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2018年4月20日 (金)

ファンドラップを選んだ個人投資家がやるべきこと(その4)リーズナブルな手数料体系とは

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(リーズナブルな手数料とは?)


(前回からのつづきです。)

前回記事では、ファンドラップで一任できる個人投資家には投資の知識が備わっており、それゆえに、逆に一任する必要がないというパラドクスがあることを指摘しました。

今回は最後にコストに戻ります。

■資産運用のリスクは個人投資家が丸かぶり

さて個人投資家は、自分の資産運用をファンドラップを用いて金融機関に一任するといっても最終的な責任は個人投資家自身が負います。

資産運用を一任された金融機関の運用担当者は目標達成に向けて頑張りますが、目標達成を保証することは決してありません。

資産運用のリスクは個人投資家が丸かぶりであるのに、一方で運用成果の如何にかかわらず、金融機関はしっかり利潤を伴う高い手数料を確実にいただきます。

この個人投資家と運用会社との関係をもしアンバランスと感じる方がいても不思議ではないでしょう。かくいうWATANKOもその1人です。

投資信託という資産運用のビークルを提供するだけならば、品質が同じという前提のもとにできるだけ低コストがよいことはいうまでもありません。

しかし資産運用のある結果を目指すサービスであれば、その達成度に応じて金融機関がもらう対価が変動してもおかしくはありません。

成果があがらないファンドラップであれば、契約解除をするという選択肢が個人投資家の側にはありますが、契約期間の縛りがあったり、契約解除後には時すでに遅しで資産が目減りしている状態となります。

■成功報酬型の手数料がリーズナブル

かといって世の中、タダ飯はどこにもありません。目標達成のために他人に動いてもらう以上は、メシ代アシ代は必要であります。

以上を考えると、ファンドラップの手数料は運用成績の如何にかかわらず支払う固定部分と、運用成果に応じて変動する変動分に分けられて構成されるべきではないでしょうか。

金融機関の働きによってより多くの利益が獲得できた場合にはより多くの手数料を支払う。成功報酬型の手数料体系をとり入れることは運用会社の側にとってインセンティブが働きます。

企業の収益の安定性という面ではそのような手数料体系は採用しにくいかもしれませんが、ファンドラップを検討する個人投資家に対してはリーズナブルに見えることでしょう。

■実際の手数料体系の特徴

そこで実際に各社の手数料体系を調べてみると以下の特徴があります。

1.手数料の料率は取り扱い金額によって段階的に設定されている。高額な部分ほど料率が下がる。3年、5年と長期保有をすると料率が引き下げられる。

⇒上記は多額を預けてくれる人、長期間預けてくれる人を優遇するというわけです。スケールメリットを還元する仕組みです。

2.安定運用から積極運用まで運用のスタイルによって料率が変わる。積極運用になるほど料率は高い。

⇒リターンの目標が高いので、それを目指すタイプには高い料率が設定されるというわけです。一方で成功報酬型ではないので、この設定はWATANKOには違和感があります

3.通常コースの他に、取り扱い額がより高額で手厚いコンサルティング(本当か?)をうけられるプレミアムコースや、料率が低いネットを用いたダイレクトコースといったバリエーションもあり。

⇒よりお金持ちな人、利便性を追求する人など色々な個人投資家のタイプに応じたサービスで顧客の裾野を広げています。

うーん、WATANKOがリーズナブルと考える成功報酬型の手数料体系を設定したファンドラップはないものかと調べてみると、SMBCファンドラップと三井住友信託ファンドラップが該当していました。

これらファンドラップでは「固定報酬のみの型」と「固定報酬と成功報酬の併用型」があり。成功報酬併用型については固定部分の報酬は固定報酬のみの型よりも低く設定されている一方で、契約終了時にはトータルリターンに対して一定の料率が追加でかかる仕組みとなっています。

(注:上記でとりあげた手数料体系の特徴は前回記事で運用実績を紹介したファンドラップを調べたかぎりであり、販売されているすべてのファンドラップをチェックしたわけではありません。)

上記のとおり各社のファンドラップの手数料体型を調べてみると、料率が変動する金額の区分は各社まちまちであり、どのファンドラップが割安な手数料体系かということは一概には比較できません。シンプルにコスト面ではファンドラップを決めるのは困難です。

しかし一つだけ言えることは、繰り返しますがファンドラップは運用成果の如何に拘わらず、金融機関にとっては通常の投信信託の販売よりも収益をエンジョイできる商品ということです。

■まとめ

さて4回に渡ってファンドラップについて気がついたことを記事にしてきました。

自分の資産運用を金融機関に一任できる個人投資家であれば、あえて一任する必要はありません。一任できない(投資の知識がない)人が一任してしまうと、もうそれは金融機関にいいようにやられてしまいます。

「お客様に代わって資産運用を行うサービスです。」

金融機関はこう唱えて、ファンドラップを売り込んでいます。

自分の資産運用の100%を誰かに任せることはできないにも拘わらず、あたかも任せることができるような幻想を抱かせるファンドラップという商品。

そこに罪深さを感じるのはWATANKOだけなのでしょうか。

2018年4月18日 (水)

ファンドラップを選んだ個人投資家がやるべきこと(その3)一任できることが引き起こすパラドクス

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(別に頼まなくても自分でできるけど...)

