新規募集、ただし告知事項あります その3-部屋の清掃・修繕費用にビックリ
(この事故物件の清掃・修繕費用はいかに?)
WATANKOが所有するアパートの募集・管理をお願いしているアパート管理会社から連絡が入るのはきまっていつも週末です。それだけで楽しい余暇の時間が瞬時にビジネスタイムへと振り替わると言ったら言い過ぎでしょうか。
聞けば、管理会社の側もサラリーマン兼業のアパートオーナーを捕まえるには週末の方がやりやすいとのこと。どうりでよほど急ぎの案件でない限り週末にばかり連絡が集中しているわけです。
先週の三連休にも不動産業者から連絡が入りました。用件は先日の入居者が室内で病死した部屋について、退去が完了した連絡と室内の清掃と修繕の費用についての相談とのことです。
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上記の部屋はいわゆる事故物件となった部屋です。これからしっかりと綺麗に仕上げて、かつ他の部屋よりも賃料を下げて募集を開始しなければなりません。費用はかかるわ、収益は落ちるわで踏んだり蹴ったりです。
ということで連絡があった翌日の午前中に現地で管理会社と打ち合わせることにしました。
さて打ち合わせ当日。まずは退去について、当初の予定より時間がかかった件については亡くなった人の身内をあたり、部屋の中の私物を撤去してもらう段取りに時間がかかったと管理会社から説明がありました。
これについては退去日までの賃料を日割りで負担してもらうため、直接的なダメージはありませんでした。
■清掃・修繕にかかる費用
次に清掃・修繕にかかる費用についてです。当人はこの部屋に9年間入居していたのですが、まずバス・トイレが相当汚くなっていました。世の中にはかなり掃除をサボって汚くなった水回りであっても平気な人というのはいるものです。そういえば若い女性の入居者でも部屋を汚部屋にしていただきましたことがありました。
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不動産投資によってアパート賃貸を夢見る個人投資家におかれましては貸している部屋のバス・トイレが真っ黒に汚されること、そしてその清掃費用についても入居者には大した金額を請求できないことはちょっと覚えていた方が良いかもしれません。
そのほかにも部屋の汚れ具合、痛み具合は9年間入居していたレベルをやや上回る程度とのこと。加えてトイレや廊下に血痕が付着していると聞きました。
WATANKOは、血痕の付着はそれまで聞いていなかったので驚き、現場を見せて欲しいとお願いしましたが、管理会社の担当者曰く「結構な量の血痕が付着しているので直に見ることは絶対お勧めしません。記録用に写真を撮ってありますが、これも見ることを極力お勧めしません。」とのこと。
えええーっ、一体どれだけの血痕が残っているのか。WATANKOは追求してみたかったですが、担当者の真顔な表情の前にはそれ以上の言葉は、出ませんでした。
こりゃ、やっぱり完璧に事故物件ですよ。トホホのホ。
さらに清掃・修繕の見積を見て驚きです。その総額507千円。この部屋の9ヶ月分余りの賃料にまでおよぶ水準です。主なものはビニールクロス張替え126千円、クッションフロア張替え80千円、浴室塗装工事194千円等々。
管理会社によると、まずは総額のうち57%、288千円を賃貸人(入居者が勤めていた会社)に請求するとのこと。しかしそれでもオーナーであるWATANKOの自己負担は差し引き賃料の4ヶ月弱程度にまでかかります。通常はこれほどまではかかりません。
WATANKOはその明細を見ながら、もっと相手への請求額を増やせないか話し合いました。しかし管理会社いわくこれでも今回は事情が事情だけにいつもよりは相手に多く請求しているとのこと。すでに東京都が定めた退去時精算のガイドラインを超えている部分があり、先方がガイドラインをたてに支払いに難色を示してくることも考えられると説明あり。
それならばと最低でもこの見積レベルの金額を確実に勝ち取るためには、最初の提示額はもっとネゴ代を入れて高く出すことにしました。
■まとめ
住居について保有と賃貸で大きく異なる点のひとつに住居の所有者があげられます。賃貸人は他人の住居に間借りしているわけですが、それゆえに自身で保有する住居とは異なり、様々な制約があることをよく理解する必要があります。
もちろんながら賃貸人は契約上では賃借人と対等な立場にあります。しかしだからといって自分の所有物ではないものを好きなだけ汚したり壊したりしても構わないというわけではありません。
今回は突然死のケースですが、契約上は経年劣化を超えて部屋を傷めたことに変わりはありません。WATANKOは人情としては心の中でいくらでも鎮魂歌を唱えることはあっても、ビジネスマンとしては相手に対して相応の経済的な負担を冷徹に求めていく所存です。
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