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2017年5月 6日 (土)

【補稿】コメントにお答えします-燃費でハイブリッドを選んではいけません

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(フィットの本質的な魅力は動力源ではなく、そのパッケージなのですがね。)

前回の記事はアクセス数がとても大きく、そのためかいつもより多くのコメントが寄せられました。

代表的なコメントを2つ取り上げて、これにお答えします。

▼リセールを考慮していない

ハイブリッドのランニングコストで回収できないと批判、買い換えの時のリセールバリューには触れない

はい、リセールには意図的に触れていません。なぜならリセールを考慮しても、HVとガソリンの車両価格+燃料費の負担が逆転するとは考えにくく、それどころかさらに差が開くことも十分予見できるからです。

リセール、つまり売値。これが高いということはふたつの意味に分けられます。

(1)高い値段の車は、その分、高い下取り価格がつくという当たり前の事実

A車(HV)は車両価格が2,000千円、一方B(ガソリン)車は同1,500千円。5年後の下取り率を40%と置くと、A車は800千円、B車は600千円です。これを称して「A車の方が下取りが高い(=お得である)」とはたして言えるのでしょうか。A車オーナーは新車時点の車両価格がその分高く、B車オーナーよりも余計にお金を支払っているのですから、下取り価格も高くて当たり前ですよね。ここに得する要素はありません。

しかも5年間での資金収支はA車が2,000千円-800千円=1,200千円、一方B車は1,500千円-600千円=900千円と明らかにA車オーナーはB車オーナーよりも資金負担が大きいです。この分を燃費で取り返せますでしょうか。

(1)HVはガソリンよりも下取り率が高いという予測

次にガソリンよりもHVの方が下取り率が高い、つまり割高に買い取ってもらえるという予測をもって、HVの方が「リセールが高い」と主張される方がいるかもしれません。


(1)の例でいえば、A車の5年後の下取り率が40%ではなく、55%という高い率であれば、A車オーナーの資金負担はB車オーナーと同じになります。この場合、A車はB車よりも3割以上高い下取り率ですね。

そしてHVがガソリンよりも割安となるレベルまで「下取りが高い」と誇ることができるのは55%超のとても高い下取り率でもって取引されるケースとなるわけです。

さてここで巷に見られる下取り情報をひとつ紹介します。

参照記事
フィットを売る!

上記ではフィットの5年後の売値が示されています。一例をピックアップしてみましょう。

●ハイブリッドスマートセレクション
車両価格168万円
ディーラー下取り価格56万円
差引資金負担112万円
下取り率33.3%

●13Gスマートセレクション(ガソリン)
車両価格135万円
ディーラー下取り価格47万円
差引資金負担88万円
下取り率34.8%


下取り率を比較すると、HVはガソリンを大きく上回るどころか、逆に若干ながら劣後しています。なお他のグレードや買い取り業者の価格でみてもなべて同様の傾向です。

上記サイトの情報をすべて鵜呑みにするわけにもいきませんので、これ以上の言及はしませんが、これ以外のサイトを覗いてみても、WATANKOは「どのモデル、グレードであってもHVがガソリンよりも、ほぼ必ず下取り率が高い」という定説を自信を持って掲げられるまでには至っておりません。
(上述の(1)の意味でもってやはり「HVは下取り価格が高い」と喧伝されるケースはしばしばみかけますが。)

さてここからは余談です。

中古車業者が自社のサイト等で「HVが下取りが高い。たから車両価格が割高でもトータルではお得」と喧伝する背景は、少しでも高いモデルを中古車商品として取り扱いたい事情があります。

例えば仕入れた中古車に対して、仕入れに値に15%~20%といった一定率のマージンを乗せて再販する場合、高額な車の方が同じマージン率であれば、マージンの実額が大きくなります。それが高額車を扱う誘因となります。

それと中古車業者は商品の回転率を高めるために、ガソリンよりも、日常の燃費が良くて人気があるHVを取り扱いたいわけです。中古車市場にHVをたくさん流通させるためには、新車のHVが売れてくれないと困るわけです。

貴方は「中古車市場にHVを流通させる」という使命感をもって、HVを買うのでしょうか。

▼HVの方が性能に優れる


その計算の仕方は、負け組の考え方ですよ
HONDA FITのガソリン車Fグレードは、1.3Lの小型のエンジンです。変速はCVTです。
HONDA FITのハイブリッドFグレードは、1.5L+モーターです。変速はDCTです。
変速性能とロスの少なさでDCTのほうがCVTより有利ですし、Fパッケージでなら価格差以上にハイブリッドが有利です。
(以下、略)

同部屋同数の物件で、静穏が高くて光熱費が安い防音遮熱と同じだよ~?
売るときに、初期投資が高い良い物件の方が高く売れるのと一緒だし、使ってるときの快適さが段違い~
今回のフィッツFは、メインのLDKが16貼と12貼の違いまであるのと一緒
良い壁素材を使ってるから、中が広い分快適なんだわwww


ちょっと言葉の繋がりがよくわからないコメントですが、上記で言わんとしていることは「高額な商品は、良い仕様・装備で性能が優れている」というこれまた当たり前の事実を述べているにすぎません。

フィットはガソリンよりもHVの方が優れているという指摘があるならば、同様にフィットHVよりも、クラウンの方が性能としてはもっと優れています。そのような当たり前の事実を声高に述べる意図は何でしょうか。

「変速性能とロスの少なさでDCTのほうがCVTより有利」それはそうでしょう。それではフィットのような街中ユースが主体のモデルにおいて、CVTでは不都合があるのでしょうか。WATANKOもまたCVTを搭載するムーブを足グルマとして所有していますが、ことさら不便に感じてはおりません。

同様に車に対して一定以上のこだわりを持たない、経済性にすくなからず力点をおいて車を選ぶ多くの人が、はたしてDCTにどれだけ余分な対価を払う気になるでしょうか。
値頃感のあるガソリン+CVTを選んで、数十万円のお金を浮かして、その他の買い物やレジャー、貯蓄に廻したりと自由な使い方を志向する人は少なくないでしょう。