(前回からの続きです。)

前回記事では個人投資家がたとえファンドラップを用いたとしても、自分の資産運用の全てを金融機関に一任することはできず、ファンドラップの選択と継続について自己判断が必要になるという点を述べました。

今回は前回内容をさらに発展させた記事です。

■投資の知識の習得が必要

運用の委託者である個人投資家はファンドラップの選択や運用内容の点検を自ら行う必要があります。そのためには個人投資家自身が投資についてある程度勉強して、知識の習得が必要となります。

知識の習得といっても、投資の定石と勘どころをおさえた図書を数冊も読んで内容を理解すればひとまずは合格です。そしてWebや新聞等から世の中にどんなファンドが出回っているのか、おおよその現状やトレンドを知れば十分でしょう。

そのうえで個人投資家は、金融機関が自分のために組成したポートフォリオ、そしてその運用報告をチェックしていきます。

■やがて自分自身でも運用ができるのではないかと気づく

ファンドラップの運用報告を読んで、投資の知識があり、その運用の良し悪しがある程度判別できる個人投資家であれば、次に「この程度の内容ならば、運用会社のやり方を完璧にトレースすることまではできなくとも、だいたい同じようなやり方を自分でもできそうだ。」とういう発想に辿り着きはしませんでしょうか。

例えば

▼リスクを抑えたアセットアロケーションとするために、日本債券のシェアを過半にする。

▼為替リスクをおさえるために海外資産の半分は為替ヘッジ有り商品を選ぶ。

▼株式の国別ウェイトは時価総額に(だいたい)あわせる。

このようなことは金融機関に高い手数料を支払わなければできないことなのでしょうか。

またWeb上には「my INDEX」ほかアセットアロケーションを色々設定してリスクとリターンを測るツールがあちこちにありますので、ポートフォリオの自己組成にあたってはそれらの活用もできるでしょう。

ファンドラップの選択や運用の点検を自ら出来る個人投資家であれば、この気づきをきっかけに、自分でやってみる手間(実際は大した手間ではありません)とそしてほんの少しの踏み出す気持ちがあれば、ファンドラップの運用担当者がやっていることを摸することが十分にできるのではないでしょうか。

■ファンドラップのリターンの現実

「いやいや、素人はプロの運用担当者のアセットアロケーションを真似ることはできたとしても、プロの運用担当者は相場や為替の動向にあわせて機動的な売買を行ったり、優れたアクティブファンドを組み入れたりして、素人を常に上回る好成績な運用結果を出していることだろう。」

高いコストを支払っているのだから、上記のとおり考えてみたくなるのは当然です。

ではファンドラップの運用成績はいかに?

調査結果を見つけましたので紹介します。

引用記事

ヘッジファンドダイレクト
ファンドラップ型サービスの「手数料控除後リターン」ランキング
― 主要10サービス比較 ―

上記によると各社のファンドラップについて、2016年4月~7月を対象期間としてこれを年率換算した運用実績は以下のとおりです。

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上記以外にも数社ありますが、運用実績は非公開等となっています。

6社のうち、成績が一番良いところ(SMBCファンドラップ 8.1%)と、一番悪いところ(みずほファンドラップ ▲3.4%)を比較すると、両者の間ではなんと10ポイント以上の開きがあります。

やれやれ、ファンドラップもテキトーに選ぶととんだハズレくじにあたりそうです。

上記の結果をみて、WATANKOはファンドラップのリターンはさほど高くないと捉えます。

調査結果ではSMBCがダントツに高い一方で日興やみずほはマイナスですが、いつもこうとはかぎらないでしょう。

そうなると中位3社の成績の平均の4%くらいがファンドラップの妥当なリターン水準ではないでしょうか。

もし同じ運用を個人投資家が自分自身で行えば、金融機関に支払う1.5%前後の一任手数料分は個人投資家の懐に丸々入ることになります。さらに運用商品に関しても信託報酬がより安価な同種商品に切り替えることによって、信託報酬の差分が更なるリターン改善につながることが期待できます。

■ファンドラップ VS バランスファンド

投資の知識があったとして、それでも自分でポートフォリオを組成するのが面倒だという個人投資家にはファンドラップに辿りつく前に、バランスファンドを検討する余地もあります。

低コストで分散投資が可能となり、リバランスいらずでもある各社の代表的なバランスファンドの過去平均リターンをあげてみます。(データ元は「投信まとなび」)

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上述のファンドラップと対象期間がピタリ一致はしてはいませんが、直近1年と3年の両方のリターンをみることでだいたいの比較にはなります。

過去平均リターンについて上記バランスファンド平均は1年で5.8%、3年で3.7%とファンドラップと比べて遜色はありません。

上記比較の結果で見る限りでは10百万円単位のファンドラップを運用会社と複雑な一任契約を交わして用いても、ネット証券でバランスファンドを買っても大差はありません。

■一任できる個人投資家は、一任する必要がない

ファンドラップを選び、その運用を点検できる個人投資家には、すでに十分な金融リテラシーが備わっています。

そのような方であればそもそも金融機関に運用を一任する必要はなく、自分でほぼ同じことができると考えられます。

またそれでも手間が面倒という方にはバランスファンドという選択肢があります。

プロの運用担当者がオーダーメイドで頑張ってたたき出したリターンは、実際のところレディメイドで気軽に買えるバランスファンドのリターンと大差はありません。

以上からみえたことは、

ファンドラップで一任できる個人投資家であれば、逆に一任する必要がないというパラドクス。

WATANKOはファンドラップを扱う金融機関に対して、このパラドクスの解き方を尋ねてみたくなりました。

<次回予告>

次回は最終に再びコストの話です。今回記事を踏まえてファンドラップの手数料はどうあるべきなのかについて触れつつ、まとめ記事にする予定です。

(つづく)

2018年4月16日 (月)

ファンドラップを選んだ個人投資家がやるべきこと(その2)資産運用のすべてを一任することはできない

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(ファンドラップのチェックは必要)


(前回からの続きです。)

