトロエンSM(窓ガラス無し!)、フィアット500やアウトビアンキ、シムカ、ルノーゴルディーニ、ゴルフⅡ、ジェッタ、沢山のメルセデス等々。統一感のない展示がまた面白くもありました。
■今の車の将来は
20世紀が終わる頃から自動車の世界にはミニバンやハイブリッドが普及し、ユーティリティ一辺倒や家電染みたモデルばかりが路上を走りました。
車を生活の道具、消耗品として見ればそれは当然の流れかもしれません。ですが果たしてミニバンやハイブリッドが20~30年後にヤングタイマーとしてもてはやされるでしょうか。
いまやもう将来、ヤングタイマーとして人気が出そうなモデルと言えば限られています。ならば今のうち、数少ない将来のヤングタイマー候補を新車で購入してずっと大事に乗り続けるか、目の前にあるヤングタイマーを機を逃さず購入して大事にするか。
そこにはいくばくかの寂寥感が漂うマイカー選びの視点がありました。
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