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2018年11月13日 (火)

投資先の分析-企業業績は連結当期純利益でみるにかぎる【Refrain2018】

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(企業の経理部の方にとっては釈迦に説法なので、スキップしてください。)

3月決算会社の第2四半期決算が出揃ったところで、株式投資をされる方々は特定の企業について、株を買うべきか、あるいは保有している株を継続するか売るべきかという検討・判断のために業績の分析をされることでしょう。

そこで大変僭越ではこざいますが企業の業績分析のポイントについてほんの少しだけとりあげたいと思います。

業績の分析における重要な指標のひとつは利益額でありますが、損益計算書ではいくつかの段階の利益が記載されています。

各利益の意味するところは数多ある解説資料をご参照いただくとして、ここではシンプルに各利益段階のうち、最もあるいは唯一重要といってよい利益は「連結当期純利益」であることを強調しておきます。

■連結当期純利益でなければならない理由

決算書の分析ガイド的な記事をみると「本業の収益結果を表す営業利益を重視しましょう。」とか「企業の恒常活動の成果をみる経常利益で判断しましょう。」といった指摘が挙げられていることをしばしばみかけます。

その企業が日本国内のみでビジネスを行い、M&Aもせず新規事業も展開しない、資産評価は簿価で許される部分が多い伝統的産業であれば、営業利益や経常利益で収益力を分析・判断してもよいでしょう。

しかし皆さんが投資先候補にあげるような企業とは、グローバリゼーションを積極的に展開し、新規事業やM&Aに臆することなくこれに挑みつつ、一方で収益を押し上げるためには法制度や国内外の税制を高度に活用するなどの経営を行う。

このように様々な経営の技法を用いて企業価値を向上させようとする企業でありましょう。

そうであるならば企業の利益もまたグローバリゼーションや新規事業、M&A等のアクティビティを反映したもので見なければなりませんし、それは時価会計、減損会計、税効果会計等を十分に反映した利益ということになります。

となれば見るべき利益は「連結当期純利益」1本でよく、かつこれが必須といえます。

■具体的な考慮点

売上高から売上原価を差し引いた利益を売上総利益と呼びます。これは業種や企業によっては「粗利」「限界利益」「付加価値」を指しているケースがあります。(厳密にはそれぞれ異なりますが・・・。)

この売上総利益から販売費及び一般管理費(販売、管理、研究などの部門の総費用)を差し引いた利益が営業利益となるわけですが、次に営業利益から最終利益である当期純利益に至るまでには以下の事象(⇒損益項目)があり、現代の企業経営においては無視できないものばかりであります。

●連結対象となる子会社以外であっても事業投資のためにM&Aや出資を行う相手先は存在しえます。こういった連結子会社のみならず事業投資先企業からの収益(あるいは損失)も正しく取り込む必要があります。

⇒営業外損益(持ち分法投資損益、受取配当金など)で発生

●一方で収益だけでなくリスクも捉えねばなりません。事業の先行きが怪しくなればそれにかかわる資産の価値を引き下げて、損失として認定しなければなりません。

⇒特別損益(減損損失、投資事業損失、固定資産除却損など)で発生

●複数年度にわたる事業の収益の算定が大きく見直される(損失が発生する)場合、過年度にかかわる損失分まで当該年度にて一気に影響することがあります。

⇒特別損益(前期あるいは過年度損益修正損)で発生

●海外の税制の影響、さらにはこれに対するタックスプランニングの成果、さらには事業収益の見通しが悪くなれば、繰延税金資産の取り崩しを余儀なくされ、当該年度の税金(試算)額が増えることになります。

⇒法人税や法人税等調整額で発生

営業利益段階ではこれら事象のインパクトは反映されませんし、経常利益段階でも不十分です。そこですべての要素を反映した連結当期純利益を用いるべきであります。

■まとめ

昔であれば営業外損益はせいぜい受取利息・支払利息、所有不動産の賃貸収入・支出くらいだけでほとんど発生無し、資産はもっぱら簿価評価だったので評価損の発生はごく稀、税金はかかってしまうから仕方ないのよねという形で営業利益×本邦の実効税率イコールほぼ当期純利益というシンプルな図式が当てはまるケースが多かったかもしれません。

しかしながら現在は国際的な事業展開を背景として、上述した時価会計、減損会計、税効果会計等を十分に反映した連結当期純利益でないと、企業の成績を正しく測れません。

今やかりそめの利益といっても過言ではない営業利益や経常利益だけで投資判断を下されることのないようご留意願います。

(あとがきにかえて)

わざわざ触れませんでしたが当然ながら業績は単体ではなく連結でみるべきであります。また連結当期純利益は配当金額の算定根拠としてもよく用いられるという視点からみても大事な利益指標であります。

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時折、新聞に書かれた企業決算を知らせる記事を読むと、間違って書かれているケースに出くわすことがあります。〇経新聞ですらも見かけます。企業の決算発表内容をよく理解していないまま記事を書いている記者がいるわけです。

困ったことですが、このような誤った記事を鵜呑みにしないためにも企業の損益計算書の仕組みを十分に理解しておきたいものですね。

これにて今年のRefrainは終わり、駄ブログは次回から平常営業運転に戻ります。

2018年11月11日 (日)

長期投資はそのゴールまで、我慢一辺倒なのか【Refrain2018】

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(投資のリターンはいつ使う?)

個人投資家ブロガーの間で時折紹介される本多静六の著書「私の財産告白」は大変意義深い内容であり、他の個人投資家同様にWATANKOにとってもまた投資と人生を考えさせられる推薦図書のひとつであります。


さて上述の著書で紹介されている「本多式四分の一貯金法」ですが、これはいまさら言うまででもありませんが給与所得の1/4を天引き貯蓄する方法です。本多氏はこの方法を給与所得だけでなく、インカムゲイン(利子収入)にも適用しています。

ここでWATANKOがちょっとだけ着目したのは、文章から読み取るにインカムゲインは全額ではなくその1/4のみを資産運用に廻しており、残りの3/4は生活費に充てているということです。

資産運用の規模が大きくなってくればインカムゲインもまた増えます。そこから3/4を生活固定費にまわしていったわけです。

もともと赤貧な暮らしからスタートした本多氏にとっては年々増えるインカムゲインの上乗せにより、家計生活は徐々に楽になっていったことでしょう。コツコツ貯蓄と運用を続ける一方で目の前の消費にもきちんと気を配っていたというわけです。