前回記事ではファンドラップはコストが高く、それはリターンを蝕むために、専門家に一任した割にはお寒いリターンしか望めないという指摘をしました。

今回はコストもさることながら、もっと根源的な話です。

■ファンドラップをどう選ぶのか

ファンドラップを選びたいという御仁に質問です。

▼貴方は一体どこの金融機関が提供するファンドラップを選ぶのでしょうか。

▼各社が用意するファンドラップのうち、どれが自分にとってよい商品だと判断できるのでしょうか。

▼そもそも各社のファンドラップの優劣などを購入前に比較できるための十分な情報が開示されているのでしょうか。

ファンドラップの取り扱い額は大きいです。以前は最低でも10百万円以上から、最近は数百万円という規模からも取り扱いがあるようですが、依然として高い水準です。

それなのに、内容把握も比較もろくにせずに、たまたまお付き合いのある金融機関に紹介されたファンドラップを、唯一の選択として何の疑問ももたないままに選んでいるとしたら、大丈夫でしょうか。

そのようなケースは、信託報酬のゼロコンマ%を気にしているWATANKOからみれば、はるかに博奕的選択に思えます。


■ファンドラップの点検が必要

それでも「大手の金融機関が売っているファンドラップならば、どこの運用力も大差がないのではないか。」という達観をもって、どこかのファンドラップを選んだとしましょう。

次は「ファンドラップの点検」です。

個人投資家がファンドラップを用いて自分の資産運用を金融機関に一任したとしても、本人がやるべきことはまだあります。

それは一任した金融機関が、

★どのようなポートフォリオでもって自分の資産を運用しているのか

★相場や為替の動向に合わせてどのような対応を取っているのか

★結果としてどれくらいのパフォーマンスをあげているのか

について定期的に把握して、その金融機関に運用を任せておくべきかどうか都度判断を下すことです。

ファンドラップの運用報告の内容をよくよく点検して、その運用の巧拙を把握、判断することが必要です。もし一任した金融機関の運用結果が個人投資家の要望を満たさない、下手くそなものであれば金融機関を変えることを考えていかねばなりません

どの金融機関のファンドラップに一任するのか。さらには選んだところにずっと一任し続けてよいのか。

ここの判断は個人投資家がどうしても自分自身で行う必要があります。

上記をきちんとわかっている個人投資家であればいいのですが、ひょっとしたら以下のような気持ちでファンドラップを購入している個人投資家がいたとしたらどうでしょうか。

「おいおい、俺は面倒くさいことから離れたくてファンドラップを買っているんだ。中身を理解しろだの一任先を変更しろなどと言う手間なんか取りたくないよ。俺のチェックはどうでもいいから、金融機関がちゃんと結果を出してくれればいい。」

上記の意見に代表されるような人達は、そもそも自分自身で資産運用することを完全放棄したスタンスであり(上述のとおり実際には放棄できないのですが)、だからこそ金融機関に一任したのでしょう。

彼らのようなタイプには、ファンドラップの運用内容の点検と継続可否の判断を自ら行うことは難しいかもしれません。

しかし今は相場がよくても、やがて下落あるいは暴落が来た時にはどんな分散投資を行なっていてもそれなりにダメージを受けます。

そんな時には彼らは「せっかく専門家に一任しているのにひどい結果だ!」と憤慨し、第三者に対して被害者意識たっぷりに文句をいうかもしれませんが、そのファンドラップを選んだのはその個人投資家の責任に他ならないことを忘れてはなりません。

そんな人達はファンドラップに何を期待していたのか、よくよく自問してみる必要があります。

■委託者と受託者の関係はどこまでいっても続くもの

ビジネスの世界では、ある者がとある仕事を別の誰かに委託する行動をよくみかけます。

そこには委託者と受託者の関係が成立しますが、そこで委託者は受託者に委託した内容が当初の目的通りになされているか点検する必要が生じます。委託された事柄についての成果物に不備がないか。あれば直させるのか、それとも委託先を変えるのか。

それは委託者が当初の目的を達成するためにやるべきことであり、どこまでいってもこの部分までを誰かに委託することはできません。

ファンドラップで金融機関に一任した個人投資家が、これで何も考えずに安泰というわけにはいきません。

自分が選んだファンドラップの運用報告を読んで、一任継続の可否を決めることが必要です。

資産運用という自分の人生の一部について、これを完全に他者に委託することはどこまでいってもできません。最後には自己判断、自己責任が降りかかってきます。

あなたの人生を100%誰かに委ねることができないことと同じように、ファンドラップに貴方の資産運用の全てを託すことはできません。

<次回予告>

それでは個人投資家がファンドラップの運用内容を理解し、可否を判断できるとしたら、次に行きつくところは何でしょうか。

(つづく)

2018年4月15日 (日)

ファンドラップを選んだ個人投資家がやるべきこと(その1)コスト負担が大きい事を覚悟すべし

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(ええっ、こんなに払うの?)

WATANKOのような泡沫個人投資家ブロガーがブログ記事ネタに困ったときには、NIKKEI STYLE マネー研究所を覗いてみれば記事ネタが転がっています。

前々回の記事に続き、今回も目に留まったものがありましたので取り上げてみます。

関連記事

NIKKEI STYLE  マネー研究所
「ファンドラップ」再び注目 大手が資産管理営業で力

金融庁が金融機関に対して「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を求める環境下、金融機関が打ち出したのがファンドラップを用いた資産管理型営業というわけです。

大手の金融機関がひとたび方針転換の舵を切れば、それは支店の末端まで徹底され、かつ業界横並びなものですから、ファンドラップの残高はグングン伸びて推計8兆円にも達しました。

同じく分散投資の典型であるバランス型ファンドの残高8.5兆円とあわせると16.5兆円となり、追加型株式投信全体の4分の1を超える規模とのこと。

いつのまにかすごい規模にまで膨らんでいます。

ところでファンドラップを選んだ個人投資家が肝に銘じておくべきことは何でしょうか。

少々長くなりますが、本記事を含めて4回にわけて記しておきます。(長くてすみません、と最初にお詫びしておきます。)


■資産管理の視点はGOOD

記事によるとファンドラップを用いた資産管理型の特徴は「長期運用」と「分散投資」です。どちらもインデックス投資を実践されている個人投資家の皆様にとっては今さら説明は不要でありましょう。

