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2019年2月12日 (火)

引き渡す不動産の整理整頓は必要

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(前回からの続きです。)

個人の不動産賃貸業のリタイアメントの方法として、自身で完全に廃業するか、子ども達に引き継いでもらうかの2つを取り上げました。今回は後者に対しての続きです。

ここでは不動産賃貸業の有無に拘らず、ひろく「不動産の引き渡し」を取り上げます。

子ども達に不動産を引き渡す際、保有する不動産の中にはトラブルを抱えた物件、将来の経済的な重荷となる物件を含んでいる場合、そのような物件はトラブル等を解消するか、あるいは引き渡すことを避けて処分すべきであります。

例えば、

▼土地の立地がよくない
人里離れているなど。路線価が周辺に比べてとても低いです。

▼接道が乏しい
車の出入りがしにくい。旗竿地等。

▼形状がいびつで利用しにくい
店舗、住居に利用できないデットスペースが多い。

▼境界線が曖昧なまま
土地の確定に関する法的な手続きが勧められない。

▼排水経路にしっかりできていない
大雨時に水だまりができる。水だまりから異臭が発生する。

▼隣接地に問題がある
隣地の土地利用から騒音、景観などのマイナス影響を受ける。

▼法的な規制が強い
土地の利用形態や建築できる上物が制限される。

などなどです。

処分については自分が元気で時間が十分にとれる間に、できるかぎり実行しておきたいものですが中には、

「せっかく先祖から引き継いだ不動産があるのだから、そのまま子ども達に引き渡していけばいいのでは?」

こういった保守的な考え方を持たれる方もいるかと思います。

OK。その信念が強ければ、Webの片隅にある赤の他人のブログ記事に書かれていることなど無視して構わないでしょう。

しかしそのような保守的な考えをお持ちの方に質問させてください。

どんな不動産であったとしても、それを持っているだけでステータスとなったのは今や昔の話です。

貴方が持てあまして活用できず、ただただ固定資産税を支払い続けてきた不動産が、果たして子ども達に引き渡したからといって、彼らが果たしてどれだけ収益化を実現できるものでしょうか。

子ども達の才覚と行動力、そして将来、幸運が降りかかることを楽観的に期待して、現状では「負債」とも言いかねない不動産を引き渡すことが親の責任なのでしょうか。

親であれば、子ども達にとって足枷になるような不動産を引き渡すべきではありません。

子ども達に引き渡すには、上述のような物件をできる限り処分したあとに残った「賃貸によって収益を生む不動産」であるか、あるいは賃貸業に供していなくても「資産価値がそこそこあって、いざとなれば売却が行いやすい不動産」であることが重要です。

子どもを持つシニアの方々におかれましては、資産形成も大事ですがそれだけでなく資産継承についても少しずつ考え始めてもよいお年頃でありましょう。

(あとがきにかえて)

以下の記事は、不動産を継承する子どもの立場にて書いた記事です。

相続だ、土地活用だ、どうしよう(2018/12/8)

(続)相続だ、土地活用だ、どうしよう(2018/12/9)

これに対して今回は上記とは反対に親の立場にて記事を書いてみました。

幸せな老後をおくるためのひとつの条件は、子ども達への資産継承で悩んだり苦労したりすることがないことです。

皆さんはいかがですか?

2019年2月11日 (月)

不動産賃貸業のリタイアメントに向けて

【2月8日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

150,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

50,454千円

■損益率

33.6%

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(この不動産賃貸業、どうする?)

WATANKOは不動産賃貸業を亡き父から引き継いで実質約20年になります。これは自営業に等しい家業でありますが、さてこの家業を一体いつまで続けるのか。不動産賃貸業のリタイアメントについてどう進めていくべきか。

■このままでは完全リタイアできない

不動産賃貸業は物件の入手・運営に手間がかかる仕事です。特に個人においては不動産に関する知識が十分に備わっているケースばかりとは限りませんので、何かとしくじりもあるでしょう。またたとえ知識があったからといってすべからく不動産の投資と賃貸がうまくいくとは限りません。トラブルがおきればその内容によっては心身に大きな負担をもたらすことがあります。

このような不動産賃貸業を一体いつまで続けなければならないのでしょうか。

妻ミサト「そんなこと誰も何も答えてくれないし、何もしてくれないわよ。」

そうです。このままではWATANKOは不動産賃貸業を自分が亡くなるまで続けることになってしまいます。耳が遠くなり、腰が曲がり、病気を患ってしまい、認知症が進んだとしても、今のままでは自分がいつまでたっても当事者であります。

サラリーマンをリタイアすることは勤務先を退職することによってあまり手間を取らずに実行することができます。やることといえばせいぜい退職時の職場への挨拶を考えることぐらいでしょうか。

しかし不動産賃貸業の含めた自営業を営む個人の場合は自分で辞める時を決めねばなりません。

これが例えば商売が不振となり、続けることが困難になるのだとしたら、自分の意志とは別の事業によって半ば強制的にリタイアする(させられる)ことになるのですが、ある程度順調に進んでいる場合はどうでしょうか。

WATANKOの場合ですとサラリーマンをリタイアすることはできたとしても、不動産賃貸業の方はなかなか辞められず、「仕事」を完全にリタイアすることができません。

■リタイアメントの2つの方法

家業ともいうべき不動産賃貸業のリタイアメントは2つの方法があります。

1つは文字通り完全に廃業してしまうことです。所有する物件はすべて売却してお金に換えてしまいます。その一部は老後の生活資金に充てることになるでしょう。当事者夫婦が亡くなったあとの相続を考えると、シンプルでとても良い方法です。

その場合に注意点は以下のとおりであります。

(1) 相続税の負担は大きい

被相続人が亡くなり相続が発生した際には当人の資産価値が時価評価されます。このとき土地・建物など不動産であれば色々な控除や減免措置があって相続税の課税対象となる金額が抑えられます。一方で生前に不動産を売却して得た資金がそのままにしておくと相続発生時点の金額がそっくりそのまま課税対象の資産価値となります。この場合、税負担が重くなります。

例えば50百万円で購入した不動産よりも50百万円の預金の方が相続税の負担が大きいというイメージです。

(2) 売却は性急ではないか

大きな資金需要もないのに、リタイアしたい気持ちから所有不動産を売却することは性急ではないでしょうか。賃貸業の収益源とはならない(できない)不要地、遊休地であればまだしも、賃貸業に供して収益をあげている物件を売却することは、卵を産み続ける牝鶏をいささか早く〆てしまうようなものです。