ちなみにですが明治時代の金利を例にとると3~7%程度の模様です。(JETRO 郵便貯金の発展とその諸要因 第1図 郵便貯金と東京有志銀行の損貯金利子の推移

仮に5%として年間手取り給与所得の1/4を貯蓄し、金利5%で運用。その3/4を生活費に廻したとします。1/4×5%×3/4=0.94%の利子収入が翌年の給与所得に上乗せされて生活費となります。単純計算では10年後には年あたり9.4%の生活費上乗せが実現できたわけです。

実際には給与所得自体の増額、投資リターンの再投資による複利効果などもあり、生活費の上乗せはもっとハイペースですすんだと思われます。

本多氏は「本多式四分の一貯金法」にて多くの財を成したわけですが、繰り返しますが一方で資産形成の過程において日々の消費生活への恩恵も忘れていなかった、とWATANKOは解釈しました。

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では現代の我々はどうでしょう。投資先からのインカムゲイン含めたリターンの一部を長期投資の予定期間の途中で費消することは全くの悪なのでしょうか。

(TYPE-A)

投資の効率のためにはその中途で得たリターンはすべからく再投資に廻して、最大限のリターンを追求します。もしも単年度当たりのリターンが比較的高くない水準であればなおのこと、投資効率を最大限活かすためには全額再投資するに限ります。長期投資の最終ゴールに到達までリターンは一切欲しがりません。

(TYPE-B)

投資の成果を早速享受したいです。とりあえず見込みリターン分を頂戴しておきますから、あとは残り分でじっくり増やしてください。ひょっとしてこの先、投資元本が棄損するかもしれませんから、いまのうちに少しずつ使ってしまうのが合理的です。(幻におわるかもしれない利益を先取りする派。これはいわゆる毎月分配型投信と同じ。)

(TYPE-C)

投資のリターンを一切全て再投資に廻すことが合理的かもしれませんが、再投資一辺倒だと、投資元本をひたすら貯めて投資にまわし続けることについて、ゴール到達時の喜びだけでは投資期間中のインセンティブとしてはもの足りないです。やはり年々のリターンの一部は目の前の消費に充てたい。その喜びがまた更なる投資の継続の動機付けを強めます。

このブログにお越しになる聡明な皆さんであれば、上記のうちTYPE-Bを選好する人は少ないと思われます。

それではTYPE-AとTYPE-Cではどちらでしょうか。

ひょっとして中には若い頃はひたすら投資効率を重視して年々のリターンは全て再投資に廻し、ひたすら雪だるまをつくることを是としてきた人(TYPE-A)であっても、壮年を迎えるころには人生の時間を多少なりとも意識する、仕事のキャリアや育児・教育も一定の落ち着きやゆとりを得るころになるかもしれません。

そうなると目の前の貯蓄・投資と消費の間にバランスを取りはじめようと考える(TYPE-C)ことは不思議ではないでしょう。

長期投資はそのゴールまで、我慢一辺倒なのか。いやいや長期投資の途中で、そのリターンのいくばくかを目の前の消費生活に充てる生き方は、人生の家計のうえでバランスがとれているといえるかもしれません。

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さて最近のキャッシュ(配当や賃料等)イン重視の資産運用をされている方々は、上記に当てはめるとすればTYPE-Cなのでしょうか。

WATANKOは原則として「配当イラナイ&再投資歓迎」派でありますが、実際にBNDやVTIから定期的に収益分配金(元本取り崩しは含んではいません!為念。)をもらうと嬉しい気持ちが刹那湧いてきます。

しかしながら、すぐさま「これも来る暴落に備える緩衝材なのだ。」と思うと、とても使う気にはなれません。

そんなメンタリティを持ってはいますが、上記記事はできるだけ客観的な立場に立って書いてみました。

大所高所からみれば、どちらにしても長期投資に資する形であればGOODであります。

(あとがきにかえて)

妻ミサト「TYPE-C!、TYPE-C!。TYPE-Cしかあり得ません!」

WATANKO「わかりましたよ。で、今度はナニが欲しいのですか・・・」

妻ミサト「とりあえずアウトレットに行きましょう。最近、増床したことだし。」


2018年11月 9日 (金)

損益通算で繰越欠損を控除できるといっても所詮、限られた慰めでしかない【Refrain2018】

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(この記事はUPした当時は確定申告のシーズンでありました。)

確定申告のシーズンです。しかしながらWATANKOは勤務先で昨年から担当し始めた翌年度の予算づくりの仕事に追われており、自身の確定申告の準備はほとんど手つかずで焦っています。来週末には毎年申告業務を代行してもらっている税理士と打ち合わせしなければならなのに...。

・・・というわけで、今回の記事は確定申告で思い出しましたネタ(ただし素人風)であります。ただしブログ記事を書いている暇があったら確定申告の準備をしたらどうか、というツッコミはどうかご容赦ください。

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いまから7年前、2009年の税制改正により「上場株式等の譲渡損失」と「上場株式等の配当等(公募株式投資信託の収益分配金を含みます)」を通算できるようになりました。

損益通算するためには、申告分離課税を選択して確定申告する必要があります。さらに上場株式等を譲渡して生じた損失のうち、その年に控除しきれない金額は、翌年以降3年間にわたり株式等の譲渡益、および上場株式等の配当等から控除することができます。(通算損失の繰越控除)

一見、これはリスクをとって投資をした者に対して大いなる福音のように思えますが、あまり過度な期待はしない方が良いでしょう。

1.先ず損失ありき

いくら損益通算といっても、とある年に損失がでたからといって遡って前年、前々年の利益と通算して、過去に支払った税金を還付してもらおうというわけにはいきません。必ず先に損失が発生することが大前提です。

例えば証券投資を3年間行った以下の2ケースを比べてみます。

A:1年目 損失30万円、2年目 利益10万円、3年目 利益20万円
B:1年目 利益10万円、2年目 利益20万円、3年目 損失30万円
AとBでは損益の累計は同額の0です。しかしAでは1年目の損失を2、3年目の利益と通算することによって2、3年目の利益を申告で0にできますが、Bでは3年目の損失に対して過去の利益には遡及して通算できないので、1、2年目の利益に課せられ、支払った税額は払いっぱなしです。