(本稿はもともとHVと費用の関係をとりあげたものなので、この辺りまでにしておきます。)

(まとめ)

「HVは低燃費なので節約になる。」

「HVは高くても、リセールで元がとれる。」

こういった巷のふわっとした説について前回、今回と検証してみました。その結果、費用面からみれば選ぶべきはHVではなく、コモディティなガソリンモデルという結論を確認するに至りました。

ただし前回同様申し上げておきますが、HVがもたらす付加価値を十分に認め、これに余分な対価を支払う人がいてもおかしくはありません。

大事なことは車のどこに対して自分はカネを払っているのかを理解することであります。

2017年5月 4日 (木)

燃費でハイブリッドを選んではいけません

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(ベルファイアのHVは5,000千円超えですか!)

happy01 「クルマを買い換えたいのだけれど、燃費が良いから今度はハイブリッドにしようと思う。WATANKOならどのモデルを勧める?」

周囲には車好きで通っているWATANKOですので、時折友人から上記のような相談を受けることがあります。先日も居酒屋でしめ鯖をつつきながら、焼酎をあおっていると飲み相手の友人からやはり聞かれました。

その度にWATANKOが答える内容は以下のとおりです。

gawk 「君が燃費、すなわちコストを重視した車選びを希望するならば、ほしいモデルのガソリン仕様を買うのが良いよ。(あ、店員さん、焼酎おかわりね。サーモンのハラス焼きも。)」

そしてその次に、相手が検討にあげているモデルが載ったメーカーのHPをスマホで見せながら、電卓片手に説明します。

以下はホンダ・フィットの例。グレード名から同等装備にて揃えました。

●ハイブリッドモデル(以下、HV)
グレード:Fパッケージ(FF)
車両価格:1,796千円
燃費(JC08モード)33.6km/L

●ガソリンモデル(以下、ガソリン)
グレード:Fパッケージ(FF)
車両価格1,425千円
燃費(同上)24.6km/L

さて上記を見比べると、HVはガソリンよりも確かに低燃費ですが、一方で車両価格が割高になっています。大きなバッテリーをはじめとするHVの駆動系補機類、制御システムのハード・ソフトなどがコストアップの主因ですし、そこには開発費用の回収分も含まれているでしょう。

そこでHVのオーナーは車両価格の差額を、ガソリンとの燃費の差からくる消費燃料費の差額でもって回収してはじめてコストを重視した車選びを行った当初の目的を達成することができます。

実際に計算してみます。想定条件は以下。

*年間走行距離:8、000km
*実燃費:カタログに記載されるJC08モードの燃費の8割
*ガソリン単価:120円/L

まずフィットのHVとガソリンの車両価格差は371千円①

一方、HVの年間ガソリン代は36千円、ガソリンは同49千円(いずれも千円未満は四捨五入)、両車の差額は13千円②です。

②でもって①を回収しようとすれば、少なくとも29年、走行距離23万kmかかる計算です。しかもこの長期間のうちに、HV特有のバッテリー等のメンテ費用がかかることがあれば、さらにその分の回収もせねばならず、さらに年数は伸びます。

ここまで計算してみせて、WATANKOは友人に問います。

gawk 「率直な質問だけど、フィット1台を29年、23万km乗り続ける人がいったいどれくらいいるもんかね。今を起点にさかのぼればバブル期に買った車を現在でも載っているという長期保有ぶりだよ。現実的ではありませんよね。つまりHVを買った瞬間、車両代+燃料費の合計ではガソリンモデルに劣ることになるわけだ。」

なおこれが年間走行距離20,000kmのヘビーユーザーではどうでしょうか。今度は消費燃料費はHVで年間89千円、ガソリンでは122千円となり、その差額は33千円となります。これですと車両価格差分の回収までの期間は12年まで縮まりますが、一方で走行距離は24万キロにも及びます。これもまた現実的ではありません。

さらにそれではハイブリッド以外の付加価値も高い高額車ではどうでしょうか。トヨタ・ヴェルファイアで比較してみます。

●HV
グレード:ZR G EDITION
車両価格:5,501千円
燃費:18.4km/L

●ガソリン
グレード:ZA D EDITION
車両家格4,585千円
燃費:11.4km/L

車両価格差はなんと916千円①。一方でフィットと同様の計算方法で算出したガソリン代の差額は年間走行距離8,000kmケースで40千円②です。

②で①を回収するためには23年、18万kmかかります。やはりそれだけ長期間乗り続けることは現実には至難であり、その前に他があちこち痛んで修理費が嵩み、廃車に至ること確実でしょう。

なお①については、なんぼなんでもハイブリッドシステムだけで916千円の差額が丸々つくとは考えづらく、目を皿のようにしてカタログを眺めれば、その他の仕様・装備の違いがあるかもしれません。しかしたとえそれらを考慮して①が半額になったとしても回収に12年かかる計算です。

結論としては、HVは燃費(=コスト)面からみれば選ぶべき仕様ではありません。HVやEVの流行に対抗すべく、ガソリンモデルの燃費もまた近年向上してきました。とくにHVの燃費を向上させるためにはその構成動力であるガソリンエンジンの燃費を引き上げる必要があったわけです。それに伴ってガソリンモデルとの燃費差を縮めることになっているとはちょっと皮肉なものです。

confident 「ともかくも技術的に安定していて、そして安く作ることができ、維持コストもこなれている、現在究極の内燃機関であるガソリンモデルを選択することが、コスト面からみて間違いない選択だよ。」


(あとがきにかえて)