売却してしまったら毎月の卵はもう手に入りません。またその分のプレミアムを売却価格に適正に見積もること、見積もった売却価格で取引が成立するかも不透明であります。なお売却を成立させたい、売り急ぎたいという気持ちは、相手に足元を見透かされて安値すぎる売りにつながるおそれもあります。

(3) 売却資金の運用はどうするか

売却したあとの資金はいわば資産が姿を変えたようなもの。固定資産から流動資産への変貌を遂げた後、どう活用して賃貸料に代わる新たなインカムゲインを得ていくのか。

これについては、WATANKOは遊休地の売却資金をETFに一括投資を行い、そこから分配金収入を得る形態に変えました。

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もうひとつは親族、代表例としては子ども達に引き継いでもらい、自分は一切手を引くことです。

ここでの心配な点は以下のとおりです。

(1) 不動産賃貸業をやっていけるのか

子ども達には十分な引き継ぎ期間をとって習熟してもらったうえで、物件の管理を引き渡していきますが、はたして将来に渡って賃貸業をやっていけるでしょうか。

できれば引き継ぎ期間中にトラブルの1つや2つを経験して少しはタフになってほしいものです。もちろんこの時は親から安直に救いの手を差し伸べてはいけません。自分たちで解決させないと当人たちの経験と自信には繋がりませんから。

しかしながら子ども達が就いた仕事がとても忙しかったり、所有不動産から遠く離れた地域にて仕事や生活を送ることになった場合、不動産賃貸業を副業としてやっていけるのか。

(2) 子ども達の人生を縛るのか

上記(1)と関連がありますが、特定の場所に事業用あるいは居住用の不動産を持ち賃貸業を続けていくことは、自由なところに住んで、好きな職業に就きたいという子ども達の人生に大なり小なり制約をもたらすことになりはしませんでしょうか。

これは将来、例えば親から継いだ不動産物件に対して親類縁者から色々な干渉を受けることも含めています。

子ども達がトラブルをはねのけて不動産賃貸業を無事引き継ぎ、かつ所有不動産に縛られない人生を送っていけるようになってほしいです。

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もしも不動産賃貸業を営む当事者が、上記に「廃業」か「継承」のどちらかに舵をきることもなく、何の対策もとっておらず齢を重ねてきた結果、老齢ゆえの病気・怪我にかかり意思決定能力を欠く状態に陥ってしまったら家族にとって大きなダメージになります。

WATANKOであれば、ちょっとそこまで無責任なことはできません。

いっそそのような状態になれば、さっさと亡くなってしまった方が相続手続きだけは進めることが出来て、まだマシというものです。

(つづく)

2019年2月 8日 (金)

レオパレス21のアパートのオーナーの嘆きと溜息が聞こえてくるようです

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(アパートのオーナーから嘆きと溜息が聞こえます。)


アパート業者のレオパレス21が建築基準法違反などの疑いがあるアパートが最大で1,300棟見つかったと発表しました。

参照記事

2019/2/7付日本経済新聞
レオパレス21、新たに1300棟で不備 建築基準法違反

(閲覧には会員登録が必要です。)

今後の対応については、不備が見つかった物件の入居者には住み替えを案内し、その費用も全額をレオパレス21が負担する一方、物件所有者であるオーナーに対しては、入居者が不在である期間中の賃料をレオパレス21が補償するとのこと。

■ペラペラなアパート

地方で遊休地をもっている地主のところにやってきてアパートの建築と賃貸を斡旋するアパート業者。WAATANKOが住んでいる街で闊歩していたアパート業者の中に、大東建託や東建コーポレーションと並んでレオパレス21がありました。

各社の営業努力のあかげで市内には様々なアパート業者が建てた物件があちらこちらに散在しています。その中でもレオパレス21の物件は見かけるとすぐわかりました。

なぜならいかにもコストをかけていない安っぽい造りであったからです。

真四角な建物、飾りっ気なしの外壁。敷地内にはい意匠は一切無し。車に例えればペラペラな外板と薄いタイヤを履かせたいかにも貧相なモデルです。そして投資効率を最大限に追求したといわんばかりの狭苦しそうな1ルームばかりを詰め込んだレイアウト。マッチ箱をいくつか張り合わせたような物件ばかりでありました。

もともと地方都市では三大都市圏に比べて給与水準が低く、アパートについてもとれる賃料が低いため、採算確保のためには物件を安く建てる必要があります。そのニーズを120%具現化したような物件でした。

WATANKOはそんな物件を見かけるたびに、「ああ、入居者はまだ若くてお金がないから、まずはレオパレスに住み始めるのだろう。やがて給料があがったり、家族が出来たりすれ早々に出ていくか。若者にとって社会人生活のローンチのために必要な仮住まいみたいなものかな。」とイメージづけていました。

一方でそのとおりであれば、数年おきに入居者が煩雑に入れ替わる傾向があるのでオーナからみればアパート経営としては収支が心配される物件だろうとも予想していました。

そういえば、最近、似たような傾向のアパートばかりを運営する業者が破綻しましたね。

たしか物件のブランド名を「かぼちゃの馬車」と称していたような・・・。

■安かろうには訳があった

参照記事だけでなく、ここ数日報道された内容をみてみると、レオパレス21が建てたアパートには以前から使うべき建材を使っていなかったり、工法を省いていたりという事例が色々見つかっており建築基準法違反が疑われていたとのこと。挙句の果てにオーナーが共同してレオパレス21の違法建築を追求している模様でもあります。

地方の土地オーナーから大量に受注し、それぞれ納期どおり仕上げる。その大量建築のなかで法令違反につながるコストダウンや手抜き工事が出てきたでしょう。見かけも安い上に、実際の造りも図面以下の安普請に仕上げていたというわけです。

どうりでWATANKOの近所でも頻繁にレオパレス21はじめアパート業者の営業マンがウロチョロしていたわけです。

それにしても今回、建築基準法違反に該当する恐れがあるとされた物件数は1,324棟。法令の基準を満たしていない物件の入居者7,782人には転居を促す。それが違反物件の範囲によっては約14,000人にもおよぶとのことです。何とも言えない膨大な数であります。あなたの親類縁者の中にもひとりくらいはレオパレス21のパートのオーナーがいたりしませんか?