もしBのケースの時に3年目に発生した損失に嫌気がさして、投資から撤退してしまったらどうでしょう。貴方は1、2年目の利益に関する忠実なる納税者であり、3年目の損失を全て個人で丸抱えした素晴らしいリスクテイカーです。ただし称賛されるかどうかはわかりませんが。

Bのケースでは1、2年目に支払った税金は永遠に戻ってはきません。この個人がこのままでは税金の単なる払いっぱなしでは終わらせたくないと考えたなら、証券投資を4年目、5年目と続けることで利益を創出し、3年目の損失と通算させることが1、2年目に税金を支払ったことに対するせめてもの鎮魂歌でしょう。

こうやって国は投資の損失を被った個人に対して、耳元で「さあ、巻き返しのためにも更に投資を続けましょう。」と囁いているのでしょうか。

2.次に売却を促す

損失を発生させて確定申告をした個人、さあ今度は相場の回復基調に乗って〇〇〇で利益を稼いで、以前の損失と通算するぞと頑張ります。〇〇〇にはご贔屓の金融商品をいれてイメージしてみてください。

安倍でもレーガンでもいいですが、目論見があたって△△△ミクスによって保有商品に評価益が発生しました。あきらめずに投資を続けた成果が出てきたわけです。

さてここで過去の損益と通算させるためには、保有商品を売却させて利益確定させねばなりません。しかし特段、資金が必要でもなく、しかも長期投資のために金融商品を購入したのに損益通算をやりたいがためにわざわざ売却するのは本末転倒ではないでしょうか。

ここでまた国は含み益をもった個人に対して、耳元で「さあ、今度は税金もかからないことだし、売却後の利益で人生をエンジョイしましょう」と囁いて、投資の成果を消費(税の増大)へと結びつけようとしているのでしょうか。

嗚呼、どうやっても何か国の囁きが聞こえてきそうな感じです。

3.コンペされるのは税金分のみであること

当年の通算損失を翌年以降に繰越控除することによってコンペ(補償)されるには、あくまで税金分のみであり、損失の全体額ではないことをよく理解する必要があります。

例えば1年目に300万円の損失が発生した一方で、以降2年目から3年連続で利益が100万円ずつ発生しました。そこで確定申告によって欠損300万円の繰越控除を3年連続でキッチリ行い、2年目以降3年連続の利益累計300万円は非課税となりました。

さて結局この個人の収支はどうでしょうか。2年目以降の利益が非課税となったことで税率20%とすれば合計60万円の利益が手元に残ったのですが、1年目の損失300万円に対して戻ってきたのは税金分の60万円であり、差額の240万円はその個人が被った損失として依然として残っているわけであります。

もし税率が50%を大きく超えるような高率であれば、繰越控除もやりがいがあります。しかしながら投資で得た利益に対してそのような高い税率が課せられるようであれば、そもそもリスクをとって投資するインセンティブが働きませんので、よい投資環境とは言えません。

4.バイ&ホールド個人投資家にとってどれだけ役にたつものか

バイ&ホールドによる長期投資の投資スタイルをとる個人投資家の場合、損益通算を利用する機会が実態としてどれだけあるでしょうか。

せいぜいETFを保有している場合、収益分配金に課せられる税額を回収したいがために評価損が出ている他の商品をいくばくか売却するくらいでしょうか。

その商品はひょっとして売却後の翌年には値上がりして、たいそうな評価益が出るかもしれないというのに!

通算損失の繰越控除とは個人が全投資期間の中でわりと繁雑に売買を行う場合であって、しかも損失が先に発生するケースに限られ、そのあとに利益がでれば売却を行うという投資スタイルをとっていないと利用機会がかなり限られます。

損益通算できるようになりました。さあ損失を恐れずガンガン投資してくださいといわれても制度を実際に利用しようとしたときの現状はこんなものです。

5.本当に欲しい税制措置

投資に関する税制では是非実現してほしいと考えているのはキャピタルゲイン(株式等の譲渡益)についての非課税措置です。

株式等について、過去に損失を発生させようがいまいが関係なく、売却して利益が出ても非課税です。

香港やシンガポールなどでは導入されており、世界から投資マネーを呼び込むインセンティブのひとつとなっています。

国が個人に対して「貯蓄から投資へ」と個人資産を動かしたいのであれば、損失リスクを許容して元本保証のない金融商品を買わせたいのであれば、そのくらいのニンジンがあっても過剰ではないと考えますが如何でしょうか?

金持ち優遇税制?いえいえ、株式等を購入しているのはお金持ちだけではなく、市井の個人だって該当します。

投資額が大きい=キャピタルゲインの非課税の実額が大きいということで批判が出てくるのであれば、一旦一律に課税して、課税所得が一定額以下の個人に限定して、当人が確定申告をすることによってキャピタルゲインに関して納めた税額が還付される制度にしてもよいでしょう。


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振り返ってみますと、前半はちょっと妄想っぽい書きぶりです。

いずれにしても損益通算は儲けるスキームではないことをよく理解する必要があります。

損益通算の前提には「損失ありき」なのですから。

2018年11月 7日 (水)

生活防衛資金で守るのは家族の生活ですか?それとも投資の元本ですか?【Refrain2018】

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(多くの皆さんとは逆の発想であり、ご意見お待ち申し上げます。)


生活防衛資金とは提唱者の木村剛氏の言葉でいえば「世の中で何が起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、絶対に自分と家族の生活を守るための資金」ということです。

著名なインデックス投資ブロガーであり、相互リンクさせていただいている吊られた男さんが、この生活防衛資金と投資資金の取り崩し優先順位づけについて記事を書かれています。

吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)
生活防衛資金の位置づけや取り扱いは、意外と難しいぞ

いざ自分や家族の身に不測の事態が生じて、一定のまとまった金額が必要になった場合、資金の取り崩し順序として生活防衛資金と投資資金のどちらが先かというものです。

ひょっとして少なくない人が、いや多くの人が「投資資金は温存し、生活防衛資金から取り崩す」と考えてはいませんでしょうか。

しかし元本保証がないリスクを受け入れて投資に供することができる資金(=一定の損失を受け入れることを認容した資金)を温存して、生活維持の最後の砦ともいうべき生活防衛資金から先に取り崩すというのは、よく考えると生活防衛資金の本来の役割に反してはいませんでしょうか。