これを金融機関に関して極めて好意的な立場から言えば、

★「長期運用」は、従前の手数料稼ぎを目的とした投信の短期乗り換え(回転売買)をやってきたことに対する反省

★「分散投資」は、リスクがとても高いアクティブ投信を、その時々の流行り廃りにあわせて勧めてきたことに対する懺悔

ということでしょうか。

さらに個人顧客に対してポートフォリオのコア・サテライト戦略を掲げ、リターン追求とリスクの低減をきちんと考慮しているとのことです。


■リスクとリターンを抑えた運用に対してコストの負担は大きい

記事によるとこのファンドラップにかかる費用は、金融機関自体に支払う年間1.5%の運用管理費に投資先ファンドの信託報酬が加わり、年間2%超から3%程度のコストがかかります。

一方でファンドラップの運用について、リスクを抑えるためにアセットアロケーションにおいては国内債券や海外債券(為替ヘッジ付き)の比率が高いとのことです。

これについてどう捉えるべきか。

個人投資家からみれば高いコストを支払いながら、その実、選ばれているアセットアロケーションは債券の比率が高いものであることから、高いコストを控除した後に得られる実質的なリターンの水準が果たして満足のいくものかどうか疑念があります。

例えばFTSE/シティグループ 世界国債インデックス 除く日本 (円)の過去10年の配当込み平均リターンは+2.8%、MSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円)は同じく+7.4%です。

これを用いて試算してみますと債券:株式を7:3とするアセットアロケーションの場合、加重平均でリターンは+4.2%となります。ここから3%もコストを天引きされたら残りわずか1.2%にしかなりません。

この水準の通りとなった場合、専門家に一任した割にはかなりお寒いリターンです。

足元では内外の株式相場の好調に支えられてリターンはこれほどに悪くはないかもしれません。

しかしひとたび相場が下落に転じた時に、ファンドラップの運用成果は、自身の高いコストを支えきれなくなる可能性が高いのではないでしょうか。

<次回予告>

そしてこうしたコストとリターンのバランスの他に、ファンドラップを選んだ個人投資家がまず認識しておいてほしいことがあります。

(つづく)


2018年4月 7日 (土)

SlimシリーズにeMAXISの命運がかかっているか

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(近頃やっぱり気になるeMAXIS Slim)

先日参加した三菱UFJ国際投信ブロガーミーティングの資料を片付けていると、eMAXISシリーズの残高推移を示す資料に目が留まりました。

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写真の中のグラフのうち、オレンジ色がSlimシリーズを指しています。残高の絶対額自体はまだまだeMAXIS全体の中では少ないものの、その伸長はなかなかに勢いがあります。

■潮目が変わってきたのか

それでは他社の競合商品と比べてどんなもんか。eMAXIS Slimシリーズを代表して、先進国株式の直近6カ月の資金流入額を取り上げてみます。比較対象としては<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(以下、ニッセイ)とたわらノーロード先進国株式インデックス(以下、たわら)の2つを上げれば十分でありましょう。なおデータは投信まとなびから引用しました。

まずは王者ニッセイと、それに必死にくらいつくたわらです。

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ニッセイは直近6カ月の資金流入額の平均が30億円弱です。インデックス投信の中では相変わらず高い水準です。たわらも10.5億円と粘っています。両者とも1月に比べて2月は資金流入額を下げています。

さて対するeMAXIS Slim先進国株式(以下、Slim)はどうかというと、以下のとおりです。

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2017年12月と比べると1月、2月と2カ月連続で資金流入額を大きく伸ばしています。とくに2月ではニッセイにかなり近づいてきました。

3月以降もこのままニッセイとSlimとの差が縮まり、やがては逆転していくのでしょうか。今後の資金流入額を要注視であります。


■eMAXISの資金流出が目立つ

このニッセイ、たわらとSlimの資金流入額の攻防は、単なる局地戦ではなく今後のeMAXISシリーズ全体の資産残高の推移の点からみても重要であります。

Slimシリーズの登場は、多くの販路に支えられて堅調に伸びている本家eMAXISシリーズの上にトッピングされたネット証券限定のディスカウント商品とWATANKOは位置づけていました。

ところが2017年2月にSlimシリーズが登場する直前の半年間、2016年7月~同年12月のeMAXISシリーズの主要商品の資金流入を調べてみますと以下のとおりです。

まずはTOPIXです。

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資金流出が拡大しています。

次は先進国株式です。

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これもTOPIXと同様です。

先進国株式の場合、グラフに示されている2016年9月から現在の2018年2月までなんと18ヶ月連続して資金流出しています。

この他に同期間の新興国株式とバランス(8資産均等型)についても、調べてみるとTOPIXや先進国株式と同じ半年間でみると資金流入が下がり続けて、2016年12月には資金流出へと転じています。

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4つの主要商品の合計は以下の通りです。

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主要商品の傾向からみるかぎり、eMAXSIシリーズ全体は2016年の後半期に入ってきて資金流入がみるみる下がっていると思われます。

つまりSlim登場の背景にはこうした本家eMAXISシリーズの明らかな不振が挙げられます。

■SlimシリーズにはeMAXISの命運がかかっているか

三菱UFJ国際投信(以降、三菱)としては、Slimシリーズは一部の顧客向けのサービス商品ではなくて、衰退の傾向がみられてきた既存のeMAXISシリーズに代わる主力商品との位置付けではないでしょうか。

三菱は、Slimシリーズとはインデックス投信のコスト競争に適度に付き合っておくためのラインナップではなく、こいつが売れないとeMAXIS全体が沈んでしまうとの危機感を持っているやもしれません。

先日のブロガーミーティングで三菱は、「銀行の対面販売とネット専売とそれぞれの売り方にあった商品を揃えていく」と涼しい顔でどちらも伸ばしていくと言わんばかりのトークでしたが、内心はどうであるか。

以上のようなことをつらつらと考えながらSlimシリーズの今後動向に注目していきたいと思います。

2018年2月26日 (月)

VTとeMAXIS Slim、安さを感じるのはどちら

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(どちらも安い!)