なお、ちょうど今は1年で一番転居が多いシーズンであるところへきて、こんな騒動がおきたとあっては他のアパート業者にとっても大変な迷惑でありましょう。

■アパートのオーナーが直面する被害

今回の騒動に際しては、不備のある物件の修補費用、不備が見つかった物件からの入居者の転居費用、入居者が不在の間の未収入賃料が経済的な負担として発生します。レオパレス21はこれらの支出を負担、収益を補填すると表明しています。

しかしアパートのオーナーから見れば、たとえ修補が完了したり、未収入の賃料を補填してもらったところで、今後も風評被害にあって入居者が集まらないなどの二次被害をうけるおそれもあります。これは今回、不備にはあたらないレオパレス21のアパートのオーナーにとっても同様です。

レオパレス21の斡旋のもとに長期プランでアパート収益を目論んでいたオーナーにとってはとんだ目算狂いであり、被った被害は直接・間接問わずレオパレス21に徹底的に補償してもらいところです。

とはいえレオパレス21が経営破綻でもすれば、それはそれでオーナー達にとっては大打撃です。腹立たしいかもしれませんがレオパレス21は引き続きゴーイングコンサーン(継続企業)であってもらわねばなりません。

■ピンチをチャンスに

昨年は「かぼちゃの馬車」のスマートデイスやTATERUの杜撰なアパート事業が話題となりました。しかし彼らは比較的新興業者の立ち位置にあり、既存業者に伍していくためには採算的には非常に厳しい物件を成立させるところに活路を見出していました。換言すれば彼らのそれは最初から無理目な事業であったのです。

一方で今回はある程度信頼がおけるアパート業者の老舗?の部類に入るレオパレス21でおきた騒動です。結局オーナーからみればアパート業者はどこつもこいつも信用ならない相手となってしまうのでしょうか。

他のアパート業者にとって今回の騒動はピンチの部類に区分されるかもしれませんが、これをチャンスととらえもっとオーナーに寄り添った、オーナーを第一に考えた経営、金融業で唱えられてきているフィデューシャリー・デューティーのような精神を打ち出して実際の行動に結び付けることができるとよいのではないかと考えます。

・・・ところで、うちの近所のあそことあそこにあるレオパレス21のアパートは大丈夫だろうか。遠縁の叔父さんがオーナーなんだけど・・・。

(あとがきにかえて)

妻ミサト「またまた偉そうなことを結びで書いているけれど、あなた夫としてのフィデューシャリー・デューティーはバッチリなんでしょうか?」

WAATNKO「!!!(いまさらそんなこと聞かれても・・・)」


2018年12月24日 (月)

2018年の振り返り(2)不動産投資

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(今年はのんびりな1年でした。)


2018年の不動産投資の振り返りです。

昨年は有休土地の売却、飲食店舗の賃貸契約の解除、その店舗解体と新規賃貸契約の締結と久し振りに忙しい一年でした。

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待望のラーメン店、ようやく開店(2018/12/26)


続く今年は、昨年忙しかった反動として、意図的にのんびりとした1年でした。特にかねてからトラブル含みであった飲食店補の賃貸契約を解除したおかげで今年は本当に安らかな年を送ることができました。

トラブルといえば、アパートの賃借人が退去するにあたって部屋を汚部屋にされたことぐらいです。

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借りている部屋の汚し方(2018/12/18)

(続)借りている部屋の汚し方(2018/12/19)


■兼業投資家には休みも必要

サラリーマンと兼業で不動産投資を行う身とすれば、昨年のような忙しさが毎年続くと嫌気がさしてしまいます。

なぜなら不動産投資とは複数の法人・個人との折衝を重ねて契約や取引を成立させる、一品一品がハンドメイドの投資活動であるためとても手間がかかるからであります。

サラリーマンだけでも忙しいのに、週末になってまたひとつ仕事(不動産投資)を抱え込むライフスタイルの場合、少なくともWATANKOなら時々お休みが必要になります。

でも、そうこうしていると不思議なもので、次の不動産投資の検討や懸案の処理を進めたい気持ちが徐々に湧いてくるのです。

■次の一手を考える

したがいまして実はこの休みの年は、次の一手をじっくりと考える年でもありました。身体は動かしてはいませんが、頭は回転させて、いろいろなケーススタディを思い浮かべては消える。

そうやってたどり着いた結論を来年、実行に移す予定です。

最後になりますが今年、世間ではスマートデイズとスルガ銀行、そしてTATERUの騒動が世間で話題に上がりました。

これらの騒動に巻き込まれた人たちにとって今年は散々な1年であったことでしょう。

そんな人々にとって来年は健やかな年とならんことをお祈り申しあげます。


2018年12月19日 (水)

(続)借りている部屋の汚し方

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(前回からの続きです。)

部屋を「汚部屋」または「ゴミ屋敷」にしていただきました入居者の若い女性について、名前を聞くと、どこかで聞き覚えがある名前でした。

・・・思い出しました。

この若い女性は昨年、賃貸契約の更新料の支払いを滞らせていた学校の先生でありました。

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センセイ、アパートの契約更新料を支払ってください(2017/7/22)

(続)センセイ、アパートの契約更新料を支払ってください(2017/7/24)

上記記事の内容を煎じ詰めて説明しますと、学校の先生であった入居者は、契約更新の時期が来ても更新料の支払いをのらりくらりとかわし続けていました。

ところが結局、入居者が勤務先の学校に対して家賃補助を申請するために、賃貸契約先からの署名、捺印が必要となる書類を用意することになり、それにあたって更新料の支払いを滞らせるわけにはいかず、最後は支払ったというものです。

詳しくは記事を参照いただきたいですが、WATANKOは支払いを滞らせる入居者本人に対する憤りに加えて、ろくな対策も取らずに安易にオーナーに法定更新を進めたりする管理会社にもクレームをつけていました。

このようなケースの場合、実際には法的に色々と保護されている入居者に対して、オーナー側は有効な打ち手がとても限られています。

それであっても厳密には法令違反ともとられかねないグレーゾーンにまで、時には踏み込んでいかねばならない時もあります。

ここまで腹を決めて費用回収に努めるオーナーに対して、管理会社は最後はリスク(追加コスト)はオーナーに負わせられるとふんでいるので、通り一辺の対応しかやりません。

■放置自転車の事例

管理会社の甘い対応に関して、もうひとつ事例を紹介します。

アパートに備え付けている駐輪場には最近、放置自転車を何台か見かけるようになりました。管理会社は放置自転車を見つけると、自転車に撤去を促す警告書を貼ります。それでしばらくして片付けられなければ、管理会社が撤去します。

その撤去費は管理会社の負担とのことですが、めぐり巡ってオーナーになんらかの形で転嫁されることは容易に想像できます。だいたい放置自転車は持ち主がそこにいないから放置なのであって、警告したところで持ち主が気付くはずもなく、なにも起こりはしません。

