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2017年3月11日 (土)

【追記あり】セゾン投信の2ファンドが信託報酬を引き下げましたが、ただのプロモーションどまりではないか

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(セゾン投信はずっと保有しています)


ローコストな直販投信の運用会社として、今や老舗とも言えるセゾン投信が、この度、自社商品の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」(以下、セゾン・バンガード)と「セゾン資産形成の達人ファンド」(以下、資産形成の達人)の2つのファンドの信託報酬を引き下げました。

セゾン投信 2本のファンド 運用管理費(信託報酬)引き下げのお知らせ

2つのファンドのうち、セゾン・バンガードはこれまで投資対象となるバンガードETFの経費率の引き下げ分を反映させて、信託報酬を引き下げてきた過去がありました。

これに対して今回はセゾン投信自身が受け取る信託報酬分について削減してきたわけです。

この引き下げについて、「純資産が拡大すれば信託報酬を引き下げる」と喧伝されてきたことが実現したこと、セゾン投信が先に発表したフィデューシャリー宣言に沿った行動であることなどから個人投資家ブロガーの皆さんの反応は概ね良好です。

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しかし現実を言わせてもらえば、今回の信託報酬の引き下げは率にして0.01%、つまり1bpと小幅です。これは「引き下げ」とうたってはいるも、失笑する個人投資家がいるかもしれない、本当に最低限のレベルです。

どれくらい最低限かというと、例えばWATANKOの場合、保有するセゾン・バンガードの残高は3月10日現在で5,981千円です。これに対して信託報酬の引き下げ1bpは598円です。これは1年間でわずかビール中ジョッキ一杯分の値段にすぎません。

個人投資家にとって今回の信託報酬の引き下げは、あまりに小幅であるため運用成果の面ではメリットがあるとは言い難いです。(全くゼロだとまでは言いませんが。)

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投信のコスト革命が進む中、セゾン投信はこれまで信託報酬の引き下げに対する動きは鈍かったです。

セゾン投信の中野社長は様々な媒体を通じて長期投資や分散投資の意義、コストの重要性など個人投資家の啓蒙に繋がる情報発信を何年にもわたって行ってきました。他の個人投資家と同様、WATANKOMもそれは素晴らしいことだと思います。

その成果もあってかセゾン投信の2ファンドの純資産は順調な伸びを表し、セゾン・バンガードは「投信ブロガーが選ぶ!Funds of the Year」でランキング常連になっています。

WATANKOからみれば、セゾン投信を知る個人投資家にとって、上述の2ファンドのバリューはもう十分に浸透しており、それは純資産の伸びという形で現れています。

したがいセゾン投資は、それでもあえてコスト競争力につきあう必要が果たしてあったのでしょうか。

しかも現実には信託報酬の引き下げ幅は1bpであり、「近年の投信のコスト革命の潮流の中にあって、セゾン投信も信託報酬の引き下げに関心を持っています。」というアピールをした程度にすぎません。そこに見える光景はただの宣伝の域を出ません。

セゾン・バンガード、資産形成の達人の2ファンドをあわせて純資産は1,700億円あまりですから1bpは17百万円です。今回の引き下げは、すなわち17百万円の費用をかけたプロモーションであるわけです。

今回の件は、掛け値なしにいってそのくらいの話ではないかと市井の個人投資家はとらえました。

【2017/3/12追記】

本件の参考として、興味深いツイートを拝見しました。

WATANKOは、信託報酬のうち、委託会社(セゾン投信)の取り分0.249%から0.01ポイント差し引くので、営業収益比4%にとどまり、負担はそれほどでもないかと思いましたが、財務諸表をしっかりとチェックしておくべきでした。

セゾン投信 投資家の皆様へ 平成28年3月期 決算報告

菟道りんたろうさんの指摘どおり、今回の信託報酬の引き下げがセゾン投信の財務規模に比して負担が大きいのであれば、WATANKOはやはりその英断を称えるというよりも、引き下げ実施には慎重になるべきであったといわざるを得ません。

ちなみに決算書をみると営業収益が伸びていますが、同時に営業費用・一般管理費もほぼ同率で増えています。この傾向が今後も続くのならば、セゾン投信の手元に残るのは何時まで経っても薄利にとどまります。このあたりもちょっと気になりました。

2016年11月13日 (日)

バランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資【Refrain 2016】

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(バランスファンドのメリットをとことん活かしましょう)