毎年この季節になると皆さんお待ちかねのバンガードETFの経費率改定(引き下げ)のシーズンであります。

2、3年くらい前から「もう十二分に安いのですけれど」と思いつつも、バンガードはコスト引き下げの手綱を緩めません。そして今年も3つのETFを対象に改定が行われてきました。

参照記事

バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
2018年バンガードETF®経費率改定のお知らせ

なかでも大注目はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の経費率が0.11%から0.10%へと引き下げられたことです。

個人投資家の皆さんに大人気のVTの経費率引き下げは、ビックニュースですね。

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さて、VTが海外ETFのチャンピオンとすれば、コスト面からみると一方で外国株式に広く投資するインデックス投信のチャンピオンは現在、eMAXIS Slim先進国株式(以下、Slim先進国株式)でありましょう。

信託報酬は0.1095%(税抜、以降同じ)とこれまた驚異的にローコストです。少し前まで先進国株式のインデックス投信といえば信託報酬0.2%台であり、これでも十分に安いと感じたくらいでしたが、Slim先進国株式は異次元の安さであります。

Slim先進国株式自体では儲けは非常に薄いため、運用会社の三菱UFJ国際投信はおそらくこれだけで儲けようとは考えてはおらず、Slimシリーズは他の同種商品に資金が流れるのを食い止めるための戦略的な商品展開であろうことは明白であります。

とはいえ市井の個人投資家としては素直にこのSlim先進国株式を買うことで、そのローコストを享受するのが全く合理的でありましょう。

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さてこの駄ブログにお越しの皆様におかれましては、VTとSlim先進国株式を比べて、一体どちらのローコストが魅力的に映るでしょうか。どちらのコスト引き下げをより驚異的だと考えるでしょうか。

志としては、VTの引き下げに関しては投資家に寄り添い、共に繁栄していこうというバンガードの姿勢の方に崇高なものをやや感じますが、一方で日本のインデックス投信業界?において三菱UFJ国際投信がとった戦略は、新旧多くの競合商品をほとんど葬りかねない程に、あざといながらも見事であると認めざるを得ません。

この2つの商品のどちらのコスト引き下げに魅力を感じ、そして購入するか。それはまた一方でその個人投資家が海外ETF、インデックス投信のどちらを選好するかというスタイルの違いの現れでありましょう。

どちらにしても、とびきりローコストなインデックスファンドが買える時代。

少々相場がヘナクソになってきたとしても、購入を避けるには惜しいほどにどちらも魅力的な金融商品であることに違いはありません。

・・・おおっと忘れるところでした。VTの経費率の引き下げは、VTのみならずこれを投資対象としている楽天バンガード・全世界株式インデックスファンドにとっても信託報酬の引き下げにも繋がります。こちらも0.23%(税抜、以降同じ)から0.22%に引き下げされることでしょう。

でも投資対象のVTの経費率が引き下げられるたびに、一方で楽天のマージン0.12%の割高感がますます増してしまうのが何とも皮肉に思えてくるのはWATANKOだけでしょうか。

(あとがきにかえて)

当ブログでは「インデックスファンド」とはインデックス投信、ETFを総称する場合に用いております。一方で日本の一般公募の投資信託を指す場合には「インデックスファンド」とは表さずに、必ず「インデックス投信」と呼称しております。

2017年12月30日 (土)

eMAXIS先進国株式インデックスの信託報酬の引き下げは止まらない

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(eMAXIS、先進国株式でいよいよニッセイ追撃か)

インデックス投信に関する大きな話題のひとつには信託報酬の引き下げがあります。なぜなら投資先の選定や手法によって商品の特徴を出すアクティブ投信と異なり、インデックス投信はベンチマークに連動するように商品設計されており、マーケティングの4PでいうところのProduct(商品)面においては、差別化が困難であります。

したがいあとは他の3要素(Price:価格、Place:販路、Promotion:販促)で差別化を図るしかありません。中でも一番インパクトがあるのはPrice:価格です。同じ商品であるならば、顧客としては最も安い値段で買えるものを選ぶ事は明らかなのですから。

さて今年のインデックス投信の信託報酬の引き下げで、これまで一番の話題といえば、WATANKOから見ればeMAXIS Slim新興国株式インデックスの信託報酬引き下げでした。

ところがそれ以上のビックニュースが年の瀬も押し迫ったこの時期に飛び込んできました。

■eMAXIS Slim先進国株式インデックスが信託報引下げへ

先日、SBIアセットマネジメントからEXE-iつみたてシリーズの新商品として、EXE-iつみたて先進国株式ファンド(信託報酬0.1095%、税抜、以降同じ設定が報じられました。

先進国株式(正確にいえば日本を含めた先進国)のインデックス投信としては驚異的に信託報酬が低く、これが発売開始されたらどれくらい売れるのか注目を浴びるところでした。

ところがEXE-iつみたて先進国株式ファンドの話題も三日天下、実はもっと注目を浴びるニュースとしてeMAXIS Slim先進国株式インデックスの信託報引下げが発表されました。(すでに多くの個人投資家ブログで取り上げられていることから注目度の高さがうかがえます。)信託報酬は現行の0.189%から0.1095%、つまりEXE-iつみたて先進国株式ファンドと同率です。

三菱UFJ国際投信

上記サイトの更新情報を参照ください。

eMAXIS Slimシリーズは最安値の信託報酬に追随するのが特徴の商品です。他社が信託報酬の最安値の商品を新規設定してくれば、あるいは既存の商品の信託報酬を引き下げてくれば、eMAXIS Slimシリーズはそのたびごとに、公約通り信託報酬を引き下げて同率1位の最安値をキープし続けてきました。