放置自転車が発生した場合の対応についてはもっと管理会社にしっかりしてもらいたいです。

例えば入所者に対して自転車を保有した時点で届け出させる。届け出のない自転車を発見したら即撤去すると契約にて取り決めるとすれば、事前届け出の漏れは防ぐことができるでしょう。こうすれば退去時に自転車を放置しても持ち主を突き止めることができますし、入居者が退去するときに放置してしまっても、撤去費用を当人から預かっている敷金より精算することができます。

このようにやり方一つでトラブル防止が可能であり、モラルのない入居者に対してもキチンと責任をとらせることができます。

素人でも思いつくこんな知恵さえも取り入れないなんて管理会社はなんと凡庸なことか。

管理会社の根底にはやはりリスクはオーナーに取らせる。俺たちは仲介人、又は委託業務をこなすだけという意識なのでしょう。結果が良くなろうが悪くなろうが関係ない。俺たちは手数料をハネるだけ。物件の管理はマニュアルに従い仕事をすればよいだけ。

WATANKOは管理会社の動きを長年見てきて、上記のような彼らの行動規範が透けて見えてきます。

■入居者に思うこと

さて話を入居者に戻します。

学校の先生である当人は、こんな汚部屋にずっと住んでいてどんな気持であったことでしょう。学校の業務は多忙を極め、心身ともに荒んでいたのでしょうか。それともプライベートで悩みでもあって身の回りのことが手につかなかったのでしょうか。

身体を清潔に保つための風呂が、それ自体がとても汚く、さらにトイレもひどく汚れていました。公園の公衆トイレの方がずっと綺麗です。若い女性がよくもこんな衛生状態に我慢ができたものです。
(50歳を超えたWATANKOにだって到底耐えられない汚れっぷりですが。)

それとも単にだらしなく、部屋を片付けられないずぼらな性格であったのか。わざわざ遠くから部屋の片付けにやってきた母親は、ひょっとしたら娘のそんな性格を察して周囲にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと飛んできたのかもしれません。

この学校の先生は、次に引っ越した先の部屋もこうして汚していくのでしょうか。

オーナーからみれば冗談ではありません。できることなら賃貸業界の慣習として、入居希望を受け付けた管理会社は、当人が前に入居していた物件のオーナーなり管理会社に問い合わせて素行を確認するシステムが取り入れられてもよいと思います。

そしてまた汚部屋を再生産させないためには、当人に部屋のクリーニング代を支払ってもらうのではなく、土日48時間を使って、雑巾がけやシミ取りなどの掃除を徹底的にやってもらい、自分が汚してきたものをよく理解して、性根を入れ替えてほしいものです。

(あとがきにかえて)

嫌なエピソードをブログ記事に書くと、負の気持ちが一層増幅されてくる面があり、あまり取り上げたくはなかったのですが、以前触れた入居者だったこともあり記事にしました。

前向きに考えればこれで厄介な入居者とはオサラバできたといえるでしょう。

しばらくはまた安寧な日を送ることができそうです。

・・・次に管理会社からの連絡が届くまでの間は。

2018年12月18日 (火)

借りている部屋の汚し方

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(あなたが賃貸する部屋が以前、汚部屋だったら?)

WATANKOは、亡き父が兼業で営んでいた不動産賃貸業を引き継いで十数年になります。その間に色々なトラブルを経験してきました。今回はそんな賃貸の歴史にまたささやかな1ページが加わるお話でございます・・・。

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保有するアパートの管理会社からの電話はいつものとおり突然にかかってきます。それがラブストーリーなら歓迎なのですが、たいていは良くないお知らせです。

WATANKOは、このような知らせにはもう慣れっこであり「やれやれ、管理会社が仕事をろくにやらないで、またぞろオーナーにトラブルシューティングという名のパスをまわしてきたか。蹴り返したろか。」と皮肉に思いつつ、電話にでました。

管理会社の連絡内容は1部屋退去が発生したのだが、入居者が部屋をかなり汚く使っていたようなので修繕費が嵩むとのこと。

どれくらい汚く使っていたのかと聞くと、「汚部屋」とか「ゴミ屋敷」のレベルとのこと。

そこで電話のあった翌日に管理会社の担当と一緒に件の部屋をチェックすることにしました。

翌日出向いてみると、入居者は既に退去済みであり、玄関に入ると、おそらくは食べ物か何かの腐敗物から出たと思われる汁がしみ込んだり、何かベトベトしたものがこびりついた跡があります。

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さらに室内にすすむと壁のクロスやクッション床にはカビや得体の知れないシミがたくさん残っていました。通路も居室もキッチンもトイレも浴室も全てです。

このアパートの各部屋には白いクッション床を選んでおり、とても明るい印象であったのですが、そこかしこが見事に汚いグラデーションに染められてしまっていました。

あと部屋にはいくつかのゴミ袋、そして床一面に散らばる毛髪。それはまるで閉店間際の散髪屋の床のようです。

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壁やクロスの汚れやたくさんの毛髪だけではありません。落ち着いて嗅覚を研ぎ澄ましますとほのかな酸味を含んだ香りが漂っています。

なんの香り、いや臭い、いや瘴気だろうかと懸命に想像しようとしましたが、ゴミが沢山あった頃はもっとはるかにすごい匂いでしたという管理会社の説明の前に気持ちが悪くなって止めました。

■ゴミ屋敷から退去まで

同行した管理会社の担当から聞いた話は次のとおりです。

「入居者は今年の夏に玄関ドアが閉まらないほど室内にゴミを溜めまくり、同じアパートの他の住民から管理会社にクレームが届いていた。」

「担当が行ってみると部屋中ゴミだらけであり、玄関ドアだけでなく室内のドアもどれもが開けっ放しで閉められない状態になるほどゴミの山であった。」

「管理会社は本人と連絡をとって片付けるように促すも一向に進まず、そこで保証人であり当人の母親に連絡をとると、その母親は東北の実家からわざわざやってきて片付けていく始末であった。」

なおWATANKOは管理会社に対して、そのようなエピソードがあったなら、直ちにオーナーにも連絡をよこしなさいとクレームをつけたことは言うまでもありません。

その入居者が先月、管理会社に退去する旨を突然連絡してきました。賃貸契約に定める事前連絡期限である1ヶ月前ギリギリになっての連絡であります。

ところが結局、退去作業が間に合わず、退去にあたっての立会い確認日になっても入居者は残っており、その後数日たってからようやく退去していきました。

こうして入居者は発つ鳥、後を汚さずどころか大いに汚しまくってスッパリといなくなったわけであります。

■退去費用の精算

さて汚部屋にしていただきました入居者との原状回復費用の精算についてです。

今回の現状回復費用の内訳は主に壁のクロスとクッション床の貼替えであり、これだけで費用総額の7割を占めています。残り3割が室内クリーニング、エアコン洗浄、水周り部品交換、電球交換、残置物処分などです。