もちろんながらHVには、以下のようなメリットがあります。

1)1回の給油で走行できる距離が長いので、給油する回数が減るという利便性あり。

2)EV走行モードの特徴(出足のトルクが大きい、静粛性が高まる等)を体感できる。

3)燃料消費が少ないことで環境に貢献できている、高度なエレクトロニクス技術の車に載っている等からくる満足感を得られる。

上記のようなメリットに魅力を感じてHVがほしいという人がいてもおかしくはありません。それもまた自動車好きの一つのパターンでありましょう。

HVの購入をお考えの紳士淑女の皆様におかれましては、ご自身がHVを購入しようとする動機、目的は何なのか、今一度確かめてから実行にうつすことが間違いのない車選びであり、より良いお金の使い方と言えるでしょう。

2017年3月24日 (金)

ホンダよ、至高のチャンピオンドライバーにこれ以上、駄馬を与えないでほしい

今週末からF1の2017年シーズンが開幕します。プレシーズンテストからみえる今年の勢力図は昨年同様メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3強。中でもフェラーリが好調のようです。昨年は何かとへそをまげてやる気をなくしていたセバスチャンも今年はやる気満々になってくれるでしょうか。

そして日本のF1ファンにとって気になるのはマクラーレン・ホンダの動向ですが、残念ながら芳しくありません。原因はホンダのPU(パワーユニット)にあるようです。

マクラーレン・ホンダのエース・ドライバーはハミルトン、ベッテルと並ぶトップ・オブ・トップドライバーのフェルナンド・アロンソ。

ホンダははF1に4度目の参戦をして今年で3年目になりますが、過去2年同様低迷が続いています。PUのパワーや信頼性の不足などが改善できていません。

アロンソはドライバーとしては文句なしでありますから、ホンダは早くPUの競争力を高めて、アロンソを勝てるマシンで走らせてほしいものです。

思い起こせばホンダは前回3度目のF1参戦期(2000年~2008年)の間にも同様に、当時トップ・オフ・トップドライバーのひとりであったジャック・ビルヌーブを起用したものの、彼に勝てるマシンを与えることができずに、何シーズンもの時間を浪費させ、ビルヌーブのF1ドライバー・キャリアを台無しにさせてしまった過去があります。

またビルヌーブが去った後、エースドライバーとなったジェンソン・バトンに対しても、ホンダは大半のシーズンにおいて競争力があるマシンを与えることができず、さバトンの大開花はホンダ撤退後のブラウンGPでのチャンピオン獲得まで待たされることとなりました。

2000年代前半はミハエル・シューマッハのフェラーリが圧倒的に強いシーズンが続いたという不運もありますが、チーム体制の変更が多発し、マネジメントが安定していなかったことやマシンの開発が進まなかったホンダ自身に責は無しと言えないでしょう。

今のアロンソをみていると、ビルヌーブやバトンの二の舞とならないかとても心配になります。いや、もはや半分そうなっているといっても過言ではありません。マクラーレン・ホンダに移籍してこれまで2年間辛抱してきたアロンソですが、今シーズンもまた我慢の年となりそうです。

F1ドライバーが自己の実力のピークを発揮できるのは長くても10年程度です。その限られた期間の中で、どれだけ勝てるマシンに乗れるかがチャンピオン争いに食い込める回数を決めることになります。

アロンソが2度目のチャンピオンに輝いた2006年から10年間も無冠が続きました。最後にチャンピオン争いに加わったのは2012年。それ以降もう4シーズもチャンピオン争いからは蚊帳の外です。彼は現在35歳。もう残された時間は多くはありません。

我々F1ファンは、至高のドライバー達のレベルの高いレース展開やチャンピオン争いを望んでいます。WATANKOは、ことさらアロンソのファンではありませんが、速さと強さが高次元でバランスした彼のドライビングはとても魅力的であります。彼のようなトップ・オブ・トップのチャンピオン・ドライバーにいつまでたっても駄馬しか与えられないホンダには、早急な改善を促したいものです。

マクラーレン・ホンダで優勝するフェルナンド・アロンソ。そんな姿をみることができたら最高にエキサイティングになるでしょう。それが鈴鹿ならまさに言うことなしです。


2017年2月25日 (土)

かつて若者だったオヤジ向けにメーカーが着々とすすめるスポーティーカーの復活

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(出展:motorauthority


日本のスポーティーカーについて、自動車メーカー各社がこぞって多様なモデルを発売し、それがブームとなって盛り上がったのは1980年代の半ばから1990年代の半ばです。

動力性能、高速安定性、そして旋回性能は海外メーカーに遜色ないレベルまであがり、デザインもまた洗練され、それでいて価格帯も幅広いので選択肢が豊富というわけです。

この時代、スポーティーカーとのカーライフを送った若者は今よりも遥かに多かったでしょう。

しかしバブル経済の崩壊後の自動車市場の冷え込みの影響は大きく、特に実用面で不便なスポーティーカーはどんどんモデルを減らしていきました。若者の興味・関心の多様化や経済的事情、メーカーとしても販売が減る中で排ガス規制や安全規制への対応が難しくなるなど、スポーティーカーにとって、これでもかというくらいに逆風が吹き続けました。

若者の側も家族ができたなどにより、ミニバンをはじめとするユーティリティに優れた車への乗り換えがすすみ、スポーティーカーからどんどん離れていく有様です。

こうして21世紀に入るとスポーティーカーはニューモデルはおろか、現行モデルの生産終了が続き、まるで死滅したかのようでした。

■徐々にすすむスポーティーカーの復活

ところが21世紀も10年を過ぎてくると、春先の野山でつくしが生えてくるように徐々に新しいスポーティーカーが出始めてきました。ホンダCR-Zやトヨタ86/スバルBRZ、それから数年経ち、ダイハツNEWコペン、マツダNDロードスター/フィアット124スパイダー、ホンダS660やNSXと続きます。