そこには「〇〇社の商品は連動するインデックスの採用が異なるから、引き下げ対応外である。」といった言い訳はありません。同じアセットクラスの最安値のインデックス投信であれば、三菱UFJ国際投信(以下、三菱)はこれを即座に葬らんとばかりに信託報酬を同率まで引き下げます。

そして今回もまたその公約は果たされることになるのでした。

そうそう、これで三井住友・DC外国株式インデックスファンドS(信託報酬0.16%)の一般販売を待望するWATANKOはじめ個人投資家の声は消えることでしょう。もっとも三井住友アセットマネジメントもeMAXIS Slimが出た段階で、上述のファンドを一般販売しても信託報酬はすぐ追いつかれると判断していたので消極的であったか。

■三菱UFJ国際投信はニッセイを追撃できるか

三菱は2015年からの投信のローコスト革命が起きても、コスト競争にはしばらく距離を置いていました。ところが2017年に入ってeMAXIS Slimシリーズを展開し始めると、気がつけばローコスト競争のセンターポジションにあると言っても過言ではありません。

楽天・バンガード・ファンドやSBIアセットマネジメントがMSCI以外のインデックスを採用した低コストな新商品を設定しても、三菱はこれらに信託報酬をあわせてきます。すでにアセットマネジメントOne(たわらシリーズ)、大和証券投資信託委託(iFreeシリーズ)はこの低コスト競争から脱落気味であり、三菱から見て残っている競合先はニッセイアセットマネジメント(以下、ニッセイ)くらいです。

先進国株式アセットクラスのチャンピオンは現在、ニッセイですが、三菱は今回の引き下げによってニッセイに対して信託報酬で大きく差をつける形となります。三菱は果たしてニッセイを本格的に追撃できるのか。

ここには大いに注目していきたいと思います。

■さて積み立て投資先をどうするか

先進国株式アセットクラスでは、WATANKOはこれまでニッセイの<購入・換金手数料なし>外国株式インデックスファンドを積み立て購入商品として選定してきました。

これからはどうするか。

WATANKOは1年程度、ニッセイの動向を見てから判断をする予定です。ニッセイが三菱を下回る信託報酬を設定すれば積み立て購入商品はそのまま変更しませんし、1年以上たってもニッセイに動きがなければ、eMAXIS Slim先進国株式に切り換える予定です。

現時点で言えるのはここまでです。

■まとめ

それにしてもこの信託報酬0.1095%という水準はつくづくすごいです。日本株式インデックス投信の最安値水準0.15%辺りを一気に下回り、国内ETFの最安値水準と同じところまで到達するのですから。

おそらく三菱はeMAIXS Slim単独では採算が合わないかもしれません。しかしながら色々な販路で売っているeMAXISについて、トータルで収益を出せればよいと考えていることでしょう。

eMAXIS Slimが赤字覚悟であっても多くの個人投資家がeMAXIS Slimを買うことは、すなわち多社の競合商品が軒並み資金流入が伸びず、干上がってしまうことを意味します。

競合先を殲滅させて、あとで生存者利益をゆっくりいただく。

そこに個人投資家の長期投資ならぬ、三菱の長期収益計画を垣間見たといったら言い過ぎでしょうか。

2017年12月23日 (土)

楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド-個人投資家が望むのは高配当か無分配か

【2017/12/25追記】
記事タイトルが長すぎるので、一部変更しました。(旧題:楽天・バンガード・ファンドの次の一手はVYMに投資する楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド-個人投資家が望むのは高配当か無分配か)

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(うーん、どちらを望むか...。)


さて、本日も万年素人個人投資家らしい記事を1本いってみたいと思います。

バンガートと楽天証券が組んで鳴り物入り?で登場した楽天・バンガード・ファンド。

ラインナップは楽天証券で保有残高が大きいバンガードのETF、すなわちVT、VTI、VWOをそれぞれ投資対象とする商品(楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンド、楽天・新興国株式インデックス・ファンド、以降あわせて楽天3ファンドという)です。

これはバンガード&楽天証券からみれば、きわめて当然かつ慎重なアプローチ、実績に裏打ちされて勝算ありとみなした商品であります。

■早速出てきた次の一手

この楽天3ファンドに続く商品もまた、早速登場することがわかりました。

先日のバンガードによるブロガー限定交流会での配布資料によると、上述の3つのETFの次に保有残高が大きいETFは(NISA口座になりますが)VOO、その次にVYMとなっています。

バンガードの説明によるとVOOを投資対象とするファンドを設定しようとすると、連動するインデックスであるS&P500にかかわるライセンスフィーが発生して、コスト増の要因となるのが課題であるとのこと。

そのためかVOOはスキップされて、次に保有座高が大きいVYMを投資対象とする楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(以降、楽天・米国高配当株式)が設定されます。

WATANKOは相互リンクいただいているアウターガイさんのブログ記事で、楽天・米国高配当株式の設定を知りました。

参照記事
バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く
楽天投信投資顧問がVYM(米国高配当株式)相当の超低コストインデックスファンドを新規設定

ところでWATANKOはこの楽天・米国高配当株式の設定を聞いて、ある疑問が湧いてきました。

■楽天・バンガード・ファンドの各商品の分配金はどうなる?