これら原状回復費用の総額に対して管理会社が入居者と協議の結果、入居者の負担となった割合は約4分の1に留まりました。それでも預かっている敷金だけでは足りず、追加の支払いをお願いしています。

原状回復費用について、全額はおろか過半すらも入居者には負担できないのかと驚かれる方もいるかと思います。

これについては賃貸物件の退去にあたって国土交通省が発行している原状回復のガイドラインがあり、管理会社としてはこれに沿って執り進めるほかないという事情がありました。

国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)


ガイドラインでは費用をかけて元の状態に戻す「原状回復」について、以下のとおり定義しています。

原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すものではないということを明確にし、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」と定義して、その考え方に沿って基準を策定した。
これがガイドラインの設定の基本となる考え方です。「原状回復」とは借りた時点の状態に戻すことではなく、借りていた期間に通常、経年劣化した後の状態から「さらに超えて悪化した分だけ」を戻すこと指しています。

WATANKOのアパートは築9年の物件であり、この入居者は3年目から賃貸して6年間入居していました。新築時点に対してクロスやクッション床はすでに6年の減価償却を終えており、会計・税務上は価値がゼロであります。理屈の上でオーナーは減価償却費を賃料の一部として入居者から回収済みというわけです。

入居者が退去する時点で価値ゼロが妥当とされる資産に対して復旧費用を請求するわけにはいかないのですが、それではあまりにナーナーの負担が大きいため、管理会社としては通常は復旧費用のせめて10%は退去時に交渉して入居者に負担してもらう方針とのことです。

今回の入居者にも同様に交渉して認めてもらいました。その費用も含めた金額が、上述のとおり総額に対して約4分の1となったわけであります。

管理会社としては一応やるべき交渉はやったわけであり、国道交通省のガイドライン遵守を背景とすると、原状復帰費用の回収はWATANKOもこの辺りが限界という印象です。

さて一体、この部屋の入居者はどんな人間かときくと若い女性とのこと。その名前を聞いて、どこか聞き覚えのある名前だと思ったら・・・


(つづく)


2018年12月 9日 (日)

(続)相続だ、土地活用だ、どうしよう

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(前回からの続きです。)

親からの相続や、それをトリガーとした土地活用についてどうすべきかという課題に直面した御方におくる、常識的にとるべきステップについて綴ってみたいと思います。

■相続と土地活用を分けて考える

相続と土地活用、この2つの課題にいっぺんに直面した際に、まるで連立方程式を解くがごとく一気に解決を図ろうとすると大変です。ここは相続と、土地活用の2つを分けて順序だてて対処していく方が着実なやり方であります。

まずは相続です。

1.資産を把握する

相続の大前提として、まずその対象となる両親名義の資産・負債、債権債務、契約に基づく保有権利と履行義務等を十分に把握する必要があります。

・現預金、有価証券、不動産、貴金属、他者保有の資産に対する持分等の資産
・借入金やその他の債務、契約に基づく各種保証

なかには両親しか知り得ない情報もあり得ますが全てを開示してもらうことは必須です。

もう少し実務的なアドバイスを付記するとなれば、両親から聞き出した資産・負債、債権債務などはきちんと証票をとっておき目録化しておくとよいでしょう。

法的に担保されているか、裏付けとなる契約は現存しているのか。両親から伝聞した内容について、証票でもって客観的な証明ができるところまでおさえておく必要があります。

2.税理士に相談する

上記で集めた情報をもって、税理士に相続税の試算をお願いします。この際に、できれば一方の親が亡くなった場合の相続だけでなく、残る親がさらに亡くなった場合の二次相続まで資産出来れば、両親からの相続の全容が把握できて良いです。

WATANKOは父が重度の認知症にかかり療養型病院に入院した段階で、両親の確定申告をお願いしていた税理士に父からの相続と、母が父から相続する予定の資産分にかかわる二次相続とをあわせて試算してもらいました。

試算をお願いする税理士の選定ですが、従前より確定申告をお願いしてきた税理士がいれば、当人の資産の凡そをあらかじめ把握していますし、これまでのお互いの信頼関係もあって任せられます。

しかし生憎そのような税理士との縁がなく、新規にどこかに依頼しなければならない場合には、親戚や信頼する友人に紹介してもらうのが安心です。しかしそのツテもなければ自分でWebなどを使って探していくほかありません。

その際には探し当てた税理士(税理士法人)が個人の相続税の申告のみならず、関連するコンサルティング業務をどこまで手掛けているのか、その対価はどれくらいになるのか。複数の相手をあたって比較検討してみることが欠かせません。

よい税理士に巡り合えれば、将来に渡って頼れる存在になることでしょう。

3.相続税の対応策を検討する

相続税の試算ができたら、これを納める原資をどう用意するか。または相続税の負担がかなり大きなものであれば節減できる手段はないか。これら対応策を検討します。

相続した遺産の内、相続税の支払いに充てる資産はどれにするのか。有価証券や不動産であれば売却して資金化が必要です。資金化といっても名義人である親が存命中にやっておくのか。それとも相続時に一旦相続人が自己資金から立て替えておき、相続した不動産を売却して回収するのか。

前者の場合は売却時点で課税が生じること、相続資産は時価評価なので不動産よりも現金の方が相続時の課税負担が大きいケースが生じるなどがデメリットに挙げられます。また後者であれば相続人の立て替え資金が、一時的ではありますが負担となります。

相続税の節減手段としては歴年贈与や相続時精算制度を活用することができます。ただし歴年贈与は1年あたりの非課税枠が1,100千円と限られているので、生前贈与の金額によっては複数年をかけて徐々に実施することが必要になること。相続時精算制度は、値上がりの可能性が高い不動産等の資産に対して適用する以外は、通常の相続と比べて納税のタイミングの違いでしかありませんことに留意しましょう。

ここまでのとおり資産の把握から相続税の対応策まで立案しておけば、とりあえず一息がつけます。

理想的には親が認知症含めた重度の傷病にかかってコミュニケーションが取れなくなる前に済ませておくべきでしょう。そして相続までの予想時間が十二分にあり、歴年贈与をコツコツと進めていくことができれば尚良しであります。