そして今般トヨタ・スープラもまた復活にむけて着々と準備が進んでいます。

参照記事
レスポンス
トヨタ スープラに関するニュースまとめ一覧

NEWスープラはBMWと共同開発され、BMW Z5と兄弟車になるとのこと。共同開発はトヨタにとって、BMWのビークルダイナミズムを備えたシャシーを共有できること、2社によって販売台数を稼ぐことができて開発費の負担を減らすことが可能となることなど性能面、コスト面でメリットがあります。またブランド面でもとてもプラスになるでしょう。

スープラの他にも日産ではフェアレディZのフルモデルチェンジ、マツダはロータリーエンジン搭載モデルの開発を進めています。さらにホンダはNSXとS660の間を埋めるためのミドルクラスのモデルを企画中と車雑誌では喧伝されています。

■ターゲットは子育てのピークをすぎたオヤジ

しかしなぜ今頃になってスポーティーカーの復活ラッシュの兆しがみえてきたのでしょうか。メーカーのブランドイメージ向上や若者に対するアピールがあるのかもしれませんが、もっと実利的な面があります。

それはかつて若者であり、今や立派なオヤジとなった潜在顧客層に対して一定の販売台数を見込んでいるからです。

冒頭にあげた1980年代の半ばから1990年代の半ばの時代から20年を過ぎようとしている昨今。若い頃にスポーティーカーを買って乗りまわしてブイブイ言わせていた今のオヤジ連は、子育てが終わり、ユーティリティ中心の車選びというくびきから解き放たれます。

そうなるとオヤジ連は復活したスポーティーカーに関心を寄せるはずというのが自動車メーカーのマーケティングであります。

かくいうWATANKOもまた昔、若い時にNAロードスターに乗っていましたが、家族が出来るとスポーティーカーを手放して20年以上が経ち、それから再びNDロードスターに回帰してきました。

嗚呼、なんとも典型的な事例でありませんか。

WATANKOのような事例が全国のあちらこちらでヒタヒタを進んでいるのでしょうか。だとしたらメーカーもこの機を逃ずにスポーティーカーの復活にいよいよ力を入れてくることでしょう。あと2~3年もすれば再びスポーティーカーの百花繚乱の時代がやってくるかもしれません。

新しいスポーティーカーの登場と販売増はそのまま中古車市場にも影響してきます。まもなく86/BRZやNDロードスター等のたくさんの中古車が、お求めやすい価格帯となって幅広いユーザーに買われていく展開も予想されます。

(あとがきにかえて)

BMWとの兄弟車となって復活するトヨタ・スープラ。

リーマンショックの頃にこんな時代の到来を果たして誰が予見できたでしょうか。

自動車の魅力を十分に知りつくしている人々がいる限り、スポーティーカーは何度廃れてもまた復活してくることでしょう。

2017年2月23日 (木)

マイカーにはSUV・クロスオーバーをいかが

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(マツダHPより)

マイカーとして選ばれるボディ形式には変遷があります。長らくは伝統的な3ボックスのセダンがマイカーの中心でありましたが、それが1990年代に入って一部でワゴンや4WDが流行ります。そして大中小のミニバンが隆盛し、昨今ではSUV・クロスオーバーが脚光を浴びるといったところです。

参照記事
もっとお金の話がしたい
妄想クルマ選び。新型CX-5とBMW X1を乗り比べたらマツダが好きになった話。

相互リンクいただいているモッティーさんの(妄想ですが)SUV選びの記事です。

モッティーさんの車好きな様子がよくわかる記事ですが、ここで語られているのはやはりSUV。20年前の車好きな個人のブログならBMWとマツダの比較でも、その対象はクーペモデルであったことでしょう。(そんな昔にはブログなんてありませんが。)

■SUV・クロスオーバーの利点

さて個人の選好はともかくとして、SUV・クロスオーバーの利点を客観的に挙げてみると次のとおりです。

1.着座位置が高いので視点が高くなる
ボディの四隅が把握しやすく、とりまわしが良いです。ただし一部のモノフォルムなモデルはわかりにくかもしれません。

2.積載量が大きい
特にセダンなどとくらべて嵩があるものが積みやすくなります。リアのハッチゲートが大きく開口するので、積み下ろしも楽でしょう。

3.デザインの自由度が高い
全高が高いので、その分デザインの自由度が高まります。最近ではトヨタのC-HRが好例です。

4.乗り降りしやすい
車高が高く、ドアも大きく開口するので体をかがめることなく、乗り込みしやすいです。これは軽のハイトワゴンでも同様です。

6.地上最低高が高い
セダンに比べて地上最低高が高いので、路面の状態、車止めの形状などが気になりません。

■ネガはどんどん減っている

商品というものは一旦流行り出すと、同種商品との競合に勝つために、どんどん品質や機能が向上していきます。デザインもまた洗練されていきます。

SUV・クロスオーバーもまた重心が高いことによる操縦安定性の劣後、車重が重いことによる運動性の低下やエンジンの非力さ、騒音・振動が大きいといったネガがどんどん改良されてきています。

具体的にはVSCの導入による操縦安定性の向上、ターボやディーゼルエンジンの採用、ボディ剛性の向上とNVHの軽減などがどんどん進んできました。その結果、洗練された乗り味に仕上がっていることでしょう。

■まとめ

WATANKOはながらくヘビーデューティーな4WDを源流とするSUV・クロスオーバーに対して否定的でした。

しかしながら最近、ますますSUV・クロスオーバーの魅力が高まる中、とても注目しています。その注目度は現在載っているE90の次のマイカー候補としてあげているくらいです。

只今現在であれば、マツダのCX-5が総合的にみて大変魅力的でありますが、さらに「数年先にはサイズや性能、デザインなどにおいてもっと素敵なモデルがでてくることを期待しています。

関連記事
「スポーティーカー」のいま・むかし

(あとがきにかえて)

妻ミサト「何を言っているのよ。世の中はとっくにSUV・クロスオーバーよ。あなた、周回遅れよ。」

WATANKKO「!!!(やっぱりそうか)」

2017年2月 8日 (水)