個人の家計において生活防衛資金を貯めること自体は、それ以外の余裕資金でもって投資をするしないにかかわらず重要な考え方です。

もしも不測の事態に陥った場合、生活防衛資金とは投資資金よりも先に取り崩すべき資金であるならば、「生活防衛資金を先ず確保しましょう」という主旨の裏に隠されたメッセージは「世の中で何が起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、『投資』をやめずに継続するために生活防衛資金を確保しよう」ということになりはしませんでしょうか。

■もっと露骨に言いましょう

不測の事態とは、例えば病気や失業により家計が逼迫して現金が必要となった事態をさすとしましょう。その際にあいにくと災害や景況悪化などによって相場もまた下落し、投下資金も元本割れを引き起こしている状態であるとしましょう。

そのような時に生活防衛のために金融商品を売却すれば損が確定する。そんな展開を回避したいという心理がここには潜んでいるかもしれません。

繰り返しますが生活防衛資金を確保するという考え方自体は非常に堅実であります。

その生活防衛資金とは投資資金よりも家計上、維持優先度が高い資金です。そうであるならば不測の事態がおきた場合には先ず投資資金から取り崩すべきでしょう。

なにせ投資資金のもとになっているのは余裕資金であるわけですから。

この取り崩しがあまりに多額に及び、いよいよ投資資金が枯渇した場合に、最後の砦としての生活防衛資金があるのではないでしょうか。この考え方の方が生活防衛資金の理念に沿っています。

生活防衛資金を確保されている皆さん。いかがでしょうか?

■WATANKOは生活防衛資金ゼロ

人それぞれなので、別に真似してくださいという気はまったくありませんが、WATANKOの場合、以前から記事に書いていますとおり生活防衛資金はゼロです。

そのかわりに不測の資金需要が生じた際には、目前にある投資待機資金委に加えて投資商品を必要分だけ躊躇なく解約して資金需要に充てることにしています。なにせ生活防衛資金がゼロですから選択の余地はありません。

もちろん相場状況によっては売却損が伴うことはあり得ますが、仕方ありません。もともとリスク許容度の範囲内で投資を行っていれば認容できるでしょう。

それに生活防衛資金分も投資にまわしたフルインベストメント状態により投資効率MAXであったことで理論上、最大のリターンを追求できています。

後年の確定申告における損益通算でいくばくかの補填の可能性が期待できます。そしてそもそも一度に投資資金の全額を取り崩すような事態にかならずしもなるとは限りません。取り崩し額は限定的、ゆえに損失もまたしかりというのが現実的な展開予想ではないでしょうか。

最後にもう一度。

生活防衛資金で守るのは家族の生活ですか?それとも投資の元本ですか?

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世間で唱えられている投資の技法のいくつかに対して、WATANKOは自分なりにその解釈を進めた結果、自分としては採用することが適当ではないという結論にたどり着くことがあります。

コア・サテライト投資がそのひとつであり、この生活防衛資金もまたそのひとつであります。

投資に常勝、全勝はありえません。

資金が必要になった時に商品を売却し、損失が確定する。

そういった事態を甘受する覚悟は持つべきでありましょう。

2018年11月 5日 (月)

運用成果は%か金額か、どちらでみるべきか【Refrain2018】

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(都合のイイ使い方でOK!)


この駄ブログは2010年3月に開設し、以来8年8か月が経過しました。これまで記事を1,600本UPしてきましたが、その中から自分自身の投資やライフスタイルその他についての考え方を記したものを1年に一度、Refrainと称して何本かとりあげて再度紹介しています。(なお初回時に対して一部追記・修正してあります。)

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個人投資家が自身の投資の成果を測ろうとした時、%などの指数でみるべきか。それとも金額でみるべきか。皆さんはどちらを採用していますでしょうか。

「本質的には%だろうが金額だろうが違いはない。そんなもの、どちらも同じではないか」

・・・という冷静な御仁。貴方は正しい。これから先の駄ブログ記事を読む必要はないでしょう。

さてここでは長期投資を続ける個人投資家であれば、どちらを採用すべきかという視点で話を進めます。

まず考えるべきことは何でしょうか?

それは運用成果を測定し、これを自覚する動機です。

長期投資とは、これをチキンレースと解釈し、いつ撤退するべきか、そのシグナルを捉えるべくビクビクしながら運用成果を定点観測するのでしょうか。

いや違います。自らの固い意志のもとに長期投資を継続する個人投資家であれば、長期投資に資する形で運用成果を定点観測するべきです。

そのためには以下のマインドが長期投資には必要と考えます。

★運用成果がマイナスの時であっても過敏に反応しないこと
☆運用成果がプラスの時においても過信しないこと

そこで以下提案致します。

★運用成果がマイナスの時には%でみる

例えば長年、投資を続けて累計投資金額が30百万円にもおよんだところで、XXXショックが発生して投資元本が大きく棄損した場合、

A)投資元本が▲30%となった。
B)投資元本が▲9,000千円となった。

AとBではどちらが個人投資家にとって心理的なマイナスイメージがより大きいでしょうか。

WATANKOが投資のリスクと積み立て投資の意義を理解する個人投資家の目線に立ってみると「▲30%というのは正規分布の中で稀にありえることだ、まだ半分以上の元本が残っているし、反対に+30%となるケースもあるわけだから一時的なボラティリティのひとつにすぎない。しかもこれから積み立て投資する際には、30%も安く買えるチャンスだ。」と想像できませんか。(現実的にはボラティリティは単年度だけでなく複数年度にわたっておきることがありますが、ここでは話を単純にするために割愛します。)

一方で9,000千円の損失となると、これは我々庶民が日々の生活における消費行動で取り扱っている金額レベルに照らすと非常に大きな金額です。また視点を変えてみれば生活防衛資金の2~3年分かもしれません。

そのため被った損失は%でみた時よりも心理的なダメージがより大きくなりはしませんでしょうか。

「9,000千円あったらマンションの頭金にできたのに!ベンツやBMWが買えたのに!」

長期投資を続けようとする個人投資家が一時の損失についてこれを金額でとらえることは損失に過度に反応してしまい、狼狽して短絡的な損切りに走ることを助長しかねません。

そこで個人投資家が長期投資を続けるのであれば、損失に対するとらえ方は金額ではなく%で捉えることがひとつの心理的なコツではないでしょうか。

☆運用成果がプラスの時には金額でみる

では運用成果がプラスの時はどうでしょうか。30百万円の投資元本に対して、ABNミクスが発生して投資元本が大きく収益をあげた場合、

A)投資元本が+30%になった。
B)投資元本が+9,000千円となった。

AとBではどちらが投資の成果としてよりホクホク感があるでしょうか。30%だと人によっては個別株の大成果に比べて「1.3倍か。2倍、3倍と儲かったわけでなく、ちょっと物足りないかな。」と不満げに思う場合もあるかもしれません。