楽天3ファンドについて、分配金は一体どうなるのでしょうか。目論見書を読んでも、(他の多くの投信でも同様の傾向がみられるとおり)はっきりとは書いてありません。

楽天3ファンドが、投資対象となるETFの分配金のスケジュールに沿って、各々もまた分配金を出すとしたならば、そこには国内の投資信託としては残念な一面があります。

長期投資を続ける上での投資信託のメリットに投資の効率性があります。ひとつ具体的にあげるとすれば投資対象とするアセットから配当金が支払われても、それは投資信託の中で再投資に廻されることによって、投資の複利効果が期待できることです。

分配金が必ず支払われるETFに比べて、こうした無分配、再投資が行われるのが投資信託の長期投資を続ける上でのメリットです。
(注:すべての投資信託が、運用期間中ずっと無分配を維持することは保証されていませんし、謳われてもいません。あくまでインデックス投信に多く見られる実態上の傾向とご理解下さい。)

楽天3ファンドがもし無分配(傾向)をとるのであれば、投資の効率性の向上と手間要らずとなり、それこそ0.12%のマージンを支払う価値のひとつもあろうかと考えられます。

■高配当を期待する個人投資家に無分配の投信が支持されるのか

しかしながら、もし楽天・米国高配当株式もまた同様に無分配(傾向)であるとしたら、この投信はそれが高配当狙いのETFを選好する人に果たして支持されるでしょうか。

高配当株式のETFを選好する個人投資家の狙いは、真っ当に考えれば、まさにその高い配当を毎年いただくことであります。NISAの非課税枠を適用すれば、その実入りはますます大きいです。

その高配当が直接もらえないとなれば、たとえ再投資に廻されることが合理的であったとしても高配当株を志向する個人投資家にとって楽天・米国高配当株式がVYMと同様の支持を得られるかどうか疑問であります。

楽天・米国高配当株式は長期投資を続ける上での投資信託のメリット(無分配)を備えるのか、それとも投資対象であるVYMと同様に高配当をただちに保有者に享受させるのか。

WATANKOは後者であるならば、やはり0.12%のマージンは高いと感じざるを得ませんし、また楽天3ファンドも分配金をしっかりと出す方針であれば、同様の感想を持つに至ります。

(あとがきにかえて)

妻ミサト「貴方の運用資産から出ている分配金を私にもくださいな!」

WATANKO「いや~、アタクシの保有する商品はどれも無分配でございまして...」

妻ミサト「ウソおっしゃい!ブイティーアイってやつから分配金が出るでしょ!」

WATANKO「嗚呼、楽天・全米株式インデックス・ファンドが無分配を続けてくれるなら、乗り換えるか...。」

2017年11月23日 (木)

eMAXIS Slim新興国株式が公言どおり、そして期待を裏切らない信託報酬の引き下げを実施

【11月22日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

129,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

52,545千円

■損益率

40.8%

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(またまた、やってくれました。)


信託報酬最安値追随型インデックス投信のeMAXIS Slimシリーズが、またまた他社商品にあわせて信託報酬を引き下げました。この引き下げの動きは以前からありましたが、今回は今までで一番インパクトがあるのでないでしょうか。

三菱UFJ国際投信
(すみません、リンクが上手く張れず、上記サイトよりプレスリリースを辿ってください。)

■eMAXIS Slim新興国株式の戦歴

新興国株式のインデックス投信の信託報酬の引き下げ競争について、以前、iFreeシリーズがMSCIとは異なるインデックス(使用料が安いと想定される)を採用して、MSCIを採用する他社商品を下回る信託報酬にてiFree新興国株式を設定してきました。

その際に、三菱UFJ国際投信(以下、三菱)はインデックスが異なることを言い訳にせず、iFree新興国株式と同率の信託報酬にて、MSCIのインデックスを採用するeMAXIS Slim新興国株式(以下、Slim新興国株式)を設定しました。なおそれによって当時、MSCIを採用する新興国株式インデックス投信の中で単独最安値ともなったわけです。

その後、信託報酬最安値の座にあるニッセイと同率の信託報酬となり、信託報酬引き上げ競争のトップランナーに位置していました。

そこへきて新たに楽天・バンガード・ファンドがバンガードのETFに国内公募投信の利便性を加味する形で更に信託報酬が低い楽天・新興国株式インデックス・ファンド(信託報酬0.26%、税抜き・以降同じ)を設定、さらにネット証券の覇権をかけて(大げさ)SBI証券もやはり楽天・バンガード・ファンドと同じくETFを投資対象とするEXE-i つみたて 新興国株式ファンド(信託報酬0.19%)をそれぞれ設定してきました。

さて三菱はこれらETFに投資する投信勢に対してどう出るか。

その回答は明快かつ初志貫徹でありました。インデックスが異なっていようが、スキームが異なっていようが、信託報酬が最安値となった他社商品に追随してきたわけです。

同じ新興国株式インデックス投信というカテゴリーに括られる商品群の中で、四の五の言い訳せずに信託報酬の同率最安値を今回も実現させてきました。

■新興国株式アセットクラスへの投資のインセンティブ高まる

アセットクラス別の信託報酬を概観すると、従前より先進国株式に対して、新興国株式は信託報酬が0.3ポイント程度高い水準にいつもありました。

このコスト負担を嫌気して新興国株式クラスへの投資を抑制していた個人投資家がいたとしたら、彼らにとって今回のSlim新興国株式は先進国株式インデックス投信とほぼ同じ信託報酬ですから、購入商品としてうってつけです。

またSlim新興国株式は、同クラスのローコストなETFの雄であるVWO(経費率0.14%)に対して、EXE-i つみたて 新興国株式ファンドと同じく、0.5ポイントまで近づきました。(実質コストではなくあくまで信託報酬ではありますが。)

それにしても新興国株式のインデックス投信の信託報酬がここまで下がるとは驚きというほかありません。

2008年にSTAM新興国株式インデックス・オープン(当時)が信託報酬0.83%で設定され、当時のWATANKOは新興国株式インデックス投信が安く買えると喜んだものです。

それが10年経たずに現在は信託報酬7割以上も引き下がっています。この10年間で金融業界に革新的な技術開発が起きたわけでもありません。ひとえに市場・競合環境の変遷に起因する価格体系の変化です。個人投資家と国の動きに挟まれて金融機関も変わってきたというのは言い過ぎでしょうか。