当ブログ自動車記事まとめ2017

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WATANKOは自動車好きです。そのため自動車のことをあれこれ30年近く考えてきました。そんなWATANKOが考える良い自動車の条件、カーライフから得た経験則、そして家計に絡む自動車費用についてのまとめ記事を紹介します。

★良い車の条件

良い車の条件は「タイヤがボディのなるべく四隅にあること」(2013/1/16)

車両重量が重い車は、今やほとんど買うに値しません(2013/2/27)

重心高は譲れない(2013/3/12)

ひとことで言ってしまえば、市販車において良い車の条件はレーシングカーのそれと一致します。上記にあげた内容は車の運動性能、安全性、経済性等様々な面からみて欠かせないポイントばかりです。


★カーライフ経験則な記事

軽トラで運転テクニックをみがく(2011/8/15)

自動車の色選び-経験則と一部主観(2011/11/1)

正しい洗車道(2013/7/30)

オーナードライバーの禁則ファッション(2013/4/9)

運転して面白い車に乗ろう(2014/8/23)

WATANKOなりに経験則からドラテク、ボディカラー、洗車、ファッション等についての意見を綴っています。


★自動車の保有にかかわる記事

家計とライフスタイルからみたマイカー保有の是非にかかわるまとめ(2015/3/22)

当ブログのメインである投資にかかわる部分として、家計に影響を与える自動車コストの捉え方についての記事です。実は上記もまたまとめ記事であり、その中に更に詳細な記事紹介を載せてあります。


自動車については、WATANKO自身、色々な思い入れがあり記事ネタ自体はたくさん浮かぶのですが、中にはマニアックなネタも多いです。(例えば以前、自動車の樹脂バンパーについて記事を書いたことがありますが、マニアックなのでボツにしたこともあります。)

あまりひとりよがりな記事を書くわけにもいかず、皆さんに適度に関心をもって読んでもらえそうなネタを取り上げるよう心掛けています。


2017年1月31日 (火)

免許取り立ての我が子のはじめての車にはハッチバック

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(ハッチバックがおすすめ)

都内はともかく地方都市に住んでいると車は交通手段として必需品であるケースが非常に多いです。そこで育った子どもがやはり地方都市で就職すると、通勤用としても車が必要になるケースもまたよくみられます。いつも年度末の教習所は混雑し、ひと足早く運転免許を取った若者が若葉マークをつけて街中をややゆっくりとした調子で走りまわり始めます。

さて貴方が親御さんであり、運転免許を取得した自分の子どもに車を買い与える場合、または子どもが自身で車を買う場合、どのようなモデルを選べばよいでしょうか。

ここでは免許取り立てのドライバーの視点に立ってモデルを選ぶことが大事であります。加えて車好きのWATANKOからみれば、当人の後々のドライバーキャリアを見越して、まず最初に何にのっておくべきかという視点も添えたいと思います。

■BまたはCセグメントのハッチバックがおすすめ

結論からいいますと、免許を取得した若者が始めて所有するモデルとしてはBまたはCセグメントのハッチバックがWATANKOが考えるベストです。

(注)ここでいうセグメントとは車のサイズを表しています。具体的な内容は以下をご参照ください。
IT mediaビジネスオンライン コラム:セグメントって何?

BまたはCセグメントのハッチバックを勧める理由は次のとおりです。


1.ボディが小さく取り回しがしやすい

ボンネットがしっかりとあるモデルなら先端の車両感覚も掴みやすいです。トランクが張り出ていないので全長は短く、駐車もラクラク。もひとつ言えば洗車も楽です。

2.運転がし易く、楽しみやすい

重量が軽いので、走り出しやすく、かつ止まりやすいです。タイヤがボディの四隅にあり、かつ重心高が高くはないので、キビキビとした軽快な運転ができます。

3.積載量も確保できて利便性が比較的高い

大人5人をきちんと乗せることができれば、後部座席を倒して大荷物も載せることも可能です。

4.比較的燃費がよく車両価格も安価

軽量なので比較的燃費がよいです。またボディが大きくはなく、中古車市場でもとりたてて人気があるボディ形式ではないので安価です。


■具体的な選択

BまたはCセグメントのハッチバックとなると部品代、整備費が相対的に安価でディーラー店舗も多い国産車から選ぶとなると、新車ならばヴィッツ、オーリス、キューブ、ノート、フィット、アクセラ、デミオ、インプレッサ、スイフトあたりがお勧めです。また予算を抑えたいもしくはもっと多くの車種から選びたいとなれば中古車も視野に入ります。

よく初心者は運転慣れしていないので、車をぶつけたり、凹ましたり、擦ったりするケースが多いといわれ、それゆえに中古車で十分という見方があります。中古車を選ぶ理由としてはなるほどでありますが、加えて(詳しくは後述しますが)自分のマイカーの好みやカーライフが定着しないうちに、大枚はたいで新車を買わなくてもよいという見方もあります。

ちなみに初心者の最初のマイカーとしてミニバン、SUVはお勧めしません。理由はハッチバックを勧める理由と正反対であります。ボディが大きくとり回しが悪い。重量が重く運動性に欠ける。燃費は悪く、ハッチバックよりも値が張ります。

ハイブリッドやEVも時期尚早です。まずはシンプルなガソリンエンジンだけを搭載した車でもってエンジンと変速機のフィーリングを体に覚えさせることが先です。

それとできれば軽自動車も避けたいです。小さな車両感覚に馴れてしまうとBセグメント以上の登録車の車両感覚を身に付けるのには不十分であります。一生涯、軽自動車しか運転しないというならば話は別ですが。

■まとめ

運転初心者にとって、まず最初にマイカーとするのには運転をする上で、バランスがとれたクセのないプレーンな1台、利便性に優れて、比較的安価でもとめやすい1台としてハッチバックがお勧めです。