ちなみにWATANKOは60歳前後の時点で夫婦それぞれから二人の子ども達に対して、歴年贈与を始め、10年以上かけてコツコツ進める青写真を持っています。

■土地活用は複数のアイデアをじっくり検討

さて次に土地活用のステップです。

まず何事も前提条件と達成目的を見定めることが大事であります。

4.今後かかる費用を見積もる

親の傷病治療費や介護施設の入居費、葬儀代も含めた今後の老後費用と、相続の結果、保有する資産の税金や保険等の費用を見積もります。

これが将来の資金需要であり、土地活用の前提条件となること、そしてこの資金需要に対応することが最低限の達成目的となります。

勿論、この資金需要以外にも、相続した子ども達が土地活用を副業として、資産形成を図っていくことは十分アリです。

5.様々な土地活用方法

土地活用については色々な形態が挙げられます。どれも賃貸でありメジャーなところでは、以下でしょう。

①アパート(集合住宅)
②戸建て住宅
③事業用地(更地)
④事業用地+建屋
⑤駐車場

上記のうち①、②、④は資金負担が大きく、金融機関からの借り入れを伴うケースが多いでしょうし、賃貸先が個人か法人かによっても手間暇や難易度が変わってきます。

これらについて、僭越ながら過去の駄ブログ記事を紹介しておきます。

関連記事

所有地、更地にしたあと→①住居用建物(2013/9/23)

所有地、更地にしたあと→②住居用建物の続き(2013/9/25)

所有地、更地にしたあと→③店舗・施設(2013/9/27)

所有地、更地にしたあと→④駐車場(2013/9/29)

所有地、更地にしたあと→⑤売却(2013/10/2)


このほかにはコインランドリー、レンタルトランクルーム、太陽光発電設備等様々な設備を据え付ける形態も考えられます。

いずれにしても資金の収支(損益面とキャッシュフロー面の双方)、賃貸運営のリスクと手間暇について十分な比較検討が必要なことは言うまでもありません。

■まとめ

個人は生まれた時は、誰かの子どもという属性しか持っていませんが、成長して青年、社会人になるにつれて、学生、ビジネスマン、夫/妻、親、〇〇の代表者など段々と色々な属性を纏うことになります。

親から土地を相続したあなたは不動産投資家という新しい属性をもつわけですが、これをどう活かして、自分と家族の幸せに繋げていくのか。それは人によっては非常に不慣れな航海かもしれません。

WATANKOはもう20年近くこのようなことに取り組んできました。サラリーマンとの兼業は大変しんどかったですが、その分家計面では見返りもありました。

今、相続によって不動投資家の入り口に立ち始めた人達にとって、この駄ブログの不動産投資記事が少しでもお役に立ててれば幸いです。


2018年12月 8日 (土)

相続だ、土地活用だ、どうしよう

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(ぐぬぬ、悩ましい。)

WATANKOは実の父母とも他界しており、介護と相続はすべて片付いていますが、30~40歳代の方々にとっては親の介護や相続、それから場合によっては資産活用という課題にこれから直面していくことでしょう。

特にそれまで元気であった親が怪我や病気、はたまた認知症などを患いはじめてくると、こういった課題がにわかに家族の間でクローズアップされてきます。

対象となる親がすでにサラリーマンをリタイアして純然たる年金生活者になっていればまだしも、もしも自営業を営んでいたりすると、その商売をこれから一体どうしたらよいのかという課題もトッピングされてきます。

当人の配偶者や子ども達はこれらの課題に取り組んでいくことになるわけですが、多分に未経験の領域であり、お金が動くとなれば、この事態をビジネスチャンスとみて甘い勧誘をかけてくる業者群がいます。これらのアプローチに対しては、慌てずにじっくり考え抜いて行動を起こす必要があります。

「先週、父が倒れて入院した。今のところ意識は戻ったけどもう普通の生活はできそうにもない。いままで自営でやってきた工務店の商売はどうしよう。今後は父の介護や相続、母の老後費用などがかかる。そこでいっそ駅からだいぶ離れたところだけど仕事場に使っていた土地があるから、そこにアパートを建てて今後の費用をまかなっていこうかしら…。」

典型的な展開を例示すると上記のような感じでしょうか。

このようなシチュエーションのときに介護、相続、そして資産活用はどうしたらよいのか。本稿では相続と資産活用の内の土地活用について、常識的にとるべきステップについて綴ってみたいと思います。

■まず大原則「自分で決めて行動する」

実際のステップに入る前に、まず大原則について触れます。

上述の例示のように、相続・土地活用の課題に突然、しかもいっぺんに直面するとなると、当人は多少の動転や焦り、不安に駆られる気持ちになってもおかしくはありません。特に子どもにとっては大切な親の急変に驚き、悲しむ間もなく時にはビジネスライクに物事を進めねばなりません。

そうなると少なくない人は、誰かにすがりたくなるものです。そこまでいかずとも自分は何をすべきか、何か正解であるか、答えを求めて誰かに相談したくなることでしょう。

しかしながら他人は貴方に有益は情報を与えてくれることはあっても、貴方はどうすべきか、これこそが正しい選択だということは教えてはくれません。そんな義理も責任もありませんし、保証をするわけにもいかないからです。

また貴方が欲しがっている答えを見かけ教えてくれることがあったとしても、それを鵜呑みにすることは危険です。貴方にささやく不動産業者、アパート業者、コンサルタント、金融業者、工事業者等々はすべて自分のビジネスのために貴方に近づいてきます。

「この土地は掘り出し物、今を逃すともう手に入りませんよ。」

「アパートを建てて相続税対策しましょう。毎月キャッシュも入ってきますよ。」

「相続の節税対策のノウハウを提供します。土地活用対策の相談セミナーが有効ですよ。」

「借り入れをすれば少ない資金にレバレッジをかけて大きな投資ができますよ。」

おっとでもそれら各業者を敵視してはいけません。彼らはプロフェッショナルに仕事をしているだけなのであり、最終的な判断はあくまで貴方が握っているのですから。

貴方はもう未成年ではないし、自分の身に降りかかった課題に、自ら答えを決めて行動する必要があります。

「当り前じゃあないか。そんな常識はわかっているよ。」

そう受けとめる方は多いことでしょう。でもその中にあっても、自分が決めなければならない答えが、世の中のどこかに書かれている、誰かがきっと教えてくれると考えて、それを一生懸命探索してはいませんでしょうか。

そして自ら答えを決めて行動するためには、例え専門的な領域であっても一定の基礎的情報を得ること、それと適切な判断をするために必要な数の選択肢を揃えることが欠かせません。