これに対して9,000千円だと「2~3年分もの生活費が稼げた。飛鳥Ⅱ<豪華客船>で世界一周旅行にいける。」と成果をより実感できるのではないでしょうか。

さらに30%ではなく、9,000千円という大金の成果をあげたとみることで、ある程度の達成感・満足感をもたらし、もっと大きな成果をもとめて欲をかきすぎる(=過大なリスクをとる)ことなく堅実な投資を継続するマインドを保ち続けることができるのではないでしょうか。(いや、それとも過信してもっと儲けたくなる気持ちが増大するのかもしれませんね。)

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以上のとおり、損失が発生した時は%でこれを見て心理的なダメージを緩和し、利益が発生した時は金額でこれを見て満足感・達成感を得る。後者については過信しない(欲をかきすぎない)こと、リスクコントロールを心がけることに対しても心理的に有効でしょう。

WATANKO自身の例でいえば、運用中の資産残高は日によっては3%程度下落することは珍しくありません。これは金額では3,000千円となり、WATANKOにとっては相当に大きな金額が減っているなと感じます。

しかし3%とみておけば、「まあボラティリティがあるのだからしかたないよね。」と冷静さを幾ばくか保てる心理が働きます。

また7年弱の資産運用で運用資産は+50%を達成したわけですが、個別株やFXで爆当たりした個人投資家と比べれば、7年弱もリスクに曝して「たったそれだけ?」かもしれません。

しかし金額でみれば34,000千円儲かった、フェラーリ458イタリアが買えると思えばホクホク感、一定の達成感(=以降の過度なリスク回避)が湧いてきます。

(あとがきにかえて)

・・・今回の内容は所詮まやかしと言われればそのとおりです。しかし長期投資のモチベーションを継続し、リスクコントロールを忘れないようにするためにはまやかしでもなんであっても効能があると思われることは取り入れてもよいでしょう。

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この話、実は雑記ネタに近いものではありますが、皆さんは普段、どちらで運用成績をみているのか気になり、まずは自分の意見を述べてみた次第です。(なお記事中の数値については、当時のままであります。)

ちなみに普段の仕事における資料作りやプレゼンにおいても、2つの数字を比較する場合、その差異を%で表現するか、それとも実額で表現するかというのは、その全体のストーリーラインに基づいて臨機応変にするものであります。

2017年8月15日 (火)

【お盆記事Refrain④】介護にかかる支出についてのアドバイス

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(老親、そして自分もいつか、ここに還る時が来ます。)


さて、お盆にまつわる過去記事の紹介、第4回目は老親の介護がテーマです。

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ココログのアクセス解析機能によると、この駄ブログへ来訪いただく方の7割近くが30代以下であり、ご両親がまだまだお元気な方が多いことでしょう。

しかしそうした30代の方々にとってもやがては40代、50代を迎えると、高齢となったご両親の介護に直面することになるでしょう。WATANKOの両親はすでに他界しましたが、そこにいたるまでには色々と介護エピソードがありました。また周囲の親類や知人にも同様に親の介護にかかわってきた事例をいくつかみてきました。サンプルとしてはn=10といったところです。

それをもとにこれまで介護関係の記事を以下の通り書いてきました。

関連記事

介護費用の見積り

(続)介護費用の見積り

親の介護と終末にかけるお金

(続)親の介護と終末にかけるお金

なぜ投資ブログで介護の記事を書くかというと、個人投資家にとって投資とは家計と表裏一体であり、その家計に大きな影響を与える支出として住宅、教育、保険などと並んで介護があるからです。

そこで30代以下の皆様が将来、ご両親の介護問題に直面するときのために、WATANKOから上記関連記事で触れたこと以外で、介護関連の支出についてささやかながらアドバイスをいくつか記したいと思います。

1.すぐ使える現金を手元におく

例えば突然入院することになった際に保証金10万円を求められたりします。入院に当たってのただちにまとまった物品購入が必要になります。入院以外でもなにがしかのまとまった費用がかかるなど不測の事態があります。自分が仕事で急には出向けないときに家族に代行してもらう際にも現金が必要です。

ともかくも介護問題が勃発すると色々こまごまとやることが同時発生しがちです。当座のお金を手元においておくことくらいは普段からやっておくべきでしょう。

2.物品や設備は慎重に

2階への階段に手すりをつけたものの、そもそも2階にあがらなくなった。手押し車を買ったものの足腰が悪くてほとんど使っていないという話をよく聞きまます。なかには古い家の入り口に段差対策として階段を作り直したりやスロープをつけたけれど、すぐに認知症が進んで徘徊するようになり、自立歩行の補助どころか四六時中の監視が必要になったなどの例もあります。

介護関連の物品や設備は役にたたなくなってもほかに転用が効かないものが殆どです。親が少しでも楽な生活が出来るようにと先回りして色々と買い揃えたり、住居の手直しをしても空回りすることがしばしばあります。

3.介護サービスはどんどん使おう

一方でヘルパーによる家事手伝い、デイサービスやショートステイは予算面の制約もあるかもしれませんが積極的に使いましょう。あなたをふくめ介護に関わる人たちの疲弊を緩和するためにも一定の利用は必要であり、使った分だけ介護する側の時間も心身もゆとりができることは確実です。

WATANKOの母もお試し入居分なども含めれば、住んでいる市内の3~4カ所の施設をスポット利用しました。

4.むやみに長期入院させない

ちょっとした怪我や病気で入院させることがあった場合、必要以上の「念のため」延長入院はさけて早めの退院をさせるべきです。入院の医療費の期間や回数が嵩むことは家計を圧迫するだけでなく、本人のその後の生活の質にも大きな影響を及ぼします。

そもそも高齢者の心身の状態は月日が経つにつれて悪くなることこそあれ、その逆はまずないと覚悟しておいた方がよいです。そんな中においては現状維持ができれば十分だといえるでしょう。そこへきて骨折なり病気による寝たきり入院生活を経てしまったあとでは、自律的な生活ができる能力はかなり高い確率で衰えます。そうなるとその対策のために更に余計にコストがかかるようになります。