ハッチバックを乗りながら、自動車やドライビングの特性を体に覚えさせるとともに、当人の車に対する興味・関心やカーライフを具体的に考えて、体験しながら、将来のカーライフのスタイルを決めていくとよいです。

最後にWATANKOのベスト推奨を挙げておきます。それはフォルクス・ワーゲンのゴルフ。予算1,000千円未満の先代モデル、ゴルフⅥが手頃でしょう。よく作り込まれた優良ハッチバックです。

2016年12月26日 (月)

2016年-2017年 年末年始に読んでおきたい自動車関連図書・雑誌

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(年末にようやくまとまった休みがとれてドライブにいきました。)

サラリーマン目線で申し上げますと、今年は年末年始の曜日の組み合わせが最低でございまして、28日仕事納め~4日仕事始めというパターンでは年末年始休暇が6日しかございません。

もし28日が土曜日のケースであれば、週休二日制ならば仕事納めの日は1日前倒しの27日の金曜日となり、1月3日もまた金曜日にあたります。そうなると仕事始めは土日明けの6日になります。つまりその場合、年末年始休暇が27日~5日までの合計9日間となり、今年に比べて1.5倍の日数が頂戴できます。

などと嘆いていても(嘆いているのはWATANKOだけか?)始まらないので、6日の年末年始休暇を有意義に送るための推薦図書・雑誌を本記事では紹介致します。

・・・ただし対象分野は投資ではございません。自動車関連です。あしからず。

■『間違いだらけのクルマ選び』 島下泰久著

自動車好きなら多くの人がご存知の自動車評価家の第一人者である故・徳大寺有恒氏が執筆する、新車各車について歯に衣着せぬ評価を綴った書です。

1976年の初年度より毎年度版が刊行されており、2011年からは島下泰久氏との共著になりました。2014年に徳大寺氏が逝去されると、翌年からは島下泰久氏の単著となり、現在に至っています。

自動車評論家は自動車メーカーと持ちつ持たれつの関係が伝統的に続いており、新車の紹介などは提灯記事で占められていた1970年代において、徳大寺氏がダメな車はダメとはっきりと批判を綴った自動車評論書でした。それが大ヒットにつながり現在まで続く自動車評論書の定番となっています。

同書で書かれている良い車、ダメな車が果たして自分の考えとどこまで一致するか。異なる場合はその理由は何か。その理由に客観的な説得力はあるのか。などと自動車の各モデルに対して自分がもっている知識・見識と比較してみると面白く、車選びの審美眼を養えることができる一冊です。

■『Motor Fan illustrated Volume 108 「The 後輪駆動」』 三栄書房

Motor Fanという老舗の自動車雑誌の別冊となる月刊誌です。WATANKOは気になるテーマの時だけ買って読んでいます。

テクノロジー中心の内容が多く、WATANKOはその全てを理解できませんが、たとえ理解度が半分であっても1,600円支払って買う価値があるしっかりした内容が詰まった資料性の高い雑誌です。

ここで紹介するVolume108は後輪駆動(主にFR)を徹底的に取り上げた記事が満載です。FRの設計について多角的な記事が載るだけでなく、NDロードスターとS660についても非常に気になる評論記事が載っています。ここのところだけでも読む価値があります。

なお本誌はバックナンバーもたくさん出回っております。そこで自動車に関する個別の興味あるテーマについて取り上げた号を何冊か買って読み込むことをお勧めします。それによって実際の市販モデルについての技術的な見方を深めることができるでしょう。

自動車雑誌の定番といえばCAR GRAPHICやCAR AND DRIVERあたりかもしれませんが、本誌くらい骨太なやつをじっくり読むのも良いですよ。

■『スピリット・オブ・ロードスター 広島で生まれたライトウェイトスポーツ』 池田直渡著


最後は、やはりNDロードスターに関する書籍です。本書はライトウェイトスポーツカーの歴史について触れるとともに、著者が実際にマツダのエンジニア一人一人とインタビューして収集した、NDロードスターの設計と開発における数々のエピソードをふんだんにちりばめた内容となっています。

FRの運動性を重要視した妥協無きパッケージと部品開発。軽量化に向けた執念。オーナーにとってアフォーダブルなモデルであることを忘れない姿勢。どれも胸熱な話ばかりが載っています。

NDロードスターを題材とした書籍・雑誌の中でベストといっても良いでしょう。

なお読み進めていくうちに本書は理想のロードスターの開発記録というより、理想のライトウェイトスポーツの設計についての伝道書であるとも思えてきます。

理想のクルマ作りはメーカーや時代の枠を超えて普遍であります。

2016年12月11日 (日)

ジェンソン・バトン、ニコ・ロズベルク、F1チャンピオン・ドライバー2人の印象的な引退

現在のF1ドライバーで最も速くかつ強いドライバーといえばルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、あと加えるとすればフェルナンド・アロンソでしょう。さらに彼らのひとつ前の時代であれば、多くのF1ファンはミハエル・シューマッハー、そしてキミ・ライコネンの名前を挙げることでしょう。

それでは毎年F1ワールドチャンピオンを獲得するのは、上記にあげたトップ・オブ・トップドライバーで全て占められているというとそうではありません。

毎レース勝てる、毎年チャンピオンを狙えるトップ・オブ・トップドライバー以外でも、巡ってきたチャンスを逃すことなく、これを活かしてワールド・チャンピオンになったドライバーもいます。

■ジェンソン・バトン、悔いなきF1ドライバーキャリア

20歳という異例の若さ、しかもトップチームのウィリアムズからデビューしたこの英国紳士は、ホンダ・エンジンを載せたマシンも合計8シーズンのドライブ・キャリアがあり、日系モデルの道端ジェシカとの交際もあって日本人にも比較的よく知られたF1ドライバーです。