さてインデックス投資を実践する個人投資家の皆さんの中には単一アセット商品を自分で買いそろえてポートフォリオを構築する方もいれば、リバランスいらずのバランスファンドをメインに据える(+人によっては多少の単一アセット商品で補完する)方もいます。

昔のように低廉なバランスファンドがまだ少ない時代であれば、前者のケースをとる人が多かったかもしれません。しかしながら今現在においては安くて様々なタイプのバランスファンドが揃ってきたことによって、なかには自分の思い描くアセットアロケーションにかなり合致した商品を選ぶことが出来るようになり、後者のケースも増えてきているかもしれません。

そこでこれから始めるバランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資を改めて提案してみたいと思います。

1.バランスファンド1本を積み立て投資

まず今後の積み立て投資を行うにあたって、その時点で売られているバランスファンドの中から、現在の自分にとって採択したいアセットアロケーションに一番近い商品を1本だけ選択し、積み立て投資を行います。

2.より理想的な新商品が発売されれば積み立て先を切り替え

積み立て投資を継続する過程で自分にとって、より理想的なアセットアロケーション、あるいは積み立てしている商品に比べて大幅に低廉なバランスファンドが新発売されたら、積み立て投資先を躊躇なくそちらに切り替えます。一方で積み立てしてきた既存バランスファンドはそのまま保有します。

資産取り崩しステージになったら、あるいは途中で資金需要が発生したら、古いバランスファンド(その時点の自分が採択しているアセットアロケーションとの乖離が一番大きい)から売却します。

例えばその昔、セゾン・グローバル・バランスファンドを選び、そのうち世界経済インデックスファンドが発売されると、債券も含め新興国投資を重視してこちらの乗り換えを行う。さらにはREITへの分散を図りSMTインデックスバランス・オープンへ新たに乗り換えるとったイメージです。

この場合は分散投資をより徹底させたいという方針のもと、伝統4資産から新興国やREITへの分散を強めた商品が発売されればそちらに乗り換える指向をもっており、これに沿った積み立て先の切り替えです。

3.年1回の検討結果で切り替えても良い

また新商品のバランスファンドが発売されなくとも、年1回定期的にこの先1年間の自分の望むアセットアロケーションを再確認し、場合によっては別の既存バランスファンドに乗り換えるという手法もあるでしょう。

例えば、若い頃は株式アセットの長期的成長に主眼をおいてeMAXIS全世界株式インデックスを積み立てしてきましたが、壮年期を迎えてリスクを抑えたくなり世界経済インデックスファンド(債券シフト型)に切り替えるといったケースです。

このようにその時々で自分にとってベストなバランスファンドを1本選び、これに積み立て投資する。より自分にマッチした新商品が発売されれば、あるいは年月を経て自分のアセットアロケーションに変更が生じたら、躊躇なく切り替えるとうシンプルなバランスファンドによるインデックス投資です。

ここで強調しておきますが、これ以外の余計なことは一切せずにひたすらバランスファンドの利点を最大限活かすことがキモであります。なにか余計なことをしてしまうともうそれでもってバランスファンドを選んだ意義が薄れてしまいます。

(まとめ)

●今の自分に一番合うバランスファンドを1つ決めて積み立て投資する。
●新商品の発売やアセットアロケーションの考え方の変更に伴い、積み立て先を躊躇なく変更する。
●過去の保有商品はそのまま保有。資金需要があれば古い商品から売却する。

バランスファンドに関心が高い個人投資家の皆様におかれまして、以上のとおりこの駄ブログからバランスファンドを活用したシンプル投資法を謹んで上奏致します。


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もしもWATANKOが子ども達に長期保有を前提として金融商品を進めるとしたら、迷わず低廉なバランスファンドを選びます。どーんと買わせて後はひたすらほったらかしでOK。その間に以下のような図書でも読んで、金融リテラシーを涵養してもらいたいです。


さて、これにて2016年のRefrainはおわりです。次回よりこの駄ブログは平常運転に戻ります。

2015年8月28日 (金)

バランスファンドはその便益を最大限活かす使い方をしましょう

【8月26日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

66,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

29,561千円

■損益率

44.8%

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(せっかくバランスファンドを選んだのだから)