5.適切な選択のためにも日頃から情報入手

介護の発生はいつになるか事前予測は困難です。そこでいざというときに備えてケアマネの確保や地元の特養施設、24時間介護施設の費用や空き具合など状況を把握しておくことが必要です。

いざ発生した時、いろいろとやることがありすぎて施設の情報入手と費用も含めた詳しい検討を行う時間がどれだけとれるでしょうか。たまたま斡旋された施設がとても高額な場合でも他を検討する余裕が果たしてあるでしょうか。

6.親の所有財産を事前に把握

認知症にかかってしまうと所有財産に関する情報や書類のありかを本人から得ることは相当困難です。認知症の兆候がみられたら、あるいはそれ以前から、本人あるいはその配偶者含めて今後のことを毅然として話し合い、所有財産に関する必要な情報をすべて開示、引き渡ししてもらうべきです。成年後見人制度の活用も必要かもしれません。

以上、ご両親の介護が発生した際に備えて、お金にからむ事項について僭越ながらアドバイスさせていただきました。

(あとがきにかえて)

WATANKOの勤務先の直接の上司(57歳)が親の介護問題を取り組んでおり、最近よく早退する姿を見かけます。兄弟がいるようですがそちらもまた配偶者の親の介護につきっきりのようなのでなかなか分担ができず苦労している模様です。そんな様子をみて過去記事の紹介を含めて今日の記事を書こうと思いつきました。

冒頭話したとおりWATANKOはもう介護すべき実の両親はいませんので、このように介護にかかわる記事を書く機会は今後はほとんどないかもしれませんが、きたるべき妻の両親の介護にかかわった時に何かまたメッセージを思いつけば記事にするかもしれません。

必ず訪れる親の終末。心身もそうですがお金の面でも過度にすり減ることがないように準備をしておきましょう。あなたを大事に育ててくれたご両親はあなたがそんなふうにすり減ってしまうことを決して望んでいるわけではありません。

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老親の介護はひとりひとり置かれた状況は異なるでしょうが、ある面の割り切りが必要です。時には親の言うことを無視してでも大所高所からの判断が必要であります。

さてお盆記事Refrainは今回で終了として、次回からこの駄ブログは平常運転に戻ります。


2017年8月14日 (月)

【お盆記事Refrain③】お盆シーズンで稼ぐ人たち

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(新盆の飾りや見舞いはいつまで続くのか。)


さて、お盆にまつわる過去記事の紹介、第3回目は母親の死去後に迎えた新盆時のお話であります。

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WATANKOは今年は例年にも増して御盆シーズンを慌ただしく過ごしています。家計面では亡き母の新盆ということもあり、WATANKO家では総額50万円以上のお盆出費がありました。

その中身はというと、

1.新盆の飾り棚一式(業者いわく基本料金15万円から。追加提灯などオプションも多数揃っています。)

2.新盆お見舞いの返礼品(我が家では揖保の糸にしました。)

3.お寺への盆供や施餓鬼法要料(我が家の戒名だと12万円也。ネゴ不可)や当日お手伝いへの心付け

4.飾り棚や御墓への献花(数日毎に取り換えるため合計で16束購入)

5.来客用の御茶菓子、オードブル、飲み物等(買っても買っても足りなくなる。累計で段ボール数箱分か)

などです。

これらの品物を調達する際にも近所のスーパーやGMSは激込み状態。我が家と同様の調達のために多くの家庭がバンバン買い物にやってきます。なおここにお盆シーズンでお父さんが夏休みに入り、さらにお母さんも家事をお休みとなり、買い物に繰り出してくる家庭も加わります。

こうやって各家庭にて支出が増えれば、それを収益にする以下の方々がいるものまた事実。

葬儀業者および関連業者

新盆の飾り棚を構成する什器備品のほとんどはリユースのようです。また提灯などの購入品も材質をよくみれば、代金の割にはあまり材料費がかかっているようには思えません(=粗利率高そう)この手のサービス・商品はその回転率や在庫・物流コスト、人件費(特に工数)などの実態がよくわかりませんが、業者の決算書を見てみたくなりました。

お寺

お寺は宗教法人であれば本来の宗教活動にかかわる法人税、源泉徴収税、印紙税、登録免許税、各種地方税、境内の資産にかかる固定資産税などは非課税となります。宗教活動以外の収益事業は行っておらず、年収が8千万円以内なら税務署への収支の申告、提出は不要です。8千万円とはずいぶん高い気がしますね。

結果、収入に占める可処分所得の比率は通常の法人・個人よりもぐっとあがります。

建築業者

結構盲点なのがこれです。周りの事例をみる限りですが、親の死去を機会に古くなった家の入口の土手を綺麗なコンクリートのスロープにしたり、残る高齢の家族のために手すりを取り付けたり建具を変えたり、はたまたバリアフリーに改装する機会が目につきます。たいていはお盆の前に施工を完了させています。その工事代の原資は故人が遺した資金かもしれません。

以上のようにひとたび人が亡くなれば、それは多くのお金が動くきっかけになります。WATANKOは自身の死去後の扱いについてWATANKO家の引継書(いわゆるエンディングノート)に記しておく予定ですが、自分の葬儀やその後のイベントにかけるお金について華美なことはしないよう、よくよく書き留めておくつもりです。

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上記の記事を書いて4年が経過しましたが、近所の新盆を見ていると、最近は簡素化の傾向にあります。昔からの近所づき合いが代がわりと共に少しずつ薄れてきたことが背景にあるのでしょう。お盆シーズンで稼ぐ業者も徐々に収益面では厳しくなってくるでしょうか。

WATANKOの孫の代あたりにでもなれば、新盆の飾り付けやご近所間での見舞いもすっかりなくなっているかもしれませんね。

2017年8月13日 (日)

【お盆記事Refrain②】お墓の改修にお金をかけるか否か

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(お墓、直しますか?)