さてF1デビューした若手の注目ドライバーの中で、チャンピンに輝く者の道程あげるとすればおおよそ次のとおりではないでしょうか。

先ず中堅チームでデビュー後、チームの実力を超えた速さ、そして結果(←ここ大事)をたたき出し、それが認められてトップチームに移籍する。引き続き結果を出し続け、ほどなくあれよと言う間に頂点に到達してしまいます。ミハエル・シューマッハー、フェルナンド・アロンソ、セバスチャン・ベッテル、皆同様です。ルイス・ハミルトンにいたってはデビュー当初からトップチームです。

世界のトップドライバーが集まるF1の世界ですが、その中でさらにトップを獲るドライバーというのは速さだけではない、勝てる、そして頂点に立てる“何か”才能のようなものを持っているのかもしません。

翻ってジェンソン・バトンですが、デビュー年は注目されたものの、その翌年から2年はベネトン/ルノーで不遇をかこいます。またBARホンダで初優勝を飾りますが、ホンダ・エンジン時代でマシンに恵まれたのはほんの2シーズンです。所属したチームの不運もありましたが、上述のチャンピオン・ドライバー達とは異なり、頂点に立てる“何か”までも持ち合わせたドライバーとは思えませんでした。「速いマシンとチャンスに恵まれればたまに優勝する」程度のトップドライバーでした。

(一応バトンの名誉のために補足しておきますが、それでも彼が出走したシーズンでは常にトップ10に名前をあげても違和感がないグレート・ドライバーであることは間違いありません。)

さらには2008年のホンダ撤退によって、個人に払下げされたお通夜のようなチームで翌年走らなければならない時、彼の周囲は悲壮感で一杯でした。

ところが翌2009年シーズン、ホンダが開発して払下げたマシンの戦闘力が他のトップ・チームを圧倒します。バトンもこの絶好のシーズンを逃すことなく、前半線で勝利数とポイントを積み重ね、後半戦は追いすがるチームメイトとのポイント差を慎重にコントロールしてワールド・チャンピオンを獲得しました。

よもやのチャンピオン獲得によってバトンのF1ドライバーとしての価値は一瞬にして最高となり、その「売り時」のタイミングを逃さずに毎年恒常的に勝利を狙えるトップチームのマクラーレンに移籍します。その後はワールド・チャンピオンの後光のもとに安定的に結果を残し、たまに優勝すれば「やはりチャンピオン・ドライバーであるバトンは頼りになる。」と評されてマクラーレンに7年もとどまることができました。

バトンは決して毎年、頂点を狙えるドライバーではありませんでしたが、上述のとおり唯一訪れた2009年のチャンスを確実にものにした以降は、チャンピオンの肩書をフル活用して、トップチームのドライバーとして充実したF1キャリアを得られました。

さながらデビュー以後パッとしない時期が続くも、たった1曲のミリオンヒットをきっかけにハクがついた演歌歌手がその後も長く、人気歌手として活躍し続けたようなものでした。


■ワールド・チャンピオンに輝き、満たされたニコ・ロズベルク

バトンと同様なトップドライバーとしてもう一人、2016年のF1ワールド・チャンピオンであるニコ・ロズベルクも取り上げておきましょう。


1982年のF1ワールドチャンピオンのケケ・ロズベルクを父にもつ彼もまたバトン同様、2006年に20歳の若さでF1デビューしました。その後5年目の2010年にメルセデスに移籍します。

ここで同チームが実力をつけてトップ・チームとなっていく過程に歩調を合わせるがごとくロズベルクも初優勝を達成、そしてチャンピオンを狙えるマシンを手に入れました。

しかしここでチームメイトになったのは天才肌のチャンピオン・ドライバーであるルイス・ハミルトン。2014年、2015年と2年連続でロズベルクはハミルトンとチャンピオンを争い、破れました。ロズベルクも相当に速いですが、やはりチームメイトは強敵すぎました。

かつてレッドブルにおいて、十分に速く、勝てるドライバーであったにもかかわらず、チームメイトのセバスチャン・ベッテルに負け続け、事実上のNo.2ドライバーになりさがってしまったマーク・ウェバーのように、ロズベルクもなってしまうのか。2年連続でハミルトンに負け続けたロズベルクにとって2016年は崖っぷちでした。

ところが2016年にはロズベルクにとって過去3カ年で最大のチャンスとなったシーズンでした。ロズベルクは序盤4連勝する一方でハミルトンはトラブルでリタイアも続きます。シーズン中盤でロズベルクはハミルトンにポイントで逆転されますが、その後再度逆転。シーズン終盤のハミルトンは5連勝して怒涛の追い上げを見せるも、ロズベルクは無理をして自滅することなく、ハミルトンに喰い下がり、シーズン序盤に築いたリードを保ち続けて初戴冠となりました。

バトンと同様に、彼にとってワールド・チャンピオンに初めて輝いた今この瞬間が、F1ドライバーのキャリアとしての頂点であり、最も褒め称えられる存在でありましょう。

ただしロズベルクがバトンと異なるのは、チャンピオンを獲得して自分のF1ドライバーとしての市場価値が最高の状態にあるにもかかわらず、バトンと同じようにその価値を活かしてF1のトップチームで走り続ける道を選ばなかったということです。

ロズベルクはチャンピオンを達成して、F1ドライバーとしてひとつの充足感に満たされてしまったのかもしれません。それでなくとも彼は既にF1を11シーズンも走っており、F1ドライバーとして十分なキャリアを築いてきました。来年以降5、6シーズンを走り続け衰えが見えてきたところで引退するよりも、チャンピオンをとった今この最高の瞬間に身を引くことで、彼のF1ドライバーとしてのキャリアは今後も色褪せることなく語られることでしょう。

彼は引退の理由として家族との時間を過ごすことをあげています。それにしばらくすればまた別のレースカテゴリーでドライバーとして新しいキャリアを築き始めるかもしれません。