WATANKOは免許を取得して以来、他人が運転する車に同乗させてもらう時、僭越ではありますがそのドライバーの運転を観察することが多いです。たとえそれがタクシーであっても取引先が用意してくれた車であっても、そのドライバーから学べる技能はないかと運転する様子をつい覗いてしまいます。

そんな中にあってこれまで見つけた特徴的な傾向のひとつとして、オートマチックトランスミッション(以下AT)の操作において、車が停止するたびにP又はNレンジに入れたり、ちょっと長い坂道を下るたびにDレンジからひとつ下のレンジに入れるという操作をする人をみかけることがあります。

ATは面倒なクラッチ断続とギア入れ替え操作を省くことができる自動車の機能です。それが信号待ちのたびにわざわざP又はNレンジに入れて、発進時にまたDレンジに入れる。たいした長くもない下り坂を進む際にブレーキの負担を減らすためか、わざわざDレンジから、エンジンブレーキがより効きやすい一つ下のレンジに入れる。クラッチ断続とギア入れ替え操作を省くことができるAT車を運転しているのに、なぜこのような面倒な操作をわざわざするのでしょうか。

停車時にATをいたわりたいという理由でわざわざP又はNレンジに入れるというのならば、レンジの切り替えを煩雑にする方がよっぽどATにとって機械的な負担となります。あるいは数十年前のATが普及し始めた頃ならともかく、現代のATであればそれくらいのことをしても機械的な負担とはならないかもしれませんが、一方でレンジをわざわざ切り替えてもATをいたわる効果はまた限りなくゼロに近いでしょう。

山岳地域の十数キロも続く下り道を走るならともかく、郊外のたいした長くもないちょっとした下り坂で、いちいちブレーキのフェードを心配してその負担を軽減させるべく一つ下のレンジに切り替えるというのは大げさであります。ディスクブレーキが普及している現在の車ではその程度の下り坂でブレーキがフェードするなどというのは、まず心配の必要はありません。フットブレーキを積極的に使って問題はないでしょう。

AT車を運転している以上、ATがもたらす便益を最大限利用することがAT車の存在意義でもあります。それをわざわざ損なってしまう行動を繁雑に行うドライバーをみかけると、この人、実はマニュアル車を運転したいのかと思ってしまいます。

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<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(以降、ニッセイ4資産均等型)の登場によって、インデックス投資家の皆さんの間でバランスファンドがまたぞろ話題にとりあげられております。

さてこのバランスファンドを用いたポートフォリオの組成と管理(リバランス)を行う場合、バランスファンドの便益を最大限利用するという視点からみて、それをどう取り扱うべきでしょうか。

バランスファンドの最大の便益は、それを構成するアセット間の各商品を個別に買い揃える手間を省けることと、アセット間のリバランスを自動でやってくれるところにあります。購入者はその手間賃として、個別アセットのバラ買いの加重平均よりも、すこしばかり多く信託報酬を支払っていることになります。

(ニッセイ4資産均等型のように、バラ買いよりもわずかではありますが、上記とは逆に安い信託報酬を設定しているバランスファンドもあります。ただし一方でこのように商品・サービスの世界では一般的にはセット販売にして相応の分量を買ってもらえるならば、割安な価格設定にするのは当たり前という見方もあります。)

ところがせっかくバランスファンドを買って手間いらずのポートフォリオを手に入れたにもかかわらず、そこにまたいくつかの個別アセットクラスの商品を付け足ししてポートフォリオのカスタマイズを進めてしまう。それをやればやるほど(多くの場合、バラ買いよりも割高である)バランスファンドをわざわざ買っている意義が薄れてしまうのではないでしょうか。

バランスファンドを買う目的は手間省きです。しかしながらここに更に複数のアセットをトッピングするのであれば、それらとバランスファンドとの間でのリバランスの手間が必要になります。どうせ手間がかかるくらいなら、最初から全てバラ買いした方が割安になるケースが多く、手間をかけた分のメリットはあるでしょう。

またバランスファンドを複数買って、それらを複合させて自分の希望に精緻に合致したポートフォリオを作りたいと考える方もいるかもしれませんが、これもそのポートフォリオを維持するために複数のバランスファンドの間でのリバランスという複雑面倒な作業が待っています。

「バランスファンドAの先進国株式25%とバランスファンドBの先進国株式10%の合計35%が私の求める配分だ」というならば、最初から先進国株式アセット商品を35%買えばよいのではないでしょうか。

