損害保険が満期を迎える-30年間も同じ商品に積み立て投資
(JAの損害保険が満期を迎えました。)
先日、WATANKO家の無リスク資産について紹介しました。その際に無リスク資産には複数の不動産にそれぞれ掛けている損害保険の解約した際の保険料の戻り金を含めていました。
さてそれら損害保険のうちの一つが途中解約することなく無事満期を迎え、保険料が支払われました。
■今回満期を迎えた損害保険
WATANKOが所有不動産に掛けている損害保険は今のところ全てJA建物更生共済(以下、JA建更)という商品であります。これは貯蓄と保険の2つの側面をもっており、毎年の支払保険料のうち保険部分は確定申告にて損金に算入できる純然たる保険コスト部分です。一方で貯蓄部分は満期まで運用する資産となります。
今回、満期を迎えたJA建更は、小規模な飲食店舗を対象に付保したものであり、そのあらましは次のとおりでした。
●保険期間:30年間
●保険料:60,600円/年。内、積立分45,000円、保険分15,600円
●満期保険金:3,000,000円
積立分45,000円/年を30年間支払い続けて満期保険金3,000,000円を受け取ったわけです。
ネット証券の複利計算のツールで計算すると年間利回り4.8%です。一方の30年間の平均インフレ率は0.5%台なのでNET利回りは4%超なので、確定利回り商品としてはなかなかでありました。
■30年間も積立支払いを継続できるか
さて今から30年前となると、WATANKOは大学浪人中であり、高田馬場にある予備校に通っていました。その当時、WATANKOの父が飲食店舗を建てて賃貸を始めたのと同時に今回の保険を掛け始めたわけです。
その保険期間のおよそ半分を過ぎた2001年頃にWATANKOが実質的に引き継ぎ、以降満期30年間を迎えるまで解約せずにずっと積み立て支払いを続けてきました。
この間にWATANKOは大学を卒業し、就職し、結婚して2児の父となり、家を建て、車を8台買いました。
解約をしようと思えばいつでも可能でした。にもかかわらず保険部分があったからといえ、よくも30年間も保険料の積立支払いを続けられたものです。
もしもこれが完全に自律的な投資信託の積み立て投資であったならば30年間、同じ商品を買い続けることができたでしょうか。太鼓判をもってそう言い切れる人がわんさかといるでしょうか。WATANKO自身はちょっと自信がありません。
■一定期間積み立てる契約スキームに資金を放り込む
ここで言いたいことは、WATANKO自身の忍耐力の自画自賛ではありません。保険あるいは何がしかの契約スキームをもってお金を積み立てる仕組みは、それなりに有用だということです。
そのようなお金を積み立てる仕組みは、一度スタートすれば例え途中で解約ができるといっても心理的な抵抗が生じます。なぜなら満期まで積み立てして始めて得られるメリットが、途中解約によってかなり減殺されてしまうことが多いからです。これを資金の流動性が損なわれるとしてデメリットと捉える向きもあるかもしれませんが、やはりここは積み立てを継続し易いことに目を向けるべきでしょう。
世の中、「保険」や「定期預金」といった満期になるまで積み立てる又は資金を預けておくという金融商品の人気は根強いです。中にはたいしたリターンが期待できないといって軽んじる人もいるかもしれません。(その意見にも賛同はします。)しかし今や日本人の3割が貯蓄ゼロといわれる中、これらの商品の存在意義はまだまだ大きいといえます。
世界経済の長期的な成長を期待して、そこに投資することは価値ある経済行動ですが、一方でそれ以前に種銭をしっかり貯めることを忘れずにいたいものです。
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