さて、お盆にまつわる過去記事の紹介、第2回目は親の死去に伴って浮上したお墓の改修にまつわるエピソードであります。

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亡くなった母の納骨を無事済ませました。母の遺骨はWATANKO家代々の墓に納めることになり、父が亡くなった時以来久方ぶりに墓石屋もとい石材屋に墓の開放と墓石への母の戒名の打刻を行ってもらいました。

WATANKO家は自宅から2~3百メートル離れたお寺の檀家であり、先祖代々の墓も墓地の端に大谷石に囲まれてしっかりと建っています。墓は昭和21年に建立されたもので長男であった父、そして私が墓守をしてきました。

今回の納骨にあたって墓を開けた石材屋いわく、遺骨はすでに3つ(祖父母、父)入っており、今回母の分を収納するとほとんどスペースが残らない、WATANKOと妻の2人分が確保できるか微妙であるとのこと。見てみると確かに残りスペースはだいぶ少ないです。

石材屋はこれを機会に墓石の下をもっと掘り起こして拡張し、遺骨の収納スペースを確保するのもよいのではないかと提案してきました。

さらには今後の長年のメンテナンスしやすさを考えて、同時に墓石の周りの砂利敷きも撤去して石を敷いてしまう、入り口の階段も勾配がきついため段数を増やして上がりやすくするなど諸々の改修を同じく提案してきました。

WATANKOはすかさず「それで、費用は大体おいくら万円ですかね。」と聞くと、おおよそ1,000千円との即返答あり。

もちろん、一連の提案は石材屋さんの巧みなセールストークであることは見え見えなのですが、WATANKO側も母の死去というイベントに接して先祖代々の墓に対する関心が高まったのもまた事実であります。

墓の改修なんてこんな機会でもないと手掛けないであろう。次に墓を開けるときはほぼ間違いなくWATANKOか、もしくは妻の遺骨を入れるときであろうし、そんなときに遺骨の収納スペースに子供たちが難儀するかもしれない。またWATANKOがこれから30年くらい墓守することを考えたらメンテナンスもしやすい方がよいだろう。

などとつらつらと考え、よしそれじゃあ4月の父の命日は済んだら夏のお盆シーズンの前までに一丁改修するかという方向に気持ちが大分傾いてきました。

そこで早速、お墓の改修費用は葬儀費用の一部として処理できないか(相続資産の算定上、控除できないか)と気になったので税理士に問い合わせました。

しかしながら不可との回答。

理由は墓というものは税務上、課税対象となる資産と見なされていないため、これにかかる費用も損金にできないとのことです。改修を実行するなら相続人による自腹か、あるいは被相続人が生前に実行しておけば、その支出分だけ現金資産が減った(課税対象額が減った)となるわけでした。

墓の改修費用は葬儀費用として認められそうではないかと勝手に想像していたWATANKOは、それを聞いて改修意欲がマイナス50%です。

さらに妻の一言が効きました。

「別にお墓なんて整備しなくてもいいんじゃない?お墓を綺麗にして子供たちに墓守の負担をかけるような方向にもっていきたいとは思わないわ。私は墓にこだわらないわよ。遺骨なんてその辺にチャッチャと撒いてもらって構わないわ。」

うーん、でもですね、将来の我々の納骨の時に収納スペースが足りなくなって、その時になって子供たちに改修などの手間をかけさせるのも悪いし...自分たちの骨の収まりどころくらいはしっかりと確保しておきたいですが。

「うーん、スペースの問題を解決しておきたいというのはわかるわ。最後は貴方にまかせます。貴方の家のお墓だし。」

うわっ、なんか冷たい、というよりホントにお墓にこだわっていないのねという気持ちがありありと伝わってきました。

これで改修意欲がさらにマイナス20%です。

そこへきてとどめの話。

母の納骨後、葬儀屋さんが自宅においてあった返礼品の残品を引き取りに来ました。そのついでに葬儀屋さんに「墓の改修について、石材屋さんからかくかくしかじか言われたのですが、皆さんどうしているのでしょうかね。」と聞いてみました。

葬儀屋さんいわく「遺骨が増えるたびに収納スペースを気にしていたら墓がいくつあっても足りません。墓の納骨スペースの下には土間スペースが設けてあるでしょう。納骨スペースがいっぱいになったら、古い遺骨から順に粉砕してその土の中に還してあげるのです。それが自然なかたちです。」

なんと明快なソリューション!!WATANKOにとっても納得感が高く、妻も賛成でした。

というわけで、WATANKOの改修意欲は霧散し、あと一歩で墓の改修に1,000千円投じるところを留まりました。

息子たちには我々の遺骨を納めるときにスペースが足りなければ、彼らからみた曾祖父の遺骨を処分してもらえばよいです。そして我々の曾孫が親(孫)の遺骨を納めるときには同様に我々の骨を処分してもらえばよいです。

これもまたWATANKO家の引継書(俗にいうエンディングノート)に記すべき重要事項です。早速追記せねばなりません。

メモメモ

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最後に「我々の曾孫が親(孫)の遺骨を納めるときには同様に我々の骨を処分してもらえばよいです。」と書きましたが、そんな100年以上も先の時代にはお墓自体が残っているかどうか怪しいですね。せめてお墓がなくなっていたとしても、子孫を草葉の陰から恨んだりはしないつもりです。

妻ミサト「最後の文まで前回のRefrainしなくてもいいわよ。」

2017年8月12日 (土)

【お盆記事Refrain①】墓代に お金をかける 虚しさや 盆の夏夜に 虫はなきけむ

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(お墓参り、していますか?)

お盆にシーズンに突入しましたが、関東地方では鬱陶しい雨模様が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。さて今回から何度かにわたり、お盆、そしてそこから連想されるお墓、老親にまつわる過去記事を紹介します。なおいずれも記事も最低限の加筆修正を加えてあります。

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文学部卒のWATANKO、久方振りに俳句を詠んでみました。

『墓代に お金をかける 虚しさや 盆の夏夜に 虫はなきけむ』

(現代語訳)「生前ではなく自分が亡くなったあとのお墓にお金をかけるとはなんと虚しいことか。毎年、夏のお盆に墓参りをする人を迎えるのは冥途の者ではなく、ただの虫の鳴き声にすぎないのに」

東京と異なり地方では8月13日~15日にかけてお盆シーズンです。WATANKOは先日近所にある我が家の墓の掃除を行いました。毎年、墓掃除はお盆の前だけでなく、春・秋の彼岸前や父母の命日にも行っています。

WATANKO家の墓は墓地の端、土手の傍にあり、足場が悪くかつそれなりの大きさであるため、周辺の枝打ち、落ち葉掃き、雑草取り、墓石や備品の洗浄、献花とやると1時間弱コースとなります。かなり汗だくになります。