さらには将来、アセットアロケーションを変更したい時にもバラ買いオンリーの方がそれを実行しやすいでしょう。複数のバランスファンドでポートフォリオを組成した場合、これを変えるとなればバランスファンド間での複雑なリバランスが必要になります。

またはバランスファンドは株式50:債券50でも時価総額比率でも、GDP比率でも、均等配分でも、新興国が含まれていてもいなくても、REITが含まれていてもいなくても、為替ヘッジがあってもなくてもどれが一番成績が良いかということは当てることができません。それは自分でわざわざ組成したポートフォリオであっても同様であります。

であるならば、バランスファンド+複数の個別アセットあるいは複数のバランスファンドでわざわざ自分なりのポートフォリオをつくり、これを維持する手間をかけるよりも、販売されているバランスファンドの中から自分のとって一番しっくりくる商品を一つだけ選び、手間いらずのバランスファンドの便益を最大限享受した方が良いのではないでしょうか。

その意味において、できるだけ低い信託報酬でもって多様でアセットアロケーションのバランスファンドが販売されることは歓迎すべき展開であります。

WATANKOがインデックス投資を始めた2008年頃は低廉なバランスファンドはセゾン・バンガード・グローバル・バランスファンドをはじめとして3~4商品くらいしかありませんでした。

それが今や2から8資産に分散、ヘッジ有り、配分基準も色々かつ低廉なバランスファンドが十数商品も揃っています。今後も新規商品の登場が期待できるでしょう。良い時代になりました。

参照記事
ノーロード投資信託 徹底ガイド
バランス型のノーロード投資信託を一覧で紹介


どうしてもバランスファンドひとつでは満足できないとう御仁であれば、個別アセットクラスの商品をひとつだけ追加するくらいであれば、その商品とのリバランスだけを行えばよいのでバランスファンドの手間いらずという便益が損なわれることは少ないかもしれませんが、せいぜいそこまでと考えます。

WATANKOはかつてインデックス投資を始めた頃、セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンドをはじめ3つのバランスファンドを試験的に同時購入していましたが、現在、セゾン以外は売却しました。それはバラ買いによるポートフォリオ組成の柔軟さを選んだからであります。

セゾンを残しているのはバラ買いとの比較ベンチマークとして、そして将来、子ども達に推奨しえるバランスファンドであるか見定める意味で保有しており、メインのポートフォリオの組成に役立てようというわけではありません。

上述したように今や色々な種類の低廉なバランスファンドが揃ってきました。どれも魅力的にみえてつい目移りしてしまい、あれもこれも選びがちになる気持ちもよくわかります。しかしながら資産運用のビークルとしてバランスファンドを選ぶ意義を見失うことなく、上手に活用したいものです。


2015年8月24日 (月)

バランスファンドはどんどん出てきてほしい。ただし低コストで

【8月21日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

66,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

35,407千円

■損益率

53.6%

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(地味に低廉なインデックス投信のチャンピオン、ニッセイアセットマネジメント)

各アセットクラスのローコストな商品でもってインデックス投資を試みる個人投資家の間では、ファンドの信託報酬についての関心が高く、個別アセットでもバランスファンドでも既存の商品をコストで下回る商品が新規発売されるときはほぼ必ずといってよいほど話題にあがります。

ここ2~3年くらいは、その話題は常にニッセイアセットマネジメントによってもたらされてり、インデックス投資家の皆様におかれましては廉価な商品を求めた結果、気がつけば積み立て商品のほとんどがニッセイのファンドになってはいませんでしょうか。

さてそのニッセイより今度はバランスファンドである<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(以降、ニッセイ4資産均等型)が8月27日から発売されます。

その内容を一言でいえば日本株式、日本債券、先進国株式、先進国債券のいわゆる伝統4資産のインデックスに連動し、信託報酬が0.34%(税抜)と大変廉価なバランスファンドです。

詳しい内容については、これが取りあげられたブログ記事をひとつ紹介します。

参照記事
インデックス投資日記@川崎
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)が信託報酬0.34%で新登場

同業他社も同じような個別アセットの商品展開のあとを追う形でバランスファンドを1つないし複数発売していましたから、ニッセイのこの展開にも違和感はありません。

ちなみに伝統4資産の均等保有のポートフォリオについて、my INDEXで調べてみるとリターン6.1%、リスクは9.8%、シャープレシオ0.62でした。債券が半分含まれているとさすがにリスクは低いです。