■他社がボヤボヤしている間に、eMAIXS Slimに資金がどんどん流入するか

さてSlim新興国株式のタイムリーな信託報酬の引き下げによって、楽天・新興国株式インデックス・ファンド、EXE-i つみたて 新興国株式ファンドはそれぞれ出鼻をくじかれる格好となり、目論見踊りの資金流入が得られなくなるのか。

さらにはニッセイをはじめとする他社においては、信託報酬の引き下げに追随して真正面から競合するか、それとも別のアセットクラスでチャンピオンを取りに行くか、それとも商品のバリエーションを増やして局地戦を避ける方向に向かうのか。

いずれにしても無策のままにボヤボヤしていると、その間にSlim新興国株式に資金がどんどん流入しかねません。

(あとがきにかえて)

このSlim新興国株式はWATANKOが「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」にて持ち点5点を全て投じた商品です。今回その期待を裏切らない動きをみせてくれたことに安堵し、NISA枠・特定口座枠双方で引き続き積み立て投資先として購入を続ける意を強くしました。

なお、こうなってくると「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」での得票が楽しみです。この動きが、もしもあと1カ月早かったなら、かなりの得票が期待できたかもしれませんが、それであっても今回の善戦を期待しましょう。

2017年11月20日 (月)

インデックス投信で採用されるインデックスの理解と選択

Mcsi

(さらば、MSCI!?)

さて、今回も万年素人個人投資家らしい記事をひとつお届け致します。

2015年から始まった投信のローコスト革命は2年経った今でも続いています。ほとんどの皆さんが自身のポートフォリオの中心に据えている株式アセットクラスの信託報酬については、今や日本株式は0.1%半ば、先進国株式は0.1後半、新興国株式は0.3%前半です。これはローコスト革命以前に比べて、ザックリ言って半分近い水準です。先進国株式でいえば、低コストが売りであった海外ETFをも下回っています。

投信のローコスト革命を牽引する主な運用会社としては三井住友DC、アセットマネジメントOne(たわら)、ニッセイ等を核として、大和証券投資信託委託(iFree)、りそな(Smart-i)等の新規組が続きます。一方で古豪ともいえる三菱UFJ国際投信や、三井住友アセットマネジメントも忍耐の限界を超えたのか、今年に入って従来の投信シリーズとは別にローコストなシリーズを立ち上げています。

さて投信のローコスト革命、もっと具体的にいえば信託報酬の引き下げについて、これは信託報酬が販売会社、運用会社、委託会社の三者のマージンで構成されているため、一口に引き下げるといっても容易ではありません。とくに現在は信託報酬の水準が上述のとおり相当に低いところまで下がってきています。

これまで続いてきた投信のローコスト革命は、ここにきて限界に限りなく近づいているとなれば、運用会社は今度は信託報酬の引き下げに新しいアプローチを用いてきました。

その一つは海外ETFを投資対象とする投信の設定です。海外ETFは経費率がとても低く、これに日本の3社がマージンを乗せて売ることによって従来の同種商品よりもさらに信託報酬を引き下げた投信に仕上げています。

そしてこの動向がもたらす傾向として見ておくべきは、連動するインデックスの種類を変えてきたことです。

■採用するインデックスの見直しで更なるコスト引き下げを図る

以前から先進国株式インデックス、新興国株式インデックスとして日本の市井の個人投資家にとってメジャーであったのが、それぞれMSCI-コクサイ・インデックス、同エマージング・マーケット・インデックスでした。信託報酬の引き下げ競争の中心はこれらMSCIのインデックスを採用する投資信託がメインでした。

しかしここにきてこれらMSCIインデックス以外のインデックスを採用した(海外ETF)を投資対象とする商品の新登場が目立ってきています。

海外ETFの経費率がなぜ低いのかというとその主因のひとつに採用しているインデックスの使用料が安いという想定があります。

楽天・全世界株式インデックスファンドはVTに投資していますが、そのVTがベンチマークとしているのがFTSEグローバルオールキャップインデックスです。またそれに対抗すべく設定されるEXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドもまたFTSEグローバルオールキャップインデックスをベンチマークとして海外ETFを複数組み合わせています。

つまりこれらの商品を買うということは、とどのつまり保有ポートフォリオのコストダウンのために、FTSEグローバルオールキャップインデックスに連動する商品を買う事、MSCIからFTSEにインデックスを切り替えるということであります。

■インデックスそのものの理解と選択はどうするか

インデックス投信の選び方というと、我々はこれまでは同じインデックスに連動する商品であれば、まず信託報酬の安いところをおさえて、その次に主に実質コスト、純資産、トラッキングエラーの3つを比較して商品の優劣を判断してきました。

しかしこれからはこれにインデックス自体が異なるというケースが加わってきます。同じアセットクラスであってもインデックスが複数あり、それぞれをベンチマークとする商品が混在する場合、投資マニアではない市井の個人投資家としてはどう選べばよいのでしょうか。

もしも複数のインデックスの間にて、その良し悪しの差が大きいのであればコストや純資産云々以前にインデックスの選択自体が重大な問題です。

一つの意見としては、しかしそういったところで市井の個人投資家にインデックス自体の良し悪しはなかなか判断できません。各インデックスには、それぞれが定義するところの“市場”があり、それに基づく値動きのレコードなのですから。

だから一定の評価が得られ、普及しているインデックスであれば、なんであれ信じるほかなく、あとはひたすら低い信託報酬ほか従前の判断基準でもって商品を選べばよいということが考えられます。

それともやはり別意見としては、同一アセット内に存在する複数のインデックスの違いを十分に理解して、自分なりに商品選択の基準に用いるべきでしょうか。(ただし繰り返しますが、個人投資家が実際にどこまでインデックスの優劣を判別できるかという課題もあります。)

どちらにしても運用会社の今後のローコスト商品の展開における採用インデックスがどこまでの広がりをみせるのか、大いに気になるところであります。


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