面倒ですが近所に住む叔父・叔母らが墓参りにくるため事前のメンテナンスは欠かせません。これもまた本家・長男・一人っ子の宿命だと思って諦めています。

一方の妻ですが「自分が年老いてからは子供の世話にはなりたくはない」と常々言っています。

認知症が進んだ自分を面倒みる迷惑を子供(夫婦?)にかけるのは嫌だと。

心のどこかで疎んじられながら嫌々面倒をみられるのはお互いにとって辛い話だと。

妻はこれまで色々と各方面から伝聞してきた老人を世話する話をうけて、自分は子供たちの世話にはなりたくない、老後の自立生活がおぼつかなくなれば、さっさと施設に入所すると言っています。自分の老後の世話で子供たちを縛り付けて彼らの生活を疲弊させたくないのでしょう。

そして決めゼリフとして「だから老後の施設入所資金を蓄えておいてね」とよく釘を刺されます。

そんな妻ですが、今回墓掃除をするWATANKOの様子を見て、今度は「死んだ後も、子供たちに手間をかけさせるくらいならお墓なんていらない。死んだら粉にして海かそこいらにでも撒いてくれれば十分」と言い出しました。

当然ながら自身のお墓にお金をかけるなどばかばかしいとの考えです。

妻は普段は概ね保守的な価値観を持つ妻ですが、老後や死後のことになるとこのようにとことんドライ志向です。老後は全てお金で解決。死後についてはお金をかけても仕方ないので一切不要というわけです。

かくいうWATNAKO自身も妻の意見にことさら反対するわけでもありませんでした。


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お墓については、年月がすぎメンテナンスする子孫がいなくなって荒れているというニュースを時折見かけます。

参照記事
Yahoo!ニュース「荒れ墓」「無縁墓」…墓を継ぐ人がいなくなる

WATANKOは現在の家のお墓を亡き父が手に入れるための苦労を知っているため、出来る範囲でメンテナンスを続けようと思っていますが、WATANKO夫婦がいなくなったあとは子ども達の判断に任せるほかありません。せめて子ども達が墓を撤去するようなことがあるとしても、草葉の陰から恨んだりはしないつもりです。

2016年11月13日 (日)

バランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資【Refrain 2016】

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(バランスファンドのメリットをとことん活かしましょう)


さてインデックス投資を実践する個人投資家の皆さんの中には単一アセット商品を自分で買いそろえてポートフォリオを構築する方もいれば、リバランスいらずのバランスファンドをメインに据える(+人によっては多少の単一アセット商品で補完する)方もいます。

昔のように低廉なバランスファンドがまだ少ない時代であれば、前者のケースをとる人が多かったかもしれません。しかしながら今現在においては安くて様々なタイプのバランスファンドが揃ってきたことによって、なかには自分の思い描くアセットアロケーションにかなり合致した商品を選ぶことが出来るようになり、後者のケースも増えてきているかもしれません。

そこでこれから始めるバランスファンド選びを活かしたシンプルなインデックス投資を改めて提案してみたいと思います。

1.バランスファンド1本を積み立て投資

まず今後の積み立て投資を行うにあたって、その時点で売られているバランスファンドの中から、現在の自分にとって採択したいアセットアロケーションに一番近い商品を1本だけ選択し、積み立て投資を行います。

2.より理想的な新商品が発売されれば積み立て先を切り替え

積み立て投資を継続する過程で自分にとって、より理想的なアセットアロケーション、あるいは積み立てしている商品に比べて大幅に低廉なバランスファンドが新発売されたら、積み立て投資先を躊躇なくそちらに切り替えます。一方で積み立てしてきた既存バランスファンドはそのまま保有します。

資産取り崩しステージになったら、あるいは途中で資金需要が発生したら、古いバランスファンド(その時点の自分が採択しているアセットアロケーションとの乖離が一番大きい)から売却します。

例えばその昔、セゾン・グローバル・バランスファンドを選び、そのうち世界経済インデックスファンドが発売されると、債券も含め新興国投資を重視してこちらの乗り換えを行う。さらにはREITへの分散を図りSMTインデックスバランス・オープンへ新たに乗り換えるとったイメージです。

この場合は分散投資をより徹底させたいという方針のもと、伝統4資産から新興国やREITへの分散を強めた商品が発売されればそちらに乗り換える指向をもっており、これに沿った積み立て先の切り替えです。

3.年1回の検討結果で切り替えても良い

また新商品のバランスファンドが発売されなくとも、年1回定期的にこの先1年間の自分の望むアセットアロケーションを再確認し、場合によっては別の既存バランスファンドに乗り換えるという手法もあるでしょう。

例えば、若い頃は株式アセットの長期的成長に主眼をおいてeMAXIS全世界株式インデックスを積み立てしてきましたが、壮年期を迎えてリスクを抑えたくなり世界経済インデックスファンド(債券シフト型)に切り替えるといったケースです。

このようにその時々で自分にとってベストなバランスファンドを1本選び、これに積み立て投資する。より自分にマッチした新商品が発売されれば、あるいは年月を経て自分のアセットアロケーションに変更が生じたら、躊躇なく切り替えるとうシンプルなバランスファンドによるインデックス投資です。

ここで強調しておきますが、これ以外の余計なことは一切せずにひたすらバランスファンドの利点を最大限活かすことがキモであります。なにか余計なことをしてしまうともうそれでもってバランスファンドを選んだ意義が薄れてしまいます。

(まとめ)

●今の自分に一番合うバランスファンドを1つ決めて積み立て投資する。
●新商品の発売やアセットアロケーションの考え方の変更に伴い、積み立て先を躊躇なく変更する。
●過去の保有商品はそのまま保有。資金需要があれば古い商品から売却する。

バランスファンドに関心が高い個人投資家の皆様におかれまして、以上のとおりこの駄ブログからバランスファンドを活用したシンプル投資法を謹んで上奏致します。


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もしもWATANKOが子ども達に長期保有を前提として金融商品を進めるとしたら、迷わず低廉なバランスファンドを選びます。どーんと買わせて後はひたすらほったらかしでOK。その間に以下のような図書でも読んで、金融リテラシーを涵養してもらいたいです。


さて、これにて2016年のRefrainはおわりです。次回よりこの駄ブログは平常運転に戻ります。

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