ただ自分の組成したアセットアロケーションとはマッチングがよくないとか、そうでなくとも6~8資産へ分散投資するバランスファンドが多くある中で今どき伝統4資産だけでは不満だとか、日本債券部分が別途保有する無リスク資産と被るとか、普段から外債不要論を支持している身としては悩ましいとか、個人投資家の皆様の中にはなにかと素直に受け入れられないところもあるでしょう。

しかしながらこうしたバランスファンドがこれからもたくさん出てくれることは是非期待したいです。

多くのバランスファンドがでてくれれば、その中にうまく自分が想い描くポートフォリオとドンピシャとまではいかないまでも、ニアイコールな内容のバランスファンドが見つかるかもしれません。そうなればしめたものです。

また売り手からみれば、バランスファンドの組み合わせはいろいろ考えられるので、4階建てのアクティブファンドよりも商品設計と展開は容易でありましょう。

さらにはバランスファンドを買ってもらうことで、個別アセットの商品よりも購入額が多くなり、囲い込みが期待できます。

たとえば従前、日本株式はA社、先進国株式はB社、新興国株式はC社とバラ買いされていたものが、3つのアセットで組成されるA社のバランスファンドを選んでもらうことで、A社はB社、C社のシェアを喰えるわけであります。

ただし個別アセットと同様に、こうしたバランスファンドの商品展開上、欠かせないのがやはりコストであります。今回もしニッセイ4資産均等型が例えば信託報酬0.6%で発売されたとしたら、あまり着目されなかったかもしれません。

ひょっとして純資産が伸び悩んでいるi-mizuhoもまたバランスファンドを企画中かもしれませんが、信託報酬に割安感がなければ、個別アセット商品だけでなくバランスファンドもまた見向きもされないでしょう。


2014年11月22日 (土)

バランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資

【11月21日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

33,539千円

■損益率

56.0%

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(アセットも通貨もバランスよく持ちたいですね。)

三井住友トラスト・アセットマネジメントからSMTシリーズの新しいバランスファンドが発売されました。すでに多くのインデックス投資ブログや関連サイトで紹介と感想が載せられております。

新興国リートが含まれた9資産に分散投資するSMTインデックスバランス・オープン。分散投資にますます拍車をかけた最新バランスファンドであります。このバランスファンドを信託報酬0.5%(税抜)にて購入できるとは素晴らしいです。今頃eMAXISシリーズの担当者も、新興国リートを入れたバランスファンドを企画しているかもしれません。

WATANKOがインデックス投資を始めた2008年頃は、信託報酬が1%未満で買う気にさせてくれるバランスファンドといえばセゾン・グローバル・バランスファンド、マネックス資産設計ファンド、SBI資産設計オープン(すご6)、グローバル・インデックス・バランスファンド(投資生活)ぐらいしかありませんでした。

あれから6年が経ち、それが今や伝統4資産はもちろんのこと、新興国アセットの有無、REITの有無、時価総額や均等配分など様々なポリシーに基づくアセットアロケーションといった多くの切り口から選ぶことができるバランスファンドが出揃う時代になりました。特に後発商品ほど信託報酬が低いケースが多く、まさに歓迎すべきところです。

今や1%未満の低廉な信託報酬水準のバランス・ファンドは以下サイトによると16本もあります。

参照サイト:
ノーロード投資信託 徹底ガイド
バランス型ファンドの信託報酬と特徴


また今般ではNISA向け推奨商品として、リスクを抑えつつもある程度のリターンを狙うという文脈でもってバランスファンドが着目されているため、今後も更に新商品が出てくることが期待できそうです。

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さてインデックス投資を実践する個人投資家の皆さんの中には単一アセット商品を自分で買いそろえてポートフォリオを構築する方もいれば、リバランスいらずのバランスファンドをメインに据える(+多少の単一アセット商品で補完)方もいます。

昔のように低廉なバランスファンドがまだ少ない時代であれば、前者のケースをとる人が多かったかもしれませんが、今現在においてはここまでバランスファンドの商品が揃ってきたことによって、なかには自分の思い描くアセットアロケーションにかなり合致した商品を選ぶことが出来るようになり、後者のケースも増えてきているかもしれません。さらにここにNISAをきっかけとして分散投資を始める方がとっつきやすいケース、インデックス投資を長らく実践してきた方がさらに投資の省力化を志向するケースなども含まれてくるでしょうか。