これらを疎かにすると、「やっぱり辞めておけばよかった」「あちらの選択の方が良かった」という後悔にたどり着きます。

またそこまでいかずとも「限られた情報から判断」「たったひとつの選択肢を選ぶ」となるとコスト高に行きつくケースが多いです。なぜなら情報不足ゆえに選んだ方法のために過不足が生じて、無駄な費用を払ったり、追加で割高に費用が掛かったりします。

選択肢を集めることを疎かにして、価格の妥当性を考えずにたったひとつの候補をそのまま選んでしまう。面倒くさい、わからないからといって他者に依存、丸投げしたりすると高い手数料がかかります。

相続や資産活用という課題は多くの人にとって不得手な課題かもしれません。ならば猶更できるだけ情報を集めること、選択肢を増やすために行動することは後悔とコストを減らすために必要であります。

(つづく)


妻ミサト「肝心の本論はなぜに次回なの?」

WATANKO「すみません、今週末も風呂敷残業を持ち帰っておりまして・・・そちらを片付けないと・・・」


2018年12月 2日 (日)

潜入!シニア不動産投資家達のサバト

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(サバトとは宗教的な儀式を指します。)

WATANKOはサラリーマンをする傍らで、半ば家業ともいうべき不動産賃貸業を営んでいます。具体的には法人・個人向けにアパートや戸建て貸家、大小の飲食店舗、駐車場など色々なタイプの物件を手掛けてきました。

その中でアパートについては、アパートの建築・募集・管理まで引き受けるアパート業者を起用して建築、運営してきています。もっとハンドメイドな不動産賃貸業をすればより収益があがる可能性はあるのですが、サラリーマンとの兼業としてはこの辺りが限界です。

さてWATANKOはそのアパート業者からのお誘いをうけて、業者の顧客であるアパートのオーナー達が集まる懇親会に先日出席してきました。

懇親会の類については、アパート業者から以前より幾度となくお誘いをうけていましたが、億劫がっていて今まで出席していませんでした。

ところが最近、スルガ銀行やTETERUのニュースを聞いたり、不動産投資が相変わらず活気を帯びている状況をみるにつけ、他のアパートオーナーと情報交換をしてみたくなりました。そこで今回、初めてアパートオーナー達が集う懇親会に出席してみることにしたわけです。

さて懇親会の会場は市内にある料亭です。料亭といっても田舎のそれですから、とびきり上等というわけではありません。まあよくある法事などに使われるレベルの場所です。そこに高級車や大きなミニバンに乗ってアパートオーナーとおぼしき人たちがどんどん集まってきました。

■集まったアパートオーナー達

当日は十数人のアパートオーナーが集まりました。ざっと眺めるに全員WATANKOよりもおそらく年上であり、見事にシニア集団でありました。まあ、この辺は予想どおりであります。田舎の地主系オーナーが大半でしょう。

WATANKOはアパートオーナー達が居並ぶ長テーブルの端の方に座って彼らの生態を眺めていました。すると集まったオーナー達はいくつかのタイプに類型できました。

<やり手のマダムタイプ>

恰幅のイイ(失礼)60代半ばのマダム。化粧は濃く、ひっつめ髪、ギラギラした目と指輪をつけています。女優で言えば、あき竹城が派手目にした感じです。息子の嫁とアパート業者の若手担当を顎で使っていそうな印象です。

持っている土地は何であろうと活用してお金を生み出したい。さらには良い土地があれば家族で金をかき集めてでも買って手に入れたい。

そんな口癖でもって大家族の資産形成を一手に担っていそうなエネルギッシュなマダムです。

<話好きな好々爺タイプ>

70代とおぼしきおじいさん。老俳優でいえば故人ですが笠 智衆がイメージにピッタリ合います。地味な色合いのジャケットを羽織り、会場である料亭の正面玄関に軽トラックで堂々と乗りつけます。

アパート業者の担当が話しかけると、まるで孫から声をかけられたかのように楽しそうにマイペースで長々と自分語りをしています。

よく話を聞いてくれたアパート業者から勧められれば、思慮なしに新築アパート建設をすすめたりしそうです。

<品の良い夫婦タイプ>

60歳前後のシニア夫婦。旦那様はゆったりとしたセーター姿、奥様は首元にスカーフをまかれてのご登場。例えるなら芸能人のイベントには必ず夫婦でやってきた長門裕之と南田洋子のような出で立ちです。料亭の駐車場に停めた愛車はベンツEクラス。

アパートを何棟か持っており、将来の入居率の低下が心配とはいうが、ホントに心配しているのかと疑問に思わせるくらい穏やかな御表情。なにかにつけ余裕綽々という言葉がよく似合いそうであります。

以上の方々、下手な絵ですがビジュアルとしてはこんな感じです。(パソコンのスキャナーがうまく作動しないので、撮った写真を張り付けており映りが悪いところは御容赦ください。)

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■現地の不動産事情

さて上記のとおり、いろいろなタイプのアパートオーナーが集まる中、アパート業者の比較的若い部課長クラスと思われる人たちが熱心に歓待します。また宴が進むとアパートオーナー達同士の間でもポツリポツリと会話が始まります。

WATANKOもまた正面に座った品の良い夫婦と、アパート経営について会話を交わしました。先方はもう子育てを終えて悠々自適な生活に入っているとのこと。「なんと羨ましい限りですね!」とWATANKOは義理もないのにおもわずヨイショしてしまいました。

余談ですが、WATANKOが住む町は、具体的な所在がわかってしまうので詳細は明かせませんが、周辺市町村と比べて人口流入が多くてアパート需要がとても高い一方、田舎であるので地価は比較的安いという事情があります。

ですから高い入居率が期待できるアパートをコストを抑えて建てられるので、アパート経営の妙味があり、どんどん新築物件が出来てきています。

今回ここに集まったオーナー達からも、「供給過剰」の四文字熟語はどこかに忘れて、1棟でも多くの物件を手に入れたいとする熱気が伝わってきました。

それはまさに不動産投資を信奉する者たちのサバトであります。

■アパート業者と交わした会話

その他にWATANKOはアパート業者の担当や支店長クラスとの会話で最近のアパート経営事情について色々と聴取しました。とくにアパート建築・購入にあたってのオーナーによる金融機関からの借入について、通常のサラリーマンは与信が限られるため最近は金融機関側がかなり厳しくなってきたが、担保となる不動産を持っているオーナーであれば、全く問題はないとのこと。