F1だけがレースの世界ではない、人生の全てではない。頂点に立ったF1ドライバーが若いうちに、別のキャリアを歩み始めるという生き方。ロズベルクの電撃的な引退から、F1ドライバーの多様性をWATANKOはまたひとつ垣間見ました。

■まとめ

ジェンソン・バトン、ニコ・ロズベルク。二人のF1ドライバーに共通していることは、頂点に立てるたった1度かもしれないチャンスに出くわした時に、これを逃さず掴みどり目標を実現させたことです。

バトンはそれを自身の以降のF1キャリアに最大限活かしました。一方でロズベルクは十分な充足を得てF1を去りました。

彼らのようなトップ・アスリートでなく我々凡人であっても、人生において何度か(あるいはたった1度かもしれない)大いなるチャンスに恵まれることがあるかもしれません。

そのようなチャンスを逃さず掴み取ることができれば、それ以外の局面で多少のヘタを打ったとしても、十分に幸せな人生かもしれません。

F1ドライバーとして光り輝くひと時を手に入れたジェンソン・バトン、そしてニコ・ロズベルク。それぞれたった一度のチャンピオンであったとしても、それは素晴らしく光り輝く印象的なレース人生であったとして、振り返るに値するでしょう。

2016年11月 3日 (木)

フィアットよ、アバルト124スパイダーできたか

Img_21

フィアットWebSiteより)


WATANKOが住む地方都市にあるフィアットのディーラーが店舗を市内で移転しました。
そこで新しく建てられたビルの1階に構えられた新店舗を覗きに行ってきました。店内にはフィアット500系やクライスラーのレネゲードなどが展示されていましたが、WATANKOの一番の興味はアバルト124スパイダーです。

ロードスターに関心ある車好きであれば、マツダのこの軽量2シーターオープンカーのシャシーがイタリアのフィアットに供給され姉妹モデルが開発、発売されたことはご存じでしょう。

関連記事
フィアット124スパイダー登場。その価値がわかるイタリアンよ、とくと堪能あれ(2015/11/27)

(続)フィアット124スパイダー登場。その価値がわかるイタリアンよ、とくと堪能あれ(2015/11/28)

■ロードスターとの競合を避けたマーティング

イタリア本国で発表されたのは、欧州ではとても知名度が高い往年モデルと同じフィアット124スパイダーの名前を冠したモデルでした。デザインは昔の124スパイダーのディテールがちりばめられています。

しかしこの124スパイダーをそのまま日本で販売しても本家のロードスター相手に真っ向から競合することになります。

そこでフィアットはロードスターとのバッティングを回避するために、エンジンパワーが明らかに上で、よりアグレッシブな仕立てとしたアバルトというペットネームのモデルを送り込んできました。価格と比べてみると次のとおりです。

ロードスター         2,495~3,197千円
アバルト124スパイダー 3,888~3,996千円

トップグレード同士で比べると124スパイダーの方が800千円、25%高。これは約40馬力、10kgのモアパワー&トルク、ちょっと豪華な内装の仕立て、そしてアバルトというブランドに見合うかどうかは微妙なところです。

ただし欧州での販売価格(例:29,565ポンド×134円=3,962千円)と比べて大きな差はなく、インフラコストが高い日本で上述の値付けとしたのは頑張っていると言えます。

参照記事
こだわり輸入車のコアカーズ
【並行輸入車】アバルト 124スパイダーを徹底解説。お好みの仕様で並行輸入します。

フィアットはこうしてロードスターとはキャラクターと仕様、価格帯が異なるマーケティングを展開してきました。

■実車はとてもアグレッシブなモデルに見える

冒頭で述べたとおり、WATANKOは地元ディーラーで124スパイダーを拝見しました。

NDロードスターに比べて、124スパイダーはサイズも大きく、特にヘリテージルックと呼ばれるボンネットをブラックに装飾された仕様は想像以上にアグレッシブな印象でした。ヘッドライトのデザインはクラシカルですがわかりやすく、万人受けしやすいカッコ良さをもっています。

NDロードスターにモアパワーを求める潜在購入層に対して、124スパイダーはそれなりの訴求力があるでしょう。

一方でロードスターよりも車両重量は1割増え、リアのオーバーハングも伸びている124スパイダーはライトウェイトスポーツの精神においてはロードスターよりも後退しているのも事実です。

オープンスポーツドライビングに関して、ライトウェイトのキビキビとした走りとパワフルなツーリング、どちらの+αを求めるかによってこの2モデルの間での選択はおのずと答えがでてくることでしょう。

■“洋魂和才”なモデルがもっと増えてほしい

イタリアの自動車メーカーはこれまで色々な合併統合を繰り返して現在フィアット1社が残っています。そのような経緯があってフィアットには色々なブランドや馴染みのあるモデル名があります。フィアット以外にもアルファロメオ、ランチア、マセラティ、クライスラー、フェラーリなど等。そしてアバルト124スパイダーというブランド&モデルもそれらの一部です。

フィアットはこういったブランドの扱いが実にうまいです。例えばアルファロメオにおいてジュリエッタ、ジュリアという往年の魅力的なモデル名をうまく使ってニューモデルを発売しています。

昨今はロードスターが、NDを発売してオープンカーの魅力を再び訴求し始めています。そこに乗じてフィアットはマツダの優れたシャシーをつかって自社のスポーツドライビングを提案してきました。

日本の自動車エンジニアリングを活用して、自社のブランドを上手に展開する。フィアットだけでなく、こうした和魂洋才ならぬ“洋魂和才”なモデルがもっと増えると自動車の世界は広がりをみせていきます。

これからも日本のメーカーの優れた製品開発技術、高品質を活かした海外メーカーのモデル展開を期待したいものです。

【2016/11/4追記】
ロードスター(ただし2.0Lモデル)とアバルト124スパイダーの海外比較試乗記事を紹介しておきます。
参考になると思います。

海外自動車試乗レポート
アバルト 124スパイダー vs マツダ MX-5 2.0: 比較試乗


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