ここでこれから始めるバランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資を改めて提案してみたいと思います。

1.バランスファンド1本を積み立て投資

まず昔のこと(現在まで保有してきた商品群)は一切忘れます。そのうえで今後の積み立て投資を行うにあたって、その時点で売られているバランスファンドの中から、現在の自分にとって採択したいアセットアロケーションに一番近い商品を1本だけ選択し、積み立て投資を行います。

昔のことを一切忘れるのは、今後の投資先の判断にあたって過去の結果に引きずられるべきではないとする「買値にこだわるな」の精神です。

2.より理想的な新商品が発売されれば積み立て先を切り替え

積み立て投資を継続する過程で自分にとってより理想的なアセットアロケーションのバランスファンドが新発売されたら、積み立て投資先を躊躇なくそちらに切り替えます。一方で積み立てしてきた既存バランスファンドはそのまま保有します。資産取り崩しステージになったら、あるいは途中で資金需要が発生したら、古いバランスファンド(その時点の自分が採択しているアセットアロケーションとの乖離が一番大きい)から売却します。

例えばその昔、セゾン・グローバル・バランスファンドを選び、そのうち世界経済インデックスファンドが発売されると、債券も含め新興国投資を重視してこちらの乗り換えし、さらには今般、REITへの分散を図りSMTインデックスバランス・オープンへ新たに乗り換えるとったイメージです。

この場合は分散投資をより徹底させたいという方針のもと、伝統4資産から新興国やREITへの分散を強めた商品が発売されればそちらに乗り換える指向をもっており、これに沿った積み立て先の切り替えです。

3.年1回の検討結果で切り替えても良い

また新商品のバランスファンドが発売されなくとも、年1回定期的にこの先1年間の自分の望むアセットアロケーションを再確認し、場合によっては別の既存バランスファンドに乗り換えるという手法もあるでしょう。

例えば、若い頃は株式アセットの長期的成長に主眼をおいてeMAXIS全世界株式インデックスを積み立てしてきましたが、壮年期を迎えてリスクを抑えたくなり世界経済インデックスファンド(債券シフト型)に切り替えるといったケースです。

このようにその時々で自分にとってベストなバランスファンドを1本選び、これに積み立て投資する。より自分にマッチした新商品が発売されれば、あるいは年月を経て自分のアセットアロケーションに変更が生じたら、躊躇なく切り替えるとうシンプルなバランスファンドによるインデックス投資です。

ここで強調しておきますが、これ以外の余計なことは一切せずにひたすらバランスファンドの利点を最大限活かすことがキモであります。なにか余計なことをしてしまうともうそれでもってバランスファンドを選んだ意義が薄れてしまいます。

あと、この方法を推奨する背景をひとつ補足すれば現在、単一のアセットについては日本、先進国、新興国の株式/債券/REITクラスのインデックス投信がそれぞれ出揃った状況です。今後はさらに新しい単一アセットを用いた低廉なインデックス投信の発売がどれだけ期待できるでしょうか。様々な地域の中小株式?、コモディティ?あるいは新しいインデックスに連動する商品が増えるのでしょうか。

こうしてみると単一アセットについては一定の「出揃った感」がある一方で、バランスファンドはその組み合わせによっては、まだまだ商品展開が期待できます。今は自分にピッタリのバランスファンドがなくとも1年後はわかりません。(1年前にSMTインデックスバランス・オープンの登場を予想できたでしょうか。)この手法を採りやすい環境が今後ますます整うことが期待できるのが推奨する背景です。


(まとめ)

●今の自分に一番合うバランスファンドを1つ決めて積み立て投資する。

●新商品の発売やアセットアロケーションの考え方の変更に伴い、積み立て先を躊躇なく変更する。

●過去の保有商品はそのまま保有。資金需要があれば古い商品から売却する。


バランスファンドに関心が高い個人投資家の皆様におかれまして、以上のとおりこの駄ブログからバランスファンドを活用したシンプル投資を謹んで上奏申しあげます。

2010年3月30日 (火)

(続)ファンド・オブ・ファンズの使い道

(前日からのつづきです)

FOFの追憶をひとつ。

2年ちょっと前、資産運用を始めようかとウロウロし始めたころ、勤務先の近くにある野村證券の支店にふらっと行ってみたことがあります。

窓口に出てきてくれた紳士に資産運用を始めたいんだけど、何からやったらいいかと相談したら、しれっとラップファンドを薦められました。信託報酬は当該ファンド自体の分と買い付けるファンドの分とをあわせて確か2.2%くらいだったかと記憶しています。それに販売手数料3.15%...。