支店長「ですから、WATANKOさん、駅前にひとついい物件があるのですが、如何ですか?」

WATANKO「いやー、結構です。」

また今後の供給過剰を考慮すると、これからアパートの収支計画を立てる場合には、できれば計画期間全体の平均空室率を30%くらいみておいた方がよいともいわれました。これはWATANKOも納得であり、なかなか良心的なアドバイスであります。計画からの乖離について上振れはOKですが、下振れは避けたいのでなるべく保守的に見ておくべきでしょう。

なおアパート業者の営業課長は、学生時代にWATANKOが当時所有していたレストランでアルバイトをしていたことが判明。ちょっとだけ昔話に花を咲かせました。

■まとめ

休日の昼食時に開かれた今回の懇親会。地元のアパートオーナーの生態を垣間見る機会と、多少の情報収集ができたことをふまえれば、まずまずの内容でした。

このサバト、同じ様相であればもう出席は不要ですが、今後もしもWATANKOよりも若い世代が集まるのであれば、彼らとの交流もちょっとしてみたいという気持ちもあります。

いや、そんな働き盛りの彼らはきっと本業で忙しいでしょうね。


(あとがきにかえて)

妻ミサト「懇親会はどうだった?美味しいものは出たのかしら?」

WATANKO「いや、ただの和風コースでした。見るべきものはなかったです。」

妻ミサト「それじゃあ、今夜は気分転換に駅前にできた新しい蕎麦屋にいきましょう。パクチー蕎麦が美味しくて評判らしいわ。貴方も飲みなおしたら?」

WATANKO「ハイハイ、(10年後の妻は一体どんな不動産投資家マダムになっているのだろうか・・・)」


2018年10月23日 (火)

華麗なる法人成りを考える際の現実的な視点

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(法人成りは慎重に)

個人投資家諸氏の中には自分が行っている副業を個人事業から法人へと転換し、その経済面のメリットを享受しようと考える方、そして実行に移す方をWeb上でもリアルでもみかけることがあります。いわゆる法人成りであります。

自営業においてのそれは、商売が一定規模以上になってきたときには至極当然の発想であり、行動でありましょう。

WATANKOはその昔、アパート経営を始めた時に、アパート建築・仲介会社から法人成りを勧められました。アパート経営の売上と給与所得をあわせて、年収が20百万円程度を越える場合、法人成りした方がオトクとのことです。

はたしてWATANKOのようなサラリーマン兼業不動産投資家にとって法人成りは妥当な選択なのでしょうか。

■法人成りのメリットの現実的な視点

法人成りのメリットとそれに対するWATANKOがみた現実的な視点は次のとおりです。

「一定額の所得以上であれば、税率は個人よりも法人の方が低いです。」

「家族を役員にして所得を分散させ、累進課税率を引き下げます。」

⇒これは税務的にはそのとおりですが、金額的に十分なメリットになり得るためにはそれなりの所得規模があることが必要です。後述しますが、法人化にともなう維持コストの発生をカバーするとどこまで手残りの利益があがるのか。

「個人では認められない経費も法人なら認められます。」

「さらなる節税方法として保険を購入して利益圧縮できます。」

⇒自家用車の減価償却費も計上できることにはグッときます。しかし冷静になればこれは税金分がかからないという話であり、出費自体は個人も法人も同じです。費用計上できるからといって、浮いた税金分以上に無駄な出費自体を増やしてしまっては元も子もありません。また個人事業主であっても経費での落とし様は色々とあり、法人の場合との差もどれだけあるのかについては一概には言えません。

「欠損金がでれば繰り越しして、後年の利益とぶつけて節税できます。」

⇒赤字が出ることを前提としたメリットが果たしてメリットと言えるのでしょうか。これは赤字に対する税制面の救済であり、赤字自体を丸ごと補填するものではありません。セーフティネットのようなものと勘違いしているとしたら危険です。

「法人なので信用力があがります。」

「債務に関して有限責任にできます。」

⇒個人事業主が法人成りした会社に対して、その個人以上の与信など付きようがありません。借り入れをしようとすれば、個人保証を求められるケースが多いのではないでしょうか。その意味からすればこれらはほとんど幻想にすぎません。

■不自由で手間がかかる点を覚悟すべき

一方で法人成りに対するデメリットもあります。

「赤字でも税金の支払いが発生します。」

「設立費用が掛かることに加えて毎年の決算、税務などの事務コストが増えます。」

上記はよく指摘される内容ですが、現実的な視点からみれば、ことはそう簡単ではありません。

1.スキームが複雑化

法人形態を導入することで、自分の所有不動産に関わるスキームが複雑になり、所有不動産の将来のマネジメントに制約をうけることがあります。

将来、子どもなど後継者が法人や不動産を引き継ぐ時に、このスキーム含めてきちんとできるのか?個人の死後、後継者はひょっとしたら法人の清算や不動産の売却を行うやもしれません。そのときに複雑なスキームを残しておくと恨まれそうです。

2.都度、専門家の費用がかかる

何か追加アクションを起こそうとするたびに、専門家に依頼することになり、諸経費が発生します。あわせて手間暇もかかってきます。

こういった費用は法人成りで得た節税分を結構相殺してしまうやもしれません。

3.法人の資産を勝手に利用できない

法人成りによって、法人名義の現預金がある程度たまる仕組みとなります。法人名義のこの現預金を使って、個人が自分の名義で勝手に別途資産を買うわけにはいきません。

その場合、かたいことをいえば法人と個人の間で金銭貸借の契約を交わし、個人は法人に一定の金利を支払う必要があります。また返還をしないならば、永久に契約の更新が必要です。

■まとめ

上記1~3の問題は、個人が法人経営に余裕時間のかなりを割いて取り組み、かつそれ自体にやる気をもって取り組み、十分なシミュレーションの上に実行すれば、最終的には個人事業よりも経済的な便益も得られるでしょう。

自営業の方であれば法人成りのメリットを徹底活用すべく、こうして知力と体力を投入することは十分可能かもしれません

しかしながら、サラリーマンが兼業の形態として、単に節税のために気軽に法人成りを実行することには慎重になるべきです。当初思いもしていなかった手間や費用負担が発生する、複雑かつ制約があるスキームのために資産利用や法人の移管がとても大変となる、といった現実的なデメリットが生じる可能性を忘れてはなりません。

(あとがきにかえて)

本記事では専門的な税務アドバイスととられかねないように、税制に関する具体的な数値には言及していません。税制面の詳細については関係官庁・自治体やしかるべき専門家に確認いただきますようお願い致します。

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