インデックスファンドに出会う前でしたが、全く投資シロウトの私にとってもこの負担にはとても耐えられないと思い、「あの、初心者なんで最初は国債から始めてみようかなと...」と話したら、国債の案内資料を郵送してくれるそうなので喜んで住所連絡先を教えました。

...2年たった現在も、国債の案内資料は我が家には届いておりません。

...待っています。野村證券さん(笑)


本題です。

私がFOFを体験購入し続ける理由

遠くない将来、自分の子供たちに対して、毎年少しずつ贈与をはじめたいと考えています。その贈与した資金の一部をもって子供名義で投信を積立購入させていきたいと考えています。そのミッションを託せるファンドを見極めたいのです。

現在のところ、最右翼はセゾンです。対抗馬は自分としてはポートフォリオが気にいっている世界経済です。投資生活もアセットアロケーションがシンプルで、かつ信託報酬も最安値であるし、悪くはないのですが、純資産が少なく、野村がネットビジネス対してフラフラしているため不安です。

純資産の観点からは世界経済も心配ですが、これを構成するSTAMシリーズを住信AMが自前で揃えているから安泰な気がします。(危険か?)

また今後、eMAXISが現存の個別ファンドを組み合わせてFOFを販売した場合もみのがせません。おそらくeMAXISのコンセプトからして信託報酬は低いだろうし、アセットアロケーション次第では興味がわきます。ちょっと予想してみます。

(A)日本株式・債券、先進国株式・債券に4等分というオーソドックスなパターン

⇒初心者を悩ませないFOFの王道

(B)日本、先進国、新興国を時価総額割合(あるいは別の基準)にて構成するワールド株式

⇒あとは各人の分散ポリシーに応じて債券やREITをお好きなだけどうぞという感じでしょうか。

昨今はインデックス投資家の間での外債の重み付けがまちまちだから、(B)はコアとなるFOFとして結構人気でるかもしれません。ま、それも信託報酬次第ですが。

信託報酬0.5%代後半でeMAXISのFOFが出たら貴方は買いますか?


2010年3月29日 (月)

ファンド・オブ・ファンズの使い道

ファンド・オブ・ファンズ(以下FOF)は便利ですね。幕の内弁当みたいです。これ買っておけば安心。

*セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(以下セゾン)

*SBI資産設計オープン(以下すご6)

*世界経済インデックスファンド(以下世界経済)

*ジョインベスト・グローバル・バランス・ファンド(以下投資生活)

など信託報酬が比較的安い商品が目白押しです。そして一番ありがたいと思うのはリバランスを自動的にやってくれることじゃあないかと思っています。(これすごく重要。ラクですよ。おまかせリバランスのために信託報酬0.1%余計に払っても良いと私は思います。自分でやったら効率良くできなくて0.1%以上のなんらかのロスがでそう。)

でも私のようなお手軽インデックス投資家でさえもFOFだけでの資産運用はさすがに退屈すぎます。私ですら自分なりのこだわりや合理的判断をもとにしたセットアロケーションを実行してみたいです。また時月をへてアセットアロケーションを変更したくなったとき、FOFが足枷になるやもしれません。

しかしながらFOFを積立し続けるとどのような結果になるのか? モニタリングし続けたい気持ちもまだあるので、セゾンだけは積立継続しています。

もっと具体的に言えば、セゾンの場合、債券が50%も含まれていてどれくらいトータルで利回りがでるのかといった疑問に対して、身銭を切って体験・実感してみたいのです。

私はかつてセゾンだけでなくすご6、投資生活の計3本を積立投資していました。(すご6、投資生活は今も保有中)その中からセゾンを残した大きな理由は、実は手続きがWebサイトでは出来なくて書面のやりとりが必要で面倒だったからです。(なさけない理由ですみませんが)他の2本はWebサイトで簡単に手続きできるため、逆にそれが誘因となり、サクッと積立中止を手続きしてしまいました。(すご6については、STAMシリーズを個別購入するようになり、同商品を平行して積立し続ける意義も薄れたという事情もあります。)

実はさらにセゾンを体験購入し続ける先の向こうには、もうひとつのミッションがあります。

(つづく)

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